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2012年6月19日 (火)

組織再編の行為計算否認規定(伝家の宝刀)は、いつ抜くの?

組織再編というのは、合併とか会社分割、現物出資、現物分配、株式交換や株式移転など、会社同志の結婚や離婚、養子縁組のようなイベントたちであり、これらについて、一定の要件を満たした場合は、イベント時に税金をかけませんよ。多額の税金で資金繰りが苦しくなったら、仕事どころではなくなり、会社自体が死んじゃって、それじゃ、お上も長く税金がとれず困るからね。

 でも、この組織再編の税制は、税金を安くするというメリットがあって、グループの再編にはプラスになったけど、当然、悪乗りする人もでてくる。そんな悪乗りする人に税金罰をかけるような規定が法人税法132条の2がある。ただこの規定はお上の伝家の宝刀の一つといわれて、お上の判断で使うことができるようなもの。民草からしたら、いつ、抜かれるのかわからない。経済的合理性を追求するのが会社だから、税金を安くするような組織再編はけしからんといわれると、何もできない。じゃ、どんなケースに伝家の宝刀を抜くのか?という疑問に対する一つの回答のようなものがT.Amaster に先月連載されていた組織再編税制の立案者とトップ法律事務所タックスローヤーの座談会の中で読み取れます。

 ようするに、税金の減少のメリットを本来の享受者でない者が享受したり、そのスキーム取引やセット取引を提案した者が享受したりするケースだそうです。税金減少のメリットを当事者間で分け合い、精算すること、たとえば、追徴税額負担条項が入っているというだけで取引が不自然というわけではないらしい。

 わたしてきに面白かったのは、弁護士の藤田さんが、海外の組織再編に対する税制の適用について、日本の会社法や民法における法律用語の解釈に依拠して税法を解釈するという手法は説得力に欠けます。まさに、我が国の法人税法が組織再編成をどのようなものと考えているのかということが問われているわけであり、というお話しに対して、立案者朝長さんが「合併」や「分割」などの法人税法で用いる用語は全て法人税法における「合併」であり法人税法における「分割」であるという当たり前のことが十分に理解されていない向きがあるようです。と答えたこと。

 いずれにしても、派手な組織再編の否認事件が報道されて、お上としても負けるわけにはいかない。だって、負けた場合は法律改正で手仕舞いというあまたの税務訴訟とは本質的に異なるものだと思うからね。

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