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2009年10月15日 (木)

事業証券化と自己信託

なんだか、最近、信託まわりの記事ばっかりかいております信託大好きおばちゃんです。

 法律時報81巻9号「シリーズ 新信託法制と流動化・証券化8」で、宮澤秀臣さんが「事業証券化と自己信託・1」をお書きになられていらっしゃいます。

 事業証券化 事業の信託の一種ですが、宮澤さんは、病院事業の証券化 具体的には国保や社保の診療報酬債権を自己信託して、資金調達しましょう♪ 問題は何かなということにフォーカスしていらっしゃいます。

 病院事業は、設備投資が常に必要で、しかも、設備が入ってきたら、どっと患者さんがやってきて売上が爆発的に増加したなんてことはまずない。

 だから、資金調達をどうするかが重要です。資金調達の引当は、既にある診療報酬債権だけでなく、将来の債権も引当にするとしとかないと、資金の出し手が躊躇してしまう。

 なぜ、自己信託(医療法人自体が受託者となる)かというと、病院事業は許認可事業ですが、自己信託の場合、病院=委託者=受託者だから、新たに許認可をとる必要がない。

 病院が診療報酬債権を自己信託し、受益権を合同会社に譲渡し、合同会社が投資家等からお金を調達し、受益権の代金を病院に支払うというようなものです。

 問題点について

 報酬債権の支払先を受託者でなく、受益者(合同会社)にできないか? ちょっと無理かな。

 コミングリングリスク 診療報酬債権の入金口座は、たぶん他の入出金と同じ口座の場合が多いと思います。ちゃんと分別管理できるだろうか。万が一、病院がつぶれた場合、診療報酬債権を受益者のために守ってもらえるか

 将来の診療報酬債権を当てにしているので、適切な経営計画を策定し、それが実行されるか。最初の見極めも大事だし、途中でのチェックも必要。

診療報酬債権を信託すると、この報酬債権を当てにしていた他の債権者に迷惑がかかる場合もある。あとで大問題になることもあるから根回しが大事。

 簿外債務が生じたらどうするか。 予測されるものは事前に対策を練ることができるけど、想定外が生じたらどうするか。 想定外の簿外債務が、ほぼ、生じないくらいの入念な調査が必要。

 ということかな♪

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コメント

宮澤さま
信託大好きおばちゃんです。
なんか、原稿をお書きになられた方からコメントを頂戴しますと恐縮します。

日本の景気も来年の半ばには回復とのご意見もありますし、証券化も、なんとなく来年以降 再浮上するのではないかと、なんとなく思います。

事業証券化と自己信託・2を楽しみにしております♪


投稿: 信託大好きおばちゃん | 2009年10月16日 (金) 20時20分

信託大好きおば様

 この度は拙稿をご高覧頂き有難うございます。
 サブプライム危機が発生する前は、自己信託はじめ新信託法で導入された各種の新制度を利用して証券化商品の裾野を広げていこうという機運が盛り上がっていたのですが、昨年来よりすっかり沙汰止みの状態になってしまいました。

 市場が再び活気を取り戻した際に、こうした新機軸の検討・試みがスムーズに再開されるよう、これまで市場関係者の皆様との間でディスカッションさせていただいた内容を記憶の薄れぬうちに書き留めようと起稿した次第です。
 検討が至らぬ点も多々あろうかと存じますが、今後の建設的な議論のための叩き台としてご笑納いただければ幸いです。
 引き続きご意見ご指導のほど、宜しくお願いいたします。
宮澤秀臣 拝

投稿: 宮澤秀臣 | 2009年10月16日 (金) 17時03分

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