2009年7月28日 (火)

景気がよくなると評価損 CDSの場合

今朝の日経の経済2面に「損失回避商品のCDS 一転、業績の重しに」という記事があります。

CDSとは、倒産保険のようなもの ある企業を参照して、もし、その企業が倒産したら約束したお金を払いますよ。その代わりに、保険料を払ってねというようなものです。

社債をもっている企業が、社債発行会社の倒産による損失を回避するために利用しているところもあるようです。

代表的なCDSの指標として、iTraxx Japan 5年ものが 日経のマーケット欄に毎日掲載されていますが、昨日は実勢価格が153.12円 理論価格が307.98円。かなり乖離してますが、この価格は、金融危機のころからくらべると激減しています。

それは、景気が回復しているからであり、非常によいことなのですが、このCDSをもっている金融機関にとっては困ったことなのです。というのも、時価のあるCDSは、時価で評価しないといけないのですが、この時価が下落しているということは評価損を計上しないといけない。

一般的な株式の場合、評価損を計上するのは、未曾有の経済危機が生じたとき、その会社固有の未曾有の大問題が生じたときなど、ネガティブな時なのですが、


CDS
は逆 未曾有の経済危機のときは、倒産確率が上昇するから、CDSの価値(保険料)も暴騰し、その結果、評価益がでる。でも、景気が回復すると、倒産確率が下落するから、CDSの価値も暴落。その結果、評価損が生じ、企業の業績を悪くする。

CDS自体が逆張り商品ですから、当然といえば当然ですけどね。

記事によると、「みずほFGの場合、093月期(未曾有の経済危機のとき)決算で、CDSの評価益が230億円に上がった。」

とされていますが、 有価証券報告書を読むと次のような記載があります。

クレジットデリバティブ取引(平成21年3月31日現在)

                                          (単位 M円)

区分    種類       契約額等  時価   評価損益

店頭 クレジットデリバティブ  

 売建                          7,466,539       475,432     475,432

 買建            8,894,025           565,893       565,893

   合計                          90,460

売建は、信用リスクの引受取引、 買建は、信用リスクの引渡取引

信用リスクが増しているから、買建の時価が上昇し、評価益が生じている。

この中に記事にあるCDSの評価益230億円があるのかなあ。

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2009年7月 9日 (木)

石油業者が先物取引を利用しているというけど

 今朝の日経の商品面に「商品先物調査上 石油業者の利用最多」という記事があります。

先物取引市場というのは、証券取引所と比べるとニッチというかマイナーというか、いまいち、一般人には程遠い世界です。

 この市場をなぜ利用するかというと、 日経のデータを引用すると 143社中 ヘッジが58社 ディーリングが46社 現物の受け渡しが38社で、どうもヘッジ利用が多いらしい。へーっと感心しまして、誰がヘッジに利用しているかというと、どうも石油業者が多いらしい。

 石油の価格って 去年の金融危機の最中はどーんと高騰し、下落し、そしていまという感じです。なぜ ジェットコースターのような状況になったかというと、世界中の余剰資金が、いままでは証券化商品に向いていたけど、金融危機でぽしゃって、もっとわかりやすいものということで石油に向かったからのようです。実需をはるかにこえるお金が先物市場等に流れた結果、石油の価格が、どーんと上昇し、がーんと下がった。これでは、実需の石油でごはんを食べている人たちは困ってしまう。価格をそう簡単に転嫁できませんからね。そこで、先物市場を利用して、ヘッジをしようとしていらっしゃるようです。

 といっても利用数が少ない。どうすればいいのかということで流動性の上昇 ようするにいっぱい取引をする人に来て欲しいということでしょう。

 信託大好きおばちゃん的には、ヘッジで利用する人を増やして欲しいと考えます。でも、これはね。現状の会計や税務の障壁が高すぎてね。 難しいのです。何かいているかわからないのです。おまけに、 以前このブログに書かせていただいた新日本石油の税務調査が、信託大好きおばちゃんは否認取り消しかなと思ったのだけど、実はそうではなく、2年ほどかけて、お上(国税不服審判所)に否定されてしまったのです。

ヘッジ取引への更正処分に対する国税不服審判所長の審査結果について

2009年1月30日

記者各位

 当社(社長:西尾 進路)は、2009年1月26日、国税不服審判所長より、当社が行っているヘッジ取引についての裁決書を受領いたしましたのでお知らせいたします。

 当社は、東京国税局により実施された税務調査による2006年10月31日付の更正処分のうち、ヘッジ取引に関する部分について、2006年12月22日、国税不服審判所長に更正処分の取り消しを求める審査請求を行っておりましたが、今般、同審判所長より当社の主張を棄却する旨の裁決書を受領いたしました。

 当社は、裁決書の内容を検討のうえ、今後の対応を決定する所存です

 何が問題化というと、あんまり詳しいことは知らないのですが、どうやら会計上正しいと思っておこなった処理はきっと税務上も正しいだろうと思ったところ、税務はそんな処理はだめですよと判断されたようです。なるほど、条文を素直に読むと、お上のいってることはごもっとも。でも、この否認が確定されると、結構影響が多い。

 それに、このヘッジの会計や税務処理、創設されてから10年近くたつけど、使い勝手が悪すぎるというか、難しすぎて実務で、特に人手の足りない中小企業で使えない。マイナーチェンジして欲しいなあ。

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2009年6月18日 (木)

ソフトバンクの連結貸借対照表に関する注記事項

 久々にニッチな信託ねたから、人気のあるソフトバンク系のねたへ

 なんとなく、ソフトバンクの平成213月期の決算短信を読んでましたが、さすがにこの会社の連結財務諸表に関する注記事項は読ませてくれます。

 ソフトバンクは、実は格付けがあまりよくない Ba2とか、BBとかBBBとか

なぜかというとやはり自己資本比率が低いからでしょう。

 平成203月期で8.4% 平成213月期で8.5%

 で、どうなっているのかなと思って、連結財務諸表に関する注記事項を読むと、出てくる出てくる資金調達関係の情報がてんこ盛りです。

 実質的ディフィーザンスの失敗による750億円の損失やらもありますが、 担保提供、債権流動化及び株式等貸借取引契約による借入金等の項目だけご紹介すると

(1)   担保提供資産および対応債務 (銀行借入の担保はなんですかというようなやつ)

(2)   債権流動化による借入金 (ソフトバンクモバイルの割賦債権やソフトバンクBBによるADSL料債権流動化)(将来の売掛金を期待してお金を借りよう)

(3)   株券等寄託取引契約および株式等貸借取引契約による借入金(子会社の株を預けてお金を借りよう)

そして、おそらくボーダフォンを買収したときに1兆円くらいお金を借りたけど、そのときにつけられたと思われる財務制限条項いいときは何もいわないけど、もしルールに違反したら、資金は全額回収、首も飛ぶぞというおそろしいやつです。

 これもちょっとだけご紹介すると

もし、次の取り決めに抵触したら全額借金返せという条件には

(1)   当社の各四半期末における当社の純資産額は、次の①および②のいずれか大きい方を下回ってはならない。

       最近事業年度末における当社の純資産の額の75%

       平成17331日現在における当社の純資産の額の60

(2)、(3)をとばして

(4)ソフトバンクモバイル㈱は、WBS ファンディング(注1)から金銭の信託を受けた特定金外信託受託者たるみずほ信託銀行㈱(貸主)からローンの借り入れ(以下「SBM ローン」)を実行しました。当該SBM ローンの契約上、ソフトバンクモバイル㈱は、原則として事業経営における一定の自由度が許容されています。ただし、同契約に定める財務に係る一定のパフォーマンス基準(累積負債償還額、修正EBITDA(注2)、レバレッジ・レシオ(注3))や事業に係る一定のパフォーマンス基準(契約者数)を下回った場合、その重要性や期間に応じて、ソフトバンクモバイル㈱の事業に対する貸主の影響力が強まり、設備投資の支出制限、新規サービス展開についての事前承認、過半数の取締役選任、さらにはソフトバンクモバイル㈱株式を含む担保提供資産に対する担保権行使等の可能性があります。

 孫さんの首がふっとびますよというおどかしですね。

 貸したお金を確実に戻すためにはなりふりかまわないぞということですね。とっても勉強になります♪

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2009年5月28日 (木)

イスラム金融の成功の原因と方向性

今朝の日経の特集で 「イスラム金融 活性か再び」という記事があります。57.,8日にシンガポールで開かれた「第6IFSBサミット」の話題をまとめたものです。

 イスラム金融は、ここ数年日本でも話題となりましたが、金融危機で、萎んだようにも思えます。でも、イスラム金融は沈まない。

 信託大好きおばちゃんは、511日に早稲田大学で開かれた「論争アジア:イスラーム金融」を聴講していました。429日に債権法改正のシンポジウムが早稲田で開かれたときに、イスラーム金融の看板を見かけて、時間があったから、ひょいっと出かけたんです。

 早稲田の講義で教えていただいたのですが、なぜイスラム金融が成功したのかというと、

○イスラム系の人って、利子嫌いだから、結構たんす預金していらっしゃったようですが、イスラム系の人にフィットするような金融商品を作ったことにより、たんす預金を集めることができたこと、

○イスラム教の世界では、人が集まるとモスクができ、次にメッカ巡礼をしようと考えられるようですが、モスクを作るにもメッカにいくにもお金がいる。そのお金を集めるためにはどうすればいいか考えることにより、金融のノウハウが進化したこと

○イスラム世界の人たちは、自分たちは西欧資本主義社会とは違う。だから、西欧の金融システムと違うシステムでやりたい。やるべきだ。やらなければならない。という考えが底にあること。

○金融ビジネスで自分たちも大儲けしてみたいということもあるかもしれませんね。

 今後もイスラム金融は発展するでしょうけど、その方向性は、アラブの石油王から大金をかき集めるためのツールとしてだけではなく、マイクロクレジットといわれるような少ないお金を機織のおばさんに貸し付けるようなツールとしてもあるようです。そして、後者に発展の可能性がより多くあるような

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2009年5月19日 (火)

ソフトバンクの個人向け社債 お金があったら買いますか?

いやー日本郵政のトップ人事、外野を楽しませてくれそうですね。「財界や政界が反対しても、最後の一人になるまで戦う」人事権を持っているやつが一番エライ。だから俺が絶対♪で押してきましたねえ。いまどきの日本で珍しい人材です。でも、彼は企業のオーナー経営者じゃなくて、ちょっとしたスキャンダルで吹っ飛ぶようなポジションをテンポラリーでやっている派遣のおっちゃんにすぎないのですけどねえ。

 日経の投資財務面に「ソフトバンク2年ぶり社債」という記事があります。このブログでは、ソフトバンクの社債に関して、ちょこちょことねたを書いていますので気になります。いずれ、正式に発行されたら、改めて記事を書こうと思いますが、トリプルBの格付けのソフトバンクさんが個人向けに500億円ほど社債を発行して資金調達をされる予定だそうです。「福岡ソフトバンクホークスボンド」で、注目は表面利率がなんと年利5%ら。し。い。。。 個人の場合税率は20% なので 100万円あずけると、手取りで4万円 1,000万円だと40万円。 期間は2年 2年間ソフトバンクがつぶれなかったらこれだけの利息が入ってくるのです。

ちなみに、2年間、1,000万円を大口定期預金とすると年利0.3%年利で17倍くらいの差があります。

個人投資家がわーっと飛びつくかもしれません。ソフトバンクは危ない危ないという風説の流布が長年なされていますけど、まだ生きてますから。これからも2年くらいは生きてるだろうと思う人が結構いらっしゃるような気がするからねえ。

 

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2009年3月 9日 (月)

どの会社の保険に入ったらいいのか?

 最近、日経月曜日の金融商品深堀りチェックを興味津々で読んでいます。

今週は「安全・安価な生保選びのコツは? 保険料・格付け比較して」です。

生保会社21社の格付け、ソルベンシーマージン比率、保険料配当の有無を比較しています。

そのいくつかをピックアップすると

会社      格付け ソルベンシー 保険料 配当の有無

日本       AA-   929   4,820    有

ソニー      A+   1995   3,420    無

アリコジャパン  A+    792   4,380    

明治安田     A   1091   5,540  

住友       BBB+  858    4,920    

ライフネット   -   30000   2,202   

 

格付けはS&P  保険料は 月額 定期10円保障2,000万円の死亡保険に28歳男性が加入した例

企業の倒産リスクが低いかどうかは格付けやソルベンシーマージン比率を読めばいいのですが、ソルベンシーマージン比率(異常事態発生事態に保険金を払える能力がどのくらいあるかを示したもの)というのは、新設会社ほど資本と比較してリスクが低いので高くなり、200810月に破綻した大和生命保険の20083月の比率は500%だったらしい。

じゃ、格付けの方が信頼があるのか? うーんどうだろう。

ところで、保険料にこれほどの差があるとは思いませんでした。明治安田は5,540円でライフネットは2,202円、この差は付加保険料といって、保険のおばちゃんへの手数料他、保険会社の経費の部分らしい。配当を支払う保険の場合は保険料が高いというけど、どれくらい配当がもらえるか過去の実績は開示されていない。

保険のような金融商品って、ちゃんと支払ってくれるなら、どこの保険会社に頼んでもサービスは同じようなもの。ブランド物のように高ければ高いほど買いたくなるというものではない。だったら、安い保険料の方にみんなわーっと群がりそうだけど、なかなかそうはいかない。商品を比較する情報がないからか。いまだに生保のおばちゃんの押しの強さが、経済的合理性を凌駕しているからか。

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2009年1月19日 (月)

二重通貨預金は、デリバティブのリスクの引き受けて

今朝の日経の家計欄は「金融商品 比べて選ぶ 二重通貨預金 外貨建てMMF」です。

二重通貨預金というのは、外貨建て預金で、利率は円預金よりはちょっといいけど、為替変動により、満期に返ってくる元本が円なのか外貨なのか決められているもののようです。

 この二重通貨預金をするということは、実は、一般的な預金の預け入れではなく、デリバティブのリスクの引き受けになるということみたいですね。

 で、信託大好きおばちゃんなりに、この記事をベースに事例を作ってみました。

円が1ドル120円のときに、 1ドル120円を二重通貨預金に預けます。 為替が1ドル110円を下回らない限り、元本は円(つまり120円)で返します。下回った場合は、ドルで返します。ドルを円転するかどうかはお客様の自由です。この預金は、利息が他の預金よりもよくて、毎年、5円支払います。

 この契約の段階で 銀行は預金者から 120円預かる。

他方、銀行は輸出業者とも契約を結びます。 もし円が110円を下回っても 1ドル110円で円転してあげます。ただし毎年 10円、銀行に支払ってください。

 そして、円が110円を下回らない段階では、 銀行は輸出業者から10円もらい、預金者に5円払うから 5円儲かる。

そして 突然、猛烈な円高になり円が1ドル90円となりました。

 輸出業者は、 オプションを行使します。そうすると、輸出業者は、銀行に1ドル払って、110円受け取ります。

 銀行は、預金者から預かった120円のうち110円を輸出業者に支払って1ドル受け取ります。

 預金者は、満期となりますが、円が110円下回ったので1ドル受け取ります。

銀行は120円預かったお金のうち110円は輸出業者に払ったけど10円は誰にも払うことがないので儲かります。

預金者は、120円の預金が90円の価値しかない1ドル通貨として戻ってきました。

30円の損失です。

こうしてみると、おいしいのは、真ん中の銀行だけですね。円が120円から110円になっても、元本を120円で返さないといけないからこの部分はリスクなのかもしれないけど、おそらくこれはカバーできるしくみになっているのでしょうね。

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2008年12月11日 (木)

サイゼリヤのクーポン・スワップの失敗

 うちの近くにもある手ごろなレストランチェーンのサイゼリヤがデリバティブの一種であるクーポン・スワップで読みがはずれて解約したら解約費用が15310百万円かかるようです。

 クーポン・スワップとは、デリバティブの一種であり、当事者が他通貨の金利を交換するしくみですが、何のためにやるかというと、為替の変動によるリスクを避けるためだと思います。

 このクーポン・スワップをサイゼリヤさんが、いまや知らぬものはいないバリパ証券さんと行いました。Nikkei netによると「契約は為替相場が一定水準より円安で推移すればサイゼリヤにメリットがあるが、一定水準より円高になると損が膨らむ内容だった。」そうであり、このまま契約を継続すると物凄い損失になるから、損切りをなさったようです。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081210AT1D100AO10122008.html

 ちなみに サイゼリヤさんの平成208月末の有価証券報告書によると、営業外費用として、デリバティブ評価損831M円計上されています。

これは何かというと当期の通貨関連と複合金融商品の評価損160M円(58+102)と、前期の評価益の洗い替え分 670M円の合計、830M円のことだと思います。

クーポンスワップは、長期の為替レートを固定させる目的のためのものが多いので、会計上も税務上も毎期、時価で評価、翌事業年度に洗替えですから、いままでは、この評価損益の中におさまっていたと思います。

当連結会計年度(自 平成19年9月1日 至 平成20年8月31日)

1)通貨関連

区分

種類

当連結会計年度(平成20年8月31日)

契約額等

(百万円)

契約額等のうち1年超

(百万円)

時価

(百万円)

評価損益

(百万円)

市場取引以外の取引

通貨スワップ取引買建

オーストラリアドル

4,837

2,498

156

156

ユーロ

2,888

1,778

140

140

アメリカドル

2,628

679

43

43

合計

10,353

4,955

58

58

2)複合金融商品関連

区分

種類

当連結会計年度(平成20年8月31日)

契約額等

(百万円)

契約額等のうち1年超

(百万円)

時価

(百万円)

評価損益

(百万円)

市場取引以外の取引

デリバティブ内包型預金

(期限前解約特約・
条件充足型預金)

1,500

1,500

102

102

合計

1,500

1,500

102

102

前連結会計年度(自 平成18年9月1日 至 平成19年8月31日)

1)通貨関連

区分

種類

前連結会計年度(平成19年8月31日)

契約額等

(百万円)

契約額等のうち1年超

(百万円)

時価

(百万円)

評価損益

(百万円)

市場取引以外の取引

通貨スワップ取引買建

オーストラリアドル

3,225

1,309

506

506

ユーロ

661

220

168

168

アメリカドル

1,663

998

4

4

合計

5,550

2,528

670

670

しかし、こんな評価損のうん十倍の解約損失が一気に進行事業年度に計上されちゃうのですよね。 デリバって、こけると怖いところがある。

サイゼリヤさんは、役員が減俸処分という形で責任をとられるようですが、ほかにも、このような会社さんは結構あるのでしょうねえ。

「デリバティブ契約にかかる損失発生について、取締役の責任として以下の減俸処分を課することを決定いたしました。

代表取締役社長 70%の減俸 12 ヶ月

財務担当取締役 50%の減俸 3 ヶ月

その他の取締役 10~30%の減俸 3 ヶ月

今後は、リスク分析・管理体制の強化を行い再発防止に努めてまいります」http://www.saizeriya.co.jp/ir_info/jp/pdf_jp/release/release20_12_20.pdf

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2008年10月26日 (日)

収益は額で、費用は率で

ファイナンスの授業の備忘録♪ 

もし、事業がうまくいかなくなったらどうするか。事業がうまくいかなくなるということは、利益が少なくなったり、損失が膨らむこと 利益は損失はどうして計算するかというと、収入から費用を引いて計算する。

利益が少なくなったり、損失が膨らむと、業績を挽回するためには、収入を増やすか、費用を減らすかしないといけない。

収入を増やす場合の方法として、収入金額を増やす方法と利益率を上げる方法がある。業績が苦しくなると、利益率をあげようと考えることが多いけど、これはよくない。

なぜなら、利益率が高いということはリスクも高いということ。トヨタに100億円を利率0.1%(1,000万円)で貸すのと、そこらの中小企業に1億円を利率10%(1,000万円)で貸すのとどちらがいいか。同じように収益は1,000万円。でも、トヨタの方が額が稼げて、ほぼ確実に元利金を回収できる。そこらの中小企業の場合、利率10%は稼げても、当然、貸倒のリスクもトヨタよりはある。いずれも一人の担当者を貼り付けているとして、コスト的にはトヨタの方が少ないコストで、確実に稼げる。だから、収益を伸ばすなら額でとらえよ。

次に費用を減らす方法として、支出金額を減らす方法と、原価率を下げる方法がある。業績が苦しくなると、支出金額を減らそうと考えるけど、これはよくない。

業績が芳しくなくなると、交際費、交通費、広告宣伝費を減らせとなるけど、これって経費の中で占める割合というのはそんなに大きくない。減らすことによってモチベーションが下がることもある。

それでは、リストラじゃーということで、セールスマンをファイアーしたらどうなるのか。セールスマンと売上は連動しているものであり、セールスマンが減れば、それだけ売上が減ることもある。他のセールスマンが代わればいいというものでもない。

それよりは、原価率を下げる方がいい。同じ売上で、利益をより上げられるようにするためにはどうすればいいか。

経営者の仕事は、より少ないコストでより多くの利益をあげるためにはどうすればいいのかについて知恵を絞ること。なるほどなと頭ではわかりますが、経営者になったときに実践できないとだめなのでしょうね。

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2008年10月24日 (金)

リーマンのCDS清算損騒動がもたらしたこと

今朝の日経のトップ記事は、「日米欧金融機関の損失処理を促す」です。CDSとは、企業の倒産保険みたいなもので、このデリバティブを買った人は保険料を払うかわりに倒産したら保険金をもらいましょうというもの。

 このCDSの決済の方法は、現物決済(倒産したら持っていた債権を渡して保険金をもらう)というものと現金決済(倒産したら債権を渡さず保険金をもらうというもの)の2つあるらしい。「クレジット・デリバティブのすべて第2版」を読んだところ、現物決済の方が主流のようみたいですが、先日、公表した、リーマンの清算価値8.625%ということは、どうも現金決済の場合、結果的にCDSの買い手に支払われるの91.375%という意味のようです。

 CDSの売り手の方は、いずれにしても保険金額の91.375%は支払わないといけない義務が生じ、リーマンの想定元本が世界中で54兆ドルらしいので、その91.375%を払えとなると世界中のCDSの売り手である金融機関が倒産し、世界大恐慌に突入するという疑心暗鬼がかけめぐりました。

 結果としては、そんなに被害は生じなかったのですが、それは、このCDSの売り手が、ババをつかむリスクを避けるために、他の人からCDSを買うようなケースが多かったからではないでしょうか。

 怖かったのは清算による損失ではなく、疑心暗鬼の方です。

 CDSの売り手には、ヘッジファンドがいたようです。彼らは、清算にあたってドルで清算金を払わないといけないけど、そんなにドルをもっていないからユーロ建てである資産を売却してドルに換金しないといけない。そうなるとユーロ売り、ドル買いが増えることになるだろうと、市場の参加者がいっぱい考えたから、よけいにユーロがドルに対して安くなってしまった。

 デリバティブに関して、清算機関ができるようですが、そうなると、いったい誰がいくらデリバティブをしているかというのがわかり、結局、いくら最終的に損失があるのかもわかると、疑心暗鬼によりおかしなことがいっぱいおこることも防げる。お化けは見えないから怖いようなものだからね。

ウォーレンバフェットさんは、デリバティブは金融上の大量破壊兵器とおっしゃったそうです。なるほど、デリバティブで儲けた利益というのは、難しい数学をベースに計算したようなものですが、所詮は絵に描いた餅。ちょっとした匙加減でどうにでもなるようなところもあるらしく、それゆえにデリバティブのプレーヤーや経営者は巨額の報酬を得たようです。そして、実際の損失が生じたときは、彼らは退職したあと、損失をかぶるのは、債権者や株主。おかしいですね。

でも、信託大好きおばちゃん的には、デリバティブはこれでおしまいとは思わないですね。特にCDSは、なかなか使い勝手がいいものです。日本ではあんまり発展していませんが、今回の危機やその後の制度の整備を経て、結構、日本においては使われていくのではないかなと思うのです。

 

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