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2009年6月 9日 (火)

複層化された信託受益権の課税(ただし、アメリカ)その2

やっぱりでてきましたね。 信託協会が発行している信託2382009.5に松永和美さんが書かれた「米国の信託の税制について」の論文があります。

 松永和美さんと書くと、ひょっとして妙齢の美女ではないかと思われるかもしれませんが、   おじちゃんです。

 この論文をざーっと読んで、何のために書かれたかというと、複層化した信託受益権に関するアメリカでの課税関係を所得税や相続税を含めて紹介するというのが目的ですが、もっと根っこは何?と考えると、信託業界において取引高?が非常に多い証券化で用いられている優先受益権や劣後受益権のよりリーズナブルな課税関係をどうしても構築したい、そのためにアメリカの税制を一生懸命調べましたぁという想いがひし ひし と伝わってくるのです。

 信託大好きおばちゃんが、現在、利用されている優先、劣後受益権を定義すると

 優先受益権、 受益権を持っている人は信託期間にもらえる利益はとっても少ないけど、ほぼ100%投資したお金は戻ってきますよというようなもの

 

 劣後受益権  受益権を持っている人は信託期間等にもらえる利益は比較的多いけど、もし、万が一、信託財産の価値が暴落した場合は泣いてねというようなもの

 これらの課税関係をどうすればいいのかということで、4つの類型が考えられるのですが、おそらく、お薦めと思っていらっしゃるのが金融取引モデルだと思うのです。

 金融取引モデルとは、優先、劣後のうち、一番ババ部分の劣後受益権以外は、あたかも社債というか信託債を発行したかのように擬制し、受益者に支払う分配金は利子を支払ったようにする。そして、ババ部分の受益者だけが信託財産そのものをもっているというようにするものです。

 いわゆるペイスルーとパススルーを合体させたようなもの。

 優先受益者は、社債を買って利子を受け取ったような処理を税務上もする。たとえ、信託財産が不動産であってもね。

 税務上は、オリジネーターが、信託した資産を保有し続け、社債を投資家に発行しているようにしている。だから、資産に含み益が生じても、譲渡益という形で課税されることはない。

他方、会計上は(米国のお話ですが) オリジネーターは、資産も負債も有していない。つまり、オリジネーターの財務諸表に載ってこないし、信託設定して投資家が受益権を買ってくれて時点で譲渡損益が認識される。

一粒で2度おいしいというやつ。 退職給付信託の設定と似てますねえ。

ただ、もし、日本でストリップス債(アメリカ国債を元本と利息部分に分けて、それぞれ割引債として発行流通させるようなもの)のような金融商品を組成した場合、つまり、優先劣後ではなく、元本、収益受益にわけわけして、それぞれを流通させるような金融商品を開発したような場合の課税関係はどうなるのかなあ?

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