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2010年9月13日 (月)

若宮啓文さんの「和解とナショナリズム」

若宮啓文さんは朝日新聞の論説主幹であり、おそらく、日本並びに韓国、中国等東アジア諸国との国際関係に関して特に優れた見識をお持ちの方だそうです。

 縁があり、若宮さんの「和解とナショナリズム 新版・戦後保守のアジア観」をいただき、休日に読み始めました。

 読み始めて、すぐに、この本は凄いなという感動を覚え、じっくり読み始めています。

 高校の日本史の授業というのは、古代から始まって、大河ドラマにでてくるような時代に関しては、それなりにしっかり学ぶことができるのですが、第2次世界大戦前後から現代にいたるまではあまり記憶がありません。時間がないからというだけの理由ではないと思います。

 また、卒業してからも、戦中、戦後の現代の政治史、特に、東アジア諸国との関係を突っ込んで学ぶ機会を得た記憶はあまりありません。

 歴史というのは、何も年号や事件を覚えるために学ぶのではなく、そこで、人がどのように考え、行動し、その結果、何が起こったかを知り、理解することによって、これから起こる事象にどう立ち向かうのがよいのかを最適解を導くためだと理解しています。

 この著書において、たとえば、首相の靖国神社参拝の問題が、なぜ、中国や韓国の怒りを買うのか、各首相が、この問題に関して、どのような対応をしたのか、が語られています。 

 んとうなったのは、日本人にいまも根付く脱亜論的考え、つまり、日本という国は、明治になって西欧に追い越せとがんばった。自分たちは、アジアの諸国よりも、優れた民族であり、優れた国である。つまり、西欧 > アジア というような考え。

脱亜論の源流には、福沢諭吉や吉田茂がいる。脱亜論的思考が日本人のどこかにあるから、日本がアジアの諸国と一緒に手をつないで共にがんばりましょうといってもそっぽをむかれてしまう。

 また、中国や韓国がいまだに、過去の歴史がという日本人からしたらうんざりするような主張をする背景には、第2次世界大戦の戦犯の処遇等に納得がいかない側面もあるのではないかと。

 たとえば、東京裁判で処刑されたのは、アメリカとの会戦に賛成だった軍人等だったのですが、日本は第2次世界大戦をアメリカとだけ戦ったわけではない。発端は、中国との戦争であり、その戦争の遂行に携わった人たちは裁かれていない。 もし、そうであるならば、吉田茂も裁かれるべき。

 また、本来だったら戦犯として服役・処刑されるはずなのに、釈放され、政界に復帰し、岸信介のようにトップに上り詰め、その後も権力をキープし続けた人たちがいる。これは、アメリカの日本統治に関する政策を民主化の推進よりも反共の砦にするという方向に転換したことが背景にあるようですが。

 日本人だけが悪いわけではないのですが、アジアの人からしたら、日本人しか目に入らないので、不満がたまっていく。

 靖国神社参拝も、アジア諸国の批判からくるマイナスの影響と、ナショナリズム的な国民感情からくる影響で、ダッチロールを繰り返し、悩んだ末にでた結論なのでしょう。若宮さんは、小泉さんの行動には批判的なようですが。

 

 まだ、読破していないので、この本の深みの1%も表現できていませんが、この本は、面白い。人生の参考になるかどうかは別として、政治家の行動原理を理解できるから、次のアクションも想定できるので、ニュースを見ることが楽しくなるよね。

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