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2008年12月15日 (月)

海外子会社の配当非課税と、クロスボーダーの組織再編

今朝は、新聞が休刊の日みたいですね。自民党の税制改正大綱が先週、公表されました。今年の例にならうと、いつ、ほんちゃんの改正が施行されるのか、非常に流動的な状況ですが、

 今年の目玉の一つが、海外子会社からの配当が非課税というものがあります。

いまの税法だったら、たとえば外国の100%子会社が100稼いで法人税20支払って80の利益について源泉税8支払って72の配当を親会社が受け取りました。タックスヘイブン税制は適用ないものとします。

親会社の方で外国税額控除をつかって所得と税金を計算すると

 (72+8+20)×40%= 40 40―(20+8)=12

 72―12=60  税引後60の利益が親会社に残ります。

 考え方は、子会社は100の利益を稼ぎ、すべて親会社に配当として支払ったから、100の利益に日本の法人税の実効税率分だけ全世界で税金を払いましょうというもの。

これが改正でどうなるかというと

細かい計算は異なるのかもしれません、配当として受け取ったもののうち95%は非課税にしましょうというものだと思います。

源泉差し引き前配当が80だから、80×5%=4 4×40%=1.6 

手取りの配当が72で、ここから法人税1.6を差し引くと70.4の利益が親会社に乗るのではないのかなあ

 子会社の配当だけを特別扱いにすると、なるべく、利益は配当という形で吸い上げようと企業は考えますね。親会社へのロイヤリティなどの経費の支払は親会社サイドで日本の法人税が生ずるから減らそうとする。

 そうすると、待ってましたとばかりに、移転価格の調査でお上がやってきて税金を巻き上げる。

 あと、この配当の非課税というのは、みなし配当にも適用があるのでしょうか。きっとあるのでしょう。そうするとどうなるのか?

 いままで、海外の子会社間の組織再編などについては、厳密に日本の税法と照らすと非適格再編に該当するものが多くあり、組織再編時に株主である親会社サイドでみなし配当課税が生ずることがあると思いますが、あまり、海外の組織再編で親会社に課税がなされたという事例を聞きません。なぜかというと、海外の会社法などの知識が不足していること、その時点で課税しなくてもいずれ売却したときに課税できることなどが理由としてあげられると思います。

 でも、海外子会社のみなし配当が非課税であるとなると、海外の子会社の組織再編は非適格再編とした方がよい事例が生ずるかもしれません。

 また、海外の子会社が親会社の所有する株式を自己株式として取得したような場合は、日本の税法にてらすとみなし配当と譲渡益が生ずる可能性があります。現行の税法だと、みなし配当も譲渡益も同じ所得ですが、改正されると、みなし配当が非課税となるから、みなし配当がいくらかということを把握することが非常に大事になるかもしれません。

そのためには、上記にあるような海外の会社法などの知識の習熟が不可欠です。この辺をちゃんとカバーできる専門家にとっては、大ビジネスチャンスかもしれませんね♪

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コメント

8の源泉税は損金不算入、且つ直接税額控除の対象外ですよ。

投稿: b8871 | 2008年12月17日 (水) 11時08分

この辺をちゃんとカバーできる専門家として、いよいよ信託おばちゃんの出番ですね。ご活躍をお祈りいたします。

投稿: masat | 2008年12月15日 (月) 14時08分

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