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2021年3月 9日 (火)

障害のある子が「親なき後」も幸せに暮らせる本

 この本がいいといううわさを聞いてAmazonで注文して読みましたが、心揺さぶるものがあったのでしょうか、一気に読めてしまいました。

 この書籍の著者は、ダウン症の娘さんをもつ鹿内幸四朗さんです。実際に親として知的障害のある子どもと向かい合い、どう考え、どうしていこうかということが書かれています。日本には、障害のある人に対する社会福祉制度も充実してきていると思いますが、その制度がほんとうに自分の子供の幸せのために使えるかというとそれはまた別だよということを教えています。

 障害者でも意思能力がないような人の場合、20歳(2022年4月1日以降は18歳)までは親が親権者としてその子のために必要なことを代わりにすることが可能ですが、20歳になると親権は消え、自分で判断ができないならば成年後見人を立てなければなりません。しかし、最近の傾向として、成年後見人は専門家などの第三者がなる傾向が強く、第三者の成年後見人がつくと、親といえども子供の財産管理を含めた人生のコントロールをすることができなくなってしまいます。「障害のある子の親は、例え法律家のライセンスがなくても、我が子を守ることに関してはプロフェッショナルです。」その通りです。そして、法定後見人の問題点として、当たり外れが多く、親が法定後見人を選ぶことができず、気に入らないからといって、解任することもできない。

だから、著者は、法定後見人より任意後見人がいい。なぜなら、親が後見人を選ぶことができるから。では、誰を任意後見人にすべきかということで、著者は悩みますが、結論としては、親がベスト、子供について親以上に守れる存在はいないから。でも、親は子供より年上で、高齢となり自分自身の判断能力が衰えるリスクもある。だから、夫が代理人となり、妻を後見人に指名し、妻が代理人として夫を後見人と指名する「親心後見」を考えました。

また、大きな財産を障害のある子に遺しても自分で使えないから幸せで豊かな人生を築くことができない。だから、その子に財産を遺すのではなく、「子供のためにお金を使ってくれる人がそばにいること」が大切だから、財産は母親に遺すべきだと。

それでは両親とも他界した親なき後のためには誰が代わりをするのか? 兄弟や頼りになる親戚がいる場合は、彼らになるかもしれません。著者は、団体や法人を検討していますが、しかし、お金は別のところで預かり、カギをかける仕組みにした方が安心と語っています。

そして、子供の居場所はどこになるの? 両親が生きているならば自宅でしょうが、いなくなったらグループホームが考えられますが、安心できる居場所でしょうか。ここはまだ解決策が多くないのが現実のようです。

いずれにせよ、この書籍は心に響くところが多く、同じような問題で悩んでいらっしゃる方が読まれたら、ヒントをいくつも教えてくれる一冊ではないかと思います。

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コメント

本のご紹介していただきありがとうございます🍓とっても嬉しいです❣️
https://youtu.be/RKyYf0-6iMk
3/21までのアーカイブです。ご参考まで。

投稿: 鹿内幸四朗 | 2021年3月13日 (土) 10時08分

私の娘は超未熟児で生まれたので、障害があります。

私が亡くなった後は息子が面倒を見るのか?息子に負担を掛け過ぎると、息子の人生を台無しにしそうだし。。。

とりあえず金は残しておこう。

投稿: 通りすがりの人 | 2021年3月10日 (水) 17時44分

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