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2009年6月10日 (水)

複層化された信託受益権の課税(ただし、アメリカ)その3

 やっぱりでてきましたね。 信託協会が発行している信託2382009.5に松永和美さんが書かれた「米国の信託の税制について」の論文があります。

 なんか、今週になって急にヒット数が増えてますねえ。こんなニッチでマイナーなのになぜなんだろう?

 さて、今日はとりあえず〆の相続税・贈与税。

 アメリカでは、財産の事業承継を信託を使って行うことが非常に多いのですが、それはアメリカという国では戸籍という制度がなく、相続が発生した場合、遺言があってもなくても裁判所で検認手続きというのをしないといけないのですが、これがコストと時間がかかり、一族の内幕がさらされるという最悪のシステムだそうです。それを避けるために信託というのがリーズナブルでいい制度だからという要因が大きいようです。

 家族信託の場合、しばしば、収益受益者と元本受益者(残余財産受益者)のように受益者をわけわけします。たとえば、奥さんの生存中は奥さんに収益をわたし、奥さんが死亡したら信託が終了し、子供に財産をわたすとか、生前は自分が信託の収益の受益者となり、自分が死んだら信託が終了し、奥さんや子供が財産をもらうというようなものです。

 今後の日本の高齢化世代の最晩年の生活を守る手段として使えそうなのが、後者なので、こちらだけを少し書いてみると

 信託した人が収益受益権を持っているような信託で一定の要件を満たす場合(これを適格受益権というらしい)は、信託財産の価額から収益受益権を差し引いた残余権部分について贈与税の対象となるようです。ちなみに贈与税を払うのは信託した人。日本とは違います。

 この一定の要件を満たさないと、収益受益権が0評価されるそうですがこの要件をアバウトに書くと

残余受益者が親族で 委託者の配偶者、委託者または配偶者の尊属、卑属、委託者の兄弟。収益受益権の評価が大切なのですが、これが容易に評価できるようなものじゃないといけない。いつ、いくらもらえるか、いきあたりばったりのようなものだったら納税者の評価が妥当かどうかも判断できませんからね。

この容易な評価ができるもののひとつとして適格年金式受益権というものがあって、毎年、一定金額を払ってあげますというようなものです。

 ちなみにこの評価はどうするかというと、生命表と、利率(Federal Medium Rateの利率の120%)を用いて算出するそうです。

 収益と元本をどうするかを日本でも考えるならば、受益者連続に該当するか否かの境界線をもっときっちり区分けした方が絶対にいい♪

 たとえば、奥さんの生存中は奥さんが受益者で奥さんが死亡したら信託が終了して元本受益者を子供とした場合、必ず奥さんの死亡時まで子供が生きてるとは限らないでしょ。

だからこのようなケースでは、一般的には子供が死んだときは受益権はその相続人が引き継がれるというようなことが契約書に書かれたりしてますし、書かれなくてもそうなってしまいますよね。

相続税法施行令1の8を読むと死亡等を原因に受益権が他の者に移転する定めがある場合は受益者連続だぁとなっていますが、上記のようなケースで子供が死んだら受益者は相続人と契約書に書くと受益者連続になっちゃうのでしょうか? 

また、契約者に書かなくても、子供が死んだことにより、結果的に相続人に元本受益権が移転したときに、この信託は受益者連続になっちゃったあということで、課税のやり直しをするのでしょうか? 

ということで、いまは怖くて、収益・元本にセパレートした信託なんて、怖くて使えないのです。

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