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2021年1月19日 (火)

相続の話をしよう

 タイトルは、弁護士・公認会計士・税理士の関根稔さんの最新作です。
 私と関根さんの出会いはネットを通じてですが、まだ私が大阪在住のころですから20年近く昔になるかもしれません。関根さんはTAXMAILというメーリングリストを主宰し、一日に100通以上の税務の実務情報が飛びかっています。私は劣等生のメンバーですが、なんとなく20年近く在籍しています。
 関根さんが私の人生に影響を与えた人のランクとしてはかなり最上位に近いです(最上位は両親ですが)。この方の思想をなぞったというよりも、自分の生き方がどうかというときの方向指示器として眺めたり、自分の考え方と関根さんの考え方を擦り合わせて、ここは同じ、でもここは違うかもと確認したりしてます。
 関根さんのこの著書は「相続の話をしよう」というタイトルにもありますが、法の網目をついた相続税の節税スキームから、相続法の改正で創設された配偶者居住権、信託や一般社団法人、成年後見人まで、相続というテーマについて天才関根さんのブリリアントな才能と洞察力が万華鏡のように花開いています。
 この書籍は、相続や相続税の制度周りを語り、批判するだけではなく、関根さん自身の相続に対する考えや自分自身の相続対策というか財産承継をどう考えているかということもお書きです。 最終章 我が家の相続において 「子にマイホームを購入して、無償で住まわせることにした。」ようするに、関根さんのお金で家を買って子供に無償で住まわせるということをしていらっしゃるようです。その結果、子供さんは、本来なら家賃として毎月数十万のキャッシュアウトがなくなることから、その部分は無税で子供に移転ができるからです。東京は大変住居コストが高く、多くの人にとって稼ぎのかなりの部分が家賃に使われることが厳しいことは、ご自身が不動産賃貸経営をして、現実をみていたことから下した意思決定だと思います。
 税理士目線でいうと、生計別の子供の自宅のための土地を持っていたとしても小規模宅地の減額ができないのに。。。となるかもしれません。
 では私は、関根さんの意思決定をどう評価するか? 私が関根さんの子供で、お父さんから「家を買ってあげる」といわれたとき、「ありがとうお父さん」といって諸手をあげて喜ぶだろうか? 私なら家を買ってもらうのではなく、税制でも優遇されている住宅取得資金を贈与してくれといいますね。自宅は城であり、城は自分のものになってプラスもマイナスも引き受けてこその価値ですね、豊かさを享受したいというのが自分の満足の最大化なら「買ってもらう」のが最適選択でしょうけど。親の名義の家に住み続けるのは、たぶん無言のプレッシャー「買ってあげた」を受け続ける人生であり、豊かさの対価として合理的なんでしょうか。私なら、「家を買ってあげる」といわれる前に勘当同然で出ていったでしょうね。 
ま、私の父はだめサラリーマンでほとんど財産も残さず死にましたし、母も私の40過ぎた無謀な上京を許し、最期の言葉は「好きにしたらいい」でしたし。とんでも娘だったのにね。でも、だからこそ両親の死後、もはや失うものが何もない状況で人はどう生きていくのか、目の前の事象を一つ、一つを多角的に考えながら、なんとかここまでは歩いていけたと思うし、関根さんの影響も大きかったと思います。

 

 いずれにせよ、「相続の話をしよう」は、今の相続を考え、自分自身の人生を考える際に有益な情報を与えてくれる一冊です。

 

 

 

 

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