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2018年1月 9日 (火)

国際相続とエステート・プランニング ~外国信託~

 弁護士の中田朋子さんから世界の相続専門弁護士・税理士による国際相続とエステート・プラニングを送ったいただきました。ありがとうございます。

 

 12月の頭くらいにいただいたのですが、雑仕事に追われ、ようやっと目を落としたのは旅先でした(現在もです はい。今日もお天気♪)

 

 この方はたぶん国際相続とかの分野のトップの実力の人だろうなと それは以前から思っていましたが、この書籍を読んで深さが違うということが体感できます。

 

 で、信託のことを少しばかりかじっている私は外国信託のところに目がいきました。

 

 まず外国の信託の有効性 日本は信託に関する条約(ハーグ条約)を締結していないから、外国の信託は日本でOKかどうかという疑問がありますが この方の回答は

「信託行為とした当事者が信託行為の当時に選択した法が準拠法であり、準拠法の指定が黙示的な場合は、信託に最も密接な関係のある地の法なのだ」で、なんでそう断言できるかを根拠を注記で示しています(58.59頁)

 

 米国の撤回可能信託(委託者がやーめたといえる信託)がポピュラーです。この理由については、相続時のプロベートはずしというのは定番ですが、委託者が成年後見になった場合の対策でもあるようです。ただ米国の撤回可能信託というのは、当初、委託者が受託者になっているから、受託者が成年被後見人になったら困るじゃんと思いますが、これは後継受託者が財産管理を引き続き行えるようにして信託契約で、委託者の意志無能力の判定基準が記載されているらしい(62頁63頁)。

 

 気になるのが 撤回可能信託で、 遺言と同じく、受益者は委託者が死亡する時点でで何の権限ももちません(86.87頁)

 何が気になるかというと 日本の信託税制です。

 撤回可能でも、信託が委託者の生前から効力が生じ、受益者が委託者の相続人である場合

信託締結から委託者の死亡時までは受益者がいない信託となる。そうすると日本の税制では原則法人課税信託というダブルパンチ税制の適用となる。これがきついから、日本の遺言代用信託は委託者の生前は委託者を受益者とする。委託者が死んだら相続人を第2受益者とするというしくみになっているのですが、

 でも、特定委託者の要件 つまり、信託変更権限+残余財産給付権が委託者にあれば委託者を受益者とみなして法人課税信託はずしができるので、米国の撤回可能信託の契約内容はよくわからないのですが、撤回可能だから、おそらく委託者に信託変更権と、やめたら自分に財産が返ってくるという風になって問題ないのでしょうね。

 

 また撤回可能信託については、信託設定時に贈与税課税はないのですが、以前疑問に思っていたのが、もし、信託設定時に委託者以外の権限のある受益者が存在している場合も贈与税課税がないのか(委託者の相続時まで課税の繰り延べ?)、そうしたら、日本でも贈与税がかかるようなタイプの場合、米国では贈与税課税が繰り延べられ、日本では信託設定時に贈与税かかるということが考えられる。そうした時に何が問題かというと2重課税の回避のための外国税額控除は使えるのか? これは無理じゃねというのが私の見解。

 

ただ、中田さの本を読む限りにおいては、委託者以外の受益者が撤回可能信託において信託の効力が生じた時点から受益者の権限はないのがお約束のようによめて、私の疑問は頭の体操だったのかなと?

 

ちょっとずるずるつまらないことを書いてしまいましたが、ほんとうにいい書籍です。

 

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