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2010年9月 9日 (木)

小規模宅地の特例の変遷

平成22年の税制改正は、グループ税制(100%グループ間で資産を譲渡した場合は、譲渡損益にその時点で課税しないぞ)周りの改正が主役で、すっかり影をひそめた相続税の改正ですが、小規模宅地の特例の規定の影響はかなり大きいですね。

小規模宅地の減額というのは、 被相続人や生計を一にしている親族の事業や居住のために利用されていた家屋の敷地である土地を相続により一定の人が取得した場合は、一定の面積の土地に関しては相続税の計算をする上で、評価をがっつりディスカウントしましょうという規定です。都心のような地価の高い土地に住んでいる人の相続のためには使える規定だったのですが、

この制度は 昭和50年個別通達がスタートのようです。当初は被相続人の事業の用や居住の用(貸付除く)の土地のうち200㎡までは20%減額だったようです。

そして昭和58年に租税特別措置法の中で制度化され、改正を繰り返していますが、基本的には、制度を拡大(つまり、納税者にとっては減額の幅が広まるので、メリットがある)する方向での改正でした。ただし、お客さんが増えるたびに増築を繰り返す旅館のように、迷路のようになったところもあると思うのです。

さて、今回の改正は、いままでの改正とは、趣が変わり、制度を縮小する方向に触れています。

改正のポイントは、

○相続人等が取得した土地を継続して事業や居住していない場合は適用対象外

○共同相続の場合は、個別に要件をみる

○一棟の建物の一部に80%減対象の居住用部分がある場合は、敷地のうち居住用部分だけ80%減額の対象

80%減額の居住用の対象となるのは、主として居住の用に供していた1軒の家の敷地のみ

このように書くと不合理な改正とは思えないのですが、計算してみると改正の影響で相続税がかかるケースが増えているらしい。来年にも相続税の増税があると予想されているので、相続対策がまた流行るのでしょうね。そうすると、お上が追いかけてきて規制をつくる。節税はビジネスを創り、改正もまたビジネスを創る。税金周りのビジネスが廃れることは永遠にない。

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