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2009年12月10日 (木)

秋元さんの外国子会社配当益金不算入制度における税務

先日、国税庁調査査察部 調査課 主査の秋元秀仁さんの上記タイトルのセミナーを伺いました。査察部というとマルサですが秋元さんは、ガサ入れをする方ではなく、審理といって、現場からあがってきた事案の税制上の取扱いについて判断する部門の方です。

 以前から国際税務関係等の原稿を書いていらっしゃったのでお名前は存じ上げていたのですが、ご尊顔を拝謁するのは今回が初めてでした。ポイントをついた内容を、わかりやすく、ときどき、すべるギャクを交えてお話になられていらっしゃいました。国税のスターでしょうね。

 中身は外国子会社配当益金不算入制度の中身の解説ですが ありきたりの概要を話すのではなく、現場でミスが生じやすいところなどを強調していらっしゃいました。

 ちょっとだけさわりを書くと、

 タックスヘイブン税制の経過措置の取扱い。

 外国子会社益金不算入制度の適用は、原則は、平成22年4月1日以後に受ける配当からですが、タックスヘイブン子会社から受ける配当に関しては、経過措置があり、平成22年4月1日前事業年度分の配当に関しては、平成22年4月1日以後に受け取っても、適用がない。このタックスヘイブン子会社というのは、合算課税をしている子会社だけでなく、適用除外により合算課税がなされていない会社でも対象となる。たぶん中国子会社あたりのことを念頭におっしゃっているのだと思います。そして、もし、ミスをして、益金不算入で申告をすると、将来、税務調査で否認されても、外国税額控除が適用できないので、大損になる。

 配当を平成21年4月31日前に受け取り、間接税額控除を受けたけど、何らかの事由で外国法人税が増額した場合、平成21年4月1日以後3年内の事業年度の増差税額に関しては間接税額控除を受けることができるけど、外国法人税の減額がされた場合は調整規定がない。外国税額控除を減らすなんてことはしない。納税者にとっては、まあお得でしょう。理由はわかりませんが

 構成員課税を選択した米国LLCに関して、日本法人が納付した法人税は、直接税額控除の対象となって、配当に係る外国源泉税は損金不算入、外国税額控除不適用。ここまではわかるのですが、実は、LLC自体が法人税を納めないから、タックスヘイブン税制の対象となる会社に該当するのではないかという議論が以前からあります。以前のタックスヘイブン税制だったら、所得はすべて出資者に分配されるから合算課税は0となるので問題がなかったのですが、改正により、タックスヘイブンの会社とみなされた場合はいったん合算課税となることから2重課税となるリスクが生じてきました。今の制度だとどうしようもないので、将来的には、改正をするそうですが、それまでの期間は、米国の構成員課税を選択したLLCはタックスヘイブンの会社としないそうです。

 外国子会社配当益金不算入制度に関しては、これからQ&Aと通達がでてくるようです。通達は恒久的な取扱いとなるようなものであり、経過措置的ものはQ&Aに記載されるようです。

 また、このQ&Aは秋元さんがお書きになられているようです。「クリックするのが怖い」(クリックしたら、それがお約束になっちゃいますからね)お上系の方の心の中をちょっとのぞけたみたいで楽しかったです♪

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