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2008年7月 1日 (火)

東証の金ETFは、アメリカの信託受益証券だ!

本日の日経の経済面には「東証、金ETF上場 商品投資個人と接点」という記事が載っています。

ETFというのは、上場している投資信託であり、株価指数に連動したようなものがメインだと思います。

実は、金ETFとしては、すでに大証でも「金価格連動型上場投資信託」が上場しています。これは、現物の金ではなく、金の値動きに連動するような債券に投資するようなものです。

でも、東証の方は、信託財産として金の現物を所有し、アメリカの銀行に預けているようです。

いずれにしても、金の値動きに基本的には連動するような商品なのですが、金の現物か債券かの違いで、これらの信託財産をいれている箱が投資信託か否かの差異がでてきます。

投資信託法施行令3条で投資信託の対象となる財産は決められていて、株や債券や不動産はOKですが、金はだめのようです。

そうすると今の法律では投資信託として金ETFを作れない。だけど、現物の金をベースにETFを作ってお金をかき集めたい。

東証の公表した資料によると、「当取引所は、本年3月に先般改正された信託法に基づいて、商品を直接信託財産に組み入れ、その受益権に基づいて発行された証券を「商品現物型ETF」として上場する制度を整備しました。」とあるから、これは、新信託法に基づく、受益証券発行信託を上場しているようなものかなあと思って、昨日提出された有価証券報告書を読んだら「本信託の管理は信託に関するニューヨークのコモンローおよび制定法に準拠します。」ということで、外国信託受益証券のようです。

また、この外国信託受益権は、すでにアメリカ(NYSEアーカ)やメキシコ、シンガポールでも上場しているようですね。

この外国信託受益証券というのは、日本の税法であてはめると外国法人課税信託みたいなものになるのではないかな。特定受益証券発行信託(税法上の特典のある受益証券発行信託のこと)というのは、あくまでも日本の法律で作った信託がベースのはずだし。日本国内で全く運用しなかったら、外国投資信託とそんなにかわらないですからねえ。(一応 Edinetでは、外国信託受益証券・信託受益権のカテゴリーであり、外国投資信託証券ではありませんでした。)

課税上の取扱いなのですが、有価証券報告書を読みながらですが、特徴的なこととしては、個人の場合は配当控除が使えず、法人の場合は受取配当の益金不算入が使えない。外国株のようなものですからね。

で、ここからマニアックなお話で、アメリカでの税金はどうなっているか、 どうも所得税はかからない可能性が高いようですが、この受益権を相続でもらった場合は、アメリカで税金がかかる可能性がある。贈与の場合ないようですが。

一応、有価証券報告書の米国遺産税の方をこぴぺしておきます。

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米国遺産税および贈与税

 米国連邦税法では、米国の市民または(遺産税および贈与税目的で決定される)居住者のいずれにも該当しない者に関して、米国が「帰属地」となる財産全てに遺産税が課せられます。そのような課税目的上、本受益権の帰属地が米国であるとみなされる可能性があります。そうなった場合、本受益権は日本の個人所有者の米国総財産に含まれることになります。2008年度に関しては、課税対象財産の適正市場価額の上限45%の税率で米国遺産税が課せられます。米国遺産税の税率は、将来的に変更されることがあります。それに加えて、一定の状況では、米国連邦「世代間移転税」が課せられる可能性もあります。

 米国の非市民および非居住者については、一般的に、有形の個人財産または米国を帰属地とする不動産のみに米国連邦贈与税が適用されます。有形の個人財産(金を含みます。)は、それが実際に米国にある場合には、米国が帰属地となります。本件は未決着ですが、本受益権の所有は、課税上本受益権の裏付けとなる金の所有とはみなされず、金を米国のカストディに預託している場合も同様です。その代わり、本受益権は無形財産とみなされ、保有者の生存期間中に譲渡された場合には、米国贈与税の対象にならないものとします。

 日本人の本受益権の個人保有者には、日本と米国間の遺産および贈与税条約に関する潜在的な適用を含めて、それぞれの特定状況における米国遺産税、贈与税、および世代間移転税の適用について、自身の税務アドバイザーに相談されることをお勧めします。

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