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2009年6月 8日 (月)

複層化された信託受益権の課税(ただし、アメリカ)その1

 やっぱりでてきましたね。 信託協会が発行している信託2382009.5に松永和美さんが書かれた「米国の信託の税制について」の論文があります。

 信託受益権が優れているところは、ある物を信託したら受益者は信託受益権という権利をもらえますが、この権利を自由にわけわけすることができることです。どんな形にだってわけわけできる。均等にわけわけしないこともできる。証券化で信託した場合は通常、優先受益権、劣後受益権にわけわけ、米国で家族の資産管理、承継で信託を利用する場合は、収益受益権、元本受益権というようにね。

 日本において、信託受益権をどうするこうするという具体的な規定は、実は、相続税の財産基本評価通達にしか書かれてていないです。所得税や法人税には書かれてない。

 だから、たとえば、収益受益権と元本受益権にわけわけした場合、信託期間に生ずる所得はどっちが申告するのということすらはっきりしないのです。課税の基本の基本がわけわからないのに、複層化された信託受益権が日本で発展できるわけがない♪

 で、こんなときに海外の諸事例を調べて、物凄く工夫して輸入するのが日本という国。ところが、ずーっとこの辺について書かれた書籍がなかった。若干、切れ端が載っている書籍があったような記憶はあるのですが、切れ端じゃわけわからん。どうするんだろうと思っていたところ でてきましたね。この時期に(笑)

 アメリカの信託税制も日本同様、いろんなアイテムごとにいろんな手法を用意しています。

 収益と元本に分けわけした場合のベーシックな課税関係は、信託期間に生ずる利益は基本的には収益受益権者に帰属するようです。じゃ、減価償却はどうなるのか? キャピタルゲインはどうなるのか? 基本的にはこちらは元本に関係することだからということで元本受益権者に帰属するらしい。まだ読み込んでいないのですが、

 減価償却という費用だけを元本所有者に帰属させるとなると、日本の所得税では信託から生ずる不動産所得の計算上生じた損失はないものとみなすとされるのでちょっと不合理だよなあ。

 償却資産投資のメリットは減価償却にあるのに、個人では減価償却のメリットがとれない。他方、法人ではとれるというのもねえ。

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