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2009年6月25日 (木)

帰ってきた受益者連続改造計画 

 3回ほどやって、一度とめましたが、ちょっと復活します。今日もマイナーな話題ですので、オタク系以外の方はスルーしてください。

 受益者連続信託というのは、受益者が次々他の者に代わっていくことを前提に設計されている信託です。

 信託の受益権のいいところは、フレキシブルな形で分割できることです。この受益権を収益受益権(信託期間中に生じた利益をもれる権利)元本受益権(たぶん、信託期間終了後に財産をもらえる権利)に分けることもでき、もしこのような形で分けて別々の人がもらった場合は、相続税や贈与税は、信託期間中だったら、すべて収益受益権が財産をもらったものとして税金を計算してね。つまり元本受益権は0だよということです。

 これ、非常に評判が悪い。収益受益権として10しかもらえない人に対して100もらったものとして税金をかけるのはおかしいでしょ? ということが評判が悪い理由なのですが、

 でも、ほんとうに損ばっかりなのか、この課税スキームは? 

 いえ、そうばっかりとは限らないですよね。

 元本受益者は、信託期間中はどんなに価値があってもただで移転できるんですよ。実際に物が手に入らないから別にいいと思われるかもしれないけど、物以上の価値のあるチカラが手に入る場合もある。

 何をいっているかというと、株式です。株式の権利は、配当をもらう権利、残余財産をもらう権利、そして、議決権を行使する権利があります。議決権自体は、受託者が行使するのだけど、議決権をどうするかを行使する権利をどうするかは信託で決めることができる。会社法のからみがあるから、受益者以外の者(委託者が行使するケースもありますが)が指図権を持つのは問題があるけど、受益者が指図権持つのは問題ない。

じゃ、収益受益者と元本受益者が別人の場合、どっちが議決権指図権を持つか? これはどちらともいえないけど、なんとなく財産評価通達のコンメンタールなんか読んでいたら(これは信託法の改正であんま改訂されてない)元本受益者が持ってることを否定してはいない。

 つまり、元本受益者は、受益者連続信託の場合、移転のたびに、転々と無償で議決権を引き継ぐことができる。

 でも、収益受益者が全部株を持っていると考えるから、収益受益者の方で相続税や贈与税を課税するから問題ないじゃん♪ と思われるかもしれません。

 なるほど、たしかに上場株の場合だったら、経済的実態がどうであれ、きちんと移転のたびに税金がとれるからいいかもしれない。でもここで問題としているのは、非上場株なのです。

 非上場株の相続税の世界での評価というのは、12価です。オーナー一族の場合は、会社の財産的価値をベースにした評価で、いわゆる泡沫株主は配当の利回りをベースにした評価であり、一般的には、オーナー一族の株価の方がはるかに高い。

 だから、たとえば、収益受益権をたくさんの従業員等オーナー一族以外の者が次々と持ち続け、議決権指図権付の元本受益権を次々オーナー一族が持ち続けるとどうなるのか。

従業員→従業員の収益受益権の移転は、株式そのものの移転となるけども、評価が配当利回りなので、たいしたことないのです。たとえ税金を納めるとしても。

他方 オーナー一族→オーナー一族の場合は、信託期間は無償で議決権指図権が移転できる。そして、信託期間の最後に元本受益者であるオーナー一族は、収益受益者たちから、財産的価値をベースにした株式をもらったものとして相続税か贈与税が課税されるとなるのです。

じゃ、同族会社の株式を収益、元本でセパレートして議決権指図権が元本受益者にある場合は、元本受益者が全部株式を持つものとして評価すればいいのか? そうすると議決権をわけわけして、オーナー一族に災難がこないように構築する人が必ず現れる。

いまのところ議決権指図権の評価は0. 

だけど、株式の価値 特に、非上場の会社の価値というのは、通常は、議決権指図権がすべて、

うーん どうすればいいのだろう♪

ご参考(疲れますけど)
9条の3  受益者連続型信託の特例受益者連続型信託(信託法(平成18年法律第108号)

91条(受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例)に規定する信託、同法第89条第1項(受益者指定権等)に規定する受益者指定権等を有する者の定めのある信託その他これらの信託に類するものとして政令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)に関する権利を受益者(受益者が存しない場合にあつては、前条第5項に規定する特定委託者)が適正な対価を負担せずに取得した場合において、当該受益者連続型信託に関する権利(異なる受益者が性質の異なる受益者連続型信託に係る権利(当該権利のいずれかに収益に関する権利が含まれるものに限る。)をそれぞれ有している場合にあつては、収益に関する権利が含まれるものに限る。)で当該受益者連続型信託の利益を受ける期間の制限その他の当該受益者連続型信託に関する権利の価値に作用する要因としての制約が付されているものについては、当該制約は、付されていないものとみなす。ただし、当該受益者連続型信託に関する権利を有する者が法人(代表者又は管理者の定めのある人格のない社団又は財団を含む。以下第64条までにおいて同じ。)である場合は、この限りでない

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コメント

TK7さん
お上もわかってるから、何らかの手をうってくるかもしれません。綺麗なバラには棘がある

信託初心者さん
条文を読むとどっちにもとれる。でも 信託期間に生ずる利益を受けるのが収益受益者であり、その収益受益者がいないのだったら、信託を続けようがないから、信託終了♪となると考えると収益受益者なのかな

ただ断定的回答ではありませんので、そこんとこひょろしく

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2009年6月29日 (月) 07時52分

質問です。
受益者連続型信託は信託がされた時から30年を経過した時以降に現に存する受益者が死亡するか、その受益権が消滅するまで効力があるようですが、この「現に存する受益者」とは収益受益者と元本受益者のどちらを指すのでしょうか?

投稿: 信託初心者 | 2009年6月28日 (日) 12時12分

すごい話ですね!!
従業員持株会に収益受益権を与え
経営者一族には議決権行使指図権を与える
などとすると、非課税・・事業承継ができる
と言うことですか??

投稿: ΓK7 | 2009年6月25日 (木) 16時47分

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