2008年5月13日 (火)

自社株の信託ってできるのかなあ

今朝はあんまりニュースがないので、久々に信託周りで思いついたこと

 財産として価値のあるものだったら、信託財産とすることは可能だと思います。また、信託財産を引き受ける受託者も、営利を目的としない限り、個人でもOKだと思います。

 それでは、X株式会社の大株主であるAさんが所有している株式をX株式会社を受託者として信託することはできますか。この場合の受益者はAさんであり、Aさんが議決権をどうするか指示する権利もあるとします。

 自社株を信託できるか? 信託財産に関して、特に信託法では制限できないから信託は可能だと思うのです。

 自己株式の取得に当たらないのか? 自己株式の取得というのは、X社が自分の会社の行為として、自己株式を取得しようとすることだと思います。そのためには、株主総会の特別決議なり普通決議なりが必要です。

一方、信託財産としての自己株式の取得というのは、形式的にはX社の株式がX社の名義となりますが、これは、X社の物であって、X社の物ではない。あくまでも信託財産という不思議な存在としてX社が受益者Aのために預かっているようなもの。だから自己株式の取得にはあてはまらないと思います。

 会計上も、自己株式を取得したものとして、X社の通常の貸借対照表に純資産の部の控除項目として記載されるのではなく、信託財産の貸借対照表のようなもの(財産目録のようなものかもしれない)に記載されるだけだと思うのです。信託って預かりみたいなものだから、代金をAさんに払うこともないですしね。そして、AさんがX株式を有しているという処理になる。

 税務上も、これは受益者がAだから、Aの財産としてX株式を有していると処理されます。

 つまり、会計上も税務上もX社が自己株式だ!という処理はでてこないと思うのです。

 じゃ、自己株式を信託することは何でもOKなのでしょうか。本件では議決権は受益者Aが有するとされていますが、議決権を誰が決めるかは信託で自由に決めれるはずです。そうすると受託者X社にX社の議決権をもたせることもできる。これはおかしいような気もするのです。

他にもなんか問題点がでてくるかなあ。

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2008年5月 7日 (水)

なぜ、海外国債ファンドは、株式投資信託なの

連休明けの水曜日♪ コンビニに日経新聞を買いに出かけたら売ってませんでした。しょーがないから、最寄の地下鉄の駅の売店まで出かけて日経ヴェリタスを買った信託大好きおばちゃんです。

昨日作った豆ご飯(我ながら美味しい)を食いながらページをめくっていたら、「R&Iファンド大賞2008」というのが載ってました。

そこで投資信託の外国債券部門を見たら「海外国債ファンド」とあります。

この海外国債ファンドは、「主として海外国債マザーファンド受益証券を通じて、日本を除くG7構成国が発行する国債と政府機関債(国債と同等の格付けを持つもの)を中心に分散投資を行ないます。」

国債や政府債に投資をするのだったら公社債投資信託だと思うのですが、目論見書を読むと株式投資信託なのですよね。

なぜかというと、公社債投資信託というのは、約款で株式には全然投資しませんよと決めているようなものだからです。

たとえば、以前ここで紹介した公社債投資信託であるノムラ外貨MMFの目論見書には「ファンドは、いかなる種類の株式または出資に対する投資も行いません」と書かれています。

一方、海外国債ファンドの約款の投資制限を読むと「株式への実質投資割合は純資産総額の10%以下とします。」となっています。

つまり、株式への投資の可能性があると書面上は決められている。結果的に100%債券に出資しても、約款で株式投資への可能性が決められているならば、それは株式投資信託ですよ、となるからなのでしょうね。

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2008年4月30日 (水)

浪花おふくろファンド

 昨日、お蕎麦を2.5人前食ってしまいました。そんなに大食漢ではないのですが、お蕎麦って、すんなりと胃袋に入っていくのですね。

 こんな話はおいといて、昨日の日経の「一目均衡」で末村篤氏が「もう一つのファンド資本主義」を論じていらっしゃいます。

 その中で浪花おふくろ投信の紹介がなされていました。信託大好きおばちゃんとしては、ぴぴっと反応してしまいました。

 浪花おふくろ投信株式会社は、社会保険労務士の石津史子氏が作られた投信会社だそうです。

普通の人たちから小さいお金を集めてきて、長期投資をしましょうというのが事業方針であり、この投資方針に基づく『浪花おふくろファンド』(愛称:「おふくろファンド」)を販売していらっしゃいます。

目論見書を拝見しましたところ

基本的性格

追加型株式投資信託/ファンド・オブ・ファンズ(投資信託に投資するようなもの)

ファンドの目的

一般家庭の“時間をかけた財産作り”をお手伝いさせていただくために、信託財産の長期的な成長を図ることを目的としています。(バイアンドホールドというやつかな)

主な投資対象

主として国内外の株式等を投資対象とする証券投資信託の受益証券を投資対象とします。

投資制限

①投資信託受益証券への投資割合には制限を設けません。

②同一銘柄の投資信託受益証券への投資は、原則として信託財産の純資産総額50%未満とします。

③株式への直接投資は行いません。

④信用取引の指図は行いません。

⑤デリバティブの直接利用は行いません。

⑥外貨建て資産への投資には制限を設けません。

⑦資金の借り入れを行うことはできますが、当該借入金をもって有価証券等の運用は行いません。

(いま話題の証券化商品のようにデリバティブを使ったようなものはやらない)

やっぱり、このネーミングがいいですね。 日経新聞にも紹介されましたし、おそらく、他のマスコミでも紹介されると思います。

このようなインパクトのある投信もあまりないようなので、当初は、予想以上に資産が増えるかもしれません。

でも、継続できるか。

事業の方針で

「運用能力の向上に全身全霊を傾け、決してブレない「長期運用の哲学」を貫いて信頼と実績を積み上げていきます継続できるか、ここにかかっていると思います。」

と、お書きになっていらっしゃいますが、これを貫けるかどうか。これが一番大変ではないかと。マーケットは、いつも、予想を裏切りますし、投資家は、自分のお金ですから、状況によってはすぐ心変わりをしてしまう。それでも、長期運用を貫けるか、それを支持する分厚い顧客層を築けるかは、石津社長の才覚というより不屈の忍耐力にかかっていると思うのです。

4月28日の基準価格は、 10,169円

「徹底的なコスト削減の労は惜しみませんが、この結果生まれてくる余剰収益があれば、投資家の皆さま並びに地元大阪が再び品格のある活気を取り戻すために社会に還元していきます。」

 終生、大阪に戻ることはないかもしれない信託大好きおばちゃんですが、是非、浪花おふくろさんにがんばっていただきたいと強く思うのです。

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2008年4月16日 (水)

Jパワーと株式管理信託

 このブログの2月20日の記事で、大島さくら子先生の「シーン別本当に使える実践ビジネス英会話」をご紹介しました。この本は、59のダイアローグにわかれていて、各シーン別のいきいきとした英会話+文法等が書かれています。信託大好きおばちゃんは、2月17日から、毎日、1ダイアローグずつ、ほんとうに、こつこつ勉強していきましたところ、昨日、4月15日で完走しました。どのくらい効果があがったのかなと思って、TOEICのリスニングセクションの問題をさらっと解いたのですが、ディクテーション(英文を聞きながら、すぐ、書き取る)を毎日した効果があるかなというような正答率でした。

 というわけで、今日からは、大島さくら子先生の「中級からの英文法」の勉強をスタートさせます。

 さて、Jパワー株買い増し、 イギリスの投資ファンド ザ・チルドレン・インベストメント・ファンド(お子様投資ファンド TCI)による買い増しについて、政府が今日にも中止勧告するようですね。

 これがどうなのかに関して、あまり深い見識のない信託大好きおばちゃんは

コメントを差し控えますが、たまたまJパワーの有価証券報告書をみて驚きました。

電気事業会計規則というのがあるのですね。これによると、貸借対照表では、固定資産がまずあって、その次に流動資産があります。

固定資産の内容は、電気事業固定資産と、その他の固定資産にわかれていますね。

損益計算書も、普通と違って、左側に費用の部があって右側に収益の部がある。

税効果の注記をみると、渇水準備引当金繰入超過額なんてものがある。

たまたま、電力会社と取引のあった方のお話を昨日伺ったのですが、電力会社の事業計画というようなものは、数年単位ではなく、数十年単位であるそうです。事業計画では、40年後に発電所を作るというものがあたりまえのように記載されているようです。

それから、プライムレートというのは、各金融機関が電力会社にお金を貸すときの利率が始まりだったそうです。今は、どうも違うようですが。

ちょっとだけ信託のお話を、昨日の日経の記事によると、TCIは、Jパワーの株式の買い増しに信託活用を考えていたようです。

これは、TCIが購入したJパワー株を信託する。信託するとJパワーの株式の名義人は、形式的には信託銀行に移る。この場合の議決権をどうするかというのは、委託者が信託契約で自由に決めれる。すべての議決権を委託者がもつとするのもいいし、別もOK

で、TCIの提案は、「原子力発電所と送電線設備に関する株主総会での議決権は行使しない」という契約を結ぶというものだったようです。

 生の株式の場合、さまざまな権利内容の株式を発行することはできるけど、権利の内容である、配当権、残余財産分配権、議決権を切り刻んで、それぞれを別のものとして発行することはできない。

でも、信託を利用する、この権利内容をうまく分割することが可能となることを示す一例ですね。

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2008年4月 2日 (水)

JDR 第一号はタタ自動車

 今朝の日経の一面に「印タタ自動車、東証上場 日本預託証券第一号 今夏にも 円建て投資可能に」が載っています。

このブログでも何度かJDRの記事を書いていましたが、いよいよ登場するようですね。

JDRとは日本版預託証券です。株式発行国の事情により、直接、外国でその株を取引できないような場合、その株の預り証を取引しましょうというようなもの。この預り証が有価証券の形となって取引しやすくなっています。

日本では、信託法の改正で可能になった受益証券発行信託をつかって預託証券を作ると思います。

で、このJDR 第一号にインドのタタ自動車がなるようです。タタ自動車は、ジャガーやランドローバーを買収したり、30万円の自動車を製造したりと、急激に成長している会社です。

いまでも、インド株を運用資産とする投資信託は日本でも買えますが、このJDRにより単独のインド株を買うようなことができます。

この預託証券で問題になっているのが日本語の問題や開示上の問題です。上場するなら開示資料は日本語で作らないといけないし、日本のほかの会社と同様な会計ルールで財務諸表を作らないといけない。外国の人からしたら日本語で開示資料を作るのは大変なことですし、株式発行会社で認められている会計基準を日本でも認められている会計基準に組み替えるのも大変です。コストが継続的にかかるから、それを上回るメリットがないといけない。

ここの調整をどうするのかなと思って記事を読むと、「上場時は日本語による情報開示が必要だが、今夏にも内閣府令が改正されれば、四半期や中間決算は英語による開示もできるようになる。」ということは、有価証券報告書は日本語で書かないといけない。

有価証券報告書の開示内容になるのかわからないですが、以前、このブログでPOWLPublic Offering Without Listing)(国内非上場公募)している韓国のロッテ・ショッピング・カンパニー・リミテッドの有価証券報告書の話題を書いたのですが、あの内容が参考になるのではないかなあ。

タタ自動車はADR(米国預託証券)を上場しているから、確認していませんが、会計は、米国基準で作っていて*、それを日本でも使うのかもしれません。

プロ市場を作って、そこで、英語の開示オンリーでもOKのようなものは可能かもしれませんが、それでは、資金調達額も限定されますし、普通の人でも買えるような場合、普通の人でもその株の内容が理解できるようにしないとまずい。

落としどころがどこになるかで、日本の金融市場のグローバル化がどうなるかが決まってしまうのでしょうねえ。

* TATAのHPで調べました。そうすると、SECに提出している監査報告書を読むと次のような記述があります。

アメリカ基準で財務諸表作ってますね。

In our opinion, such consolidated financial statements present fairly, in all material respects, the financial position of the
Company as of March 31, 2007 and 2006, and the results of their operations and their cash flows for each of the three years in the
period ended March 31, 2007, in conformity with accounting principles generally accepted in the United States of America.

http://ir.tatamotors.com/index.php?CardID=5

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2008年3月28日 (金)

語学教室の授業料保全信託

今朝の日経の金融面に「語学教室の授業料保全」という囲み記事があります。

りそな銀行が4月から語学学校を経営しているインターグループ向けに行うビジネスで、授業料を信託して、たとえ、会社が破綻しても、授業料のうち未受講部分は返してもらえるというものだと思います。

ようするに、生徒から授業料をインターグループが預かると、それをりそな銀行に信託する。生徒が授業を受けた部分だけりそな銀行がインターグループに授業料を支払う。もし未受講の授業料がある状態でインターグループが破綻した場合は、生徒はりそな銀行にある残金から払い戻しを受ける。

たぶん、信託契約では、収益受益者がインターグループで、元本受益者が生徒、ただし、生徒は、会社が破綻するまで受益者としての権利を持っていないとしているような気がします。そうしないと、税務上ややこしいことがおこるから。この辺の課税関係うんぬんは、以前このブログで紹介した社内預金引当信託の国税庁のHPが参考になると思います。

インターグループの仕訳は、

生徒から100お金をもらったときは、 

現金 100     預かり金 100

信託した時点で、         

信託預金 100    現金  100

生徒が授業30を受けた時点で     

預金    30   信託預金  30

預かり金  30    売上   30

この時点で会社が破綻した場合は、 

預かり金  70   信託預金  70

となるのでしょうね。

これはすでにある老人ホームの入居金保全信託の語学学校版です。先にお客さんが前金をまとめて支払うようなビジネスは、それなりにいっぱいあるから、信託銀行さんなどでの事務管理の合理化ができるなら確実に広がるビジネスと思います。

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2008年3月27日 (木)

日立製作所の事業撤退と退職給付信託

今朝の日経新聞の企業総合面に「エルピーダ株 日立、全株売却へ DRAMから完全撤退」という記事があります。

NECと折半で作ったエルピーダとの資本関係を解消し、DRAM事業から完全撤退し、サーバーなどに使用する高性能製品の開発・生産に特化するそうです。

撤退というと株式をどこかに売却すると通常は考えるのですが、日立の場合は、退職給付信託というツールを使うようです。将来の従業員の退職金の原資に充てるためにエルビータ株を信託する。

会計上はこの時点で次のような仕訳に連結上はなるようですね。

 退職給付引当金 42,240M円  投資有価証券   21,200M

               有価証券売却益   21,040M

  単体の設定益が10,240M円ということは、連結子会社でも持っているものを売却するということなのかなあ。

             

  キッコーマンで30億円くらい利益がでるなあって書いたけど、こっちは 200億円くらいですねえ。さすが日立 しかも、この利益に対して、設定時に税金がかからない。

 退職給付信託の面白いところは、株式も名義人は信託銀行になるけど、株式の議決権の指示を誰がするかは決めることができて、この場合は、委託者である日立製作所

退職給付信託って使えますね。 会計上の利益がでる。 税金は繰延べられる。 株式は手元にないけど、議決権は残るから、完全撤退といっても口だけはしっかりだせる。

こんな使い方があったんだということを教えてくれます。

で、日立製作所の3月14日のプレスリリースを読むと かなり強烈なことが書いてあります。

http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2008/03/f_0314a.pdf

これから、減損損失が追加で350億円、薄型テレビ事業等の事業構造改革関連費用560億円等を計上する予定で、その埋め合わせに有価証券の売却損益が1,000億円ほど生じるようです。退職給付信託設定もその一環なんでしょう。 

日立は、たしか連結納税を行っていると思うのですが、連結納税できない地方税で回収不能な部分の税効果の取り崩しもあるようですし。

なりふりかまわずですね。

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2008年3月24日 (月)

キッコーマンの退職給付信託設定

今日は324日♪ 来週の月曜日は331日♪ 以前、このブログで租税特別措置法が期末に飛んでしまったらというようなことを軽く書いていたのですが、現実味を帯びてきましたねえ。とりあえず4月になったら土地を売買するな!ということでしょうか。

 さて、キッコーマンが「退職給付信託設定に関するお知らせ」を319日にプレスリリースしました。

「当社は、平成20 3 19 日開催の取締役会において、当社が保有する株式の一部を拠出し、退職給付信託を設定することを決議しましたので、下記のとおりお知らせいたします。

1. 信託設定日 平成20 3 25 日(予定)

2. 信託設定額 4,200 百万円(予定)

3. 信託設定益 3,000 百万円(予定)

4. 業績への影響

上記の退職給付信託設定に伴い発生する退職給付信託設定益3,000 百万円を特別利益に計上する予定でありますが、固定資産除却損等の特別損失の計上が見込まれるため、通期の連結業績予想についての変更はありません。」

株式市場が低迷している今日この頃、にもかかわらず信託設定益が30億円も計上できるなんて景気のいい話だねと思って、第3四半期の短信を読んだところ、連結貸借対照表にその他有価証券評価差額金(会社が所有している上場株等の税引き後の含み益)が110億2,000万円も計上されているようですので、そんなに気張った取引ではありません。

退職給付信託って

退職給付信託って、退職給付会計が導入されたときに、莫大な会計基準変更時差異(新基準と旧基準の退職給付引当金の差額みたいなもの)を埋めることなどを目的として開発された信託商品です。従業員の退職一時金や年金にあてるために設定された他益信託で、原則的に会社は、信託財産を戻すことができないこと等から、設定時に、次のような仕訳をすることが認められています。

退職給付引当金 ×××  有価証券 ×××

           信託設定益  ×××

なぜキッコーマンが信託を設定したかというと固定資産除却損と信託設定益をぶつけて業績をよく見せたいという思いがあるのかもしれません。

ちなみに、税制上の取り扱いですが、このブログでも昨年の6月から7月ころうんうんとうなったのですが、委託者である企業は税法でいうみなし受益者に該当することから、信託財産の拠出のときに生じた譲渡益は、税務上は認識せず、信託財産から生ずる所得はその企業で認識することになるものと考えられます。

みなし受益者になる要件として、信託を変更する権利と停止条件付きでもいいから財産の給付を受ける権利があることが必要です。おそらく信託を変更する権利は委託者にあると思います。また、企業は、原則として、信託財産を返還することができませんが、たとえば、年金資産>退職給付債務となった場合の超過額等は返還することが可能となるので、財産の給付を受ける権利もあると考えられる。だから退職給付信託の委託者はみなし受益者となるのではないかと。

いちおう、「お上の言の葉」をまとめた平成19年度税制改正の解説P294に「一定の条件に該当する場合に委託者に元本又は残余財産が給付されることとなる信託(退職給付信託など)が現在存在しますが、このように停止条件が付された信託財産の給付を受ける権利を有する者も、ここでいう「信託財産の給付を受けることとされている者」に該当することとなります。」と書いてありますしね♪

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2008年3月 3日 (月)

社内預金引当信託の社内預金者の課税関係について

社内預金引当信託における社内預金者の課税関係に関して、社団法人信託協会が国税庁に照会を行い、その回答が国税庁のHPに載っています。

社内預金というのは、会社が従業員の給料から天引している預金ですが、通常、利子の一部を補給しているので、一般的な預金よりも利回りが高くなります。

使用者側からみると、この預金を自分の会社で預かって管理をすることもできるのですが、この場合の利子には、下限があるようです(下限利率は年0.5%(5厘)(平成19101日現在))。

でも、使用者である会社が自らの名義で預金を預かっているような場合で、その会社が倒産してしまったときは、せっかくの社内預金もパーになってしまうリスクがあります。これは、まずいでしょということで、この社内預金を保護するために、社内預金相当額について行う信託があります。この信託のことを社内預金引当信託というようです。

この社内預金引当信託(国税のHPで照会されているもの)では、会社が、社内預金の元金額の全部または一部に相当する有価証券を信託します。有価証券だから株式もあるわけで、この場合の議決権の行使は委託者が指図するようです。

また、受益者には2タイプあります。ひとつは、収益受益者です。配当や利息などをもらう権利があり、委託者である会社がなります。もうひとつは、元本受益者です。有価証券の売却代金や償還金、増資割当新株式などをもらう権利があり、社内預金をした従業員が元本受益者となります。ただし、元本受益者は、会社が倒産するような事情が生じるまでは受益権を有さないことになります。

ここで問題になるのが、新信託法をベースにした信託税制での課税関係はどうなるか?とくに、元本受益者について、設定時や会社が倒産等して信託財産を受け取った場合の課税関係がどうなるかです。

信託税制の改正で、信託については、タイプごとに課税関係がかわりますが、この社内預金信託というのは、受益者等課税信託に該当し、信託財産から生ずる所得については、発生時に受益者等に課税されます。

まず、問題となるのが、信託を設定した時点で、元本受益者は、税制上の受益者等に該当するかということです。もし、該当するならば、設定時点で、元本部分について、委託者から利益を受けたとして課税関係が生ずることが考えられます。

しかし、結論として、設定時点で、元本受益者は、税法でいう受益者等には該当しません。

税法でいう受益者等には、受益者とみなし受益者の2タイプあります。

受益者とは、信託設定時点の受益者としての権利を現に有する者ですが、この元本受益者は、会社が倒産等するまで受益権を有しないから、信託設定時には受益権を有しないことになるので受益者にはなりません。

次に、みなし受益者に該当するかどうかですが、みなし受益者に該当するためには、その者に信託を変更する権利+財産の給付を受ける権利がある必要があります。元本受益者は、条件付で財産の給付を受ける権利がありますが、信託の変更をする権利はありません。信託設定時に受益権もないし、特別の規定もないからです。

したがって、元本受益者は、信託設定時に受益者にもみなし受益者にもならないことから受益者等に該当しないので課税関係は生じないということになります。

つまり、会社が倒産するまでは、収益受益者である会社だけが受益者となり、信託財産を会社が所有し、収益も費用も会社に帰属するものとして税金の計算をすることになります。

さて、会社が倒産して、信託財産の給付を従業員が受けた場合、従業員に税金はかかるのでしょうか。これも、結論から言うと税金はかかりません。

従業員は、会社に対して、社内預金を預けたのだからその分のお金を返してくださいという権利を持っています。会社が倒産すると、会社自体から社内預金を返してもらうことは、通常は、できませんよね。社内預金引当信託は、会社の倒産から隔離されているので、会社の倒産にかかわらず、信託財産はキープされています。ですから、従業員は信託財産から預金相当額の支払いうけることになります。つまりこの信託財産からの支払いは、新たな利益の発生ではなく、従業員が持っている社内預金請求権の弁済として支払われるものです。従業員の立場で、仕訳で表現すると、現金×××/社内預金請求権×××となります。ですから、従業員に課税関係は生じません。

この、国税庁のHPには、社内預金引当信託契約書の雛形も掲載されており、これは新信託法ベースのものであり、税法の問題もクリアされているので非常に使える資料ですね♪

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2008年2月11日 (月)

世界の投資信託の残高

なんとなく、投資信託協会のHPを覗いてみたら、投資信託の世界統計 2007 年第3 四半期(7 月~9 月)なる資料がでてきました。

20079月現在となるのですが、投信残高(この場合の投資信託とは、オープン・エンドの公募証券投資信託)上位10 カ国(2007 9 月末)は、次のようなっているようです。

(単位10億ドル)

1位 アメリカ     11,922

2位 ルクセンブルグ 2,609

3位 フランス 1,994

4位 オーストラリア 1,224

5位 英国 951

6位 アイルランド 920

7位 香港 721

8位 カナダ 706

9位 日本 700

10位 ブラジル 575

日本で、投資信託がブーム、ブームといわれていますが、グローバルレベルで見ると、全然たいしたことがないんですね♪

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2008年1月30日 (水)

ハンドブック信託

このごろ、ちょこちょこと本やDSを贈っていただけるようになった信託大好きおばちゃんです。

さて財団法人トラスト60さんから「ハンドブック信託」を送っていただきました。

この本は、信託に関して、かんたんに網羅的にまとめた本だと思います。

三菱信託銀行信託研究会(編著)「信託の法務と実務」社団法人金融財政事情研究会のコンパクト版のような印象を受けました。

目次をご紹介すると 1.信託とは 2信託の仕組み 3信託商品 4信託の税制と会計5.諸外国の信託 6資料です。

信託商品の中に、知的財産の信託やセキュリティトラスト、企業買収防衛策と信託、排出権の信託というように最新のネタが入っています。公益信託に関しても、類書より多くのページを割いていらっしゃいますが、公益信託の概要や平成20年の税制改正などは、まだわからないところがあるのであまり盛り込まれていません。これは出版時期を考えるとやむをえないことであり、改訂の際には是非、充実していただけたらと思います。

また、諸外国の信託ということで、通常は、イギリスの信託とアメリカの信託あたりの紹介で終わるのですが、オフショア信託についても紹介されているところが面白いです。

この本がいいなと思ったのは、図が多く使用されていること、また、各章の終わりに参考になる図書等が紹介されていることです。

信託に関して、信託法や信託の会計・税務という限られたフィールドを掘り下げたようなものではなく、もっと全体的に、何やってんだろうという情報をピックアップできるような本ではないかなと、ここでつかんで、もっと深く調べていくためのポータルサイトのような一冊かもしれませんね♪

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2008年1月29日 (火)

共同運用型信託と合同運用型信託

複数の人が財産を拠出して信託を組成するニーズってあると思うのです。

たとえば、土地の再開発で地権者がいっぱいいる様な場合、信託をつかって受託者がまとめて土地を取得して、再開発をした方が何かと便利だと思うのです。

ただ、その土地の信託の仕方って2つあるのではないかと思うのです。

 

共同運用型信託というのは、信託大好きおばちゃんのネーミングなのですが、2以上の委託者が一本の信託契約で土地を信託するようなもの。そして、信託の受益権をそれぞれ、持分割合に応じて取得する。このような場合、税法的には、原則的には、自分の土地のうち、他の受益者の持分とされる部分については譲渡があったものとして課税されると思うのです。信託法上は、受託者の持分だけど、税法的には、受益者がそれぞれ持分割合に応じて資産を持つと考えられるから。

たとえば、2人の人がいて、Aは時価1億円(簿価6,000万円)Bは時価1億円(簿値2億円)の土地を信託して、受益権を50% ずつ所有した。

税務上の仕訳は、

A    資産 5,000万円  土地 3,000万円

             譲渡益 2,000