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2009年9月 8日 (火)

税理士のための相続をめぐる民法と税法の理解

 町の税理士になれば、頻繁にはないのですが、相続のご相談というのは、必ず、あります。人は必ず死ぬ。相続税を払わなければならない人というのは、そんなに多くないかもしれませんが、複数の相続人がいるという被相続人は、山のようにいらっしゃいます。

 誰だって、1円でも多くの財産を欲しいでしょ。もらう権利のある人たちがみんな1円でも多く欲しいと思うと、遺産の分割でもめますよね。普段は穏やかないい人達なんだけど、ということもよくあります。

相続となると、相続税だけでなく、民法の知識も必要。それも、条文の知識だけでなく、実務でどう取り扱われているのか。また、税金も法人税や所得税だったら毎年仕事があるから、つぼを押さえて的確な処理がスムーズにできるのですが、相続というのは、たまーにあるくらいだから、知識が定着していないところもある。

「税理士のための相続をめぐる民法と税法の理解」は、税理士の世界では非常に有名な関根稔(弁護士・公認会計士・税理士)さんと 間瀬まゆ子さん(美人の弁護士)が編者となり、多くの実務家(税理士、公認会計士)が執筆を担当した書籍です。民法だけでなく税法にも言及されています。

基本は民法の相続編の条文、一条、一条ごとに解説が行われていますが、いわゆる、コンメンタールとは、まったく違います。実務ではどのように取り扱われているのか、実務で注意すべきポイントは何かというポイントを押さえて書かれています。。

たとえば、民法1012条(遺言執行者の権利義務)というのがあり、遺言執行者と預金の解約について引用させていただくと

 相続財産に含まれる預金の解約については、銀行の所定の書類への相続人全員の押印と印鑑証明書の提出を求めるのが銀行実務です。しかし、遺言執行者の指定がある場合は銀行は、遺言執行者の押印のみで預金の解約を認めるのが通例です。

 銀行預金についての手続きが簡単になることが、遺言執行者を選任することの最大の奥的だと指摘する人もいます。

 ただし、相続人、あるいは、受遺者が遺言執行者の地位を兼ねる場合は、銀行によっては、遺言執行者の押印のみでは預金の払い戻しに応じない場合があります。

 特に、遺言執行者ではない相続人が取得することになっている預金について、その払い戻しには慎重なところがあります。したがって、預金の払戻しについて、相続人の全員の同意が得られない可能性のある遺言の場合は、弁護士を遺言執行者に選任しておくほうが無難です。

 というわけで、久々にお薦めの一冊です♪

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