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2010年10月 4日 (月)

福祉型信託の実情

土日、横浜で2010年成年後見法世界会議があり、縁があって参加しました。この会議の分科会で、筑波大学の新井誠さんがコーディネーターをされた信託と成年後見があったのですが、その中で公証人の方が福祉型信託の事例を報告されたのが面白く、参考になりましたので、備忘録として

 信託法の改正以降だと思いますが、既に30件以上の公証人役場で取り扱った信託があるそうです。これらは、ほとんどが遺言信託で、契約はあまりなく、自己信託の事例はまだないようです。ただ、契約の中には遺言代用信託(委託者の生前は委託者が受益者、委託者が死亡したら相続人等が受益者のような信託)

 信託財産としては、不動産(居住用不動産・賃貸用不動産)と金融資産(現預金、投資信託、株)

 後継ぎ遺贈受益者連続型信託のように1世紀近く続くかもしれない事例はないようです。

信託会社の方のお話の中でも1世紀近くというものはなかったと私は受け止めました。

なぜ、ないのかというと、先行き不透明な経済情勢や、将来、家庭の事情がどうなるかわからないことから、長期にわたり信託したいというニーズがないこと、受益者連続型信託の税制がよーわからんということだそうです。

また、取り扱った信託のスキームの事例は、ご高齢や障害のある家族の生活を守るために信託のスキームを創っていることから、彼らの利益を守り、彼らの代わりに意思などを表明するために、信託監督人や信託代理人が設けられているという特徴があります。

メインは遺言信託ですから、ほんとうに実行されている実例がどのくらいあるかは定かではありませんが、福祉型信託が実はちゃんと生息していることがわかります。

税制のニーズとして、受益者連続型信託とそうでない信託の境界をはっきりさせて、そうではい信託にふっていくようにするのがいいと思います。現在の規定は、1世紀くらい続く可能性を予測して作られたのかもしれませんが、その結果、よくわからない状態になっている。それに、そんなに長い信託期間のニーズはいまのところあまりない。ならば、受益者連続にならないようになるべくもっていく制度設計が望ましい方向ではないかと。

それから、居住用不動産の信託のニーズはこれからもあると思うのです。そこで、居住権と残余財産受益権に受益権を複層化させた信託の受益権の評価の明確化、すなわち、居住権をいくらで評価するかということを決めた方がいいと思います。これは、過去の通達が参考になりますから、そのあたりの規定をベースにアレンジするという方法もあると思うのですがどうでしょうかねえ♪

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