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2008年8月22日 (金)

研究法人ができるらしい。

今朝の日経の一面トップは、「共同研究、新型法人で促す」です。

企業が単独ではなく、共同で研究開発するための新しいツールとして研究法人を作りましょう。これは、既存の鉱工業技術研究組合をリニューアルして使い勝手のよいものにするというもののようです。

今日、はじめて 鉱工業技術研究組合なるものを知りました。

この研究法人というのは、まず法人だから、法人格を持ち、その法人としていろんな取引をすることができる。普通の組合というのは単なる契約だからそうはいかないけどね。

なお、鉱工業技術研究組合というのは、組合というネーミングだけど法人みたいです。

ご参考

(鉱工業技術研究組合法)

第2条 鉱工業技術研究組合(以下「組合」という。)は、法人とする。

法人に出資者が出資した場合、その出資した金額、株式をイメージしていただいたらわかるのですが、これは、出資した側で資産として計上されるので、出資金額を費用処理することはできません。出資した側で費用処理ができるということは、その分、出資した法人の利益が減るから、その利益をベースに計算される法人税等も減るというメリットを得られるということですが、これが株式の場合は得られないということ。

でも、研究法人は、このメリットが受けれるということです。というのも、この研究法人は鉱工業技術研究組合をリニューアルしたもので、鉱工業技術研究組合は出資した分が、税務上費用処理可能とされているようだからです。

ちなみに新聞では、有限責任事業組合(LLP)も拠出金を費用計上でき、税負担が軽いと書かれていますが、実際は、そうではなく、LLPで損失が生じたときに、一定部分出資者の所得からその損失を控除してもらえるということです。

ご参考

租税特別措置法施行令274

 法第42条の412項第1号に規定する試験研究のために要する費用で政令で定めるものは、次に掲げる費用とする

三 鉱工業技術研究組合法第13条第1項の規定により賦課される費用

鉱工業技術研究組合法第13条第1

組合は、定款で定めるところにより、組合員に組合の事業に要する費用を賦課することができる。

最後にこの研究法人が大化けして上場もねらえそうになった場合は、会社に転換することもできるようになるようです。今の鉱工業技術研究組合は、そうではないようですが。

これは、経産省の認可が必要なようですが、もしかしたら使えるかもしれませんね♪

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コメント

そう
非出資農事組合法人とかでも可能です
いったん、出資農事組合法人に移行し、株式会社にさらに移行可能です

投稿: みうら | 2008年8月29日 (金) 19時00分

 研究法人において賦課金を何で処理するのか。

1)株式会社化した時に、賦課金を資本金に振り替えるのかな、なんて考えると出資金処理もアリかなと思う反面。費用の二重計上(研究法人側と拠出側でそれぞれ費用計上)になるので、やはりナシかなと。

2)私は預り金で処理して、支出時には預り金を取り崩すのだろうと思ってました。

3)益金処理は課税当局が考えそうですね。受け入れ時は収益、支出時は費用。そうすれば、毎期において拠出額=支出額にならなくても税金の取り漏れは生じない。

投稿: 有田賢臣 | 2008年8月28日 (木) 00時00分

1)研究法人とLLP
 法人であれば、損益の配賦など面倒な処理が避けられて、確かに楽ですよね。

2)研究法人と共同出資株式会社
 共同出資株式会社の研究設備購入資金を「研究委託費」として拠出するのは無理ですね。もし拠出したとすれば「寄付金」でしょうか。
 では、鉱工業組合に研究設備購入資金を拠出した場合には、試験研究費として認められるのか。とここまで考えて、ふと気付いたのは措令27の4って税額控除の規定ですね。一括損金算入の規定ではない。
 日経新聞の費用計上の記事が誤りなのか、それとも一括損金算入の規定が別にあるのか。
 なお、通常、研究設備購入支出は減価償却費相当額のみが税額控除の対象額となりますね。この点について鉱工業組合の賦課金のみ特別扱いするとは思えません。
 鉱工業組合のことが分からないと議論しづらいですね。
 

投稿: 有田賢臣 | 2008年8月27日 (水) 23時51分

つづき、 あまり深く考えずに 思考を続けていますので、ミスがあったら指摘してください。

研究法人の例を考えているのですが たとえば100円出資スしますね。
出資法人  損失 100  現金 100

研究法人 これは出資の受け入れなのか、単なる益金か
      現金 100  出資 100
      現金 100  益金 100

  収入100とすると研究法人は資本のまったくない法人という取扱いになるのか。
でもそう考えないと、W損失計上にもなりますしねえ

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2008年8月27日 (水) 13時53分

有田さん

適格現物出資は間違いですね。気づきました。大ミスです。

たとえば 50%ずつ出資 片方が100円の現金 片方が含み資産があるものを拠出した場合 たとえば、時価100円 簿価10円のものを支出した場合の処理を考えると

鉱業は 損失 100   資産 10
             利益 90

LLPは 現金 50   資産 5
             利益 45
ですね。

組合課税が広まらないのは、相互譲渡処理が難しいというのがあるので、それがクリアできるのはいいのではないか

出資という概念は投資家サイドにはないが、研究法人側は資本という概念は残っていますよね。

1円ずつ出資するという方法が一番いいというなら誰もLLPでは出資しないはずですが、現実にはLLPを使った例もありますからねえ。

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2008年8月27日 (水) 13時42分

 適格現物出資なるほどと思いましたが、研究法人に出資の概念はあるのですかね(まだ誰にも分かりませんが)。
 鉱工業技術研究組合は、組合成立時においても出資の必要がない感じですね。剰余金の分配も認められてないように思いました(鉱工業技術研究組合法15条)。

 1円ずつ共同出資して研究委託株式会社を作って、研究委託費用を払うのと何が違うのでしょうね。

投稿: 有田賢臣 | 2008年8月27日 (水) 12時39分

有田さん
決算時に、LLPも出資金の範囲内で費用が損金となるというところでとらまえると鉱工業もLLPも同じと考えられます。

ただ、LLPの場合、たとえば、含み資産を現物出資してスタートした場合の相互譲渡の複雑な計算や途中で加入した場合の複雑な計算が必要ですが、団体課税をすることにより、そのような不要な計算が必要でなくなる。全部譲渡で計算しますから、また、うまくいけば適格現物出資も適用できるかもしれない。適格現物出資の対象は「法人」だから

そうなると、ややこしい計算のデメリットは緩和される。

税金面ではこのへんか

所得が出てからの拠出が損金となるかどうかというのは、まずむずかしいのかもしれませんが、それは今の条文ではいまいちわかりません。おそらくいろんな要件がでてきてそうなるとは思われますが

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2008年8月27日 (水) 09時17分

 鉱工業技術研究組合のことは全く知りませんが、何で拠出時に費用になるかを考えてみました。たぶんですが、主務官庁に届け出る収支予算に基づいて、拠出額=その期の費用 になるからですね。

 それならLLPでも同じです。

◆組合員の会計・税務処理
(拠出時)
 組合持分/現金
(決算時)
 費用/組合持分

ということで、当期の費用になります。

 研究法人は団体課税でしょうね。収益があがれば(株式公開まで考えているのですから、収益をあげることを想定しているのだと思います。)、研究法人の所得となると思いますが、そのときに組合員からの拠出を原資とする支出はもちろん費用にならないですね。
 LLPでも拠出額までは損金計上できますから、研究法人にどこまで意味があるのかと思います。

投稿: 有田賢臣 | 2008年8月27日 (水) 08時50分

suetaxさん おはようございます。

そうです。あなたのおっしゃるとおりでございます。

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2008年8月22日 (金) 10時16分

新聞に「LLP拠出金が費用計上できる」とあったので、自分の知識が追いついていないのか???と心配でしたが、損失が生じた場合に出資金の範囲内で必要経費に算入できるということですよね。

投稿: suetax | 2008年8月22日 (金) 10時00分

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