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2010年7月30日 (金)

辻美枝さんの「生命保険をめぐる相続税法および所得税法上の諸問題」税大ジャーナル

今年、最高に税制に影響を与えた論文というと 大阪経済大学准教授辻美枝さんの「生命保険をめぐる相続税法および所得税法上の諸問題」ですね。彼女は、大学の先生だけでなく、信託大好きおばちゃんと同じ税理士ですね。ほんとうに凄い。

平成22年の税制改正に影響を与え、年金2重課税の最高裁の判決にも影響を与えたのですからね。歴史に確実に残ります。

彼女の論文でいいたいことを自分なりにデフォルメして書いてみると、

相続税と所得税が2重課税されるか否かを資産の区分に応じて整理すると次のようになる。

金銭及び金銭債権 2重課税は基本的には排除されている

譲渡性資産(不動産みたいなもの) 2重課税はある 

相続時に評価され、譲渡時に取得価額引き継ぐのでキャピタルゲインに課税される。相続発生から一定の期間ない資産を譲渡した場合は、譲渡所得の計算上、一定の相続税が控除されますが、これは2重課税の部分的調整だと思う。

生命保険     一時金 2重課税排除される

         年金  排除されない

こうみてみると生命保険だけ、払われ方で課税関係が異なるのはおかしい。

同じ方法で課税すべきだ。

どうすればいいのかヒントをアメリカでの課税の枠組みの中で探してみた。

そして、得られた結論は、

旧相続税法24条(年金受給権の評価)がおかしい。適正な年金現価が計算できるのにアバウトな算式で計算するのは不合理だからね。

アバウトな算式を使って相続税評価額をはじき出す代わりに、生保会社からゲットできる年金現価を使って相続税評価額をはじき出す。その代わり、年金を受取った時点で、年金現価部分を所得税の計算上控除しよう。

そうすると運用利回りだけに課税されることになり2重課税が排除されてめだたしめでたし のはずだから。

そして、税制が改正され、最高裁は納税者勝利となり、お上の主張は退けられた。

ちなみにこの論文は税大ジャーナルというお上系が発行している雑誌に掲載されています。

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2010年7月29日 (木)

京町家の再生と信託

昨日の京都新聞(NET記事)に「「町家減少を食い止めたい」管理信託で再生、関係者ら調印」といいう記事がありした。

以前から、たまにこのブログでも書いているのですが、古い町家を保存したいというニーズはいろんな人たちにあります。でも、お金がかかるし、所有者はなるべく出さずに保存できる状態にしたいという希望をかなえるために信託を利用してみようということで、うなぎの寝床のような細長い家が多い京町家の信託案件の第一号がスタートしたようです。

なぜ、信託を利用するかというと、所有者側は、改築資金を、基本的には、自分で調達せず、受託者で調達できます。この町家は、改築資金の回収のために一定期間、賃貸されますが、賃貸人の募集も受託者がやってくれます。家賃は前払いで受取り、空室リスクを負うこともないようです。そして、信託期間が終了すれば、町家がもどってくるというものです。

改修資金の出し手にとって不安材料は、お金が回収できないということ。お金はどこから生み出されるかというと賃料収入であり、この収入を確保するためには、信託期間、賃貸業をやってもらわないとまずい。途中でやめたとならないように、信託の場合は、信託受益権に質権を設定することができます。

所有者は、信託期間中、現金収入がありませんが、所得はどうなるのというも税務上の問題があります。信託ですから、所得は受託者で発生しますが、税務上は受益者(委託者)で発生したものとして扱われます。

代表的な各論として、

前払家賃を受取った時点で全額収入にならないのか? 

これは、契約書を工夫することにより期間の経過とともに収入が計上されるように取り扱われることが可能と考えられます。

減価償却はどうすればいいのか? 

中古資産を改修するので中古資産の耐用年数が適用されると思います。ただ改修費が多額で再調達価格の2分の1を超えると法定耐用年数{新品と同じ耐用年数}になるので、1年間の減価償却費が減少し、お金がないのに所得が発生するというリスクが生じます。何年が妥当かというのは個別事情で異なりますが、少なくとも、信託期間は利用できるということですから、信託期間以上の耐用年数を設定する方がいい場合が多いようにも思います。

記事によると、第1号案件は改修資金が700万円 信託期間は10年。 10年で700万円の資金を回収し、10年後に改築された町家が所有者に帰ってくる。 10年は過ぎれば早いですが、長いといえば長い。10年のうちに所有者に相続が発生することもあれば、周囲の環境が激変することだってあるかもしれない。壮大なプロジェクトのスタートですね。

http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20100727000203

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2010年7月28日 (水)

生命保険信託

 今朝の日経に「中央三井とプルデンシャル、国内初の「生保信託」商品

受取人や時期を生前に設定、高齢化ニーズに対応」という記事があります。

 やっぱりね。いつか、これがでてくるのだろうと思っていましたが。生命保険信託というのは、簡単に言うと、生命保険金を受取る権利のようなものを信託して、受取人(家族以外でもOK)や受取り方(医療費や学費など使途指定OK)をオーダーメードで作りましょうというようなことができるものです。

生命保険信託って、いちおう、相続税法基本通達にも登場しています。

92-7  生命保険信託いわゆる生命保険信託に関する権利については、生命保険契約に関する規定(法第3条及び第5条)の適用があることに留意する。

記事を引用すると

人口の高齢化が進んでいることに対応する狙いもあるようだ。例えば、認知症の配偶者に保険金のうち一定額を月々生活資金として交付したうえで、配偶者の死後に残余財産を渡す人も指定できる。また保険金を渡したい家族が未成年だったり障害があったりして財産管理に不安がある場合などにもニーズがあるとみている。

この配偶者に一定の生活資金を交付して、死亡後、誰かに残余財産あげるというような信託は受益権が複層化されているといわれており、配偶者が有する受益権は収益受益権、残余財産をもらう受益権は元本受益権ともいわれてます。

このような場合の課税関係は、相続税も所得税もひっくるめて、現状では、非常にわけがわからないのです。だから 税金よーわからんという法的不安定リスクがあります。

株式流動化信託といい、生命保険信託といい、受益権の複層化前提の商品が設計され販売されそうですが、来年にはこの辺の手当てをしっかりやるんでしょうかねえ。わたしも、いろいろ思うことはあるのですけど、どうすることもできない。何とかしてくれーと、誰か(関係者)に向かって叫んでみました♪

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2010年7月27日 (火)

長生きは、いいことか

2009年の日本人の平均寿命は女性が86.44歳、男性が79.59

これは、2009年に生まれた子どもが何歳まで生きるかということ 09年生まれの新生児が65歳以上まで生きる割合は女性が93.6%、男性が86.7%。 ほとんどの人が、老人になるまで生き続ける状況です。

いまでも、80歳まで生きられた方の大部分は平均寿命をクリアしてしまう。 60歳定年の世界から考えると、その後の生活が20年から30年も続く凄い世界です。この期間は、年金生活と考えると 人生80年のうち、稼ぐ期間が40年、稼がない期間が40年。 40年の稼ぎで、80年分の生活を賄うなんて、よほどのことがないと無理。個人的にも国家的にもね。

肉体的には80を超えて生きても、病気がちだし、ぼけてきたら、ちっともいいことはない。なんのために生きるのかよくわからないのに、無理やり生きても仕方ない。国も医療費や年金を負担しないといけない。これじゃ、みんな不幸せ。60歳以降、元気なうちは稼いで食べていける仕組みを全体的に作り、医療費や年金の負担を減らす方法を考えないといけないけど、人口に占める老齢者の割合が増えると、年金の減額を選挙で主張できないからねえ。日本という国は、急速にどうしようもなくなっていくのかなあ。

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2010年7月26日 (月)

インフラを押さえることの重要さ

今朝の日経の春秋は、以前、このブログでも紹介したユニクロのバングラデシュ事業などの社会事業のお話です。

 インフラの整った先進国や成長著しい国というのは、ライバルが多いので参入しても、競争に負けてしまう可能性も高い。誰も振り向きもしないような国でも人口は多く、潜在的成長の可能性はあります。

 そして、そんな貧しい国でも、携帯電話の普及率というのは、かなり高い。固定電話の時代を飛越えて携帯電話の時代がやってきました。広大な国土ですから携帯電話のほうが使い勝手がいいのでしょう。つまり、この携帯電話というのはこの国の重要なインフラ。

 だから、携帯電話を使って、多くの国民が利用するサービスを提供できる仕組みを作ると非常に強いのではないか。

 たとえば、このような国の交通手段は何かというと、決して、自家用車ではない。公共機関のバスであり、列車であり、船である。これらを利用しないと、生活も仕事もできない。これらの切符を買うためには、彼らは、えんえんと切符売り場まで出かけ、待たなければならない。もし、日本のように携帯で予約できるシステムができたら非常に便利。では、その代金を払うのはどうするのか。これも携帯でできれば便利。もし、一連のシステムを導入できれば、当初は、あまり儲からなくても、インフラを押さえますから、あとからいろんな収益をとる機会がおちてきます。この辺は、グーグルの広告戦略みたいなもの。

外国の輸送会社を買収するというのはお金もかかるし、リスクも高い。でも、なにも輸送会社をおさえなくとも、インフラの根っこをおさえる方法はある。それも、自分たちがガラパコスだといわれながらも独自に展開した技術を利用することも可能。もし、成功すれば、誰もガラパコスなんていわない。また、輸送手段の携帯予約・決済がすべてでもない。国や人によって、インフラというか、絶対に不可欠のものは微妙に違う。そこら辺は何かというものを見抜くのが一番大事なんだろうね。

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2010年7月24日 (土)

はとバス(オー・ソラ・ミオ)搭乗しましたぁ

 今日も火が出るような暑さですね。先日、はとバスねたを書いたので、いっちょ、はとバスに乗ってみっかということで、本日、はとバスで東京観光してきました。

 チョイスしたのは、TOKYOパノラマドライブ 所要時間1時間 1,500

コースは、東京駅丸の内南口===日比谷公園===霞ヶ関===国会前===東京タワー===レインボーブリッジ===お台場===築地===銀座===東京駅 ※すべて車窓見学です

出発時間(所要約60分)

9:00 / 11:00 / 13:00 / 15:00 / 17:00 / 19:00

6/192715:00発、4/176/27の土日の17:00発、8/141519:00発は運休

というもの。 わたしは朝9時発に乗りました。朝一番だったのか、お客さんは10人。

いやー乗ってみて、おどろきました。 バス自体は2階建てで、客席は2階にしかないのですが、なんとオープンバス、すなわち、天井がない。 見上げると青い空と かんかん太陽。朝9時スタートといえども半端じゃないまぶしさ。あわてて、おしろいを塗り直しました。

でも、天井がないので、風がもろにふきつけ、暑くはないのですね。それに、天井がないと、東京のビルの高さが体感できます。特に、東京タワーの下を通って見上げたときの迫力はちょっとしたものですね。 また、新たな発見として、銀座のエルメスビルの一番上に馬の彫刻がおいてあって、旗みたいなのが、風になびいているのですが、これは、エルメスの最新のスカーフだそうです。ちょうど、信号で止まっていたので、しっかり拝見させていただきました。

1万円近くだして、一日使って、定番の東京観光しても、あんまし面白くないのですが、1時間くらい、さっとドライブ気分で観光バスに乗るのもそんなに悪くない。東京駅あたりで、数時間をつぶさないといけないのだったら、そのうちの1時間をこの観光にあてるという選択もいいかもしれません。

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2010年7月23日 (金)

相続・贈与に係る国際的二重課税 税大論叢

 時々、マニアックなコメントをいただくみうらさんに 小林尚志「相続・贈与に係る国際的二重課税 -外国税額控除の在り方を中心として-―」という論稿を教えていただきました。税大論叢59号にあります。

 以前、このブログでも紹介した日米相続税条約というのは、実は昭和29416日に署名され、昭和3041日に効力が生じ、いまも現役。なんと50年以上使われているのですね。 昭和29年というと アラウンド造船疑獄!(アラゾウ)なんですよ。

 この条約が、なぜ、作られたかというと、日本と米国で相続税や贈与税のかけられ方が違うことから生ずる2重課税を排除するため。日本は相続人、受贈者に税金がかかるけど、米国は相続財産、贈与者ですからね。

 この条約の肝は、両国にちらばる財産について、どちらの国の財産なのかを決めているところ。その財産をもらった人やあげた人が税金を払うとき、両方の国に払うものか、片方の国でOKなのかわからないと困るからね。

 ただ、このようなつくりの租税条約というのはOld Fashionで、いまの、OECDモデルなどは違うらしい。

 このブログで、以前、カナダは相続税がないというけど、みなし譲渡の制度があって、被相続人が死ぬ直前に資産を時価で譲渡したものとして譲渡益に課税されるみたいというようなことを書いていたのですが、これは事実みたいね。

そして、このような制度がある場合の問題として、財産をもらった人の相続税から、外国で払った相続税のような税金は外国税額控除というツールを使って二重課税が排除されるけど、みなし譲渡益の所得税は、相続税から控除することはできないから、カナダに財産を残して死亡したような場合の遺産に関しては、2重課税の排除は現状では難しいみたい。

打開策として、現状では難しいのだけど、カナダで払った所得税を債務控除という形で相続財産から控除できるように法改正したらというようなことを小林さんは書いていらっしゃいますね。

そんなに深く読み込んでいませんが、この辺の分野に関しては、ほんとうに資料がないので、ありがたい文献ではあります♪

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2010年7月22日 (木)

高野山 Kôyasan

昨日の日経の夕刊に「幻想の時空 「宿坊」体験 和歌山・高野山」という記事があります。

 高野山 大阪のなんばから南海電車高野山行きに乗って、終点、極楽橋駅でおりて、南海高野山ケーブルに乗り換えて山を上がると高野山駅につきます。高野山は山の上に、平坦な町が広がっています。高野山の肝である奥の院には、バスに乗っていきますね。

高野町は宗教都市なのですが、一般的な門前町の雰囲気でもない。世俗の垢にまみれていないんです。

 信託大好きおばちゃんは、10年位前に数回、高野山を訪れたことがあります。一度は、宿坊体験、一度は、西国33箇所巡りを完遂できたお礼まいり。

 あのころから外国人旅行客が多かったせいでしょうか。くたびれたような喫茶店のメニューは、2ヶ国語でかかれており、驚きました。

 この高野山がミシュラン三ツ星を獲得し、昔以上に外国人旅行客がやってくるそうです。

 京都のように著名な寺院や庭園があちこちにあるわけでもない。富士山がみえるわけでもない。最大の売りは、奥の院ですけど、これって、巨大墓地ですからね。だけど、奥の院に踏み込み、大昔から立っていたと思われる杉の木立の中をゆったりと歩くと、独特の空気に圧倒され、山の中の湖のような透明な落ち着きを心にもたらすのです。この感じが、世界中の人をひきつける原動力なのでしょうね。

 そして、宿坊 お寺に旅館を併設したもの。お坊さんが、食事(精進料理)を運んでくれて、布団も敷いてくれる。お酒(般若湯)もOK。 でも、テレビはあったかなあ。昔のことだから覚えてません。

 普通の旅館と違うイベントとしては、朝の勤行参加というものがあります。

6時ころから、お坊さんがお経をとなえるのを板の間に座って拝聴し、一緒にお祈りするようなものです。

 宿坊の料金は 楽天トラベルをみていると、最低5,000円くらいから10,000円くらい(一泊2食)。写経体験がしたい場合は、追加費用要。

日本で、外国人に人気のある場所としては、ニセコがありますが、これは、上質の雪で覆われたビッグゲレンデがあるから。得がたい体験ができるから。

高野山が外国人に受け入れられるのは独特の精神世界を体験できる宗教都市だから。何かを見て、綺麗とか凄いとか感動するというものでもない。

日本人は、宗教と薄い関係にある人が大多数。でも、外国人は宗教と熱い関係にある人が大多数。だから、高野山の持つ穏やかで深い宗教パワーがより心にしみるのかもしれません。

日本は外国観光客の誘致を推進していますが、彼らが望んでいるスポットと、日本人が観光地と考えているスポットに微妙なずれがある。何が何でも高野山という感覚は日本人にはあまりない。自分たちの価値というのは、自分たちが一番、わからないものなのでしょうかねえ。

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2010年7月21日 (水)

同族企業の繁栄の鍵は、「同族」でなく「企業」ドラッカー

昨日、柳井さんの影響を受けて、大手町のくまざわ書店でさっそく「チェンジ・リーダーの条件 みずから変化をつくりだせ」を買いました。 

 はらはらと読んでいるところですが、翻訳家の上田惇生さんの技量も影響があると思いますが、読みやすい。

 その中で、ぱっととまったのが、同族企業の話。同族企業は、日本固有のものでなく世界中にある。 同族企業が長きにわたって繁栄するためにはどうすればいいということを非常に簡潔に書いてます。

一族が同族企業に奉仕するときは生き残り、繁栄することができる。

他方、一族に奉仕すべくマネジメントしたのでは、同族企業も一族も、生き残り繁栄することができない。

そのためにどうすればいいかというと、あほな一族は企業にいれない。間違ってもトップマネジメントをさせちゃあいけない。たとえ、金を払ってでもあほは企業にいれない。

トップマネジメントや専門知識のいる部門の責任者には、一族以外の人間をいれる。そして、一族がもめた場合の仲裁は一族以外に頼む。

デュポンは、一族の男性は全員、デュポンに就職する資格を与えられたけど、56年目にふるいにかけられ、10年後にトップマネジメントに入れるだけの器でなければ辞めさせられたそうです。

これが、できるようでできない。大株主のお母さんなんかが登場してきて、えもいわれぬプレッシャーをかけてきますから。会社が繁栄するために、目のみえない大株主をだまらせる方法という経営学の裏本のようなものを誰か書いてほしいなあ。

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2010年7月20日 (火)

服を変え、常識を変え、世界を変えていく

 ユニクロの柳井さんの言葉。 あいかわらず、ユニクロの業績がいいようです。

 平成228月期の第3四半期 連結売上累計、前期同四半期比22.7% 連結経常利益累計 前期比 30%、 通期連結売上予想 8,150億円(前期比19%) 

このままの調子で成長すると来期か、再来期には、確実に売上1兆円企業になりますね。

このユニクロがバングラデシュで、かのグラミン銀行と手を組み、バングラデシュで 1ドルくらいのTシャツや下着を売る事業を始められるようです。

いわゆる社会貢献活動のひとつだと思います。これだけ儲かっているユニクロだからこそできる活動かもしれません。先進国や新興国へのビジネス展開はどこでも行っていることですが、なかなか、貧困国の貧困層に対するビジネスには手がだせない。活動をしても収益に結びつくまでに莫大なコストと時間がかかりますからね。

貧困国への援助はODAに任せればいいということかもしれませんが、あれもね、いろいろいわれますし、貢献したと思っている割には、喜ばれていないような気もします。

柳井さん曰く

社会を変えてゆくのは国よりむしろ、世界的な規模で活動し展開する企業ではないか。私はそう考えています。グーグルにしてもアップルにしても、人々の暮らしのスタイルや質を変えることによって、社会の仕組みそのものにまで大きな影響を与えている。人は人とどうつながって生きていくのか、人が生きることの喜びとは何か、社会的な存在としての人間のありかたを大きく変えているのは、こういった世界的な企業なんですね。

http://www.uniqlo.com/jp/corp/pressrelease/2010/07/071515_mag_1.html

この辺の思考がユニクロのバングラデシュビジネスを推進したのでしょう。

日経ビジネスの20107.19で、資生堂の岩田副社長も「企業の社会的責任 社会貢献と本業のシナジー」をお書きです。

この活動のビジネス上のメリットは、岩田さんの記事を引用すると

企業や商品の認知度が高まり、将来その社会の所得水準が上がった時に事業を有利に進めることが可能になる。

先の先を読む腰の据わった投資。これができるのは、ユニクロが実質的には柳井さんの会社だからなのでしょう。サラリーマン企業では、なかなかトップが判断しづらい。同業のほかの会社が実行したら追随するかもしれませんけどね。

柳井さんはドラッカーの信奉者であり、ドラッカーが優れているのは、自分の頭で考えているところだそうです。他人の頭脳を借りてきてなぞっているようなものではない。だからいまでも色あせることはないそうです。

柳井さんも自分の頭で判断して経営しているのでしょうね。読みがあたり、運もあるのだと思いますが、彼の成功の原因には、金儲け至上主義ではない。何かがあるからでしょう。

金儲けだけだったら人も社会も長期的には動かせませんから。

柳井さんの思考の源流をたどるべく、ドラッカーを少しずつ、今年の夏読んでいこうかなあ。

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2010年7月16日 (金)

付録つきムック本

 昨日同様、日経ビジネスの特集「ヒットの新法則」で、本屋さんのお話が載っています。

インターネットの発展で、本や雑誌が売れていないといわれています。必要な情報はネットから引き出せますからね。本や雑誌をなぜ買うのかというと、情報という無形のものを入手したいからであり、ハードな紙のかたまりが欲しい人はあんまりいない。

でも、売れている本や雑誌、ムック本があります。これらは、なぜ、売れるか。 欲しいなと思うような付録がついているのですね。しかも、価格が非常にリーズナブル。

昨日、本屋に出かけ、付録つきを探してみました。いろいろありますねえ。付録つきは、本に白い紐がかかっているのですぐわかります。

一瞬、「Sweet」(若いおねえちゃん向けのファッション雑誌)にしようかと思ったのですが、恥ずかしくてやめました。おばちゃんだからね。で、近くにあったe-mook アニエスベー 初のコレクションブック誕生! Agnis b 2010 spring/summer collection 1,200円を買いましたぁ。

アニエスベーって、デパートでよく見かけるフランスの洋服や雑貨のブランドメーカー。

中身は、服やバッグが、いっぱい綺麗にならんでいて、女優さん(中谷美紀とか、堀北真希などなど)が、アニエスの服を着ている写真や、パリの本社で働く人たちの写真もある。

結構、お金をかけて作っています。上品な雰囲気。紙も上質ですしね。

なぜ、このムック本を買ったのかというと、アニエスベーのファンだからではなく、付録の、ちょっと大きめのトートバックは使えるかなと思ったから。黒地に 赤いハートと 白いAb(アニエスベーの略でしょう)が散っていて、派手目。

いままで、金麦(白金台の日東坂の下にあるパン屋)のこげ茶色のエコバックが気に入って使っていたけど、最近、ちょっとくたびれてきたし、飽きてきたので、代替として使おうかなと思っています。

このコレクションブックをアニエスベーが作ったのは、あくまでも販促で、本来の服やバッグを買ってもらうためだと思います。

値段的には、服でも1着5万円台、バッグも1万円台ですからブランドのわりには安い。

でも パンツもユニクロ、バッグはエコの信託大好きおばちゃんとしては、これでも、価格帯が高いなあ。だから買わない。 昔は、もっと高めの価格帯でもがしがし買っていたのだけどね。

コレクションブックはゴミ箱行きで、トートバックだけは残る。ようするにトートバックを1,200円で買ったようなもの。ブランドもので、センスもまあまあ、生地もしっかりしているから値段以上の価値があると買ってから思いました。

でも、アニエスベーとしては、通常1万円くらいで売っているバックをその10分の1くらいで売っているようなもの。商売として赤字にならないか? ブランド価値が落ちないか?という疑問もあります。 原価はたいしたことがないのでしょうけど。

日経ビジネスを読むと、企業としては、安くても大量にはけるから採算にあうそうです。本というのは流通がしっかりしていて、本に商品をいれて売ると、日本全国の書店の店頭にわっと並ぶ。流通コストや販売促進コストがかからない。本を買いにきた人が、ちょっといいなと思ったらさっと買ってくれるので、新たな顧客層を開拓できる。

本を買う人の立場にたてば、付録つきは本と物が一緒に入っていると非常に便利で値段も安い。

本屋としては、付録つきが売れるだけでなく、他の本も買ってもらえることもあるので売上増につながる。

当事者みんなが、いまのところ、ハッピーになるみたいね。

でも、付録は残しても、本はすぐゴミ箱という人が多いと思う。欲しいのは付録ですから。ハードカバーの本は付録の付録♪ これが本の未来像か。

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2010年7月15日 (木)

高価な商品でも売れる オリエンタルホテル東京ベイ

日経ビジネス2010.7.12の特集はヒットの新法則です。

商品が売れない。特に高額な商品が売れないといわれていますが、発想を変えると、よく売れるということをこの特集は物語っています。

信託大好きおばちゃんの目にぴぴっときたものは、

3,360円!もする子供用のボディーソープが売れているらしい。なぜ、お客さんはそのボディーソープを買ったのか? それも、名指しで。 なぜならば、その人は、オリエンタルホテル東京ベイに泊まったときに、そのボディソープを使い、いいなと思ったからだと思うのです。

 オリエンタルホテル東京ベイ|東京ディズニーリゾート・パートナーホテル

ここに、キディスイートという部屋があります。

ママの声から生まれた日本初のベビー向けコンセプトフロア‘ベビーズスイート’の「こだわりポイント」を引き継ぎながら、新たに子育て中のママのニーズである「リラックス」と「リフレッシュ」を実現するために、お部屋の機能面や備品・貸出品、インテリアデザインなどに「新たなこだわり」をプラスした、全く新しいコンセプトのファミリー向け客室フロア「キディスイート」が、この春ホテル最上階に誕生します。

ベビーズスイートを卒業されるご年齢(46歳)を中心としたお子様がいらっしゃるご家族に、快適なホテルステイをお約束いたします。

http://www.oriental-hotel.co.jp/room/12f.html

お母さんとお子様が一緒に泊まれる部屋なんですけど、この部屋はただのホテルの部屋ではない。お客さん(金主)に、売りたい商品(特に新製品)を見せて、試してもらい、自分で買ってみようというような気分を組成する場所なんですね。

いまどきのお母さんというのは、財布の紐はかたいけど、自分がいいな♪と感じたものは少々高くても買う。でも、少々いいなと思うような商品と出会える機会が少ない。とくに子どもが小さいときは、自分の時間がとれない。そこで、そんなお母さんのために、親子でホテルの部屋に泊まって、お子様に遊んでもらっている間に、お母さんにさりげなく商品を試してもらい、買いたいという気分にさせるのでしょう。

これ、考えた人、凄いなと思いますね。高額な商品でも質がよければ売れる。

ただ、普通に売っていたって、買ってくれる人に情報が届かない。営業の人がわーっとおしかけると引いて話も聞いてもらえない。だから、違うイベントに誘い、さりげなく使ってもらうということか。これなら、よければ、お客さんが自分から買うよう動いてくれますから、効率がよく、高収益を生み出す可能性がありますね。

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2010年7月14日 (水)

信託受益権の内外判定と日米相続税租税条約

今日もあんまり面白いねたがないので、信託ねた。

 資産を信託したら、受益者には受益権という権利がもらえる。信託した資産と受益権は別。 税法の世界では、信託の利用のされかたで税金の課せられ方がかわるけど、一番メジャーなのが、受益者等課税信託で、信託財産を実際に持っていない受益者が、信託財産を実際にもっているものとみなして課税されます。

 そうすると、どうなるかというと、生きている太郎が土地を信託して受益者を花子とすると、花子は、太郎から受益権を贈与によりもらったんだけど、税法の世界では土地をもらったものとして税金を計算する。

 最近は、経済がグローバルしたから税金もグローバルに考えないといけない。太郎や花子が日本にいる場合もあれば、外国にずっといる場合もあるし、信託した土地が、日本の土地の場合もあれば、外国の土地の場合もある。

 資産が、国内のものか国外のものかを判定するのは、相続税や贈与税を計算する際、非常に大事なので、法律でルールを決めている。

 日本の土地は、当然、国内財産。

日本法では、受益者等課税信託の場合は、受託者がどうかで判断せず、おそらく中身がどこにあるかで判断されるというように条文からは読める。それ以外の法人課税信託や集団投資信託は受託者の営業所等の所在地と条文に書いてある。

で、次に登場するのが、租税条約。租税条約というのは、国際間の2重課税を排除するために作った2国間のルールで、日本では、国内法より租税条約の方がえらい。バッティングする場合は、租税条約を優先する。所得等の租税条約は日本はいろんな国と結んでいるけど、相続税や贈与税の租税条約があるのは、アメリカ。

じゃ、日米相続税租税条約ではどうなっているのか?  不動産だったら所在する場所だけど、

信託して、受益者がもらうのは、受益権でしょ。受益権というのは、受益者の受託者に対する債権であり、債権の場合の内外判定は、債権者債務者の住所 つまり、受託者の住所となる。

日米租税条約では、信託受益権を種類を区分して、判断するようなことはしていない。

じゃあ、日本の不動産をアメリカの信託会社に信託し、信託受益権をアメリカ人の日本の非居住者が贈与や遺贈により取得した場合、つまり、非居住者がもらった、日本の不動産が信託財産のmade in USAの受益権を日本で相続税や贈与税課税することができるかということです。

どうなんだろう?

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2010年7月13日 (火)

はとバス♪

 週刊東洋経済717日号の特集は「バス大異変! 知られざる公共交通の実像」です。

バス会社(特に路線バス系)は、どう考えても赤字のビジネスモデル 売上(運賃収入)<経費 だろうと思っていたのですが、やっぱりそうみたいね。 事業者の7割が経常赤字で、補助金で補填しているみたい。

信託大好きおばちゃんは、都内に住んでいるのですが、一番使うのは、地下鉄で、次がJR、それから、たまーにバスですね。東京駅から家の近くまでバス1本でいけるけど、地下鉄利用するより時間が倍かかるし、夜の9時過ぎると、ほとんど走らない。だから、なぜ、バスを使うのか? その理由が見出せないのです。

で、今日のねたは、路線バスではなく、はとバス。 信託大好きおばちゃんが、がきだったころ(つまり、うん十年前 東海道新幹線はあったけど、他の新幹線はなかったころ)上京して、はとバスで、NHK放送センターや東京タワーを見物した記憶があります。

あれからうん十年。 いまどきの観光客は、はとバス乗らないだろうと思っていたのですが、この雑誌の記事を読むとそうでもないらしい。

今、人気のある 東京一日(C)新宿発を紹介すると

新宿駅西口(9:30)新宿駅東口(10:00)迎賓館(車窓)国会(車窓)皇居前広場(坂下門…二重橋前…楠正成像※注150)「宝」東京国際フォーラム店(食事・50)銀座(車窓)浅草観音と仲見世(自由散策※注250)レインボーブリッジ(通行)お台場(自由散策※注350)東京タワー大展望台(展望・50)新宿駅東口(17:30着予定)

http://search.hatobus.co.jp/main/detail.php?id=12713&kbn=N&kind=s

へー 基本は昔とあんまりかわらないね。

 ただ、、お客さんの声を聞いて、 地方のお客さんが帰りの新幹線に間に合うように1時間ほど終了時間を繰り上げたりしていらっしゃるようです。

 はとバスのいいところは、ドル箱の東京見物スタンダード版だけでなく、バリエーションのあるツアーというか、普通はツアーの対象にならないものを商品化していらっしゃいます。

たとえば、東京スカイツリー&運河探検クルーズ

7月から運行のコース!!

今しか見られない!建設中の東京スカイツリーを北十間川の船上から。“逆さスカイツリー”のベストビュースポットです。

http://search.hatobus.co.jp/main/detail.php?id=13219

出来上がった東京スカイツリーは、半永久的に見ることができるけど、建設中の東京スカイツリーなんて、今しか見ることができませんからね。 こんなツアーに客が集まるのかと思われるかもしれませんが、人気があるようです。

東京なんて、富士山もなければ、海もない 単なる都会で、観光地として商売しても無理と思われそうですが、そうでもない。 今、流行の中国時の観光客相手の観光ツアーを売っているのではない。これらのツアーの参加者は、そこらの日本人。でも、お金を払ってこれらのツアーを体験したいニーズがある。つまり、ビジネスチャンスというのは、ちょっと頭をやわらかくして、考えると、そこらに転がっているんだなあ♪

 

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2010年7月11日 (日)

アメリカの受益者連続型信託

 日本の世の中的には、選挙ねたなんでしょうけど、なんか、考える気持ちがなえてきそうなので、非常にニッチなアメリカの受益者連続型信託の話題などを

 受益者連続型信託というのは、信託で、受益者が何らかの原因で、次々変わることを約束したような信託だと思う。

 日本においては、受益者連続型信託の税金のかけられかたが、おかしいのではないかという議論がありますが、それはおいといて、信託が資産承継で使われているアメリカの税金の話題を

 アメリカでも受益者連続型信託というのはあるみたいですね。

 受益者が、ABCDというような形で移っていく信託で、基本的にA,B,C,Dは信託の財産のうち、一定部分しかもらえない。Dは、信託が終了して残った財産をもらっている。

 ちょっと文献等を調べているのですが、当初アメリカでは、最初のAと最後のDだけ税金がかかり、B,Cは無税で資産移転ができたらしい。これは、相続税の課税逃れにつかわれるということで、世代飛越税というのが作られ、BCにも課税されるようになった。

BCは、いくら財産をもらおうと最高税率で税金が課税されるらしい。また、Aは、へたなスキームを組むと、相続税や贈与税+世代飛越税がかかり、大変な重課になる。

こんな税金がめーいっぱいかかるなら誰もやらないのだけど、アメリカではそれなりに使われている。なぜか? アメリカでは、少なくとも相続税の基礎控除が結構大きな金額だから、基礎控除の範囲だったら、何をやっても、これらの税金がどうもかからないみたい。

大金持ちは別だけど、小金持ちたちにとっては、非課税の枠内で受益者連続型信託を使って資産承継をするのは魅力的らしい。。。。。

日本では、相続税の増税がうわさされているから、アメリカと同じ課税の仕組みを作ったら、ほんとうに誰も受益者連続型信託を使わなくなってしまう。

でも、最高裁の判決がでてしまいましたから、今の資産評価や課税関係の見直しがあるかもしれないけど。特に気になるのが、受益権が複層化された場合の課税関係(相続税+所得税・法人税) 最高裁の結果を反映させると、結構使えることになるかもしれないけど、はてさて、どうなることやら。。。。

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2010年7月 9日 (金)

契約農園付マンション

今朝の日経新聞によると、アスコットという会社が小伝馬町の近くに作ったマンションに、契約農園を3年間無料で使えるサービスをトッピングするようです。。

このマンションは、アスコット パーク 日本橋 小伝馬町 竣工は平成239月下旬(予定)、広さは、41.16㎡(9戸)~81.22㎡(2戸)値段は未定。

アスコット 平成219月期 売上 12,051,357千円 でも 経常利益 △4,227,429千円! この主たる原因は、棚卸資産評価損 2,860,892千円ではないかな。サブプライムローン以降のマンション不況が原因だと思います。

平成219月期はかなり赤字をだしましたが、 平成209月期には記載されていた【継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況】が、平成219月期には該当事項はないとされています。219月期に10億円ほど増資がなされていますね。

日経の記事だけよんでいたら、ネームバリューのない会社がマンションを売るための付加価値として、契約農園は面白いなあ(ただし、農園は千葉にある)、いいこと考えるなあでコメント終わりだったのですが、有価証券報告書を読んでから、改めてHPを見直すと、この商品開発に賭ける会社の思い入れというのが、なんとなく伝わります。

マンションを結構、研究しているので、このマンション自体の質はそんなに悪くない。場所は、都心。広さも、シングルからちょっとしたファミリーまで、値段がどのくらいにつくのかが一番重要で、農地がついているから、このマンションに決めたという人がどれくらいいるのかちょっと気になります。私だったら、農業には興味があるけど、農地つきだから小伝馬町にマンション買うかというと うーーん。

でも、売れ行きに凄く興味があります。

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2010年7月 8日 (木)

英語は企業人の必須科目に

今朝の日経の社説は「英語は企業人の必須科目に」です。以前、このブログで楽天の公用語が英語になったお話を書いたころ、ヒット数が多かったので、世の中的には注目されているのだなあと思っていたら、日経の社説にまで紹介されるようになったのですね。

 英語がビジネスで必須だなんてことは、十数年前からひしひしと感じていたことなんで、いまさら何を大騒ぎしているんだろうと社説を読んで思います。

 中学校や高校で英語を学ぶのも大事だけど、なぜ、必要なのかということが、実感できないと身につかない。だから、私としては、学校での英語教育よりも、社会にでてからの英語教育の方がずっと大事だと思います。

 英語を学ぶのは、英文学者になるためでなく、コミュニケーションの手段のためであるから、ネイティブレベルを目指す必要はない。中学英語を駆使して、言いたいことが伝わればそれでいいのではないか。このレベルの英語教育と、いま、日本で行われている英語教育の質は違うような気がします。

 特に仕事で必要な英語力というのは、専門的になればなるほど、低いレベルでも使い物になる。なぜなら、お互いにバックグラウンドの知識がある世界なので、中身がしっかりしていたら、言い方がおかしくても、相手はわかる。

 それと比較して、本当の英語力が問われるのは、スモールトーク ランチやディナーでの話題。政治経済からスポーツに家族の話題などなど これが言えない。何をいってるのかわからない。おそらく、相手のバックグラウンドがわからないから。言葉が頭に入ってこないのでしょう。ここら辺の英語力の向上を教えるような英語教育をしていただけたらありがたいけど、つまり、英単語や英作文を覚えるような英語教育ではなく、相手のバックグラウンドもしっかり理解できるような英語教育ですけど、難しいだろうねえ。

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2010年7月 7日 (水)

After 2重課税訴訟の最高裁判決

税の世界の端っこで生きているような信託大好きおばちゃんは、やっぱり、この話をかかないといけないのでしょうね。

 所得税というのは、1年間に個人が稼いだ利益について課税されるものであり、相続税というのは、個人が人生の最後に残した財産に関して課せられるものです。相続税で課税される資産はどのように計算されるかというと、たとえば、将来その財産をもっているといくらお金をもらえるかに基づいて計算します。もし、相続税でいったん税金をかけて、将来、その財産がお金という形で手許に入ったときにそれに所得税をかけるのって、税金の2重取りじゃない?と思う人は、潜在的にたくさんにいらっしゃったと思うけど、あえて、おかしいとお上に楯突く人はいなかった。なぜなら、お上に税金のことで楯突いても、勝訴率は非常に低いので、時間とコストの無駄と思う人も多かったから。でも、ほんとうに楯突いてみたら、意見が通ってしまった。正論ですからね。

問題となったのは、年金で受取れるタイプの生命保険。生命保険というのは、相続財産にならないけど、相続税の世界ではみなし財産とされるもの。たとえば、太郎が契約者で被保険者の保険金5,000万円(一時払い)は、受取人が妻の花子の場合、この5,000万円は太郎の相続財産のひとつとされ、相続税が計算されます(一部は非課税の対象とされますが)。じゃ、実際に花子が5,000万円のお金を保険会社からもらった時点で、花子は所得税が課せられるかというとこれは課せられない。条文できっちり次のように定められているから。

所得税法第9  非課税所得次に掲げる所得については、所得税を課さない。

十六 相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの(相続税法(昭和25年法律第73)の規定により相続、遺贈又は個人からの贈与により取得したものとみなされるものを含む。)

保険金を一時金という形でもらっても年金という形でもらってもどちらも実質的にはかわらないから所得税は非課税と思うけど、年金という形でもらうと、相続財産の評価はディスカウントされるけど、実際にお金をもらうときに雑所得として課税されてしまうのです。

その理由は、 「『保険金』は保険金請求権を意味し、年金形式の場合は年金受給権が保険金に当たるよ。でも、毎年受け取る年金は、受給権に基づいて発生する支分権に基づいて受取った現金で、年金受給権じゃないから保険金とならない。したがって、非課税の対象にならない???という、何がなんだかわからない理屈。

 最高裁はこの理屈は認められないとして、年金で受取ったもののうち少なくとも1回目というのは、相続税が評価された部分オンリーだから、所得税をかけるのは不合理だと判断されたのです。

  2回目以降に関しては判断はされていませんが、2回目以降というのは、年金期間において、年金財産を運用して儲けた部分もあるから、その部分に関しては、相続税として課税されていないから、この部分に関して税金をかけることまでおかしいとはいってません。

この判決が下って、原告が受ける利益というか還付金はそんなに大きな金額ではない。でも、その後の税務行政に与える影響は物凄い。おかしな制度だけど、なんとなく続いてきたのは、もし、否定されると、尋常ではない影響が想定されるからだとも思うのです。だって、既に同様の契約で税金を納めた人は、半端な数ではない。最高裁判決がおりたら、通常は、他の人たちにも同様の救済をしないといけないですからね。

また、同様の2重課税の仕組みがあるのは年金保険だけでなく、他にもある。これらの見直しも考えないと、また、裁判で争う人が現れてくるかもしれませんからね。

税務の世界の諦めにも似た、でもおかしなことでも継続しないと大変だという常識は、普通の人の目線で考えるとやっぱりおかしいことであり、それは、裁判所の力を借りて修正されていくという可能性が日本にはあるんだなあと。

税金の世界の人たちは、裁判所は税金を知らないと思うかもしれませんけど、でも、税の専門家の税金に対する常識は、一般社会の非常識なのかもしれないね。

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2010年7月 6日 (火)

アメリカの今年の遺産税は0

 来年の税制改正で日本の相続税が増税になる方向だといううわさはいろいろありますが、

アメリカの今年の遺産税(日本の相続税のようなもの)は0です。つまり、どんなに大金持ちが死んでも税金を払う必要はない。

 なぜ、こんなことになったのかというと、どうもブッシュ前大統領が、選挙で約束したらしい。なぜ、約束したのか。家族経営の農家や小規模企業に対する遺産税の軽減のため、支持基盤なのでしょう共和党の。

 ただし、この遺産税が0なのは今年限りで、また復活するらしい。

 アメリカの遺産税というか相続税のしくみは、日本のように財産をもらった相続人に課せられるのではなく、遺産に課せられるものです。いったん遺産財団みたいなものに移って、弁護士などがその遺産を相続人に分ける作業などをして、作業が完了したら財団はおしまい。財団の財産について遺産税を計算して払い、財団である期間が長引いて、遺産から所得が発生したら、遺産として所得税などを払う。

日本だったら相続税一本だけど、アメリカの場合は、連邦税(国税みたいなもの)の中に相続税と、代飛ばしによる相続税のがれを防止するための世代飛越税があり、それとは別に地方税もある。もちろん、贈与税もあるらしい。で、2010年に停止になっているのは、相続税と代飛ばし税で、贈与税は停止になっていない。

財産もって死ぬなら今年中なのかもしれませんけど、一つ留意点があって、日本と違って、アメリカというのは、相続時に財産の取得価額が、相続時の時価までグロスアップされるのです。

たとえば、被相続人が1万ドルで買った資産が相続時に10万ドルになり、その後、相続人が12万ドルで売却したような場合、

相続人の譲渡所得は 2万ドル(12万ドルー10万ドル)

日本の場合は、相続による財産取得は、被相続人の取得価額引継ぎだから

相続人の譲渡所得は 12万ドルー1万ドル=11万ドル ただし、相続開始から一定の期間内に財産を譲渡した場合は、一定の相続税を譲渡所得の計算上、控除してもらえる。

そして、2010年にアメリカの遺産税が0の状況で財産をもらった相続人が財産を売却した場合は、どうやら、この取得価額のグロスアップの規定は適用されないようです。だから

同じ条件で財産を譲渡した場合の譲渡所得は 11万ドル(12万ドルー1万ドル) らしい。

まあ、遺産税0だからといって、すべてがハッピーになるとは限らないみたいね。

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2010年7月 5日 (月)

羽生善治さんの負けない心

私の人生、少なくともここ10年くらいに関して、非常に影響を与えた人というと棋士の羽生喜治さんです。彼の将棋の中身はよくわかりません。しかし、彼の書いた本は、どう生きるべきかを考える際に非常に参考になります。

 そんな羽生さんの記事が、土曜日の日経の夕刊にでていました。「負けない心 羽生喜治さんに聞く リスクへの恐怖心に勝て 根気・粘りで直感磨く」です。

 彼ほどの実績がありながらも、自分の一手がミスで、負けてしまうんじゃないかという恐怖にさらされることが、しばしば、あるようです。

 将棋という勝負事は、結局、相手がいながら、自分の恐怖心に勝つかどうか、で最終的な勝敗が決まるところがあるのではないでしょうか。恐怖心に勝つためには、気持ちの上で向かっていけるかが重要な要素であるらしい。また、流れが悪くなったときは、損切りができるかということも大事。

 将棋界で成功する人というのは、凄いひらめきを示す人よりも、長期間にわたって将棋に対する情熱を失わない人。こつこつたる努力が、才能にまさるということ。

 将棋は子どものころから始めないと頂点までは上り詰められないといわれています。だから、耐用年数が短いとも思われますが、羽生さんだって20年以上トップにいらっしゃるし、大山康晴永世名人はA級をキープして69歳でなくなられた。大山名人のこつは、時間の使い方のメリハリがうまかったところらしいですが。

 将棋の世界も新しい戦法が開発され続けていますが、これらに関して、羽生さんですらも勉強し直していらっしゃる。へーそうなんだ。特別な技なんてないんだ。

 将棋の世界は厳しい。トッププロがトッププロであり続けるためには、いくつになっても初心者のごとく、一から勉強しないといけない。おれはエライとうぬぼれると、すぐに転落する。でも、どんなにエラクなっても、自分自身を見失わずに努力を続けると、意外と寿命の職業なのかもしれません。

 羽生さんの足元にも及ばない信託大好きおばちゃんですが、彼の言葉を力にして、今日からも、こつこつと、少しでも進化するように努力を積み重ねようと思いました。小学生のような感想ですけど。

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2010年7月 2日 (金)

お中元はスーパーで

今朝の日経の消費面を見ていたら「お中元はスーパー」でという記事があります。

お中元って、ビールやコーヒーやハムやタオルやらを義理という名が浮き上がってきそうな老舗デパートの包装紙でつつんで授受することに価値があるものだという思っていたのですが、最近は価値観が変わってきたみたいで、コストが安いスーパーのお中元の売上が増加しているようです。

そういえば、最近、デパートでお中元贈っていないなあ。上京して4年くらいになり、住んでいるところから半径2キロ圏内にやたら詳しくなってしまった信託大好きおばちゃんは、この圏内にあるお店屋さんでお中元を買う傾向にありますね。チョコレート屋さんやケーキ屋さんに煎餅屋さんで、商品に手紙を添えてもらって、お中元として送ってもらったりしています。だって、ビールやハムやタオルじゃもらう方もうんざりでしょ。お礼状のほめ殺しのような文面の底にありがた迷惑という感情がしっかり埋まっていますからねえ。

で、記事では、デパートのお中元商品は全部だめなのではなく、限定品のようなもの(例として日本橋の三越のジャムの詰め合わせやハチミツ)は売り切れもあるようです。ここにしかない一品ものだったら、少々高くても買うということ。

ある有名店のジャムだったら、その店に発注すればいい。複数の有名店から、なんらかの視点でジャムを選び、それを綺麗な箱にいれて詰め合わせる。

たとえば、紅茶だったら、紅茶の詰め合わせという視点でなく、紅茶の缶と紅茶と一緒につまむスコーン等の詰め合わせて、おしゃれな紅茶ライフを提案するというようにすればいいとも思うのだけどどうだろう♪

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2010年7月 1日 (木)

ヤフーの繰越欠損金引継ぎは否認だ!

 今朝の日経にもあるのですが、ヤフーは、100%子会社のソフトバンクIDCソリューションズを合併した際に引き継いだ繰越欠損金が東京国税局から否認されて追徴税額が265億円(国税&地方税)生ずるようです。

ヤフーはソフトバンクが38.6%の株を保有している会社

 このヤフーが 平成2122ソフトバンクからソフトバンクIDCソリューションの株式100%を購入。購入価格450億円! 純資産160億円(平成203月期)

この株価は、取得時の時価純資産(潜在的繰延税金資産価値含み)や将来キャッシュフロー(グループとのシナジー効果含む)第三者算定期間による評価等を総合勘案しているらしい。潜在的繰延資産とは、おそらく、IDCの繰越欠損金を利用したことによるヤフーの節税効果を織り込んでということか。

 そして、ヤフーはこのソフトバンクIDCソリューションを平成21330日!に合併した。50%超の資本関係ができてから2ヶ月もたっていないのにね。しかも、合併の日が決算日(3月31日)の前日!

 100%親子会社間の合併の場合は、ごちゃごちゃ要件を並べなくても、原則的には、消滅法人の資産や負債を簿価で移転することができるので、合併時によけいな税金がかからないのですが、問題は消滅法人に繰越欠損金がある場合。これを何でも認めちゃうと、租税回避天国になってしまう。そこでいくつか縛りがあるのだけど、

ヤフーは 、事業関連性がヤフーIDCにあるし、IDCの副社長(実は、ヤフーの代取)が合併法人代取になっているから、繰越欠損金の要件を満たしているとして申告された。

 でもお上はかちんときたみたいね。 これはスキームだ! 株の購入費用の馬鹿高さと、 株式譲渡契約の中に、もしお上から否認された場合は、最終決着がつくまで、税金分はソフトバンクが購入価格を減額して面倒みてあげるなんて盛りこむのは、いかにもでしょということか。

 プレスリリースから考えると、この事案の否認根拠として、組織再編成に係る行為又は計算の否認(法人税法132条の2)を適用したような感じね。

たぶん、審査請求ではおさまらず訴訟までいくでしょう。ぜひ、結果を公表してください! そうしないと実務が進化しませんからね。

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