« 人・モノ・カネを惹きつけるシンガポールの低税率 | トップページ | 改定版 信託登記の実務 »

2012年5月25日 (金)

贈与とみなし贈与

贈与というのは、「これをあなたにあげます」とあげる人が宣言して、「ありがとうございます」ともらう人がお礼をいい、そのもの自体をもらう人が受取り、自由に使うことができるものです。だから、両者とも 贈与の事実を知っており、かつ、その物自体の利用処分権は、もらう人に移ります。

 だから、おじいちゃんが孫の名前でこっそり預金をしておいて、ハンコもカードも自分で持っていた場合、たとえ、贈与税を申告していても、これは名義預金と判断され、孫名義の財産も相続財産となることがあります。

 おじいちゃんがぼけてしまって、何もすることができないから嫁が通帳を受け取り、おじいちゃんのためにお金を使っていたところ、ストレスがたまり、高価な着物を買って数千万円使ってしまった。だから、おじいちゃんの相続がおこったときは、嫁が使ってしまったお金はないから、残ったお金を相続財産として申告した。

 ところが、おじいちゃんの相続税の申告がおかしいと考えたお上が調査に入り、嫁が使い込んだ事実を知り、嫁が使い込んだおカネは、おじいちゃんの財産を不当に横領したようなものだから、おじいちゃんは嫁に対して不当利得請求権という権利があり、この権利は財産だから相続財産に加えろといってきた。横領なんかしてない、私は悪いやつではない、これは生活に必要なおカネを使っただけだと嫁は主張した。

 国税不服審判所は、お上の主張は厳しいなと思った。だって別に嫁は横領したわけではないから。でも、それでは、お上が負けてしまう。これではまずいなあと思った。

だから、発想を転換して、これは、嫁がキャッシュカードで引き出したときに、嫁はおカネを自由に使えるという利益を受けている。おじいちゃんがぼけていると贈与者の意思がないから贈与にはならないけど、贈与とみなしてこの経済的利益に贈与税を課しても問題ない。だって、みなし贈与の規定が相続税法にはあって、当事者が贈与だとわからなくても、利益を受けた人がいるなら、その人に贈与税をかけまますよという規定があるからね。ということで、おじいちゃんが死ぬ前3年前に嫁が引き出したおカネのうち嫁が着物で使った分を相続財産に加算した。

 最近、このみなし贈与による課税が増えているらしい。でも、そうだったら、おじいちゃんが自分のおカネを自己信託し、孫を受益者とした場合、たとえ、孫が知らなくても、受益者となった時点で、贈与があったものとみなすから、絶対に名義預金にはならないと考えていいのかな?

信託というのは管理する人と 利益をうける人が別という仕組みで、管理支配と利益を受ける人が一致する贈与とは別のものを同じとみなすと法律が作っているからね。

昨日の、東京税理士会の満員札止め笹岡先生の研修会をベースに作ってみました♪

|

« 人・モノ・カネを惹きつけるシンガポールの低税率 | トップページ | 改定版 信託登記の実務 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 人・モノ・カネを惹きつけるシンガポールの低税率 | トップページ | 改定版 信託登記の実務 »