心に響く石井桃子さんの言葉
昨日の日経をはらっと読み返してみて、文化面の文化往来で石井桃子さんの生涯が紹介されています。
石井桃子さん 熊のプーさんの翻訳やノンちゃん雲に乗るのご著書などがあります。
少なくとも、信託大好きおばちゃん世代くらいは、幼いころ彼女の作品に触れた機会があるのではないでしょうか。
彼女はなんと101歳という長寿で2008年に天国にいかれました。なぜ、多くの子供たちは、彼女の作品に惹かれたのか。
「5歳の人間には5歳なりの、10歳の人間には10歳なりの重大問題があります。それをとらえて、人生のドラマをくみたてること、それが児童文学の問題です。」
誰でも、5歳、10歳という年齢を経て、今があるわけです。でも過ぎてしまうと、5歳当時、10歳当時、何を考えていたかということは忘れがち。今の年齢の目線で子供たちを見つめるから、彼らが何を考えているかが正確にとらえられない。彼らの年齢のときに自分が何を考えていたかを思い出すと、彼らの気持ちを少しでも理解することができる。その理解に基づき、彼らの世界観にフィットするような物語を作っていたから彼女の作品は子供たちに受け入れたということなのでしょう。
ただ、彼女のコメントは児童文学の世界だけの問題でも、子供相手の問題だけでもないと思うのです。交渉において、他者の視点にたってなぜ、彼らがそのように考えるのか、自分がどうしたいのかを的確に理解し、ギャップを埋めていかないといけない。
ギャップを埋めるためには説得が必要であり、自分の立場の考えだけを語っても説得にはなりませんよね。相手の立場、感情をとらえて、相手が納得できるストーリーを組み立てること、これが巧みになれば、もっとうまく生きていけるのですが、なかなかどうして、自分にも、どうしようもない感情があるからねえ。
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