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2018年1月27日 (土)

不動産の信託による都市創生

 これは不動産の信託に特化した大阪のきりう不動産信託の代取にして博士!であられる桐生幸之介さんの著書(実務出版)です。お送りいただきありがとうございます。

 

桐生さんとのご縁は実は長く、以前関西に住んでいて、ブログをはじめ、これからどうしようかと思い悩んでいたころポンと出会いました。ほんとうに関西に足のついた方で、私のように東京に何のあてもなく出ていったあほとは性根(能力)が違うと思います。桐生さんが以前お書きになられた「OSAKA発 特定目的会社 北区不動産会館のすべて」は、すごい作品でした。これを譲ってくれというお話もありましたが、きっぱり断りました。

 

 で、この著書。これは都市開発で現状の区分所有建物の問題点を洗い出し、その解決方法として信託を使うことのメリット等が幹だろうかなと。

 

 まだ読んでいる途中というか、この方の本は深いから、さらさら読めないんですわ。

桐生さん関西の人だから関西の事例がベースかなと思っていたところ、再開発の事例として、アークヒルズ、→ 六本木ヒルズ → 神保町ジェイシティと展開しいて、これ東京じゃん。

私も実は、都市再開発で民事信託を使った事例について調べておりまして、ジェイシティはHPでとれていたのですが、その前の六本木ヒルズがとれなく困っていたところここでキャッチできまして感謝です。

 

 アークヒルズの再開発は信託を使っていませんが、六本木ヒルズから信託を使っているようで、六本木ヒルズの場合は、多くの地権者のもっていた建物を信託しているという形にしているようです。 ジェイシティの方は地権者のもっている土地から信託しているようですね。

 

 地権者の土地から共同信託しているような場合の受益権の設定について下手をうつととんでもないキャピタルゲイン課税のリスクがあるので、実質共同信託だけど、個別に信託契約設定して信託した土地に相当する受益権を受け取るようにしているんでしょうね。

 

 区分所有法で、所有者が高齢化した場合等の諸問題の解決として信託の活用ができるという桐生さんの意見に私も同意いたしますが、実は、実際のオペレーションを考えると、受託者の会計や受益者への配分が大変なところもあると思います。資産や負債、収益や費用を受益権割合でポーンと配分することができるなら簡単ですが、実はそうならないことが多いです! そこらへんのオペレーションがきちんとできるかどうかそのための工夫が必要。あと、個人の場合、信託不動産の損失は切り捨てとなり、ぎゃーっとなったという事例もありました。

 

いずれにしてもこの著書は、一回読んでおわりというものではなく、折に触れて読み込みたいし、その価値はあると思っております。

 

 

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2018年1月18日 (木)

基礎控除は上がるけど

 平成30年度の税制改正は普通の個人にとって増税なのか減税なのか微妙なところがありますが、サラリーマンの見方の給与所得控除は減少気味、だけど 基礎控除 現在誰でも 一人38万円なのですが、これが10万円アップされます。

 給与所得控除や年金控除減額のバーターか。というか、給与や年金をもらう人のためだけのメリットを若干減らして、そうではない人に対するメリットを若干増やしている すなわち薄く広くというコンセプトなのかな。

 

 ただ、この基礎控除、みーんな48万円になるのではなく、お金持ちについては、減らしていくみたいであり、それは次のような感じ。

 

上記①の見直しの結果、基礎控除の額は次のとおりとなる。

 イ 合計所得金額が2、400万円以下である個人 48万円 

 ロ 合計所得金額が2、400万円を超え2、450万円以下である個人 32万円

 ハ 合計所得金額が2、450万円を超え2、500万円以下である個人 16万円

 

つまり、よほどの金持ちじゃない限りは 48万円ということか

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2018年1月16日 (火)

平成30年度税制改正 高額年金所得者もだめよ

高給取り大嫌い税制は 何もサラリーマンだけが対象ではないのが今回の税制改正、年金リッチにも牙をむきました。

 

今年の正月明けかの3連休から10年超ぶりにマニアックな海外旅行にでかけましたが参加者のメインはじじいばばです。添乗員さんいわく海外旅行(マニアックなやつです)の平均年齢は70歳くらいらしい。 90越えのおじいさんが一人で参加して、スーツケースに空のペットボトルを入れてルルドの泉(奇跡の水)へやってきて、たっぷり水を汲んでいかれたそうです。ま、この人たちの優雅な旅行の主たる源泉は年金でしょう。

 

で、おかみもさすがに声をあげました。

 

 イ 控除額を一律10万円引き下げる。

 

 ロ 公的年金等の収入金額が1、000万円を超える場合の控除額については、195万5千円の上限を設ける。

 

 ハ 公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1、000万円を超え2、000万円以下である場合の控除額を上記イ及びロの見直し後の控除額から一律10万円、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が2、000万円を超える場合の控除額を上記イ及びロの見直し後の控除額から一律20万円、それぞれ引き下げる。

 

 

 だけどね、 ほんとうのお金持ちのジジババの本質をおかみは理解してるのかな。彼らは所得が高いとは限らない。所得はもしかしたら国民年金だけかもしれない。だけど、預金残高50億円とかね。そんな人たちには税制改正なんて関係ない。今日も元気に海外旅行(10時間以上飛行機に乗っても全然OK)で100まで生きるって感じなんでしょう。

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平成30年度税制改正 高給サラリーマンはだめよ

久々にブログで税制改正ネタをしばらくことにしました。やはり書かないと整理がつかない。

 

今年の改正というのは、結構バラエティに富んで面白いですね。所得税という個人の儲けに対してかかる税金があります。これは儲けそのものに税率をかけるのではなく、サラリーマンやパートのおばちゃんのもらう給料については給与所得控除というのが認められています。

これが、世界的にみても大きく控除できるものであり、これがあるから個人事業者は会社を作って給料をとろうとしました。会社で給料は必要経費になるし、個人がもらった給料は給与所得控除ができる。つまり、一粒で2度おいしい。

 

この給与所得控除が高給取りのサラリーマンについては減らされる傾向がここ数年つづいていますが、平成30年度の税制改正でもですが今年は 高給サラリーマンだけでなく貧乏サラリーマンもです。

 

どうなるかというと 

給与所得控除について、次の見直しを行う。

 イ 控除額を一律10万円引き下げる。

 ロ 給与所得控除の上限額が適用される給与等の収入金額を850万円、その上限額を195万円に引き下げる。

 

 きついなあ

これじゃ不満があるということで例外を設けています。

 

それは、その年の給与等の収入金額が850万円を超える居住者で、特別障害者に該当するもの又は年齢23歳未満の扶養親族を有するもの若しくは特別障害者である同一生計配偶者若しくは扶養親族を有するものの総所得金額を計算する場合には、給与等の収入金額(その給与等の収入金額が1、000万円を超える場合には、1、000万円)から850万円を控除した金額の10%に相当する金額を、給与所得の金額から控除する。

 社会的に弱い立場の人については給与控除額を上乗せしましょう。

 

 その年の給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額(以下「給与所得控除後の給与等の金額」という。)及び公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を控除した残額(以下「公的年金等に係る雑所得の金額」という。)がある居住者で、給与所得控除後の給与等の金額及び公的年金等に係る雑所得の金額の合計額が10万円を超えるものの総所得金額を計算する場合には、給与所得控除後の給与等の金額(給与所得控除後の給与等の金額が10万円を超える場合には、10万円)及び公的年金等に係る雑所得の金額(公的年金等に係る雑所得の金額が10万円を超える場合には、10万円)の合計額から10万円を控除した残額を、給与所得の金額から控除する。

 

結局 貧乏サラリーマンについては、給与所得控除額が10万円減るけど、調整額として10万円差し引けるから結果は同じということなのかなあ。

 

平成32年の所得税の確定申告(住民税は平成33年度から)つまり、オリンピックの年からということなのかな

 

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2018年1月 9日 (火)

国際相続とエステート・プランニング ~外国信託~

 弁護士の中田朋子さんから世界の相続専門弁護士・税理士による国際相続とエステート・プラニングを送ったいただきました。ありがとうございます。

 

 12月の頭くらいにいただいたのですが、雑仕事に追われ、ようやっと目を落としたのは旅先でした(現在もです はい。今日もお天気♪)

 

 この方はたぶん国際相続とかの分野のトップの実力の人だろうなと それは以前から思っていましたが、この書籍を読んで深さが違うということが体感できます。

 

 で、信託のことを少しばかりかじっている私は外国信託のところに目がいきました。

 

 まず外国の信託の有効性 日本は信託に関する条約(ハーグ条約)を締結していないから、外国の信託は日本でOKかどうかという疑問がありますが この方の回答は

「信託行為とした当事者が信託行為の当時に選択した法が準拠法であり、準拠法の指定が黙示的な場合は、信託に最も密接な関係のある地の法なのだ」で、なんでそう断言できるかを根拠を注記で示しています(58.59頁)

 

 米国の撤回可能信託(委託者がやーめたといえる信託)がポピュラーです。この理由については、相続時のプロベートはずしというのは定番ですが、委託者が成年後見になった場合の対策でもあるようです。ただ米国の撤回可能信託というのは、当初、委託者が受託者になっているから、受託者が成年被後見人になったら困るじゃんと思いますが、これは後継受託者が財産管理を引き続き行えるようにして信託契約で、委託者の意志無能力の判定基準が記載されているらしい(62頁63頁)。

 

 気になるのが 撤回可能信託で、 遺言と同じく、受益者は委託者が死亡する時点でで何の権限ももちません(86.87頁)

 何が気になるかというと 日本の信託税制です。

 撤回可能でも、信託が委託者の生前から効力が生じ、受益者が委託者の相続人である場合

信託締結から委託者の死亡時までは受益者がいない信託となる。そうすると日本の税制では原則法人課税信託というダブルパンチ税制の適用となる。これがきついから、日本の遺言代用信託は委託者の生前は委託者を受益者とする。委託者が死んだら相続人を第2受益者とするというしくみになっているのですが、

 でも、特定委託者の要件 つまり、信託変更権限+残余財産給付権が委託者にあれば委託者を受益者とみなして法人課税信託はずしができるので、米国の撤回可能信託の契約内容はよくわからないのですが、撤回可能だから、おそらく委託者に信託変更権と、やめたら自分に財産が返ってくるという風になって問題ないのでしょうね。

 

 また撤回可能信託については、信託設定時に贈与税課税はないのですが、以前疑問に思っていたのが、もし、信託設定時に委託者以外の権限のある受益者が存在している場合も贈与税課税がないのか(委託者の相続時まで課税の繰り延べ?)、そうしたら、日本でも贈与税がかかるようなタイプの場合、米国では贈与税課税が繰り延べられ、日本では信託設定時に贈与税かかるということが考えられる。そうした時に何が問題かというと2重課税の回避のための外国税額控除は使えるのか? これは無理じゃねというのが私の見解。

 

ただ、中田さの本を読む限りにおいては、委託者以外の受益者が撤回可能信託において信託の効力が生じた時点から受益者の権限はないのがお約束のようによめて、私の疑問は頭の体操だったのかなと?

 

ちょっとずるずるつまらないことを書いてしまいましたが、ほんとうにいい書籍です。

 

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