今朝の日経と牛財務面に「相次ぐデリバティブ損失 原油乱高下でヘッジ裏目」というものがあります。
なにかと評判の悪いデリバティブですが、まっとーな企業がデリバティブを利用するのは、投機のためでなく、事業から生ずる損失をヘッジするためなんですね。通常は、
たとえば、石油をずっと購入し続けないといけない企業が、将来、石油が値上がりすることによる損失をヘッジするために先物の石油を100円で買う契約を結ぶ。将来、予想があったって石油の値段が150円になったら、実際の石油は150円で買わないといけないけど、先物の石油を100円で買って、150円で売るという取引をすると、50円の儲けがでるから、実質的には石油を100円で買ったことになる。
たけど、読みが外れて、将来の石油の値段が60円になったら 実際の石油は60円で買えるのに、先物の石油を100円で買って60円で売ることになるから40円の損がでて、実質的には石油を100円で買ったことになる。
この記事でごちゃごちゃ言っているのは、ようするに石油の値段の動きに対する読みを企業がはずして、60円で変えたはずの石油を100円で買わないといけなくなっちゃったということ。
ただデリバティブの損失がどかんといま、計上されるかというと、そうではない。もし、企業がヘッジ会計という方法をとっている場合は、デリバティブから生じた評価損というのを、発生時に計上するのではなく、いったん繰延る
つまり 期末等には次のような仕訳をきる。
繰延損失 ××× デリバ ×××
繰延税金資産×××
そんでもって、将来、石油を購入したときに次のような仕訳をきる
材料 ××× 繰延損失 ×××
繰延税金資産×××
損失が材料にオンされて、売上が生じたときに、売上原価に材料がはいり、その段階で損失として実現していくのでしょうか。
ANAとJALで繰延ヘッジ損失がどかんとでているようですが
両者の四半期報告書に載ってる繰延ヘッジ損益を書くと次のとおり
(M\)
H20/12/31 H20/3/31
JAL △239,656 8,187
ANA △103,395 22,269
3月時点ではデリバティブに関して利益がでていたけど12月には巨額な損がでている。でも、この損失は繰延られているので、貸借対照表に計上されている。
ヘッジ会計を適用するためには、先物の値段の変動と、現物の値段の変動がおおむねリンクしていないといけないのですが、乱高下が激しくなるとリンクしないと判定されてしまうこともある。そうなると、ヘッジ会計が中止となり、中止となってからのデリバティブの評価損益は損益計算書に反映されるので、デリバティブの評価損益という企業の経営の本筋とは違うものに決算数字が振り回されてしまうのです。これじゃかなわないということでデリバティブをやめたとすると、解約金がめーいっぱいとられるのでやめるわけにもいかない。
ヘッジのためにデリバティブを使ってメリットがあるのは、あくまでも相場が想定内で動いている場合に限られるのですね、はずれると地獄になる!
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