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2008年10月24日 (金)

リーマンのCDS清算損騒動がもたらしたこと

今朝の日経のトップ記事は、「日米欧金融機関の損失処理を促す」です。CDSとは、企業の倒産保険みたいなもので、このデリバティブを買った人は保険料を払うかわりに倒産したら保険金をもらいましょうというもの。

 このCDSの決済の方法は、現物決済(倒産したら持っていた債権を渡して保険金をもらう)というものと現金決済(倒産したら債権を渡さず保険金をもらうというもの)の2つあるらしい。「クレジット・デリバティブのすべて第2版」を読んだところ、現物決済の方が主流のようみたいですが、先日、公表した、リーマンの清算価値8.625%ということは、どうも現金決済の場合、結果的にCDSの買い手に支払われるの91.375%という意味のようです。

 CDSの売り手の方は、いずれにしても保険金額の91.375%は支払わないといけない義務が生じ、リーマンの想定元本が世界中で54兆ドルらしいので、その91.375%を払えとなると世界中のCDSの売り手である金融機関が倒産し、世界大恐慌に突入するという疑心暗鬼がかけめぐりました。

 結果としては、そんなに被害は生じなかったのですが、それは、このCDSの売り手が、ババをつかむリスクを避けるために、他の人からCDSを買うようなケースが多かったからではないでしょうか。

 怖かったのは清算による損失ではなく、疑心暗鬼の方です。

 CDSの売り手には、ヘッジファンドがいたようです。彼らは、清算にあたってドルで清算金を払わないといけないけど、そんなにドルをもっていないからユーロ建てである資産を売却してドルに換金しないといけない。そうなるとユーロ売り、ドル買いが増えることになるだろうと、市場の参加者がいっぱい考えたから、よけいにユーロがドルに対して安くなってしまった。

 デリバティブに関して、清算機関ができるようですが、そうなると、いったい誰がいくらデリバティブをしているかというのがわかり、結局、いくら最終的に損失があるのかもわかると、疑心暗鬼によりおかしなことがいっぱいおこることも防げる。お化けは見えないから怖いようなものだからね。

ウォーレンバフェットさんは、デリバティブは金融上の大量破壊兵器とおっしゃったそうです。なるほど、デリバティブで儲けた利益というのは、難しい数学をベースに計算したようなものですが、所詮は絵に描いた餅。ちょっとした匙加減でどうにでもなるようなところもあるらしく、それゆえにデリバティブのプレーヤーや経営者は巨額の報酬を得たようです。そして、実際の損失が生じたときは、彼らは退職したあと、損失をかぶるのは、債権者や株主。おかしいですね。

でも、信託大好きおばちゃん的には、デリバティブはこれでおしまいとは思わないですね。特にCDSは、なかなか使い勝手がいいものです。日本ではあんまり発展していませんが、今回の危機やその後の制度の整備を経て、結構、日本においては使われていくのではないかなと思うのです。

 

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