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2010年7月 6日 (火)

アメリカの今年の遺産税は0

 来年の税制改正で日本の相続税が増税になる方向だといううわさはいろいろありますが、

アメリカの今年の遺産税(日本の相続税のようなもの)は0です。つまり、どんなに大金持ちが死んでも税金を払う必要はない。

 なぜ、こんなことになったのかというと、どうもブッシュ前大統領が、選挙で約束したらしい。なぜ、約束したのか。家族経営の農家や小規模企業に対する遺産税の軽減のため、支持基盤なのでしょう共和党の。

 ただし、この遺産税が0なのは今年限りで、また復活するらしい。

 アメリカの遺産税というか相続税のしくみは、日本のように財産をもらった相続人に課せられるのではなく、遺産に課せられるものです。いったん遺産財団みたいなものに移って、弁護士などがその遺産を相続人に分ける作業などをして、作業が完了したら財団はおしまい。財団の財産について遺産税を計算して払い、財団である期間が長引いて、遺産から所得が発生したら、遺産として所得税などを払う。

日本だったら相続税一本だけど、アメリカの場合は、連邦税(国税みたいなもの)の中に相続税と、代飛ばしによる相続税のがれを防止するための世代飛越税があり、それとは別に地方税もある。もちろん、贈与税もあるらしい。で、2010年に停止になっているのは、相続税と代飛ばし税で、贈与税は停止になっていない。

財産もって死ぬなら今年中なのかもしれませんけど、一つ留意点があって、日本と違って、アメリカというのは、相続時に財産の取得価額が、相続時の時価までグロスアップされるのです。

たとえば、被相続人が1万ドルで買った資産が相続時に10万ドルになり、その後、相続人が12万ドルで売却したような場合、

相続人の譲渡所得は 2万ドル(12万ドルー10万ドル)

日本の場合は、相続による財産取得は、被相続人の取得価額引継ぎだから

相続人の譲渡所得は 12万ドルー1万ドル=11万ドル ただし、相続開始から一定の期間内に財産を譲渡した場合は、一定の相続税を譲渡所得の計算上、控除してもらえる。

そして、2010年にアメリカの遺産税が0の状況で財産をもらった相続人が財産を売却した場合は、どうやら、この取得価額のグロスアップの規定は適用されないようです。だから

同じ条件で財産を譲渡した場合の譲渡所得は 11万ドル(12万ドルー1万ドル) らしい。

まあ、遺産税0だからといって、すべてがハッピーになるとは限らないみたいね。

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