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2009年10月30日 (金)

年金債務は削減できるか

 今朝の日経は、JAL問題の記事がてんこもりですね。

債務超過の大きな原因は、高すぎる年金債務であり、これを減らさないといけないことは誰でもわかっているのです。拠出した税金が高額な年金に消えていったら確実に政府はつぶれます。

でもね、年金の受給権というのは、老後の生活の保障という意味合いもあるので法律でばっちり守られているのですね。だから、そう金融機関や事業者相手に債務の削減の交渉をするよりも難しい。

でも、このままだったらつぶれる。ほんとうにつぶれてしまったら年金債務の減額をせざるを得ないけど、航空事業への影響が大きいかもしれない。JALを生かしながら年金を確実に減らすためには特別の法律を作る必要があるかもしれないけど、法律を五体満足に作ってワークさせられるかは?

日経の社会面を読むと「早大年金減額 2審は「適法」元教職員ら逆転敗訴「破綻回避へ必要」」という記事もあります。ただこの年金は、確定給付企業年金法とは異なる制度だからということもあるようです。 NTTグループの企業年金については、減額を認めないという判例もあるようです。

この問題って、関係者の方以外は他人事のように眺めているかもしれませんが、いつか、自分の勤める企業や自分自身にも降りかかるかもしれない問題のような気もします。

年金に頼る老後の人生設計というのは破綻リスクがある。といっても老後資金を完璧にためることができる人というのは限られている。元気なうちは60歳を超えても働き続ける環境を作ることが、個人にとっても政府にとっても合理的な選択なのでしょうか♪

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2009年10月29日 (木)

成人年齢は、20歳から18歳

昨日、法制審議会で 民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げる旨の諮問をしたようです。

成年として民法上扱われるのは、18歳から

養親として養子をとることができるのは、20歳から

結婚できる年齢は、男女とも18歳から

http://www.moj.go.jp/SHINGI2/091028-2-1.pdf

18歳に改正だというニュースを聞いても 個人的にはへーっつという感想しかありませんが、社会的にはでかい影響なのでしょうね。

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2009年10月28日 (水)

受益者連続改造計画 メビウス

 やー 昨日の日経の夕刊のタイトル「住友信託・中央三井が統合 11年春めど、信託トップに」をみて へーっと思った一人です。コメントといっても。。。。。。

昨日のブログのタイトル「ビールが値上がりしたら発泡酒を飲むか」を住友信託と中央三井の統合にあてはめるとどのようになるのかと10分ぐらい考えましたが、まったく答えが浮かびませんでした。そんな信託大好きおばちゃんはあほか否か。

というわけで、久しぶりの受益者連続改造計画という、非常にニッチなネタを書きます。

 信託のいいところは、資産を信託すると受益権という形に化け、この受益権はいろんな形で切り分けることができます。切り分け方のうち、信託独特といわれるのが、収益受益権と元本受益権に切り分ける方法です。

収益受益権と元本受益権に分けた信託に対する相続税・贈与税の課税のされ方は2タイプあって、ひとつは、信託発生時に、収益受益権も元本受益権ももらったとして課税するタイプ、もうひとつは、受益者が次々かわるようなタイプすなわち受益者連続型信託といわれるようなものなのですが、これは、個人が収益受益者の場合は収益受益者がみんなもっている、つまり、元本受益者は信託期間においては0として課税するタイプです。ちなみに、法人が収益受益者で個人が元本受益者の場合は、個人は0とならない。なぜか、それはなぞです。

さて、信託する財産に制限はありません。なんだってできます。取引所の相場のない株式だって信託できます。ただ、収益受益権と元本受益権に分けた場合はいろいろとおかしな問題が生ずるようですね。それはなぜか? 大きな原因は2つあると思います。

ひとつは、資産の価値というのは、一物一価であるはずなのに、取引所の相場のない株式に関しては、取得者がオーナー一族の一定のメンバーか否かで全然違うこと。もうひとつは株式独特のパワーである議決権というものの価値が0であるということです。一般的な株の場合は、議決権や配当請求権や残余財産請求権がワンパックだから議決権がどうだろうとあんまし重要でないかもしれませんが、信託の場合は議決権を誰が持つか自由に決めれるからね。

この辺の問題を理解した上で、収益受益権と元本受益権に分割された信託の問題をどう解決すればいいのかを、思いつきベースで考えました。

Ⅰ 信託受益権の財産評価方法を変える。

収益受益権と元本受益権に分けた場合の財産評価の方法は簡単に書くと次にようになっています。

収益受益権  将来、信託から生ずるであろう利益を予想して現在価値に割り戻した金額

元本受益権  課税時期での資産の価額 ― 収益受益権の額

この課税時期での資産の価額ですが、取引所の相場のない株式を信託し、収益受益権と元本受益権に分割された場合は、原則的評価方法(純資産とか類似業種比準)で統一する。その方が、合理的なんですよね。算式から考えても。

Ⅱ 受益者連続型信託以外の信託の場合、元本受益者に関しては、一定の要件のもと財産をもらう時期まで相続税・贈与税を納税猶予する。

元本受益権の評価は、昔は、財産をもらう時期の価額を現在価値で割り戻すという方法だったけど、この場合には大きな節税ができるということで、いまのような形になりました。

でも、元本受益者にとって、財産をもらうのは将来なのに課税だけ先というのは、担税力から考えても合理的じゃない。そこで、一定の要件のもとに、納税猶予制度を作っていれる。この一定の要件をどうするかは、深く考えていません。

Ⅲ 受益者連続型信託の場合、 収益受益者に関して、一定の要件のもとに一定の部分に対応する相続税・贈与税を納税猶予する。

 いまの税制というのは、受益者連続になってしまうと、信託期間中は収益受益者が財産全部をもっているものとして課税されるシステムになっています。たとえ、もらう財産がちょっぴりでもね。これは不合理。また、株式を信託し、議決権は元本受益者が握っているのに、収益受益者が財産をもっているとして課税するのも不合理。

今回考えたのは、とりあえず収益受益者が全部持っているものとする。たとえ、その者が会社にとってプチ株主であっても原則的評価方法で評価する。ただし、一定の要件を満たす場合は、一定の部分を納税猶予する。

ただ、この方法だと、議決権を元本所有者が持っているような場合、元本所有者の変更時に課税されないのですね。実質的には、信託された株は元本所有者が持っているようなものなのにね。だったら、収益受益者の納税猶予部分を元本所有者が議決権をもっている様な場合は徴収するということも考えられないか。

P.S そろそろ、寒い季節が近づいてきましたぁ。こんな季節には、ウィンドブレーカーがいいのですけどねぇ ○○さん♪

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2009年10月27日 (火)

ビールが値上がりしたら発泡酒を飲むか

今朝の日経の総合面に Q&A公取委何を審査? ビール系・ワイン焦点というものがあります。

これは、以前このブログでも書いた、キリンビールとサントリーの経営統合に絡むものです。昔は、合併をする場合は、どんなしょぼいものでも公正取引委員会に届け出ないといけなかったのですが、いまは、マーケットシェアに大きな影響のある統合に限られています。

キリンもサントリーもビールやワインなどの業界では非常に強いので、公取委の審査対象になります。

記事によると、ビールだけだったら両社合わせてシェアの35%だそうですが、発泡酒をあわせると5割で、首位のアサヒビール35.7%を大きく上回るそうです。

ビールだけで判定すると、改善策の提案(たとえば、事業の一部を分社して第三者に譲渡)のようなことを行う可能性は低いようですが、ビール・発泡酒をひとくくりにして判定すると、改善策の提案をする可能性は高まるようです。

じゃ、どっちで判定するのか? 記事によると判断基準は消費者の選択肢の中で同列であるか。「あなたはビールが値上がりしたら発泡酒を飲みますか」という質問に対し、多くの消費者が、発泡酒を飲むと答える状況だと改善策の提案コースとなるようです。

どうなんだろう? 信託大好きおばちゃんは、ビールという飲み物が好きだからお金を払うものであり、発泡酒にとってかわるものではないという主義なんですね。個人的には、非常にマイナーな銀河高原ビールのファンなんですが。

でも、発泡酒の売上の増加は、新たな消費者層の拡大よりも、ビールからの移行層が多いような気もします。

こういうのは、出荷本数などを分析して公取は検討するのでしょうか。

それとも、アンケートをとるのでしょうか。

グローバルに展開する企業を作るべきという考えが根底にあるなら、きっと統合OKになるのでしょうね。政府(鳩山さん)はどのように考えているのかなぁ。

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2009年10月26日 (月)

民法改正国民シンポジウム

 昨日、明治大学で「民法改正国民シンポジウム 民法改正 国民・法曹・学界有志案の提示のために」を午前中だけ聴講いたしました。

民法改正というと 429日のシンポジウム「債権法改正の基本方針」が強烈に印象に残っていますが。

民法改正に向けての大掛かりな検討、提案プロジェクトはどうもこの2つあったようです。

こちらの改正の方は、民法学者が集まって条文案を検討したのですが、検討過程で、各界の方々の意見を聴き、調整したというか進化させたというもののようです。

債権法改正の基本方針案とどこが違うか?

「民法改正 国民・法曹・学界有志案 仮案の提示」法律時報増刊」に条文案が総則から債権法各論あたりまで、並べられており、わりと見やすい(読みやすいというレベルではないので)ですね。

あと、消費者法を民法に取り込んでいません。

他にもいろいろあると思うのですが、まだまだ頭がついていってません。

こんなふうに、改正のムードが盛り上がってきて、民法改正の審議会が始動し、歴史は動いていくのでしょう。すーっと決まるとは思いませんが♪

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2009年10月23日 (金)

PPH 特許審査ハイウェイ

 今朝の日経の経済2面に「特許、国際出願しやすく 中国・カナダなどと特許庁が連携強化」という記事があります。

 特許っていうのは、何か発明をした場合に、発明者に内容の公開と引き換えに一定の期間、利益を与えましょう、よこしまな連中がやってきたら撃退していいですよという法律で人工的に作り上げた権利だと思います。

 特許という権利をゲットするためには、特許庁に出願しないといけないのですが、その効力が及ぶ範囲はあくまでも日本国内。経済がグローバル化している現代において、外国での海賊版を排除するためには、日本での特許権ではだめで、外国でも特許として認めてもらわなければなりません。

 そのための手法として、 ひとつはパリ条約に基づいて直接、外国にその国の言語で出願をする方法があるのですが、これは、時間的余裕もなく大変らしい。

そこで、PCT(特許協力条約)というものができ、これは日本の特許庁に国際出願という形で出願した場合は、12ヶ月以内にその特許が認められそうか否か調査され、国際公開され、予備審査を経て、30ヶ月以内に外国に出願するというもののようです。PCTであっても外国での出願をパスすることはできません。

こちらの方が、時間的余裕があるからじっくり翻訳もできるし、事前審査をしてもらえるから、登録の予見可能性もそれなりにあるようです。

で、今回の記事のPPHの位置づけは、外国での出願の際に、一から審査するのではなく、日本での審査データを参照できるようにして、効率をよくするというもののようです。

蛇足

どうも、特許の世界というのは、想像以上にグローバル化が進んでいるようです。税金の世界も国際税務というのがありますが、税理士の世界では決して保守本流ではない。他方、弁理士の世界では、英語を使った仕事というか、国際間の仕事は、保守本流とはいわないまでも、特定の弁理士の特別の仕事ではないようです。

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2009年10月22日 (木)

日本のトップ人事の決まり方

 日本郵政の社長に元大蔵事務次官の斎藤さんがなられました。株主である政府の押しというか民主党の押しで。どうして、日銀総裁に大蔵OBがなるのはだめだったのに、日本郵政の社長はOKなのでしょうか。小沢さんとの距離感か? よくわかりません。

 社長っていうのは、一般的には会社では一番エライ。なぜなら、彼に人事権があるから。でも、その社長だって、株主には弱い。株主が役員を決めますから。

 それじゃ株主である日本政府は絶対に偉いか。いま、民主党がエライのですが、移り気な選挙民の心を次回以降の選挙でとらえることができなかったら、エラクなくなります。 

斎藤さんは非常に実力ある方のようですから社長の器にふさわしくないとは思いません。でも、政権が自民党に戻った場合も斎藤さんが社長であり続けるかなあ。

 というわけで、日本という国では、実質的にエラソウな人が、長期にわたってその地位を保つことが難しいようです。でも、そんな日本でも、ずっと長きにわたってエライ地位を保ち続ける人たちがいらっしゃる。それは、天皇というか権威生産システムである天皇制度だと思います。

 諸外国では、王国や帝国が勃興すると、前の大国や帝国は滅ぼされ、王様は悲惨な最期を遂げます。日本でも、平安時代、鎌倉時代、室町時代、江戸時代と時の権力者は交代しますが、権威生産システムである天皇制度は続いてます。

なぜか、 時代、時代の権力者は、自分の権力を誇るために天皇制度を滅ぼすのではなく、権威生産システムとして利用したからだと考えられます。戦国時代の織田信長、豊臣秀吉、徳川家康だって、天皇から官位をもらい、それを笠に諸侯をひれふさせたところがあります。彼らのチカラをキープするためには、天皇制を守る必要があった。だから天皇制という権威生産システムの維持のために必要なお金を払い続け、天皇を奉ったのでしょう。

天皇側も、そんな彼らを官位を使って利用し、自分たちのテリトリーを守り、それ以上に口出しをしなかったこともよかったのかもしれません。それからもうひとつ、遠山美都男さん・関幸彦さん・山本博文さんの「人事の日本史」を読んで教えてもらったのですが、トップ人事、つまり、次の天皇を誰にするのかは、どんなに実力のある家臣がいようとも、天皇自らが決めていたようです。権威生産システムの首根っこは、誰にも押さえさせなかった。王様の本質は、自分の首根っこを押さえる存在を絶対に認めないことだと思いますから。

権威という無形のものに弱く、権威を倒すのではなく、権威にすがり、利用することでチカラを得ようと考える普通の日本人と、そんな本質を理解して、しっかり根付く権威生産システム。なんとなく今後も伝統として受け継がれていくものなのでしょうね。

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2009年10月21日 (水)

超優良地方自治体 港区

芸能人やお金持ちがいっぱい住んでいて、かつ、大企業の本社も多いのが東京都港区です。住んでいる人や会社がお金持ちなら、大家さんであるところの地方公共団体の財政状態はどんなものでしょうか。

 ということで、港区の平成20年の財政状況を拝見してみました。

これは、平成20年度決算港区財政レポートで詳細を知ることができますし、広報みなと平成21年10月21日号でサマリーを知ることもできます。

 公会計は企業会計とはちょっと異なるのですが、たとえば、普通会計の貸借対照表をデフォルメすると次のとおり

        平成20年度  (単位 億円)

資産の部            負債の部

固定資産    5,121   固定負債       399

流動資産      617   流動負債        21

                負債合計       420

                純資産      5,318

資産合計    5,738   負債純資産合計  5,738

現金が570億円ありますから、負債なんてすぐ払えちゃいます。なんか、財政状況の苦しい地方自治体の方の怨嗟が聞こえてきそうですが。

 1人あたり純資産 239.8万円

損益計算書みたいなものはデフォルメすると次のとおり

        平成20年度 (単位 億円

収入      1,434億円

費用        821億円

当期純利益     612億円

法人税? それは、民草の義務です。

企業城下町のような地方自治体で豊かな財政のところもあると思いますが、そういう自治体は一企業と一蓮托生リスクがあります。他方、港区には多様なお金持いらっしゃいますので、好不況の影響はそれほどでもない。首都が移転したり、地方分権が徹底されたら先行きは暗いですし、備蓄した富を他の地方公共団体に廻せというような法律ができるかもしれない。しかしその可能性は、非常に低いものと思われます。

区の財政状態に関して広報みなとにコメントがありますので引用させていただくと

「区の財政状況は、引き続き良好であると判断できますが、将来の施設改修などの需要が、区財政の圧迫要因とならないよう、経常的経費の削減など内部努力を徹底するとともに、基金の積み立てを行うなど、将来の需要に対する備えに積極的に取り組んでいます。」

 金持ち喧嘩せず、わが道を行く♪

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2009年10月20日 (火)

ニトリ

今日はお天気がよさそうですね。

3年を超える東京での信託大好きおばちゃんの生活を下支えしているのは、ユニクロ、100円ショップ そして、最近頭角を現してきたニトリです。

 信託大好きおばちゃんのおうちは、とにかく、本や書類がみるみる増殖するという特徴を有しております。置く場所がないので、ダンボール箱に本をつめこんでいたのですが、3年もたつと部屋中ダンボール箱状態で、倉庫なのか住処なのかよくわからない。

 そのうちなんとかなるだろうと思っても、なんともならなかったので、とーとー本箱を買うことに決め、先日、ニトリにでかけました。

 いやー ニトリは家具のユニクロですね。安い。3万円もだすと、できあがった本棚を運んでくれて設置してくれる。搬入の対応も適切。注意して欲しいのは安い商品は自分で組み立てないといけないこと。小さい家具ならいいのですが、大きな家具を組み立てるのは大変です。

 さて、このニトリですが、有価証券報告書(平成212月期)を読むと

売上高    2,440億円

経常利益     340億円   経常利益率 13.9%

 ちなみに ユニクロ(ファーストリテイリング) 平成20年8月期を読むと

売上高 ,864億円

経常利益    857億円   経常利益率 14.6%

売上規模でユニクロの半分というとこ 利益率は、両社ともだいたいおんなじ

面白いのが、 ユニクロは山口の会社でしょ、 ニトリは、札幌の会社

アジア圏の国の関係会社等で製品を作って、それを販売している。顧客のニーズにすばやく対応できるような仕組みができているのかもしれません。

海外からの輸入が多いので、為替リスクのヘッジのためにデリバティブを使っているのかな思ったのですが、有価証券報告書によると「ヘッジ会計が適用されているもの以外該当取引はありません。」とありますので、おそらく、サイゼリアさんのように、巨額の評価損が計上されるようなことはないと思います。

従業員の退職金の制度はどうかな? 有価証券報告書によると「当社及び一部の連結子会社は、確定給付型の制度として、適格退職年金制度及び退職一時金制度を設けております。また、従業員の退職に際して、退職給付会計に準拠した数理計算による退職給付債務の対象とされない割増退職金を支払う場合があります。」

適格退職年金制度は、たしか、数年後にはなくなるので、その後の対応をどうされるのでしょうかね。

倉庫や店舗の敷地は自社で所有しているものもありますが、札幌本社も東京本部の敷地は自社で所有していません。自社ビルを建ててないから、まだまだ伸びるかもしれない。

筆頭株主は、似鳥昭雄さん 7,180千株12.55%(平成21年2月20日) 

昨日の終値 7,670円  550億円!(7,670円×7,180千株)

やっぱ、成功している企業のオーナーは凄いですね♪

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2009年10月19日 (月)

国際連帯税

平成21108日から新しい税制調査会がスタートしたのですが、その諮問の中に次のような文言が記載されています。

 「法人課税や国際課税等の分野において、グローバル化にともなって生じている世界規模の課題に対応できる税制のあり方を検討すること」

 この世界規模の課題に対応できる税制というのは、国際連帯税といわれるものです。

 国際連帯税とは、国際間取引について、税金を徴収して集めたお金を、貧しい国の人たちのためや環境問題のために使いましょうという、非常に立派な制度です。

 国際連帯税の一種として、国際航空券税というものがあり、これは、すでに十数カ国以上で導入されています。

 現在、議論されているのは、通貨取引税といわれており国際間のお金の移動のたんびに税金を徴収しましょうというものです。実体経済で必要な分以上のお金が世界中をぐるぐる廻っていますから、そこから税金をとる仕組みをつくれば、税収が継続的に確保できていいのでしょうね。

 では、この税制が実現するか。国際間取引に追加コストが生じることになります。

全世界とはいわないまでも、主要先進国が全部、同様の制度を導入するならば実現は可能ですが、裏切り者があらわれるとね。投資家としては、1円でもたくさんの利益を得たいと考えるから、コストのかかる国を通じてお金を廻すよりは別の国を通じてお金を廻したいと考えるでしょ。日本は金融立国をめざすなんて考えをやめて、金融は実体経済と寄り添っていくのだったら、税コストアップの影響はそんなにないかもしれないけど。

それから、もし、実現したとして、ほんとうに集めた税金を貧しい人たちに渡せるのか、環境問題の解決に使えるのかという大きな問題があります。お金を渡しても、結局、貧しい人たちの手に入らないということが多いですから。

 でも、コンセプトは素敵♪ 温室効果ガス25%削減をぶち上げた鳩山さんなら実現できる かも しれない。

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2009年10月16日 (金)

日本経済の成長戦略

 前経済産業事務次官の北畑隆生さんのお話を昨夜伺う機会を得ました。名刺交換をさせていただいたときに、ブログで紹介してもいいとおっしゃっていただきましたので、北畑さんのご著書「世界同時不況は怖くない -日本の成長戦略―」をベースに少し、書いてみます。

 金融危機は、100年に一度の大不況といわれましたが、この発言をされたグリーン・スパン氏は、百年に一度の出来事が起こったとおっしゃったのだそうです。

 日本にとって、この危機は、金融を超えて実体経済にも深い影響を与えましたが、おそらく景気回復は、過去の景気循環等から考えると来年の半ばごろではないでしょうか。

 自動車会社が大きな赤字を計上しましたが、おそらく在庫調整はほぼ終わっているのではないでしょうか。これは、労働者のうち非正規労働者の割合が大きくなったこともあるようです。

 金融危機といっても、デリバティブを使った新しい金融がおかしくなったのであり、昔からの相対の金融はそうおかしくなっていません。

 ゴールドマンサックスの業績が当期は好調といわれていますが、これは、ライバルであるリーマン・ブラザーズがなくなってその分のシェアが転がり込んできたことも要因の一つだそうです。

 アメリカ経済は決して悪くはない。アメリカには強い農業がある。それに車だって復活するでしょう。なぜなら、アメリカはいまだに人口増加社会だから、車に対するニーズは今後も増え続けるからです。ただし、ユーザーがアメリカ車を買うかどうかは?

 ひるがえって日本という国は、人口減少という問題をかかえています。GDPの6割が消費だけど、この消費をしてくれる人たちが減るのだから、必然的にGDPも減ります。消費を増やす政策がいるのです。

 人口減少の対策として移民政策はあまり望ましい政策ではないです。なぜなら、日本という同質社会では移民は永住しづらいので、日本で稼いでも、そのお金は本国に送金してしまう。そうなると日本での消費はあんまり増えないのです。

 日本の人口を増やすためには、子供を生み育てるための環境が必要です。そのためには、子育てのコスト(現在、子供一人を私立大学まで通わせる場合のコストは2,000万円)や住宅コストを減らす政策を考えるべきです。

 また、経済成長を促すためには、先端技術の育成や、アジアとの共存共栄戦略が必須です。

 どんなに先端の技術を開発しても、いずれ、他の国にまねされて競争力が低下するといわれますが、おっとどっこい日本人のまじめさをベースとした高度信頼性が必要な分野を伸ばせばいいのではないでしょうか。それは、たとえば、ジェット旅客機、原子力発電、ライフサイエンスなど。

 また、アジアとの共存共栄を考えていかないといけません。たとえば、上海、北京、シンセンの市民の実質的可処分所得は日本とかわらない。だから、日本で売れている商品をそのまま輸出しても売れるのではないでしょうか。

 中国では今後も車は売れるでしょう。最終の組立工程は、中国で行うのがいいかもしれませんが、中国は裾野産業の育成を怠っているのです。他方、日本では、自動車会社だけでなく、その周辺の産業も同時に育成し、大きな競争力をいまもキープしています。だから、日本が付加価値のある素材、部品を中国に輸出し、中国で製品を仕上げ、中国国内で販売または輸出するというように東アジア域内での分業を進展させると、国際間でのごたごたもあまりおこらず、win-winの関係を築けるのではないでしょうか。

 というようなことではなかったかなぁ

 

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2009年10月15日 (木)

事業証券化と自己信託

なんだか、最近、信託まわりの記事ばっかりかいております信託大好きおばちゃんです。

 法律時報81巻9号「シリーズ 新信託法制と流動化・証券化8」で、宮澤秀臣さんが「事業証券化と自己信託・1」をお書きになられていらっしゃいます。

 事業証券化 事業の信託の一種ですが、宮澤さんは、病院事業の証券化 具体的には国保や社保の診療報酬債権を自己信託して、資金調達しましょう♪ 問題は何かなということにフォーカスしていらっしゃいます。

 病院事業は、設備投資が常に必要で、しかも、設備が入ってきたら、どっと患者さんがやってきて売上が爆発的に増加したなんてことはまずない。

 だから、資金調達をどうするかが重要です。資金調達の引当は、既にある診療報酬債権だけでなく、将来の債権も引当にするとしとかないと、資金の出し手が躊躇してしまう。

 なぜ、自己信託(医療法人自体が受託者となる)かというと、病院事業は許認可事業ですが、自己信託の場合、病院=委託者=受託者だから、新たに許認可をとる必要がない。

 病院が診療報酬債権を自己信託し、受益権を合同会社に譲渡し、合同会社が投資家等からお金を調達し、受益権の代金を病院に支払うというようなものです。

 問題点について

 報酬債権の支払先を受託者でなく、受益者(合同会社)にできないか? ちょっと無理かな。

 コミングリングリスク 診療報酬債権の入金口座は、たぶん他の入出金と同じ口座の場合が多いと思います。ちゃんと分別管理できるだろうか。万が一、病院がつぶれた場合、診療報酬債権を受益者のために守ってもらえるか

 将来の診療報酬債権を当てにしているので、適切な経営計画を策定し、それが実行されるか。最初の見極めも大事だし、途中でのチェックも必要。

診療報酬債権を信託すると、この報酬債権を当てにしていた他の債権者に迷惑がかかる場合もある。あとで大問題になることもあるから根回しが大事。

 簿外債務が生じたらどうするか。 予測されるものは事前に対策を練ることができるけど、想定外が生じたらどうするか。 想定外の簿外債務が、ほぼ、生じないくらいの入念な調査が必要。

 ということかな♪

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2009年10月14日 (水)

事業承継における信託の利用

 「東京税理士界」という税理士のうち東京税理士会に所属している方たちに毎月送られる機関誌の10月1日号VolN0633で 大崎史雄税理士が「事業承継における信託の活用」をお書きになられていらっしゃいます。

 これは、今年の4月の日本税務会計学会月次研究会の発表を文書化されたものであり、この発表は私も拝聴させていただきました。

 ここで書かれているのは、事業承継において信託がどのように利用できるかということと活用へ向けての課題のようなものですが、ベースとなるのは、昨年公表された、中小企業庁の信託を活用した中小企業の事業承継円滑化に関する研究会の報告書です。

 今年の税制改正で自社株の贈与税・相続税の納税猶予が可能となりましたが、これに信託した自社株も含められるかどうかは、改正には盛り込まれませんでした。

 それは、信託とツールが非常に柔軟であることから、きちっとした枠組みをつくらないとおかしなことがおこるかもしれないと思っていたからでしょうね。

 大崎さんは自社株納税猶予の要件として、

 信託を活用した場合、納税猶予制度の要件をどのように判定するのかについては、株主名簿に加えて受託者側に証明義務を課すことになると考える。

 信託の計算書の納税猶予バージョンを作るということかな。

 議決権行使の問題

 信託の場合、議決権行使を誰がするか、自由に決めることができます。非上場会社を信託財産とする受益権を複数の受益者が有し、議決権が差別的に配分されても、会社法上109条2項により問題がないとされています。でも、この条文をもとに、なぜ、受益者ではない委託者が議決権を保持し続けるのがOKなのかということは、つながらないのではないかなと思います。持株解消信託のようなものがでてきているので、会社法上もOKと考えられているのでしょうけど、その根拠がいまいちわかりません。

信託受益権の評価

 これは、私自身の考えを述べさせていただきますが、将来受けるべき利益の額の合理性ってどうやってはじきだせばいいのかなという問題点があります。配当還元のように過去の実績で評価するというように収益受益権の評価は、財産評価通達において定められていませんよね。

それから、この利益の額は税前の数値か、税引き後の数値かという問題点もあります。というのも収益受益権と元本受益権に受益権が分割され場合、信託期間の所得の帰属が収益受益者なのか元本受益者なのかわからないから。収益受益者なら税前でしょうね。元本受益者なら、収益受益者が受けるのは課税済み所得だから税引き後で評価しないとおかしいのではないかと。

租税回避を払拭するための要件整備

これは、大崎さんのご意見を引用

法定相続人間の付与等一定数の受益権発行に留め、目的を超えた受益権の細分化、あるいは受益者が特定できない信託とならないよう設計する

なるほどね。

種類株式の脱法的な手段とならないように手続きの透明性等を図るといった手続きが必要

この手続きとは、具体的には何をイメージしていらっしゃるのだろう?

というようなことを思いながら読ませていただきました♪

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2009年10月13日 (火)

信託社債と証券化

法律時報10月号に藤瀬裕司さんの「信託社債 シリーズ 新信託法制と流動化・証券化10」という記事があります。

 信託社債は、信託が発行する社債で、信託法には明確な定めがありませんが、会社法施行規則等で会社が発行する場合のルールが定められているようです。

この信託社債を、証券化の新しいツールとして利用できないか、その場合の信託法や会社法上の検討課題はなにかということが書かれています。

現在、証券化における信託の使われ方は、ビークルではなく、資産を投資家のニーズに応えられるような形(優先・劣後など)に転換させるツールとしてです。

 でも、信託社債を利用することにより、信託を転換ツールではなく、ビークルとしても利用できるのではないか。

 どうするかというと、たとえば、不動産を信託し、オリジネーターが受益権を取得する。信託財産を引当として信託社債を発行し、そのお金で受益権部分を償還して、オリジネーターが資金調達をすることもできるし、受益権を売却して資金調達することもできる。

 このスキームは、自己信託でも可能。自己信託だったら、誰でもできるけど、だから、怖いところもあるよ。

 また、信託から生じた債務に対して、原則的に受託者は、固有財産も引当にしないといけないけど、それは、特約をつけることや限定責任信託にすることで回避することはできるよ。でも、平成20年度 限定責任信託の事例はなかったみたい。

あえて、固有財産も信託債務の引当にできるようしておくことによりカバード・ボンド類似信託をつくれるよ。ネガティブ・プレッジ条項(他の債権者のために担保を設定したらだめ)にひっかかるという問題点があるかもしれないけど

というようなことかな。

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2009年10月 9日 (金)

まちづくりと信託 課税上の問題

昨日の台風による交通マヒは凄かったですね。午後3時くらいでもまだ不通の区間があり、透き通った青空の下、いい運動をさせていただきました。

 だいぶ前のことになるのですが、平成21年6月に経済産業省商務流通グループ中心市街地活性化室が「不動産の所有と利用の分離とまちづくり会社の活動による中心商店街区域の再生について 中心商店街再生研究会 中間とりまとめ報告書」を公表していらっしゃいます。

http://www.meti.go.jp/press/20080624002/20080624002.html

       ○銀座といわれるような町の繁華街から、店が撤退して○○錆座になってしまっているところが日本の中には、それなりにあります。

地方分権がどうだこうだといっても、人が集まってこないとどないしようもない。

商店街の活性化のためには、各店舗のリニューアルだけではどうしようもなく、商店街やその周りも含めてリニューアルをする必要があります。

そのためには、いろんな人の協力が必要だし、お金もいる。

報告書では、どのようなツールを使ってやればいいのかということを、結構、具体的に検討されています。

その手法の一つとして信託があります。各お店が持っている不動産を信託して、まとめて再開発して、収益は、各受益者に分配しようとするものです。

この中で課税上の問題が書かれているのでちょっとご紹介しておきます。

報告書は154ページ ちょっと、文章は変えていますが

たとえば A,B,Cの不動産を一の受託者に信託することで一元的に運用するとした場合、Aにテナントがつかず、B,Cにのみ受取賃料があった場合に、この賃料をAを含めて、たとえば、面積比で分配するとB,Cの元所有者であった委託者らからAに係る信託受益者に対して経済的利益が供与されたとみなされ、別途の課税関係が生じると考えられるのです。

これじゃ、合同運用がうまくいかない。別に租税回避目的でやってるわけじゃないのにね。

そこで、街づくりなどのために合同運用信託をして合理的な基準で分配されている場合は、たとえ上記のような状況になっても課税関係が生じないようになればいいのにね。

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2009年10月 8日 (木)

納税者番号とセット? 給付付き税額控除

台風が来るぞ、台風が来るぞ、ということで、雨が、また、きつくなってきました。

 今朝の日経(ビニールでパッキングされてました)のトップの記事は「給付付き税額控除」検討 新政府税調首相指示へ 納税者番号と併せ です。

 給付金付税額控除が検討されているようです。記事の説明を引用すると 「高所得者には税額控除、低所得者には現金給付を実施し、少子化対策や就労支援につなげる制度。」

 税額控除は、所得税をいったん計算して、そこから決められた税金をカットするようなもの。 住宅取得のローン控除なんてのがあります。

 金持ち優遇みたいにいわれているのは所得控除 扶養控除、配偶者控除、医療費控除なんていうのがこっち。 所得からこれらを差し引いて所得税を計算します。所得税というのは、超過累進税率なので、所得が多いほど、所得控除をすることによる税金の減額も大きくなるのです。

 今の所得控除や税額控除は、納税額があるからメリットもあるというシステムです。

信託大好きおばちゃんは確定申告時に税務署の相談のお手伝いをすることがあるのですが、医療費の領収書をいっぱいもってきても納税額がないから還付もないというような説明をよくしますね。

 これが、給付金付の場合は、納税額がない場合は、税額控除を受けることができる金額分だけお金をもらえます。

 国民受けのするいい政策にみえるのですが、これを実行するためには、税額控除を受けたい人のほんとうの所得がいくらかなのかという情報が不可欠です。

 税金のばらまきなんて、お上(財務省)がいい顔をするはずがない。だけど、彼らは賢いですね。これと納税者番号制度をセットにするなんて。納税者番号制度は、所得というか財産がガラス張りになるため、お金持ちであることをお上に知られたくない人たちなんかに評判が悪くて、いままで、話題になっては消え、また話題になりというような状況でいつまでたっても実現しないものだったのです。一般の国民の支持を背景に給付金付税額控除を実現し、そのためにはどうしても所得の把握が必要だから納税者番号制度を導入しましょう!となると、ひょっとして、すっと実現するかもしれませんね。

来年以降に本格検討ということですが、そのころに民主党政権があるかどうかは?

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2009年10月 7日 (水)

退職給付型ESOP-2

昨日、このブログで「退職給付型ESOP」という記事を書き、事例として、ダイドーリミテッドさんのプレスリリースをこぴぺしたにもかかわらず、会社名をパラマウントベッドさんと書いてしまいました。記事は修正しております。

ごめんなさい ごめんなさい。ごめんなさい。

さて、この退職給付型ESOP 会計はどうなっているのかというと、これは、ダイドーさんの第一四半期報告書(平成223月決算)の追加情報で読み取れます。以下こぴぺ

株式給付信託(J-ESOP)における自己株式の処分に関する会計処理方法

当社は、平成21年1月5日取締役会において、従業員の処遇の一部と当社の株価や業績との連動性をより高め、株価の変動による経済的な効果を株主の皆様と共有することにより、株価上昇及び業績向上への従業員の意欲や士気を高めることを目的として、「株式給付信託(J-ESOP)」を導入することを決議いたしました。

この導入に伴い、平成21年4月1日付けで自己株式428,500株を資産管理サービス信託銀行株式会社(信託口)へ拠出しております。

当該自己株式の処分に関する会計処理については、経済的実態を重視する観点から、当社と信託口は一体であるとする会計処理をしており、信託口が所有する当社株式や信託口の資産及び負債並びに費用及び収益については連結貸借対照表及び連結損益計算書並びに連結キャッシュ・フロー計算書に含めて計上しております。

このため、自己株式数については、信託口が所有する当社株式を自己株式数に含めて記載しております。

なお、平成21年6月30日現在において信託口が所有する自己株式数は428,500株であります。

 

つまり、会計上は、自己株式として取り扱っている。でも、会社法上は、自己株式としては取り扱っていないでしょう。

当社から見ていわば独立した第三者たる(従業員に実質的に帰属する)本信託が、当社から従業員のための支払を確定的に受領したうえで従業員のために当社株式の取得に充当する場合には、これを当社の計算による当社株式の取得ということはできず、自己株式に関する取得規制の適用を受けることはないと考えております。

(平成212月2日プレスリリース)

では、税務上は?

た・ぶ・ん 自己株式でしょうねえ。ということは、会社が信託したお金は、なんらかの事情が生じた場合は、会社に返してもらうというような文言を契約書にいれているということでしょう。

不思議なESOP 会社法という窓からみるのと、会計や税務の窓から見るのとでは、景色がまったく違う。これでいいのか悪いのか♪

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2009年10月 6日 (火)

退職給付型ESOP

 昨日の日経の夕刊で「従業員持株制度 信託の活用広がる」という記事があります。なんか、ときどき、ESOPの記事やってますね。

 で、ESOPとは、従業員持株制度のニュータイプで、信託なんかを使ってできるものです。既存の従業員持ち株会だと、毎月、ちまちまと株式を市場を通じて取得しないといけないので、まとめて、自己株を譲渡したいという会社のニーズに応えられないけど、こっちは、まとめてがばっと移せます。

 ESOPのタイプとして、主流派は持株会型で、ESOPが買った自己株を、毎月コンスタントに持株会に時価で売却して、買った値段より売却した値段が大きい場合は現金が信託に残るから、信託終了時に選ばれた従業員の間で山分けできるというようなもの。そして、損がでたら、会社が泣く。

 反主流派として退職給付タイプがあって、こちらは、たとえば、従業員の退職時に信託にある自社株式を渡したり、自社株を売って現金で払ったりするのでしょうね。

で、退職給付タイプとしてダイドーリミテッドが日経でが紹介されていましたので、こちらに関してちょっとコメントを

本制度は、予め当社が定めた株式給付規程に基づき、当社グループの従業員が退職した時点で当該退職者に対し当社株式または当社株式の時価相当の金銭(以下、「当社株式等」といいます。)を給付する仕組みです。

当社は、当社グループの従業員の中から業績や成果に応じて「業績ポイント」(1ポイントを1株とします。)を付与する者を選定します。従業員の退職時には累積した「業績ポイント」に相当する当社株式等を給付します。退職者に対し給付する株式等については、あらかじめ信託設定した金銭により将来分も含め取得し、信託財産として分別管理するものとします。

http://www.daidoh-limited.com/pdf/20090105.pdf(平成2115日プレスリリース)

 従業員持株会型の場合は、信託が自社株式を購入する資金を借入で賄ったりすることが多いのですが、ダイドーリミテッドさんの場合は、すべて、会社が金銭を信託してそれで充てるようです。

http://www.daidoh-limited.com/pdf/20090202_03.pdf

平成2122日プレスリリースで、本ESOPの会社法やら労働基準法やらの留意点などについてコメントされていらっしゃいます。私としては、会計や税法に関してもぴしーっと書いていただきたかったなあ。

P.S 当初 勘違いしてパラマウントベッドさんと書きましたが、これは間違いで ダイドーリミテッドさんでした。 ごめんなさい。 10月6日午後22時に訂正します

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2009年10月 3日 (土)

中国の信託法

昨日、早稲田で「中国における信託法の適用における問題点」ということで、王涌中国政法大学教授のお話を伺っていました。

 そのお話のメモをベースにまとめてみると

 中国はここ最近不動産バブルの状況です。なぜ、そうなったかというと、中国政府が必要なお金を調達するために、不動産を売却する必要があったからのようです。ただ、売却したくとも買い手がいなかったらどうしようもないので、緩和した金融政策を選択し、その結果、金持ちが不動産を投機の対象として売買するにようになり、ますます、不動産の価格が暴騰しました。他方、貧乏な人たちは、お金がないから不動産を買うこともできず、格差の激しい社会となっています。

 これじゃ、いかん。ということで、何らかの措置を考えているのですが、いま、考えていることの一つが信託を利用した土地の売買等だそうです。これは、2つの方向があって、ひとつは、金持ちの役人等が、特別に知りえた情報に基づいて不動産を売買して、ぼろ儲けすることを避けるために信託を利用するというもの。もうひとつは、農民が集団所有している土地を流通させることが現状では難しいことから、農民が収入を得ることができず貧しいという問題があるので、この問題緒の解決のために信託を利用できないかということです。

信託法の理論的な問題としては、

       信託における2重所有権の問題をどう考えるか

       信託とは、物権か、債権か

王さんは、信託は、物権的なものだと考えていらっしゃるようです。日本では、債権説の方が有力ですが、あまり、物権か債権で大きな問題となることはありません。消滅時効の年数がどうなるかというような点では問題となるようですが。

実務上の問題として

       商事信託は発展したが民事信託は発展していない

       信託登記が行われていない。

       信託の概念が明確ではない。

日本も民事信託はあんまり発展していませんが、中国で発展していないのは、信託法がアバウトなところにあるようです。

信託登記が行われていないのは、信託は登記をしないといけないということは信託法?で決めていますが、どのように登記をするのかというルールがないからだそうです。

ちょっと、驚きですね。

信託の概念が明確ではないので、たとえば、証券会社等が資産管理を行うときに信託と同じようなことをしているけど、これは信託ではないととらえられているようです。そうすると、何が問題かというと、信託会社は信託業務しか行えず、資金調達は私募に限られているそうですが、証券会社等は、公募で資金調達もできるよで、よりいっぱいお金を調達してビジネスが展開できる。そうすると、信託は他の金融機関との競争に負けてしまうというようなことがあるようです。

現在の中国の信託法は、2001年に作られたようですが、2010年にまた改正するようです。より使い勝手をよくするということだと思いますが、上にも書きましたように農地の問題を信託を利用して解決したいという意思があるようです。農民をほんとうに怒らせると大変なことになるからなのでしょうね♪

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2009年10月 2日 (金)

税制改正要望の公募

 経済産業省が平成21年の税制改正の要望を公募するようです。

「平成22年度税制改正に係る経済産業省意見を取りまとめるにあたり、経済産業政策に関連する税制改正要望を広く募集する。」

 いままでは、業界団体というのか圧力団体というのかが取りまとめて要望を出していたのですが、これをもっとオープンにし、普通の人でも要望ができるようにしたようです。

ちなみに応募受付期間は

「平成211014日(水)18:00必着(但しヒアリングを希望する場合は平成21108日(木)18:00必着)提出期限を過ぎた要望については、受理出来ませんので予め御了承願います。」

つまり、時間があんましない。初めての試みであり、世の中に周知させるんだったらもっと期間を長くすべきですが、来年の改正ですからね。悠長なこともいってられない。

この要望はまとめて公表するそうですので、今までになかったような画期的な要望が盛り込まれることを期待しています。

http://www.meti.go.jp/topic/data/091001aj.html

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2009年10月 1日 (木)

取引所の相場のない株式を信託したら 議決権評価が0ならどうなる?

10月にとうとうなってしまいましたぁ。

新聞をはらはらめくっても、イマイチピントくる話題がないので、またもやニッチな信託の税金の話を書きます。

株式を信託した場合において、株式の名義人は受託者となり、株主総会での議決権は受託者が行使しますが、議決権指図権者の指示に基づきます。一般的に議決権指図権者は受益者がなるものと考えられますが、受益者以外の者、たとえば、他益信託の委託者がなることも可能です。また、複数の受益者がいる場合に、どの受益者が議決権指図権を有するかも自由に決めることができます。

 取引所の相場のない株式の相続税法上の評価に関しては、もらった人が会社にとってどういうタイプの人なのか、つまり、経営支配するグループの一定のメンバーか否かでかわります。経営支配するグループのメンバーである場合は、会社の純資産などをベースに評価額が算定されますが、取引所の相場のない株式って、譲渡を前提としてないし、あんまり配当も支払ってない。そうなると、純資産の評価というのは、経営支配の対価つまり議決権の対価ではないか。

 ところで、信託においては、株式から生ずる経済的利益と議決権を分離させて別の者が保有することができます。そして、この議決権指図権の評価が0であると考えられています。そこで、議決権0とした場合、どうなるのかについてちょっと事例を使って考えてみます。

 

<事例1>

松千代がX社株式(発行済み株式総数の100% 保有)を遺言信託し、受益者を竹千代,梅千代(各受益権割合50%)とした。竹千代が社長である期間は竹千代が議決権指図権を有し、竹千代が死亡したし梅千代が社長となった時点で議決権指図権は梅千代に移るものとする。遺言信託をした時点でのX社株式の評価額(100%分)は5億円、竹千代から梅千代に議決権が移った時点で8億円とする。

この場合、松千代の死亡時点で、竹千代,梅千代がX社株式を25,000万円ずつ遺贈により取得したものとみなして相続税が課されますが、竹千代から梅千代に議決権が移った時点で梅千代に相続税は課されません。

 会社の支配権という観点から考えると、松千代の死亡により竹千代、竹千代の死亡により梅千代に支配権が移転されます。松千代が遺贈によりX社株式を竹千代に遺贈し、竹千代が遺贈によりX社株式を梅千代に遺贈した場合、松千代,竹千代の相続時点で、竹千代、梅千代に相続税課税が生じますが、こちらの場合の支配権も松千代の死亡により竹千代、竹千代の死亡により梅千代に移転されます。

 取引所の相場のない株式の相続税法上の評価方法のうち原則的評価方法の本質が会社の経営者支配の対価であるならば、同様の支配権の移転にかかわらず、信託を利用することにより異なる課税関係となることが妥当でしょうか。

<事例2>

 松千代がX社株式を信託し竹千代を受益者とした。ただし、松千代が議決権指図権を保有する。

 この場合、信託した時点で、松千代から竹千代にX社株式の贈与があったものとみなして竹千代に贈与税が課されます。議決権指図権を受益者以外の者が有することに関して議論もありますが、たとえば、委託者指図型の投資信託においては、受益者が利益の分配を受けますが、議決権指図権は委託者が保有しているよう名ものが既にあります。取引所の相場のない株式の原則的評価方法の本質が会社の経営支配権の対価と考えるならば、経営支配権をいまだ松千代が保有しているにもかかわらず、竹千代が取得したものとして課税することは合理的でしょうか。

<事例3>

 松千代がX社株式を信託し、竹千代,梅千代を受益権割合各50%の受益者とした。梅千代は剰余金の分配に関する議決権のみを有し、竹千代はその他の議決権を有する。

 このように議決権指図権の内容を分割し、複数の者が異なる議決権を有するような場合においても、受益権割合で竹千代,梅千代がX社株を保有するものとみなして課税されることになることが合理的でしょうか。

                                                                                                            

という具合。ただ、じゃ、どうすれば合理的かというとうっとなる。ただ、私的には、実質的に会社を支配している人が財産を持っていると考えて課税し、利益の分配が行われることにより別の者が利得を受けた時点で、なんらかの税金の精算制度を作って調整を図るのがいいのではないかと。答えにあんまりなりませんが。

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