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2012年9月17日 (月)

 日本人が米国に不動産を残して死亡したら

 月曜日は、国際相続を書こうと最近、努力をし始めています。

 国際相続の世界では、税金よりもまず、どこの国の相続法で処理するのが重要。

 日本では、日本人の相続は日本の相続法で処理せよというルール。他方、米国では、不動産は、所在地の相続法で処理せよというルール。そうすると、2つの法律がぶつかるのですが、このようなぶつかり方は、国際私法の世界では積極的抵触といって、いくつか最近の国際相続の原稿を読んだのですが、一律に「解決方法がない」の一言で終わり。

 それじゃ困るんです。日本人で米国に不動産を残して死んだ人なんていくらでもいるのに、相続の処理をしようと相談を受けて、解決方法がありませんではすまないでしょ。

 以前のブログで、たぶん米国の法律にしたがって処理をすると書いていたのですが、あれは、過去に自分の前を流れていった情報からの推測でした。でも、推測ではどうしようもないので、根拠になる書籍を探していたのですが、端緒のようなものを発見

 監修 野田愛子 「国際相続法の実務」日本加除出版

 Qで「日本人の外国にある遺産について、日本の家庭裁判所がなした遺産分割審判によって、当該遺産の分割をその外国で執行できるでしょうか。P123

Aで 「もし、米国に不動産が遺産として残された場合、相続準拠法は不動産の所在する州の法律が適用されることになりますので、相続人としては、その州の裁判所へ申し立てをしなければ当該不動産に関する遺産分割の解決をはかるころができない。」

P125

 じゃ日本の家庭裁判所に遺産分割の申し立てをした場合の在外遺産の取り扱い方法として4つ紹介していますが、米国のような場合は、おそらく

 「当該外国において遺産分割手続きを行い、その結果を見て日本の家庭裁判所で最終的調整をして遺産分割を行う。」107

 「「在外財産を処分し、その代金を日本に送金して、その代金を遺産分割の対象にする」という方法も、米国のように清算主義をとる国(遺産財団にいったん移ってそこから分配)の場合、任意処分はできず、遺産所在地国で遺産清算の手続きが開始せざるを得ない可能性があります。」107

 まだ、まだ、読み込んでいませんが、米国不動産投資を個人でやった場合は、死んだ場合の手続きがどうなるかを事前にしっかりと認識しておく必要があることは間違いないと思いますね。

 

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コメント

在満日本人ノ身分ニ関スル満洲国裁判ノ効力ニ関スル法律(昭和18年法律第56号)

満洲国ノ法院ガ同国ニ住所ヲ有スル日本人ノ身分ニ関スル事件ノ為ノ特別手続ニ依リ隠居、廃家、親族会、相続又ハ遺言ニ付為シタル裁判又ハ処分ハ非訟事件手続法ニ之ニ相当スル規定アル場合ニ限リ裁判所ガ同法ニ依リテ為シタルモノト同一ノ効力ヲ有ス

  附 則

本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム

制作者註

この法律は、昭和18年3月13日に公布され、同4月1日より施行された。
この法律は、特に廃止の措置はとられていないものの、既に実効性を喪失している。
米国法は住所地法なので日本に住んでいれば問題ないはず・英国法のように物件地法ではない。

米国法も物件地法というなら、日本の土地なら米国居住の米国人でも日本法が適用されることになるね。

投稿: みうら | 2012年9月18日 (火) 20時07分

在満日本人ノ身分ニ関スル満洲国裁判ノ効力ニ関スル法律 ( 昭和18年 3月13日法律第56号 )

投稿: みうら | 2012年9月18日 (火) 19時58分

遺言が優先するからなにも問題なしです。
日満条約・法律のような家事審判を認める規定がありません。
日満の法律は今も廃止されていません。

投稿: みうら | 2012年9月17日 (月) 18時47分

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