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2010年7月30日 (金)

辻美枝さんの「生命保険をめぐる相続税法および所得税法上の諸問題」税大ジャーナル

今年、最高に税制に影響を与えた論文というと 大阪経済大学准教授辻美枝さんの「生命保険をめぐる相続税法および所得税法上の諸問題」ですね。彼女は、大学の先生だけでなく、信託大好きおばちゃんと同じ税理士ですね。ほんとうに凄い。

平成22年の税制改正に影響を与え、年金2重課税の最高裁の判決にも影響を与えたのですからね。歴史に確実に残ります。

彼女の論文でいいたいことを自分なりにデフォルメして書いてみると、

相続税と所得税が2重課税されるか否かを資産の区分に応じて整理すると次のようになる。

金銭及び金銭債権 2重課税は基本的には排除されている

譲渡性資産(不動産みたいなもの) 2重課税はある 

相続時に評価され、譲渡時に取得価額引き継ぐのでキャピタルゲインに課税される。相続発生から一定の期間ない資産を譲渡した場合は、譲渡所得の計算上、一定の相続税が控除されますが、これは2重課税の部分的調整だと思う。

生命保険     一時金 2重課税排除される

         年金  排除されない

こうみてみると生命保険だけ、払われ方で課税関係が異なるのはおかしい。

同じ方法で課税すべきだ。

どうすればいいのかヒントをアメリカでの課税の枠組みの中で探してみた。

そして、得られた結論は、

旧相続税法24条(年金受給権の評価)がおかしい。適正な年金現価が計算できるのにアバウトな算式で計算するのは不合理だからね。

アバウトな算式を使って相続税評価額をはじき出す代わりに、生保会社からゲットできる年金現価を使って相続税評価額をはじき出す。その代わり、年金を受取った時点で、年金現価部分を所得税の計算上控除しよう。

そうすると運用利回りだけに課税されることになり2重課税が排除されてめだたしめでたし のはずだから。

そして、税制が改正され、最高裁は納税者勝利となり、お上の主張は退けられた。

ちなみにこの論文は税大ジャーナルというお上系が発行している雑誌に掲載されています。

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