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2008年11月28日 (金)

お家騒動  一澤帆布の場合

 相続争いというのは、人が財産を残してこの世を去り、その財産をもらうことのできる人が複数存在する限り、永遠に続くものです。

 根っからの悪人というのは、この世にあまりいないと思うのですが、額に汗するよりも大きな財産をもらえるかもしれないという絵に描いた餅が目の前にぶらさがると、人は狂いだします。

 一澤帆布という会社があります。上質のかばんを作り続けていらっしゃる京都の会社さんです。

会社をコントロールしたい場合、社長になるだけではだめで、その会社の株式をいっぱい持たないとうまくできません。会社は株主のものですからね。チーママの地位はつらい。結果をださないと、また、オーナーのご機嫌を取り結ばないと明日はないからね。

さて、一澤帆布さんの先代が数年前にお亡くなりになられたそうですが、そのあとの事業は三男さんが引き継がれたようです。先代が、三男を後継者と定めたならば、当然、会社の株も三男に引き継がせたいと通常は思うはずです。

遺言書がでてきました。しかし、その遺言書というのは2通あったのです。

一通は、三男夫妻に渡すというもの。 もう一つは、長男(全然事業にタッチしていない)と四男に渡すというもの。

しかも、長男への遺言の方が、日付が新しい。そうなると、2つの遺言が適法ならば、新しい遺言が有効とされるわけです。

で、この問題は裁判沙汰となったなり、世間に知られるようになったのです。

以前に三男さんが訴えられたようですが、これは最高裁までいき、三男さんの負けが確定。今回は三男の奥さんが訴えられたようです。

記事によると、大阪高裁では、長男に対する遺言は無効であり、三男を解任した株主総会決議も取り消されたようです。先代は、一澤の文字に執着していたのに遺言書で使われた認印が一沢であるのは不自然だし、内容も不自然だからということのようですが、まだ、判例はネットで公開されていないので詳細はわかりませんが。

この争いが大阪高裁で終わるとは思えません。きっと最高裁までいくでしょうね。

相続争いを避けるためのツールとして遺言は有効ですが、こういう想定外のケースがおこってしまうと、遺言では対応できません。

この問題は、先代がほんとうはどうしたかったのかをきっちりと汲み取り、親族に伝えることができる第三者の存在がいなかったから大騒動に発展したのかもしれませんね♪

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コメント

こんどは、三男の勝ちでした。
でも、まだ続くのですね。えんえんと・・・・

相続争い、やはりお金が絡むと人が変わる例をしめした
今回のお家騒動ですが

働く人の気持ち、両者とも考えたのか疑問です。

三男さんに職人が流れた様ですが、本当に三男さんを
慕って付いて行ったか疑問の様です。

ある意味、職人さん達も損得で動いていますから。

投稿: ふきこ | 2009年8月 9日 (日) 13時02分

はじめまして。
(と言いつつ…昨年信託の質問等を何度もメールでさせていただきました厚かまし~いヤツです。HNをクッキーと申します。)

私は京都出身ですので、一澤帆布のカバンは愛用しております。ホントに何年重労働をさせてもくたびれない、骨のあるヤツhappy01です。
相続問題は発生時より注目しておりました。モノが良質なだけに、このような問題が発生してしまったことが、残念でなりません。
三男の方のブログでは、筆跡鑑定の証拠能力について問題提起されていました。こんなにいろんな鑑定方法が確立している中で、筆跡についてはまだまだだということにも驚きました。
この騒動が上手くおさまることをお祈りするばかりです。

投稿: クッキー | 2008年11月30日 (日) 22時26分

二十年ほど前に京都に住んでいたわたくし借方差異にとって「一澤帆布」さんはとっても懐かしい思い出があります。

わたくし借方差異は、その飾り気はないけれど実直な造りが安心させてくれるカバンや小物に魅せられて、お給料が入るたびにすこしづつ一澤帆布さんの商品を買い揃えていました。大半はもう押入れの奥に眠ってしまっていますが、いまでも現役ばりばりなのが「エプロン」です。確か当時で9800円ほどして買う時は「高いな」と思ったものですが、いまとなってはこれだけ使ってビクともしない品質からは、むしろ安すぎるのでは、という感想を持っています。

京都の老舗らしい地道で堅実、納得しなければカネを使わない「始末家」揃いの京都人に受け入れられるのも当然だ、と思わせてくれる一澤帆布さんの”お家騒動”はちょっと心配ですが、信託大好きおばちゃんさんがおっしゃるように、親族の間に立ち公正な情報伝達や意思疎通を助けることができる第三者がいなかった(入れなかった)のがこの一連の出来事の原因かもしれませんね・・・

さて、そんなわたくし借方差異はは一昨日昨日と久しぶりにその京都に足を運びました。紅葉真っ盛りの京の街は観光に訪れる女性でいっぱいでした。
そんな京都でおいしいコーヒーにありつける、お気に入りの場所がイノダコーヒーです。

http://www.inoda-coffee.co.jp/shop/honten.html

このイノダコーヒーで好きな本なぞ読みながらゆっくり過ごす、至福の時を過ごしてきました。
そしてこのイノダコーヒーにはひっきりなしに地元のおじさんとおぼしき紳士達が訪れ、なんやかんや京都弁でにぎやかに喋っておられます。それはそれは「なんかいい感じ」だなぁ、と感じられる光景です。

それに京都の街はやはり路地が良い。
個人経営の個性的な店が四条通りをちょいと入った路地にたっくさんある。
全国展開しているチェーン系店舗もあるにはあるけれど、「おっ」と目を引くのはそうした個性的なお店たち。

それに、日本電産、島津製作所、オムロン、村田製作所、任天堂、京セラ、大日本スクリーン、ワコール、宝ホールディングス・・・・

こう並べてみると「なんかひとクセ(ひとヒネリ)」ある企業が京都には生まれ、そしていまもシブトク生き続け、成長を続けている。

イノダコーヒーでおしゃべりしてるおじさんのパワー、路地に店を連ねる個性的なお店の数々、大企業といわれる規模になってもとっても個性的な企業の面々・・・

神社仏閣や伝統芸能だけではない「産業の街 京都」の可能性を改めて感じた今回の京都訪問でした。

投稿: 借方差異 | 2008年11月28日 (金) 17時06分

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