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2010年5月 5日 (水)

日韓の相続税

以前このブログで「Q&A 国際相続の税務」を紹介しましたが、この本の韓国編をさくっと読んでみました。

 韓国の相続税の仕組みは、日本と似ているようで、誰のどの財産に税金を課するかという根本的なところが異なります。

 韓国では、被相続人が、相続開始時に、韓国の無制限納税義務者(韓国の居住者であるというようなもの)であれば、全財産に韓国の相続税がかかり、制限納税義務者(韓国の非居住者であるというようなもの)である場合は、韓国所在の財産に韓国の相続税がかかります。

 他方、日本では、相続人が、相続開始時に、日本の無制限の無税義務者(日本の居住者であるようなもの)であれば、全財産に日本の相続税がかかり、制限納税義務者(日本の非居住者であるというようなもの)である場合は、日本所在の財産に日本の相続税がかかります。

 つまり 韓国では、被相続人が相続開始時にどこにいるかに着目し、日本では、相続人が相続開始時にどこにいるかに着目します。なお、日本では、相続税逃れのために、相続開始前に日本の非居住者になるような輩を排斥するための規定が設けられていますが、これはここでは、ちょっとカット

 で、このような日韓の相続税の違いが、複雑な影響を与えるようです。

たとえば、被相続人が、韓国在住の韓国籍の方で、相続人が日本の居住者の韓国籍の方の場合で、財産が日本にある場合、

韓国の相続税では 被相続人は韓国の無制限納税義務者だから、日本の財産に韓国の相続税が課せられる。

日本の相続税では、相続人は日本の無制限納税義務者だから、日本の財産に日本の相続税が課せられる。

おそらく、外国税額控除で調整を図るのでしょう。

たとえば、被相続人が日本在住の韓国籍の方で、相続人が韓国居住の韓国籍の方で、財産が韓国にある場合

韓国の相続税では、被相続人は韓国の制限納税義務者で、相続財産が韓国の財産だから、韓国の相続税が課せられる。

日本の相続税では、相続人は日本の制限納税義務者だから、韓国にある相続財産に関しては日本で相続税が課されない。

たとえば、被相続人が日本在住の韓国籍の方で、相続人が韓国居住の韓国籍の方で、財産が日本にある場合

韓国の相続税では、被相続人は韓国の制限納税義務者で、相続財産が日本の財産だから、韓国の相続税は課されない。

日本の相続税では、相続人は日本の制限納税義務者だから、日本にある相続財産に関しては日本で相続税が課される。

たぶん、実務は、もっと複雑な問題があるのでしょうけど。

思うに国際税務の分野で、花形は法人税なのでしょうけど、法人税の場合は、誰に税金を課するかというような基本的な問題は万国共通と思うのです。複雑だといっても、課税所得の範囲に差異があることが主たる原因。

他方、相続税に関しては、万国不共通。 誰に税金を課するのかという根本的なところから異なっている。

日本の相続税も遺産課税方式に改正されるかもしれませんが、そうなると納税義務者が変更されることとなり、国際相続の世界では、がらっと課税関係が異なる可能性もありなのですねえ。

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コメント

日米相続税条約
http://www3.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdf/A-S38(3)-256.pdf

投稿: みうら | 2010年5月 7日 (金) 21時42分

遺産、相続及び贈与に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の実施に伴う相続税法の特例等に関する法律
(昭和二十九年六月二十三日法律第百九十四号)


最終改正:平成一一年一二月二二日法律第一六〇号

(趣旨)
第一条  この法律は、遺産、相続及び贈与に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約(以下「日米相続税条約」という。)を実施するため、相続税法 (昭和二十五年法律第七十三号)の特例その他必要な事項を定めるものとする。

(控除の特例)
第二条  日米相続税条約第四条の規定による特定の控除は、これに相当する相続税法 の規定による控除の額に同条に規定する割合を乗じて得た額に相当する額により行なうものとする。

(合衆国の租税の徴収)
第三条  政府は、日米相続税条約第一条に規定するアメリカ合衆国の租税につき、アメリカ合衆国政府から日米相続税条約第六条第二項の規定による徴収の嘱託を受けたときは、国税徴収の例により、これを徴収する。この場合における当該租税及びその滞納処分費の徴収の順位は、それぞれ、国税及びその滞納処分費と同順位とする。

(実施規定)
第四条  前二条に定めるものを除くほか、日米相続税条約の実施に関し必要な事項(この法律の規定の適用につき必要な事項を含む。)は、財務省令で定める。

   附 則 抄


1  この法律中、所得税又は日米所得税条約に係る部分は、日米所得税条約の効力発生の日から、相続税又は日米相続税条約に係る部分は、日米相続税条約の効力発生の日から施行する。

   附 則 (昭和三三年四月二八日法律第一〇〇号) 抄


1  この法律は、公布の日から施行する。

   附 則 (昭和四〇年三月三〇日法律第八号) 抄


1  この法律は、昭和三十七年八月十四日に署名された所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約を修正補足する議定書(以下「議定書」という。)の効力発生の日から施行する。

   附 則 (昭和四〇年三月三一日法律第三六号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、昭和四十年四月一日から施行する。

   附 則 (昭和四四年六月一七日法律第四六号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。

   附 則 (昭和四八年三月三一日法律第六号) 抄


1  この法律は、昭和四十八年四月一日から施行する。

   附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

遺産、相続及び贈与に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の実施に伴う相続税法の特例等に関する法律の施行に関する省令
(昭和四十四年六月十七日大蔵省令第三十六号)


最終改正:平成一二年三月三一日大蔵省令第三六号


 遺産、相続及び贈与に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の実施に伴う相続税法の特例等に関する法律第四条 の規定に基づき、遺産、相続及び贈与に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の実施に伴う相続税法の特例等に関する法律の施行に関する省令を次のように定める。

(未成年者控除の特例の適用を受ける者の届出)
第一条  遺産、相続及び贈与に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約(以下「日米相続税条約」という。)第四条の規定に基づき、遺産、相続及び贈与に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の実施に伴う相続税法の特例等に関する法律 (昭和二十九年法律第百九十四号。以下「法」という。)第二条 の規定により、相続税法 (昭和二十五年法律第七十三号)第十九条の三 の規定の適用を受けようとする者は、次の各号に掲げる事項を記載した届出書を、同法第二十七条 又は第三十条 に規定する申告書に添附しなければならない。
一  その者及び被相続人の氏名、年令、国籍及び住所
二  相続税法第十九条の三 及び法第二条 の規定を適用して算出した控除額及びその計算の基礎
三  その他参考となるべき事項

(障害者控除の特例の適用を受ける者の届出)
第二条  日米相続税条約第四条の規定に基づき、法第二条 の規定により、相続税法第十九条の四 の規定の適用を受けようとする者は、第一号から第三号までに掲げる事項を記載した届出書及び第四号に掲げる書類を、同法第二十七条 又は第三十条 に規定する申告書に添付しなければならない。
一  その者及び被相続人の氏名、年令、国籍及び住所
二  相続税法第十九条の四 及び法第二条 の規定を適用して算出した控除額及びその計算の基礎
三  その他参考となるべき事項
四  医師の発行する次に掲げる事項を証明する書類
イ 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者であること
ロ 所得税法施行令 (昭和四十年政令第九十六号)第十条第一項第六号 に掲げる者であること及びその障害の程度
ハ イ又はロに規定する者以外の者で、その者の精神又は身体の障害の程度が所得税法施行令第十条第一項第一号 から第五号 までに掲げる者に準ずること及びその障害の程度

(二重課税に関する申立ての手続)
第三条  相続税法 に規定する相続税又は贈与税の納税義務者は、日米相続税条約第七条の規定による申立てをしようとする場合には、次の各号に掲げる事項を記載した申立書を、その者の相続税又は贈与税の納税地の所轄税務署長を経由して、国税庁長官に提出しなければならない。
一  その者の氏名及び住所若しくは居所又は名称及び本店若しくは主たる事務所の所在地
二  二重課税を生じ、又は生ずるに至る事実及びその理由
三  二重課税を生じ、又は生ずるに至る相続若しくは遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。)の時期又は贈与(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を除く。)の年及び当該相続、遺贈又は贈与に係る相続税又は贈与税の課税価額並びに当該課税価額に対する相続税額又は贈与税額及びアメリカ合衆国の租税の額
四  その他参考となるべき事項
2  前項の申立書には、二重課税を生じたこと又は生ずるに至ることを証明するために必要な書類を添附しなければならない。

   附 則

 この省令は、公布の日から施行する。


   附 則 (昭和四八年三月三一日大蔵省令第二一号)

 この省令は、公布の日から施行する。


   附 則 (平成一二年三月三一日大蔵省令第三六号)

 この省令は、平成十二年四月一日から施行する。


投稿: みうら | 2010年5月 7日 (金) 21時15分

韓国相続税法
第29条(外国納付税額控除)居住者の死亡により相続税を賦課する場合に外国にある相続財産に対して外国の法令により相続税を賦課された場合には、大統領令が定めるところによりその賦課された相続税に相当する金額を相続税算出税額から控除する。

投稿: みうら | 2010年5月 7日 (金) 21時03分

(6) 外国税額控除
相続財産が外国にあり、外国の法令により相続税に相当する税が課税された場合、相続税からその税額を控除する。
 

投稿: みうら | 2010年5月 7日 (金) 20時56分

遺産、相続及び贈与に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の実施に伴う相続税法の特例等に関する法律
(昭和二十九年六月二十三日法律第百九十四号)
(控除の特例)
第二条  日米相続税条約第四条の規定による特定の控除は、これに相当する相続税法 の規定による控除の額に同条に規定する割合を乗じて得た額に相当する額により行なうものとする。

投稿: みうら | 2010年5月 7日 (金) 20時54分

外国税額控除では調整できません

租税条約に規定があれば別だけど・・相続税の租税条約は米国としか今もないはずです

投稿: みうら | 2010年5月 7日 (金) 20時52分

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