2009年11月 4日 (水)

特許の審査開始時期の柔軟化

今朝の日経のトップ記事は「特許の審査開始 柔軟に 出願後最大8年に延長 製品化にらみ修正しやすく」です。

 知的財産管理技能検定3級を勉強中の信託大好きおばちゃんとしては、目にとまる記事です。

 特許権というのは、なんかあたらしい物なり方法を発明した場合に、発明者が一定の期間、経済的ご利益をもらえる権利のことです。

 この特許権というのは、特許庁に出願すると、すぐ、権利ができるというものではないのです。出願して、3年以内に審査をしてくださいとお願い(審査請求)すると、記事によるとそれから約29ヶ月で審査をしてもらい、よければ、特許として認めてもらうというもののようです。

 この審査請求をしてから審査開始までの期間を平均29ヶ月から、最大5年にしようかということだと思います。他方、もっと早く審査開始をして欲しいというニーズもあるので2013年までに審査開始までの期間を11ヶ月に縮める目標も掲げているようです。つまり、審査請求をしてから審査開始まで、多様なニーズに応じて、柔軟にできるようにして欲しいということなのでしょうね。

 でも、なぜ遅らせたいのか? これは、記事の受け売りですが、審査が開始されると出願内容を修正できる期間が限られているようです。何年も前に特許出願して、製品化に向けて努力し、製品化できるメドがついたけど、製品の内容は、特許の内容と若干異なっているということもあるようです。

 製品の内容が特許の内容と異なっている場合は、誰かさんが海賊版を販売しても、特許侵害を理由に、その誰かさんに、売るなと警告したり、差し止め請求をしたり、損害賠償をすることが難しいようです。そうすると、特許権者としてのご利益がない。だから、審査の開始を遅らせて、このような損害が生じるのを防ごうと考えていらっしゃるのですね。

 ちなみに特許のご利益の存続期間は、出願から20年。 つまり、審査が遅れるとご利益を受け取る期間も短くなるのですが、それでも、確実に利益が確保できる方いいという考えがあるのでしょうね。

いずれにしても、これから、どうなるか決まるようなお話です。

| | コメント (0)

2009年11月 1日 (日)

パロディは著作権侵害か?

 信託大好きおばちゃんは、知的財産権(特許権とか著作権)をちょっと理解しようと考えて、東京理科大学で知財管理技能検定3級の講座を受けてます。講師の古志達也先生は、信託大好きおばちゃんと同じ関西の文系大学出身で、弁理士試験に短期間で合格された方です。試験にパスするためには出題者ならどう考えるかという観点で勉強せよ?というようなことをおっしゃったような記憶がします。なるほど♪

 この授業は土曜日の午前中にあるのですが、1031日は、受講後、早稲田大学でJASRAC連続公開寄付講座「著作権法特殊講義」著作権侵害をめぐる喫緊の検討課題

中村 稔さんの(弁護士,芸術院会員,詩人)「著作権保護の真髄を語る-著作者かつ法律家の立場から」を受講しました。

 いろんな優秀な方のお話を気軽に安価、または、無料でお聞きすることができるというのが、信託大好きおばちゃんにとっての東京の最大の魅力ですね♪

 中村さんのお話で面白かったのが、パロディは著作権侵害かという問題です。

その例として宮沢賢治氏の雨ニモマケズのご自分で作られたパロディを紹介されました。

ちょっとだけ引用させていただくと

「雨ニモマケズ 風ニモマケズ 冬ニモ寒サニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ 欲フカク ムヤミニ笑ワズ イツモ横柄ニイバッテイル」

 これが著作権侵害にあたるかという論点があるようです。

 

 これは複製か? コピーじゃないですよね。オリジナルとパロディは実質的に同じじゃない。

 これは翻案か?  翻案とは二次的著作物の創作のようであり、たとえば、翻訳したり小説の映画化のようなもののようですが、翻案ともちょっと違うというのが中村さんのお考えです。

 中村さんとしては、パロディは、著作権侵害にあたらないというお考えがあって、その理論構築は、著作権の目的である文化の発展の寄与という観点から、または、フェアユース(著作権の公正な利用 作者の許諾なくできる)の観点からとも考えられるが、実際は難しいところがあるというようなことをおっしゃったような気がします。

 フェアユースに関しては、もうちょっと、勉強してからブログに書いてみようかな♪

| | コメント (0)

2009年10月23日 (金)

PPH 特許審査ハイウェイ

 今朝の日経の経済2面に「特許、国際出願しやすく 中国・カナダなどと特許庁が連携強化」という記事があります。

 特許っていうのは、何か発明をした場合に、発明者に内容の公開と引き換えに一定の期間、利益を与えましょう、よこしまな連中がやってきたら撃退していいですよという法律で人工的に作り上げた権利だと思います。

 特許という権利をゲットするためには、特許庁に出願しないといけないのですが、その効力が及ぶ範囲はあくまでも日本国内。経済がグローバル化している現代において、外国での海賊版を排除するためには、日本での特許権ではだめで、外国でも特許として認めてもらわなければなりません。

 そのための手法として、 ひとつはパリ条約に基づいて直接、外国にその国の言語で出願をする方法があるのですが、これは、時間的余裕もなく大変らしい。

そこで、PCT(特許協力条約)というものができ、これは日本の特許庁に国際出願という形で出願した場合は、12ヶ月以内にその特許が認められそうか否か調査され、国際公開され、予備審査を経て、30ヶ月以内に外国に出願するというもののようです。PCTであっても外国での出願をパスすることはできません。

こちらの方が、時間的余裕があるからじっくり翻訳もできるし、事前審査をしてもらえるから、登録の予見可能性もそれなりにあるようです。

で、今回の記事のPPHの位置づけは、外国での出願の際に、一から審査するのではなく、日本での審査データを参照できるようにして、効率をよくするというもののようです。

蛇足

どうも、特許の世界というのは、想像以上にグローバル化が進んでいるようです。税金の世界も国際税務というのがありますが、税理士の世界では決して保守本流ではない。他方、弁理士の世界では、英語を使った仕事というか、国際間の仕事は、保守本流とはいわないまでも、特定の弁理士の特別の仕事ではないようです。

| | コメント (0)

2009年6月19日 (金)

JDC信託へのお仕置き

 このブログは信託大好きおばちゃんの個人的なブログであり、世間的にはあまり知られないけど非常に面白い信託という仕組みについて勉強して、ついでに広めようと思って書き始め今年の10月でまる4年となります。その間、おばちゃんの人生に山はなく、谷、谷、谷。そのわりには、貧すれば鈍すとなってない♪ 不思議だと不思議だいわれますが、別におかしなことをしているわけじゃない。事前にしっかり備えて 常に等身大で生きようとしているからなんですよ(笑) たいしたことなんてできないかもしれない。大物なんて言われたくない。しぶとく生き残っていきたいだけなんですよ。

 信託のいい点を書こうと努力してきましたが、 こういうネガティブな情報も書かないといけませんね。

日経の経済1面「JDC信託に厳格処分 金融庁顧客資産返還を命令」

 ようするに、お客さんから預かっていたお金を会社の業務に流用しちゃいましたということです。

 これを受託者がやっちゃうと信託は終わってしまうということをやっちゃったんですね。

 なぜ、こうなったかというとようするにお金がなかったからであり、なぜお金がなかったかというと、思うように事業が拡大しなかったからであり、なぜ思うように事業が拡大しなかったかというと、コンテンツビジネスは日本で数少ないオリジナリティにあふれた成長分野なのだけど、信託に関して理解してもらえなかったからなのかなあと、でも、こんなことをしてしまうと、誰もお金を預けなくなるから、益々うまくいかなくなるのですよね。

 JDCの経営に問題があったからであり、信託自体はおかしなものでないし、これで知財信託がぽしゃるのは悔しい。

いっそアニメの殿堂でコンテンツの信託ビジネスをやりますか。そして、うまくいきそうになったら民営化する。社長の首をめぐって大臣がわーわー言い出すようになったらたいしたものです。

| | コメント (0)

2009年1月27日 (火)

フェアユース 著作権法が改訂されるかもしれない

本日の日経の社会面に「著作権者の了承不要 「二次利用」拡大を検討」という記事があります。

 現在の著作権法では、著作権者の了承なく二次利用できる範囲が限定列挙されています。

たとえば、私的使用のための複製、教科用図書等への掲載、学校その他の教育機関における複製等、、、

 でも、記事によると「インターネットの検索エンジンなどは検索作業の前提としてデータベースへの著作物の複製が必要だが、無断利用が認められる例に含まられていない」そうです。これじゃ困るなということでしょうね。

 米国では、フェアユースという規定があって、日本のように限定列挙ではなく、公正利用の場合は、許可がいらない。ただ、公正利用が何かでもめた場合は、裁判で決着をつけましょうということになっているようです。

 で、日本も米国のような規定を作ろうということだと思うのですが、公正利用ならOKというのは、総論賛成だと思うのですが、各論では、それぞれの立場で言いたいことがおありでしょうから、すんなりまとまらないかもしれません。

 ブログ等でいろんなことを書いている信託大好きおばちゃんとしても、著作権の理解は重要と考えておりますので、この辺の改訂のニュースがあれば、きちんとキャッチアップしておこうと思っております♪

| | コメント (2)

2009年1月15日 (木)

 知的資産評価マニュアル

 今朝の日経の経済1面に、小さな囲み記事で「「知的資産」評価の手引き 特許や営業ノウハウなど」があります。

 

 中小企業融資を拡大するために経済産業省が 知的資産を総合的に評価するマニュアルを3月末をめどに作成されるようです。

 これ、中身をみないとわからないのですが、知的資産の評価のスタンダードとして耐えうるものであるならば非常に大きなインパクトを与えますね。

 日本は知財立国をめざす それしかないといわれていく久しいですが、そのわりには知財の取引がブレークしたという話をとんとききません。この理由は、法整備うんぬんもさることながら、その知財なんぼやねん?という問いに対して、なんぼだす。と答えてもそれが妥当なのかどうなのかわけわからないからだと思うのです。これじゃ、二の足踏みますよね。

 この評価方法で算定した価格で取引をすれば、会計上も税務上もOKよなんてお墨付きをもらえると、ようやっと知財立国へむかって大きく動き出すかもしれません!

| | コメント (0)

2008年7月 9日 (水)

久々の知財信託

今朝の日経の新興・中小企業蘭を読むと「「知財信託」を通じ大手の技術吸 大阪の中小、国内初事業化」という記事があります。

 ほんとうに久々だなあ。 

 この知財信託は、トキメックという一部上場会社が所有している休眠特許を、自分を受益者として信託し、信託銀行が、特許を使ってくれる会社を探して、うまくいったら、特許使用料をもらって、トキメック社に分配しましょうというものだと思います。

トキメック社自体は、受益権を売却してということは考えず、おそらく自社で持ち続けるのではないかなと。

ちなみにトキメック社の有価証券報告書を読むと、平成203月末で、連結ベースの貸借対照表の無形固定資産その他に計上されているものは7M円ですから、この中にこの特許権もあるのでしょうね。売上は連結ベースで、51,321M円 研究開発費は 2,503M円

(売上の5%くらいが研究開発投資にまわっている)

 今回の記事の肝は、東京の大企業の休眠特許を利用するのが、大阪の中小企業(マックマシンツール)ということで、このような事例は本邦初だそうです。

 中小から中小 中小から大というのはあったようですが、大から中小というのはなかったそうです。なぜなら、記事によると「大手の技術を単純に取り入れても、中小が応用技術を持たなければいけない。同行は今回、トキメックの開発担当者らによる技術指導を徹底するなど、マックスマシンツールが製品開発しやすい環境を整えた。」そうです。

 ようするに信託銀行が、総合商社のような役割を果たしたから、大から中小へのビジネスが可能となったということなのでしょうか。

| | コメント (0)

2007年10月29日 (月)

特許企業名非公開に

今朝の日経をみていたら 経済金融欄に 「特許使用権、M&Aでも契約保護 登録企業名非公開」にという記事がありました。

ふっと思い出したのですが、日経ビジネスの20071022日号に「金になる知財」という特集があって その中の「インフラ整備に重い課題」という記事(上記雑誌の41頁)を引用させていただくと、

**************************************

企業が特許を売却する際、最も気にするのはすでにそのライセンスを供与している相手のことだ。新たに特許の保有者となった企業が契約を引き継がなければ、供与先に多大な損害を与えることになりかねない。

あらかじめライセンス契約を特許庁に登録しておけば、供与先は特許が譲渡されても影響を受けない。だが、実際には「技術や製品の権利関係は企業秘密。わざわざ登録する企業は少ない」(弁理士)。こうした「実態と乖離した制度が特許流通を阻害している」(家電メーカー)との不満は大きい。米国では特許保有者が変わっても、ライセンス契約は自動的に維持される。

この問題については、特許庁でも改善に向けた検討が始まっている。

     *************************************

この記事に対する回答のような記事が今朝の日経ですね。

***************************************

ライセンスを登録した場合に公開を義務付けている企業名や、契約金の額などを原則非公開とする

***************************************

このことにより、たとえ、特許の保有者が変わっても、ライセンス契約は登録されているので、ライセンスの使用者は新しい特許権保有者に対して、権利を主張できることになるのでしょうね。

現行の制度においてライセンス登録は全ライセンス契約の1%にとどまっていたそうです。

なお、2008年通常国会にも特許法など関連法令の改正案提出をめざすそうです。

 

知財立国を首相が何年か前に謳った国ですので、なんとか、有限実行に向けて動いていただきたいものです♪

| | コメント (0)

2007年10月23日 (火)

知財信託で初の配当金

今朝の日経に「『知財信託』で初の配当金」という記事があります。

知財信託というのは、目に見えないけれども価値のある資産のこと、たとえば著作権とか、特許権とか、

知的財産が信託できるようになったのは、平成16年ごろの信託業法の改正からだと思います。

知財信託は、次の信託の目玉になるといわれながら、数年たちましたが、プチ化けもしてないようですね。いろんな事情があると思いますが、

今朝の日経では、中小企業の特許を信託したものが、初めて配当を払えるようになったというものです。組成したのが2005年ですから 2年の月日が経っています。

この中小企業の特許の信託というのは、すでに、ロイヤリティの支払い先が決まっているようなものでなく、信託銀行が、信託を組成しながら、支払い先も見つけてくるというもののようです。だから、見つからないとダメだし、見つかってもすぐに収益が生めるというものでもない。通常、特許を使っていっぱいモノを作らないといっぱいロイヤリティを払ってくれない。製品価格の何パーセントというように支払額が決められているようだから。

よかったよかったということなのですが、投資家からしたら2年間配当がこない金融商品というのは投資としてはどうかなあっていうところもあります。配当がなくても、上場株式のように、自由に売買できて投資を回収できたらいいのですが、そんなマーケットもない。適正価格がどのように決まっていくのかという考え方は存在しても、不動産の鑑定評価基準のようにスタンダード化はされていないから、売買に二の足を踏むことも多い。

まあ、この信託はおそらく自益信託(委託者=受益者)だから、2年間配当がなくても、それはそれでいいのかもしれませんが。 自分で持っているだけだったら、おそらく特許がお金を生むことはないですから、

批判ばっかりしてもどうしようもないですが、いまいち、知財信託発展のための推進力に欠ける今日この頃です。

| | コメント (0)

2007年8月30日 (木)

ブランド価値評価モデル

今朝の東京は、昨日同様曇りで、肌涼しい。

またもや、「信託とファイナンス」特別講座の復習の続き。 

早稲田大学教授 広瀬義州氏の「証券化・流動化の展望と課題Ⅱ -知的財産の証券化と価値評価」から、

欧米では、ブランド価値が商品としてすでに売買の対象とされているようです。たとえば、グッチ。あの有名なバッグの店です。創業はイタリアのグッチ家だけど、今は別の人が経営しています。つまり、グッチ家から今の経営者がブランドを買い取って事業をしているということでしょう。

ブランドというのは、企業が長年において事業を行った結果培われた信用みたいなもので、同じような商品でも高い値段で売れる。だって、グッチのバッグと、そこらのバッグって 機能的には変わらないけど値段がぜんぜん違う。でも買う人は買いますよね。デザインがいいとか、質がいいとかというのは当然理由にあると思いますが、やっぱり「グッチ」だから買うというところもあるでしょう。この「グッチ」だから高くても買うというのは「グッチ」にお金を生み出すブランド価値があるからです。不動産にお金を生み出す価値があるから証券化ができるならブランド価値だってできるはずです。

このブランド価値を証券化するためには、不動産や他の資産と同様に企業全体のキャッシュフローからブランドのキャッシュフローを切り出せるかどうかが大事であり、そのためにブランド価値の客観的で適正な評価が大事なのです。

このブランド価値をどう評価するのか。ということで、広瀬教授はブランド価値評価モデルとして算式をお示しになっています。

信託大好きおばちゃんは、勉強大嫌いな高校を卒業しているから数学の難しい式はわからないので一番簡単な式だけ書くと

BV(ブランド価値)PD(プレステージ・ドライバー)/ 割引率 ×LD(ロイヤリティ・ドライバー) × ED(エクスパンション・ドライバー)

プレステージ・ドライバーとは、 価格が高くても値下げをしなくても顧客が製品等を購入することに着目した指標。 グッチは同じバックでも他よりもどれだけ高い値段で売れるかということ。

ロイヤリティ・ドライバーとは、リピーター等が安定的に存在していることにより、長期間にわたって一定の販売量が確保できることに着目した指標。 グッチは固定客がついていて、新しいバッグが売り出されたら、それをどれだけ買ってくれるかということ。バッグなんて、耐久性があるから毎年買う必要はないんだけどね。

エクスパンション・ドライバーとは、ステータスの高いブランドは認知度が高く、本来の業種または市場にとどまらずに、類似業種、異業種、海外等他の地域へ進出できることに着目した指標。グッチは、日本だけでなくおそらく他のアジアの国々にも進出しているでしょうね。それらの国々の所得水準からしたら目の玉が飛び出るような値段のバッグですが、どこの国にもお金持ちはいて、そんなバッグを買うことにステータスを感じる人はいるから。ようするに、グッチの製品は、今ある市場以外でどれだけ売れるか。今の製品と違う種類の製品でもグッチという名前をつけることによってどれだけ売れるかということ。

こんな指標を使って、算式はいまいちわからないけれどもブランド価値の評価は可能なようです。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧