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2010年6月 4日 (金)

金融と法 企業ファイナンス入門

今朝の日経の1面下の書籍広告のトップは、大垣尚司さんの「金融と法 企業ファイナンス入門」です。

 大垣さんは、銀行マンや生命保険会社の役員等を経て、現在は立命館大学大学院法学研究科教授をなさりながら、住みかえ支援機構の代表理事もおやりになっていらっしゃいます。豊富な実務経験の裏打ちのある学者にして、経営者。天才というか、はっきりいって、化け物系ですね。

 その大垣さんが立命で講義された内容を網羅したような本がこの著書です。私自身も以前、大垣さんの講義を拝聴していたのですが、とにかく、面白いですね。 何をいってるのか頭にすーっと入るのですよ。授業後に、何を学んだのか、文章として自分なりにまとめることができる。どんなにすばらしい先生のお話でも、メモは残っても、頭に残らなかったら時間の無駄でしかありませんからね。

 ファイナンスの定義として、「企業や家計が事業や生活を営む上で生じる資金の過不足を第三者との間でやりくりすること」とまずお書きになっています。

 大垣さんは以前、生命保険会社の役員をおやりになっていたので、生命保険に特化して、この著書を追いかけていくと、

 ファイナンスの血液はお金(キャッシュフロー)であり、ファイナンスの世界においては何でもキャッシュフローの額で評価することになっています。

 だから、命の値段だって、お金で評価する。でも、命の値段なんて、いくらかなんて誰もわからない。人によっては、「私なんぞに何の価値もありません」と謙遜するだろうし、強気な人は国家予算規模のことを言うかもしれない。これでは裁判所も困るから、保険契約は自分で決めてくださいということなっている。つまり、自分で保険金の額を決め、保険料を支払う仕組みになっています。

 では、その保険料はどのように決めるかというと、ベースは生命表に基づいているようです。ただ、これらの数値は、予想に基づくので、実際には異なることが多いです。予想よりも寿命が長かったら、一般的な生命保険金の場合、生命保険会社は得をするが、年金保険の場合は、損をします。

生命保険会社は、契約者からお金を集めてきて、長期で運用し、保険事故等が発生したら、一定のお金を払う仕組みであり、もし、保険会社が倒産したら保険金が予想通りはいってこないので、契約者は保険会社の信用リスクを負うことになります。

生命保険会社は保険料であつめたお金を運用してますが、銀行と異なるのは、銀行の場合は、貸付のための営業がいっぱいいて、信用リスクのチェック等に多くのマンパワーが使われますが、生命保険会社では、負債を集めてくるための営業がいっぱいて、集めた莫大なお金は、少数の運用担当者がリスク分散をベースに運用をしています。

資産の運用期間が負債の期間よりも長いものはほとんどないことから、負債より短い期間の資産を上手に運用するかが重視され、これは、銀行とは正反対(資産の期間>負債の期間)の特徴だそうです。

というように、単に学問的にファイナンスって何ということにとどまらず、金融機関が、どうやってお金儲けをしているのかというあたりまで書かれているので、(大垣さんの講義では、これからどうやって稼いでいけばいいのかまで、踏み込んでいらっしゃいましたが)ほんとうに面白い一冊だと思います。

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