« 分別管理 | トップページ | 楽天が生保に参入するらしい »

2008年8月 7日 (木)

パーム格油デリバティブ

 今朝の日経の経済2面に「金融派生商品 食品原料高騰に対応 三井住友まずパーム油向け」という記事があります。

 今朝の日経のWorld Market(6)によると ドバイ原油の価格は116.3116.4ドルです。狂乱的な高騰が一服して下がり基調のようですが、全般的に食い物の周りの材料は高値が続きそうな状況です。

食い物周りの材料を買ってきて、加工して、製品作って売るような会社は、値上げを売値に転嫁できないと業績が悪くなってしまいます。そうなると、材料の購入費を固定させて、将来の値上がりによるリスクをさけたいというニーズが、いっぱいあるはずです。

そんなニーズに応えるための商品として使えるのはデリバティブであり、三井住友さんがメロディアンミニでおなじみのメロディアン(大阪の八尾が本社だったのですね)に「パーム核油」のスワップを販売したようです。

メロディアンさんは、パーム格油を継続的に買っていらっしゃるのでしょう。たとえば、パーム核油 1単位あたり、現在の時価が100円とします。 これは時価だから、将来、@200円になるかもしれない。そんなリスクを避けるために、スワップを組みます。

このスワップでは、たとえば、メロディアンさんが時価でパーム核油を売り(時価でお金を受け取る)、パーム核油を@120円で買う(@120円でお金を支払う)という契約とします。

そうすると、時価が200円になった場合、 メロディアンさんは、実際のパーム核油の支払は@200円ですが、 スワップ契約により @200円受け取り、@120円支払うから、スワップ契約と実需取引をまとめてみると、実質的には@120円の支払ですむことになり、時価の値上がりによる80円分の損をカバーできることになります。

ただし時価が100円になった場合も、120円の支払をすることになるから、スワップ契約をした場合は、値下がりによる20円の利益を放棄する結果にはなります。

このスワップ取引の原理はそんなに難しくないのですが、会計や税務の処理は結構大変です。これは、借入金の利息じゃないから、実際にでていったお金のところだけさくっと帳簿にのっける特例処理というようなものは使えません。

何もしないと、時価で処理をしないといけないから、毎期、デリバティブの時価を金融機関から取り寄せた資料をベースに評価しないといけません。この時価というのが、結構でかくて、会社の損益に大きな影響をあたえるところもありますし、評価益がでかいと、お金の裏づけのない利益なのに税金を払わないといけないという経済的な問題も生じます。

時価をクリアするためには、ヘッジ会計、税務を適用させないといけない。税務上の要件を満たすためには帳簿記載が必要なのだけど、信託大好きおばちゃんの過去の経験を照らして考えてみると、これをやってない会社というのがとっても多いのです。

また、事後チェックですが、この事例にあてはめると実際の買掛金の支払と、スワップによる入金の比率が80% から125%のレンジにおさまるかというようなやつなんだけど、この辺の知識というのが、いまいち日本にあまたある中小企業に伝わっていないのではないか。失敗すると、ごめんなさいではすまないのにねえ♪

|

« 分別管理 | トップページ | 楽天が生保に参入するらしい »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 分別管理 | トップページ | 楽天が生保に参入するらしい »