お父さんの建物を息子がローンで増築したら
住宅取得資金の贈与は、お父さん、お母さんから子どもへの資金贈与の話ですが、これは逆。 たとえば、お父さんが、土地付一戸建てを所有しています。ただし、築30年を経過し、かなり、建物がいたんできました。改築して、息子の家族と一緒に住みたいな。でも、改築資金が全くない、どうしようと悩んでいました。そこで、ココロのやさしい息子が、自ら借金をして、建物を建て、一緒にすみませんかと提案してきました。。。。
さて、税務上の問題は何があるか?
建物の増築をした場合、通常は、建物の所有者が、増築部分の所有者となってしまいます。そうなると、お父さんの建物の増築資金を息子が贈与したとなってしまいます。
このような場合は、住宅資金の贈与の非課税も、相続時精算課税の適用もないし、下手をするとお父さんが贈与税を払い、次に息子が相続税を払って、なんて悲惨なことになりかねません。
どうすればいいのか?
いろんな解決策があるとは思いますが、
一つは、 お父さんの建物を息子に贈与する。そして息子が借金して建物を建てる。建物の価額は固定資産税評価額で計算するから、結構安いですし、相続時精算課税が利用できるケースもある。
一つは、増築登記後、建物の価値増加部分に相当する建物の持分を子どもに譲渡する。
たとえば、子どもが1,000万円借りて増築して、価値の増額部分が1,000万円なら
仕訳で考えると
息子の借入れで建物を建てたとき
息子 お父さん貸付金1,000万円 / 銀行借入金 1,000万円
お父さん 建物 1,000万円 / 息子借入金 1,000万円
お父さんの建物を息子に譲渡したとき
息子 建物 1,000万円 / お父さん貸付金 1,000万円
お父さん 息子借入金1,000万円 / 建物 1,000万円
つまり、 お父さんが1,000万円の建物を渡して、借入金を返済するということだから、お父さんにも息子にも課税関係が生じない。
ただ、この建物の価値の増額部分というものの算定が難しい。なぜなら、増築前の時価と増築後の時価という情報が必要だけど、固定資産税評価額は使えないから。
でも、もし、増築部分を区分所有できると、はっきりするからこの問題は解決できるみたいね。
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