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2010年6月 8日 (火)

実務解説 遺言執行

 NPO法人 遺言・相続リーガルネットワーク編著の「実務解説 遺言執行」

という本があります。

 相続の本やら相続税の本やらは山のようにあるのですが、遺言執行に特化した本は非常に珍しいようです。ニッチな分野に特化した本が売れているのかなと思って、最後のページをめくったら 平成211118日初版発行で、平成22325日 初版第3刷発行のようです。

 遺言執行者は何をするのかというと、本から引用させていただくと「遺言書に従って遺産を相続する人に実際に財産を移転する作業を行います。」

 遺言執行者が不要なケースも多いのですが、民法で遺言執行者がある場合は、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができないと規定されており、またまた、引用させていただきますと「遺言執行者は、遺言者に成り代わって、遺言者の意思を実現するためにそれを妨げる行為を排除しうる権限を有する者であるから、遺言執行者を指定しておけば、遺言者は安心して自らの意思を遺言に託することができるのである。」だそうです。

 遺言執行者は弁護士や信託銀行だけでなく、税理士だってなることはできます。でも、なってしまえば、責任をもって仕事をしないといけない。何をするのか、どうすればいいのか、どのような問題があるのかということを、豊富な判例等を使って、網羅的に書かれています。

 遺言執行人に就任したら、相続財産を調べあげて相続財産を自分のところで管理する必要があります。たとえば、被相続人の預金の場合、

 

 通帳や届出印鑑等をすべて預かることが重要で、金融機関に対し、遺言執行者の同意がなければ、払い戻し等取引ができないように通知をしておくべきだそうです。

 そして、受遺者に預金債権を引き渡す手続きなのですが、方法としては、預金を解約してお金を渡す方法と、預金の名義変更があり、どちらにするかはケースバイケースです。  

ありがたいなと思うのは、これらの手続きをするために必要な書類が何かが記載されていること、また、遺言執行者の払い戻し請求を銀行に拒否され裁判となった結果、遺言執行者が勝った事例も記載されています。備えあれば憂いなし。

 相続というマーケットは、絶対になくなりはしない。相続関連のビジネスというのは頻繁に生ずるものではないから、実務家にノウハウがたまりにくい。だから、いざビジネスを引き受けるとなると、戸惑いも多いので、このようなニッチな分野に特化した本へのニーズが、概説書よりもあるということなのでしょうね。

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