« シニア世代のための資産防衛と資産承継 | トップページ | オリエンタルランドという会社 »

2010年10月 9日 (土)

事業承継税制の実績

金曜日(108日)、虎ノ門で事業承継フォーラム2010(主催 中小企業基盤整備機構)があったので、参加しました。

そこでいただいた資料に事業承継税制の実績というものがあります。ここでいう事業承継税制とは、非上場会社の株をオーナーのお父さんまたはお母さんが、後継者の子どもに相続や贈与した場合は、一定の相続税や贈与税の納税を猶予しましょう。また、一定のお約束を満たした場合は、猶予した税金を免除しましょう。でも、一定のお約束を守れなかった場合は、猶予した税金を、払ってもらいましょうというような制度です。

一昨年、昨年あたりはこの事業承継税制がブームで、講演会や書籍もいっぱいあったのですが、

いただいたレジュメに事業承継税制のベースとなる認定・確認の件数の状況があります。

     認定件数   

贈与税   29

相続税   186

     確認件数

確認    1135

平成20101日から平成22630日時点 出典 中小企業庁

認定というのは、実際に納税猶予を行うことが認められた件数

確認というのは、将来、納税猶予を行う予定(予定は未定ですが)ですよという宣言をした件数1,135

これ、全国ベースなんですよね。全国に存在している中小企業って150万社くらい。

確認ベースでも0.075

全然、人気ないみたいね。

なんで、人気ないの?

そりゃ、手続きが煩雑すぎます。

また、この納税猶予の要件が、経営者にはとてもじゃないけど飲めないようなものがある。

たとえば、5年内に会社が倒産したら、納税猶予はアウトとなるので、猶予された税金を納めないといけない。

たとえば、5年間は、雇用を8割以上キープしないと、こちらも猶予がアウトになるのです。

でも、トヨタならイザ知らず、そこらの中小企業で、5年間は、絶対に会社はつぶれないし、5年後も雇用8割以上キープなんて保証できますか。もし、失敗したら、莫大な税金債務がのしかかってくるんですよね。お金がなくてぼろぼろのときにですよ。立法主旨はわかるけど、こんな説明受けて、はいわかりました。納税猶予やりますとは、なかなかなりにくいのではないかなあ。

また、過去の相続対策、自社株対策というのは、株式を分散させることにより、相続税の負担を減らしましょうという対策が主流をしめていましたが、これはその逆。会社の経営支配の確立ためには、この制度は、正しい方向性だけど、すでに株式を分散化させてしまった会社にとっては、やりたくてもできない。これから、会社を興すようなケースの場合は、使えるけど、これから会社を興すような人は、まだ、事業承継なんて考えていないからね。

このままでは、存在価値が問われかねない。理念の実現や、租税回避の防止に一生懸命になって創ったけれど、使う人の心にフィットしてない制度は、晒されるだけ。

|

« シニア世代のための資産防衛と資産承継 | トップページ | オリエンタルランドという会社 »