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2009年7月17日 (金)

タイという国の民主主義

タイという国が東南アジアにあります。 王国です。といっても、立憲君主制で、国王様は、通常は、象徴的存在でいらっしゃるようです。

 タイには、議会もあれば、軍隊もある。ときどき、クーデターがおこり、揉め事がおこると、国王陛下が登場し、必ず、一件落着となる。国王が支持した方が必ず勝ち、そうでない方は負ける。これがお約束です。物凄いパワーをお持ちですね。

 議会はあるのですが、完璧な民主主義ではないようです。タイという国は、非常な格差社会であるようです。誰と誰の格差かというと、都市(特にバンコック)市民と、農民。 

農民の方が圧倒的に人数が多いのですが、経済力は圧倒的に都市の市民が持っている。

 この2つの階層のどちらにも笑顔を振りまく政策を提言できる政治家というのはいない。どちらかの支持を基盤として権力を手に入れ、最初はうまくいくのですが、時がたつとともに軋みが生じ、反対勢力の怒りが爆発し、クーデターが起こり、国王が登場し、政権が倒れたりする。そして、新しい政権が登場し、、、、また、この繰り返しのようです。

 先ほど、国王は物凄いパワーがあるといってますが、このパワーは国王になれば誰でも持てるというようなものではないようです。現国王のお人柄、知見というかカリスマ性に起因することが多い。ですから、国王の地位は、世襲が可能でも、カリスマ性の世襲はどうかは不透明。そして、カリスマ性の世襲ができないのならば、政変が起きた後の収集に時間がかかり、国に暗い影を落とす可能性が高い。

このようなタイの、国王の下での不思議な民主主義を日本人は笑えるしょうか。

 日本は民主主義であり、天皇はいらっしゃるが、あくまでも象徴であり、自民党と民主党がもめ、国会で大乱闘になったときに、天皇が登場してということもないでしょう。でも、いずれの政党も国民を守るということを旗印に選挙活動をされると思いますが、国民というのがあまりにも多様で見えにくいために、なんとか心をつなぎとめようとして、目先のばら撒き政策を乱発する。それは、どう考えても日本の将来に暗い影を落とす。でも、選挙で勝たないとどうしようもないので、だめだとわかってもばら撒き政策に走る。これでいいのかなあ。

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