2008年8月27日 (水)

事業の証券化 将来債権の証券化の問題点

 最近、8月なのにひんやりした日が続きますねえ。心地いいのだけど、ちょっとねぇ。

 昨日の早稲田の信託とファイナンスの特別講座の最終講は、弁護士の井上聡さん(信託の仕組みの著者)の講義でした。ほんとに詰まってるおじちゃんだなあと感動しましたね。信託大好きおばちゃんは、

 最後の方でわーっと事業信託系のお話をなさったのですが、記憶の整理のためにちょっと書き記しておきますと、

 証券化は、既存の債権だけでなく将来債権も可能となっているようです。

 債権譲渡特例法の改正があって、法人が有する債権で、債務者が特定してない将来債権の譲渡についても、登記をすることによって第三者への対応要件を備えることが可能となったようす。たとえば、オリジネーターが将来債権を信託譲渡して、かつ、同じ債権を別の者に譲渡した場合、信託譲渡について登記をしたら、別の譲受人に勝てるということなのかな。

 でも、たとえば、将来債権を信託譲渡したオリジネーターが、数年後、将来債権が生ずる部門を事業譲渡したとします。事業の譲受人が、その後、汗かいて大儲けしていっぱい債権を発生させました。この債権は誰のもの?そりゃ事業の譲受人のものでしょ。えっつ 将来債権を譲渡しているから受託者ひいては投資家のもだって!そんなもん関係ないじゃん。それは譲渡人の時代のお話でしょ。となるということではなかったでしょうか。 見当違いかもしれませんが♪

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2008年6月 2日 (月)

事業の証券化に向いてる事業って何だろう。

事業の証券化の最初は、イギリスのパブだったらしい。次は、離島へのフェリー らしい。

 なぜ、こんなのが、事業の証券化の先陣を切ったのだろう。

 いずれも、そんなに儲からない。でも、絶対になくならないビジネスらしい。イギリス人にとってパブは生活の一部だし、飛行場のない離島っていうのは、船以外は、常時の乗り物がないから絶対になくならない。

 独占的なインフラのような事業が向いているということなのかな。

 そうすると、 電気やガスは誰でも思い浮かぶこと。 

 日本人にとって絶対に必要な事業。 ある場所にとって絶対に必要な事業。 ある時期において絶対に必要な事業 そんなに規模が大きくなくても、収益性が高くなくても 少なくとも証券の償還期間までは、ほぼ確実に継続されるようなもの

神社の証券化、支払い原資はお賽銭やら寄付、倒産隔離なんていったら天罰が下りそうだからだめだ。

温泉の証券化。 温泉旅館がいっぱいあるようなところじゃなくて、たとえば、有名で、泊まるところがそこくらいしかなく、20年後も確実に湯治客がやって来る、例えば、玉川温泉のようなところはどうかな。

朝だから頭は冴えているのだけどぱっと思い浮かばない。何かないかなぁ♪

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2008年2月 1日 (金)

事業の信託の可能性と課題 救済・事業再生型

今週は、諸般の事情で、信託まわりばかり書いてます。

井上聡さんの「信託の仕組み」日経文庫という本があります。この本は、以前、ご紹介させていただいた道垣内弘人さんの「信託法入門」と並んで、信託の入門を学ぶのによい本といわれています。弁護士である井上さんの実務経験が行間からにじみだして、かつ、わかりやすいものです。

目次をみて面白いなとおもったのは、素人がみてもわかるやすいような見出しをつけていることです。たとえば、

受託者の義務―安心して託すため、柔軟な取引設計のための仕組み        

善管注意義務 - きちんとやりなさい

忠実義務 --- ずるせずにやりなさい

分別管理義務 ――きちんと、ずるせずにするために

自己執行義務の廃止 - ぜんぶ自分でやるのがよいことなのか

などなど

この著書の中で事業信託の可能性と課題というものがあります。救済・事業再生型信託、M&A型事業信託 トラッキングストック型信託に関して検討が行われています。

このうちの救済・事業再生型信託ですが、これは、たとえば経営が傾いたA会社が、同じような事業を営んでいるB会社に事業を信託し、再生を委ねます。再生を果たした暁には、信託を終了させ、もとのA会社に事業を戻すこともできれば、B会社の本来の事業に組み込むこともできます。B会社が受益権を全部買い取り1年間所有したら自動的に信託は終了しますしね。

このような場合、受託者であるB会社に信託業法の適用があるかというと、おそらく、頻繁に信託の引き受けはしないでしょうから、適用は、原則的にはないものと考えられます。

このような信託の場合の問題点は、B会社の利益相反の回避です。B会社は、受託者ですから忠実義務がある。つまり受益者であるA社を損させて、B社の利益を追求したらいけない。でも、B会社にも株主がいて、B会社の立場でいうと、株主のために利益を追求しないといけない。この2つの利益の追求といっても、A社、B社が同業であるならば、当然、お客さんがかぶることもあるので、競合状態のものもある。だから、こっちをたてたら、あっちがたたずとなり、どうしたらいいか困ってしまう場合もあるということです。このような問題が起こったときの解決策として、事前に信託行為(契約など)で、どうするから決めておくのがお約束なのでしょうが、経営では想定外のことが常におこるようなもの。だから、想定外まで踏まえてどうするか事前に決めておくなんて難しいということなのでしょうね。

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2008年1月22日 (火)

事業信託と会社分割・経営委任との相違点

商事法務No1821において弁護士の武井一浩氏、上野元氏、ならびに有吉尚哉氏が「事業信託と会社分割・経営委任との相違点」をお書きになっていらっしゃいます。

簡単にさわりをご紹介すると

「株式会社」形態には、権利義務の帰属者として法主体性、組織としての長期安定性、経済社会での認知などなどのメリットがある。

他方、事業信託は①契約自治に基づくガバナンスや収益分配等における柔軟性 ②信託法に基づいて明確化されている受託者責任 ③各種倒産隔離効果 ④信託受益権への法的転換などのメリットがある。

会社分割と事業信託の異なる点は、会社分割なら出て行った事業は帰ってこないけど、事業信託は期限つきだから、いつか戻ってくる。だからレンタル移籍に適した事業(たとえばチェーン展開をしている事業など)に向いている。

また、事業信託の場合は、契約により受益者に対して利益を与えるけど義務もあるよと決めることできる。株式会社の場合は、別に株主合意書などを作ならないといけない。

ただ、会社分割と比較すると、事業信託は、対象となる財産についての対抗要件の具備、債務引受の手続きが大変

事業信託と経営委任の異なる点は、経営委任の場合は、事業の全部を委任する場合だけ総会決議が必要 事業信託の場合は、事業譲渡と同様だから重要な一部の譲渡でも必要。また、委任の場合は、資産の譲渡や債務引受の面倒な手続きもいらない。でも、委任と比較して、事業信託の方が受託者の責任は重いし、受任者が倒産した場合のリスクを考えると、事業信託の場合、受託者からの倒産隔離がはかられることから、事業信託の方が経営委任より投資家にやさしい。

また、事業信託の発展のためには、受託者が一生懸命やったのに、うまくいかなかったような場合、結果責任を問われるのかどうかが明確ではなく、これが困った問題だよということもお書きです。

というわけで、非常にコンパクトにまとめられた原稿です。

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2007年9月26日 (水)

事業の証券化の本質は

ビジネス法務 2007.11号の特集は「スキーム別解説 事業会社のための新・信託法」です。

この中で、弁護士の森博樹氏が「新信託法と資金調達―事業信託を利用した事業の証券化」を書いていらっしゃいます。

その中で、事業の証券化の本質は、オリジネーターが通常のコーポレートローンで資金調達をする場合よりも有利な条件での調達を実現するという点であるとおっしゃってます。

なるほど、

そして、事業の証券化と異なる点は、事業主体の信用リスクから事業ないしキャッシュフローを隔離することにより、キャッシュフローを安定させる仕組みを考えること。

このしくみは2つあってそれは、

              事業主体の信用リスクをコントロールして、将来発生するキャッシュフローを安定させること

              経営が悪化した場合、事業主体から証券化された事業だけを切り出して、他の事業体に運営してもらうようにすること

だそうです。この辺って、以前、おばちゃんの記事でも書いた、ソフトバンクのボーダフォン買収で使われたスキームにおいて使われている仕組みにも現れているなと思います。

で、これは事業の信託を用いてできるのではないか。信託の本質は、委託者や受託者からの倒産隔離であり、自己信託を利用することによりコストセービングもできる。また、事業主体の変更も受託者の変更でできる。

事業の信託が広がるのは自己信託が可能となる来年からで、それまでは助走期間というか準備期間というか研究期間というか まあそんなものになるんだろううなあ♪

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2007年8月29日 (水)

事業の証券化

今朝の東京は、曇りで涼しい。昨夜は、久しぶりに冷房をきって、窓をばーんとあけ、床にマットをしいてごろんと寝ていたら、4時ごろに寒くて目が覚めました。

またまた、早稲田の「信託とファイナンス」特別講座からのネタ。これだけブログに書いていると3万円の元がとれそうですが。

昨日同様、弁護士の井上聡氏のレジュメから。 時間がなかったので井上氏のご説明はほとんどなかったのですが、井上氏の「証券化・流動化に係わるリーガルリスク ―信託法・信託業法改正のポイントを中心に-」レジュメの14頁、15頁に将来債権(事業の流動化)という項目がありまして、

具体例として

     病院事業の証券化(大規模医療法人による地域密着型優良病院事業の証券化)

     売掛債権の証券化(債務者不特定の優良営業店事業の証券化)

というのがあります。

法的にはいろいろ問題点があるのかもしれませんが、井上氏は事業証券化のポイントとして、オリジネーターの事業継続性が非常に大事。たとえ、倒産しても破産せず再生できるような事業をやっている会社がオリジネーターじゃないと困るといわれたような気がします。

資産の証券化の場合だったら、会社の価値でなく、その資産単独の価値がよければいいというものですが、事業の証券化の場合、いくら会社の一部門を信託して倒産隔離しましたよといっても、その事業をやっている会社自体がおかしくなっても信託された事業部門の収益は生み出せるとは限らないですよね。

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2007年7月30日 (月)

トラッキングストックと自己信託による事業の信託と事業譲渡

 トラッキングストックというのは、たとえば、企業の一事業部門の業績に連動して剰余金の配当を行うような種類株式のこと。

 事業の信託を使っても同じようなことはできる。たとえば、企業の一部門について自己信託(委託者=受託者となる信託 )を行い、受益権を投資家に発行する。投資家はその一部門で発生した享受する。

 同じようなことは、事業の信託以外に、一事業部門を分社して、その株式を投資家に発行することでもできる。

 どう異なるのか

 事業譲渡の場合は、手続きとして、重要な事業の譲渡の場合は株主総会の特別決議が必要。同様な手続きは自己信託の場合も必要。トラッキングストックを発行する場合は不要。

 事業譲渡の場合は、別会社に人や資産が移るので、人は出向か転籍を行う必要があり、社外秘のようなノウハウも漏洩するリスクがある。

 でもトラッキングストックや自己信託の場合は、他社に移るわけではないのでこのようなリスクはない。

 投資利回りはどうか。 トラッキングストックも分社も会社の税引後利益から配当を受ける。信託の場合は、原則的には、構成員課税だから、法人税分利回りは上昇する。ただし、原則的な構成員課税の場合は、各構成員が所得を計算することになるので、複雑な計算が必要となる場合もある。受益証券発行信託(有価証券で受益権を発行する信託)の場合で一定の要件に該当するときは、分配時課税であるため、構成員課税のときのように複雑な計算を投資家が行う必要はない。ただし、未分配利益の額が元本総額の2.5% 以下となるので、留保利益が残らないような信託を設計をする必要がある。

 

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2007年5月10日 (木)

事業信託の問題点

早坂文高氏 「事業型商事信託」 金融・商事判例,No1261.より、事業信託の課題点が書かれていますので、ご紹介

  会社を委託者とする事業信託の設定においては、自己信託及び責任限定信託を併用すれば、会社はその一事業部門を会社自身から切り離し、独立採算のもとに事業遂行することができる。事業を遂行する主体の法人格は同一であるが、その効果は「会社分割(分社型分割)」と同一であり、事業信託の設定は会社分割の機能を果たすことになる。

ところで、自己信託の設定は会社法の定める事業譲渡の規律に従うことになるが、会社分割については、株主総会での承認や会社債権者意義手続き等の保護手続きが要求されており(会社法373条以下)、事業信託の設定時の手続きが株主や会社債権者の保護という観点から十分なものであるか検討が必要であろう。

また、従業員との雇用関係を変更することなく、事業を信託という器に移転できることが自己信託のメリットとされているが、限定責任信託と併用された場合、信託財産たる事業の財務状況や営業成績に従業員の身分確保や賃金支払いが著しい影響を受けることになるので、会社による従業員に対する事前通知や協議義務のほか、会社分割における労働契約承継法のような仕組みが信託設定時の従業員や権利保護について必要となるものと思われる。

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2007年3月14日 (水)

自己信託の事例

またまた金融法務事情 No1794

ここで 自己信託の事例が3つあります。

       障害を抱える者の親等が、その財産を障害を抱える者に贈与しようとしても本人による管理は困難であるところ、自己信託が可能になれば、委託者自身の倒産による財産の散逸の危険を避けつつも、財産の管理は自ら行うことで、適切な財産の管理・給付等を行うことが可能になる。

信託大好きおばちゃん: これは障害を抱える者の立場で考えると、即贈与税の課税問題がでてきます。 特定贈与信託(6,000万円までの財産の信託は贈与税が非課税)のような仕組みづくりが必要

       会社が、特定のプロジェクトから上がる収益を引き当てに資金調達をしようとする場合に、当該プロジェクトに必要な資産を自己信託し、受益権を投資家に販売することが可能になれば、従業員の子会社への転籍、出向といった問題や技術的なノウハウの外部流出の危険等を避けつつ、資金調達することが可能になる。

信託大好きおばちゃん:会社の一部門をスパッとセパレートできるか。信託したときだけでなく、それから後も。 なんかぐちゃぐちゃになってしまい、受託者固有の債権者や信託債権者のいずれもが不公平感を抱く結果となるリスクが大。 とならないようにしなければならないのだけど。。。

       会社が自社の債権等を流動化して資金調達を行おうとする場合に、自己信託が可能になれば、債権者が変更することへの債務者の心理的抵抗感を回避しながら流動化を行うことが可能になるとともに、第三者を受託者として利用する場合と比べ、費用等を縮減しながら流動化を行うことが可能になる。

信託大好きおばちゃん:この③が現実的には、広がるような気がします。いっぱいある債権をまとめてどかんと信託して、信託受益権を優先、劣後にわけて、投資家のニーズに合うような形に転換させて販売するというやつ。債務者は、今までどおり回収すればいいし、債権者(委託者=受託者)は、はやく債権が回収できて、コストパフォーマンスもいい。投資家は、利回りがよく、貸し倒れリスクもないなら問題なし。と思うけどどうなんだろう?

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2007年3月 8日 (木)

事業証券化 (ボーダフォンと頌子&肇さんのスキーム)

昨日の日経金融新聞に「事業証券化広がる、将来の収入担保に資金調達、ルール整備これから。」というのが掲載されてました。

記事によると

「調達金額は約一兆四千五百億円。携帯電話事業が生み出す将来の現金収入を担保に資金を借り入れたことで、ソフトバンク本体の格付けより高い格付けが取得でき、有利な条件で資金を確保することができた」。

このスキームの内容は プレスリリースによると

1

SBMによる総額1.45兆円*1の借入

2

BBMによるブリッジ・ファシリティ契約(総額1.28兆円)に基づく借入金(1兆1,738億円)の返済

3

BBMが既に発行している第一種優先株式の条件変更

4

BBMが新たに発行する第二種優先株式(拒否権付種類株式)の条件決定

5

モバイルテック、BBM、SBMおよびSBMの子会社(全4社)の保有資産等に関する担保権の設定

6

SBMの発行済普通社債総額1,000億円に関する信託型デット・アサンプションの実施

7

BBMの劣後ローン1,000億円に関するSBMによる825億円の免責的債務引受の実施

SBM ソフトバンクモバイル BBM (BBモバイル) 

 この1.45兆円の借入金の返済原資は、SBMの携帯電話事業による将来のキャッシュ・フローのみであり、携帯事業がうまく運営できなくなると返済ができなくなり困ってしまいます。そこでSBMの親会社であるBBMに拒否権付種類株式を金融機関に発行し、役員1名の選解任権を持たせます。この株主総会での拒否権があるのは、追加借入、新規事業の開始、WBSの仕組みの導入に際して行った定款上の手当てに関する定款変更、新株、新株予約権その他株式(株式に転換できる証券を含む。)を取得できる権利の発行、解散申立、倒産申立です。

そうすることにより親会社の恣意的な行動を排除させ、携帯事業の安定を図るというもののようですね。

 で、この場合担保権を設定しているのですが、それはプレスリリースによると「SBMが保有する原則として全ての資産(不動産、動産、債権、子会社株式等)ならびにBBMが保有するSBMの株式およびモバイルテックが保有するBBMの株式」だそうです。

ここまで読んではたと思い出しました。そう頌子&肇さんの考えたスキームです。少しアレンジ

1. 事業信託を行った後に信託債を発行するか信託債権の借り入れをシンジケーションローンで行う。

2. 信託債又は信託債権を担保するため、信託財産に属する全ての資産に第一順位の担保権を設定する。

3. 信託債の発行手取金又はローンの手取金で当初発行した信託受益権の大部分を償還してしまい、委託者(=当初受益者)であるオリジネーターに支払う。残った受益権を機関投資家に売る。

4. 信託債又は信託債権を投資家に売る。

事業に属する資産全体に担保権の設定をすれば、取引債権者が事業に属する資産を差し押さえて、事業の継続が不可能になるリスクを回避できます。また、受託者の固有債務に属すべき債務が信託債務と扱われるような場合も同様です。このようにして、事業から生じるキャッシュフローを確保し、信託債や信託債権を有する投資家や金融債権者に優先して弁済できます。

 安定的なCFの維持のためにボーダフォンの方は拒否権付株式の発行を行ったのですが、この事業信託でもそれに近いスキームを入れなきゃまずいのでしょうね。 どういれるのかな♪

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2007年3月 4日 (日)

事業信託のスキーム(頌子&肇さん考案分)

先週 頌子&肇さんからいただいたコメントに次のようなスキームが書かれています。

1. 事業信託を行った後に信託債を発行するか信託債権の借り入れをシンジケーションローンで行う。

2. 信託債又は信託債権を担保するため、信託財産に属する特定の資産に第一順位の担保権を設定する。

3. 信託債の発行手取金又はローンの手取金で当初発行した信託受益権の大部分を償還してしまい、委託者(=当初受益者)であるオリジネーターに支払う。残った受益権を機関投資家に売る。

4. 信託債又は信託債権を投資家に売る。

事業信託(自己信託を想定しているのかなあ)で、投資家からお金を集めやすくするために、投資家が将来被る可能性のあるリスクをミニマムにするために考えた方法なのですね♪

おばちゃんは信託法まわりの法律は、日々0.001歩前進状態で、あほ丸出しですが。

会社の事業資産を担保に資金調達するのと、ぱっとみたら変わらないような気もしますが、信託財産を担保に資金調達をするメリットは?

信託をすることにより、委託者の倒産リスクから避けられる?

委託者≠受託者の場合で、資産の移転が真正譲渡だったら倒産リスクから切り離せるが委託者=受託者の場合は?

信託財産が債務超過になった場合、信託財産は破産の対象になるけど、会社更生法や民事再生法の対象にならない。担保をとってるので、破産になっても弁済は可能になる。

もし信託をしない状態で、事業者が倒産した場合は、当然、会社更生法や民事再生法の対象に担保付債権も対象になる。

信託債権は可能というのはわかるのですが、信託債(社債の信託版みたいなもの)って、可能なの?

どうもコメント能力に欠いてますね。 どなたか、頌子&肇さんのスキームにコメントいただけたらありがたいのですが♪

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2006年12月15日 (金)

事業信託の税制

事業信託って、事業の一部門を切り出して信託することであり、信託法の改正により負債を信託することが可能になったから可能と言われます。

この事業信託と自己信託(委託者が受託者である信託)を組み合わせると、企業が自社の事業部門を信託して、信託受益権を販売することにより資金調達がより容易になり、より少ないコストで行えるメリットがあります。

事業って、一定の事業目的のため組織され有機的一体として機能する財産及びその財産によって営まれる活動なーんていわれてますが、事業の一部門を切り出して信託をしてもそこで営む事業活動を信託財産とすることはできず、その事業のために使われている資産や生じている債務も引き継がれるにすぎません。ですから事業信託といわれるものと従来型の資産管理信託というものは信託の本質から考えると同じものとも読めるのです。

でもね。事業信託を行った場合、子会社に自社の事業部門を譲渡した場合と同じような状況であり、また事業信託を構成員課税すると租税回避が横行しかねないという考え方から事業信託や自己信託については法人税課税をすべきという考え方があったのです。

しかし平成19年の自民党税制調査会の大綱によると、事業信託については原則的には構成員課税となるようです。ただし組合課税と同様に組合で生じた損失については、構成員課税の段階で一定の規制が設けられるようですが。

なお事業信託のうち租税回避が行わる可能性の高い3類型に該当する場合は、信託の利益について受託者に対して法人税課税を行うようです。また受益証券発行信託といって、有価証券化された信託受益権を発行する信託のうち、信託財産として留保された利益が一定以上であるもの等についても受託者に対して法人税課税がなされることになるようですね。事業は将来の投資のためにある程度以上の留保利益が必要だし、利益がどうなるかは不確定すぎるので法人税課税のかからないような事業信託の設計は難しいと思うから、受益証券発行信託を使うことはないような気がします。

 

さて事業信託が原則構成員課税になるということが明らかになったので、事業信託が使えるビークルになったのは大きな意味があります。おそらく何百億とか、もしかしたらもっと大きい規模のビジネスのマーケットができることが予想されます。信託大好きおばちゃんが、長い間マイナーな信託についてこつこつブログを書きながら知識をストックさせましたが、この知識が死蔵されるのではなく、花開くことに本当になるかもしれません♪ 

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2006年9月 8日 (金)

事業信託はどうして法人税の対象なの?

1.事業信託って何?

昨日の日本経済新聞の記事によると事業信託について法人税課税が検討されているようです。

事業信託というのは、企業等の事業の全部又は一部を信託するものです。なぜ事業信託が信託法の改正により可能になるといわれているかというと、現行の信託法では資産を信託することはできるけど、負債を信託することはできないけど、改正により負債も信託することが可能になるからといわれています。

2.現行の税制では信託はどうなっているのか。

しかし現行の信託法においても負債の信託を除けば事業信託は可能であり、現行税制では、信託の税制は受益者が決まっている場合は、受益者に信託の損益はパススルー,受益者が決まっていない場合やいない場合は委託者に信託の損益はパススルーされます。

なぜパススルーされるかというと、信託で稼いだ利益は誰の者かというと形式的には受託者に帰属しますが、実質的には受益者に帰属するものだからです。受託者は信託の運用益の管理人のような役割を果たし、役務提供の結果、利益があがってもその利益を受取るのではなく、管理手数料のような信託報酬を受取る存在に過ぎません。

パススルーされる事業体として他には、組合(任意組合やLLPなど)があります。これは組合という集団で利益を稼ぎ出しますが、組合自体は法主体となれないし、各組合員が努力した結果稼いだ利益だからダイレクトに受益者に帰属すると考えます。

つまり信託も組合も、その事業体で稼いだ利益は誰のものかという観点から考えて、事業体をパススルーして、受益者や組合員に課税されています。

3.なぜ事業信託は法人税課税をしようとしているのか

なぜ事業信託は、法人税課税が検討されているかというと、記事からの推測ですが、事業信託というのは、結局、子会社に事業の一部を譲渡するのと同じようなものであるにもかかわらず、子会社に営業譲渡した場合は、法人税課税、事業信託の場合は、パススルー課税であるというように税制が異なると、必ずそれを利用して租税回避が行われるリスクがあるからだと思います。

アメリカにおいても事業信託が法人税課税をされているのは、昔事業信託を利用した租税回避行為が行われたことが起因となり、それが延々と続いているからだと思います。あまり詳しい理屈はよくわかりませんが

4.それではどうすればいいのか

ただ事業信託と他の信託の境界線を設けるのは非常に難しい問題があります。借入金をセットで信託したものが事業信託なのか?これは違うと思います。事業をやるなら事業信託というなら土地信託は事業信託になってしまうし、知財信託も事業信託の一種といわれるとそうなりかねません。

たしかにパススルー課税をすることにより、受益者が日本の居住者や日本の法人なら事業信託で生じた損失をパススルーさせて利益を圧縮させることを考えるし、受益者が外国の居住者や外国法人なら事業信託で生じた利益をパススルーさせるが、その分の税金を払わず逃げちゃうということを考えるでしょう。

でもそれは事業信託を法人税課税することにより防止できるものではないと思うのです。それなら事業信託の定義をぎりぎり交わすようなスキームを作ればいいのですから。

いいたいのは、事業信託について、わけのわからない定義づけをして法人税課税をしても、その制度がねらう目的は達成されません。だから事業信託も他の信託税制と同様にパススルーさせて、租税回避防止は、別の規定で体系的に抑えるという感じですれば合理的ではないかということなのです。

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2006年5月23日 (火)

RCCの信託を利用した再生スキーム

1.   整理回収機構(RCC)って何?

株式会社整理回収機構RCC)という会社があります。昔、中坊弁護士が社長をなさったことで有名な会社です。

会社の仕事は大きくわけて2つあり、一つは旧住専や破綻金融機関から買い取った貸付金の回収を行うことであり、もう一つは、健全金融機関が有する不良債権を買い取り、企業再生を推進するということだと思います。

このうちの後者について、信託を利用したスキームで行われているものもあるようです。なぜ信託を利用したスキームをRCCが使えるかというと、RCCは信託兼営認可を受けているからです。

2.RCCの信託スキーム

RCCが使った信託スキームは複数あります。そのうち最近使われているスキームを紹介します。

このスキームは証券化型信託スキームといわれるものです。

①金融機関からRCCが不良債権を買い取ります。

RCC保有の不要債権を売却するので買いたい人は入札をします。

③高い値段を付けた投資家が不良債権を買い取ります。通常はSPCをつくり、そこが受け皿となります。

SPCが有する元RCC不良債権をRCCに信託します。

RCCは信託された不良債権を信託財産として信託受益権を発行します。ただしこの信託受益権部分は、優先部分と劣後部分に分かれます。優先部分に関しては、外部格付機関で、いい出物ですよというような評価をいただいて、投資家に販売します。劣後部分に関しては、落札した投資家やRCCが引き受けます。

⑥この信託された不良債権の回収に関しては、落札した投資家と関係のあるサービサーが受託し、RCCも絡むそうです。

なぜ上記のようにRCCが金融機関から買い取った不良債権を、一旦売却して再び信託するかというと、今の信託法では、自己信託つまり自分が所有している資産を自分で信託することができないからです。

3.改正信託法が施行されたら

改正信託法が施行されたら、上記のスキームの場合、わざわざSPCに不良債権を売却する必要がなくなります。

公正証書等で信託契約を作成した場合、信託会社が有する固有の財産を信託財産とすることができるからです(改正信託法3三)。

また今までの信託を用いたスキームは、あくまでも不良債権化した金融機関の貸付債権を信託にする等のスキームでした。

しかし改正により事業信託が可能になると、貸付債権にこだわらず、傾いた事業自体を信託し、RCCが主導権を握って、優秀な経営者を起用して事業の建て直しを図り、金融機関と交渉し債権処理も行い、再生が完了した時点で、信託を終了させ、元に戻すということができます。

おそらくこのようなことをおやりになるのではないでしょうか♪

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2006年5月22日 (月)

事業信託は、ライバルたちに勝てるか?

1. 事業信託が使える条文発見!

以前、このブログで、信託法改正要綱試案では 第1信託の意義で「信託契約の効力発生時における債務の引き受け信託契約の効力が生じる時に、受託者となる者は、委託者となる者が負担している債務を信託財産に属する債務として引き受けることができるものとする。」と規定しているのに、改正信託法では1条で委託者の債務が書かれていないので、事業信託はだめになったのかと書きましたが、他の条文の中で発見しました。

すなわち「次に掲げる権利に係る債務は、信託財産責任負担債務となる。

信託前に生じた委託者に対する債権であって、当該債権に係る債務を信託財産責任負担債務とする旨の信託行為の定めがあるもの」(信託法21三)

信託財産責任負担債務とは、信託財産にかかる債務で、受託者がその財産を限度に弁済したらそれでいいですよ、持ち出しの必要性はありませんよというようなものです(信託法二⑨)。

これで事業信託は可能ということが確認できました。

2.事業信託の強みは?

事業信託というのは、読んで字のごとく、土地とか知的財産というような具体的な静物を信託するのではなく、人、物、金が一体となった能動的な生物を信託するというのが私のイメージです。

事業譲渡や会社分割という手法により事業を別会社に譲渡することが可能ですが、それと同じことを信託を使ってやりましょうということでしょうね。

債権者を害さないような信託なら倒産隔離が図られて、事業者が受取った信託受益権を売却すると、投下資本の回収が図れる。資産の譲渡の中に不動産がある場合は、事業譲渡をするよりは流通税のコストが下がる。この辺が、他のスキームよりも競争力のあるところなのかもしれませんが、まだ具体的なイメージがわきません。

3.会計、税務上の取り扱いがどうなるのかが最大のポイント

事業信託が、使えるようになるためには会計、税務上の取り扱いがどうなるかがポイントですよね。

事業信託をしたけど、事業のコントロールがあいもかわらず委託者にあるような場合は、委託者のF/Sから事業資産、負債が残り、事業信託の損益も総額で計上されるだろうと思います。

事業信託をして、事業のコントロールが完全に受託者に移ったような場合で、信託受益権を譲渡した場合はオフバランス可能でしょうか。こちらにも5%ルールが適用になるのでしょうか。

それでは、税務上はどうなるのでしょうか?

受益者が特定している信託の場合は、受益者が損益のパススルーを受けるということだから、委託者=受益者の場合は、委託者に損益がパススルーするということになるのでしょうか。

それでは受益権を譲渡した場合は、譲受人もパススルーされるのでしょうか。

アメリカでは、事業信託は法人税の課税対象になっているので、日本でも特定目的信託同様法人税の課税対象になるのでしょうか。それとも組合課税との整合性をとって、パススルー課税を使うが、損失規制を設けるのでしょうか。

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2006年5月 6日 (土)

あれって 事業信託ってできなくなるの?

 事業信託は可能になる 可能になる 可能になる なんか要綱試案やマスコミの報道で刷り込まれてしまった昨日 なんとなく条文を読んで気づきました。ほんとうに事業信託可能なのかなと

 事業信託が可能というのは、信託財産に債務が含まれてもOKというのが根拠で

その根拠は、

 昨年の7月に出された信託法改正要綱試案

第1信託の意義について

3.信託契約の効力発生時における債務の引き受け

信託契約の効力が生じる時に、受託者となる者は、委託者となる者が負担している債
務を信託財産に属する債務として引き受けることができるものとする。

でもね、この意義って 信託法の第1条から消えているんですよね。

どこかに隠れているのかなと思ってPDFの検索機能使ったのだけどそれでもうまくいかない。

おーい 委託者の債務の条文はどうなったのだーーい 

これがないと事業信託は難しいんちゃうの 

誰か知っている人教えて。。。。 本当はどうなの。。。。

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2006年5月 5日 (金)

事業信託と受益者への費用の補償

 信託法が改正になって事業信託が可能になりますよね。資産だけでなく、負債もセットで信託できるから

 今の信託で問題になっているのが、債務超過になって、信託資産で負債が支払えなかった場合は、誰が負担するのかということ。

 まず受託者が払うけど、受託者は、受益者に払った分、費用請求ができる。受益者としては、これを拒否するためには、受益権の放棄をしないといけない。でも特約で放棄できないようにしたりしている。また、信託の利益を享受した場合、あるいはすでに発生した信託債務については、受益権放棄をしても補償を免れることができない(注1)なんて解釈されているらしい。

 つまり受益者は、ある日突然、請求書がきて仰天という事態がおこる。土地信託みたいな場合なら、自分が事業をやっているようなものだからしょうがないとあきらめがつくかもれれないけど、信託受益権が有価証券化されて、それを購入した一投資家にまで被害が及ぶのはかなわない。

 で、改正でどうなるか、あんまりよく調べないで記事を書いていたのですが、今日再度補足説明までもどって読み直したけど、

 改正では、そこまで読みきれるかどうかはわからないのですが、 原則的には、受益者は、費用等の補償をしなくてもいいけど、特約で払うとなっている場合は、費用を払わないといけない。つまり債務超過になって、債務を払え!と銀行が受託者にいってきて、受託者が受益者に請求した場合、原則的には受益権の放棄をしようとしまい請求に応ずる必要がない。

ただ信託会社も馬鹿じゃないから きっと特約をつけてきたりするのでしょう。特に事業信託というのはリスキーだから

信託法改正48条

5 第一項又は第二項の場合には、受託者が受益者との間の合意に基づいて当該受益者から費用等の償還又

は費用の前払を受けることを妨げない。

この条文にフィットしそうな要綱試案の補足説明

受益者は,費用の補償につき責任を負わないもの
とするが,受託者と受益者との間で個別に費用の補償の合意をすることは
妨げないものとする案である。
この考え方は,債務の負担に関する一般原則に照らして,信託行為の当
事者となっていない受益者が信託行為の効力によって当然に補償請求権に
係る債務を負担すべきものとするまでの必要性は乏しいと考えるものであ
り,受益者に対する補償請求権は,個別の受益者との合意(したがって,
委託者と受託者との間の契約である信託契約そのものとは位置付けられず,
その外側で締結される,信託契約の従たる契約であることになる56。かか
る契約は受益者のほか,委託者等とも締結することがあり得ると整理する
ことになる。)によってのみ発生するとするものである。
この考え方からは,受益者が特段の意思表示なく債務を負担する地位に
立たされることはないため,甲案と異なり,受益者に債務負担を免れる手
段を与えるために受益権の放棄に関する規定を設ける必要性は存しないこ
とになる

注1 北村恵美『信託財産に帰属する債務に関する一考察』信研18号3ページ以下(1994)

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2005年11月24日 (木)

事業会社が信託宣言使えるか?

 信託宣言という言葉があります。委託者が信託宣言!をすると、委託者が所有している財産は信託財産となって、委託者の者であって委託者のものでない不思議な状態になります。委託者=受託者となるような状態で、とりあえず委託者=受託者=受益者という状態になるのですが、受益者が有する信託受益権を転売することができるので、そうすれば受益者は、委託者以外の第三者となります。

 たとえば製薬会社で、明らかに大化けしそうな製薬開発部門を信託宣言し、信託受益権を投資家に販売すると、製薬部門はそのままの状態で、投下資本は、早く回収できます。

 いわゆるトラッキングストックみたいなことを信託受益権を使ってできるのかなあ。信託受益権自体 有価証券化が可能になりそうですが、

 で、問題はこれが本当に実現可能かどうかということ 神田秀樹(監修、著)阿部泰久、小足一寿著 「新信託業法のすべて 」P180~P181  きんざい によると

「しかし、法令(信託業法、信託業法施行令、信託業法施行規則)ならびに、金融庁が定めるガイドラインである「信託会社等に関する総合的な監督指針」(以下「監督指針」というを仔細にみると、一般事業会社がそのまま本体で信託業を営むことは、兼業規制などの業務規制、信託会社としての行為規制等をクリアすることが困難であることから、あまり現実的ではないと思われる。」

 となってます。 この信託業法等の規制とは、たとえば 信託業法5②八から

他に営む業務がその信託業務に関連しない業務である株式会社又は当該他に営む業務を営むことがその信託業務を適正かつ確実に営むことにつき支障を及ぼす恐れがあると認められる株式会社は、(信託会社の)免許を与えられない

 ということから、上記の場合、信託会社が製薬会社を兼営するということになるのですが、それはこの規定の運用でひっかかり難しいということをいっているような気がします。

 事業会社が信託宣言をして事業信託をするというは難しそうなので、その代替案としてあるのが

 「むしろ、実際に異業種からの信託業参入として行われるものは、既存の事業会社が、新たに信託子会社を設立して信託業に参入する場合が多いものと思われる」

 上記 神田秀樹(監修、著)阿部泰久、小足一寿著 「新信託業法のすべて 」P181  きんざい に記載されています。

 そういえば日立キャピタル(株)が100%出資の信託会社を設立して参入してますね。

 http://www.hitachi-capital.co.jp/hcc/news/2005.html

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2005年10月24日 (月)

RCCの事業再生信託

 RCC(整理回収機構)とくれば、バブル崩壊後の重苦しい世相と中坊社長が浮かびます。住専の不良債権処理のために作られましたが、住専にとどまらず、不良債権の回収、事業再生の業務を現在も行っています。

 このRCCの不良債権の回収、企業再生の業務を行う過程で信託を用いたスキームがあります。このうち初期の2つの信託を用いたスキームを書きます。

1つは不良債権の証券化のスキーム

 銀行が持っている不良債権をSPCを通じてRCCに譲渡し、RCCで信託を設定します。RCCは不良債権の回収業務を行います。銀行は、不良債権譲渡の対価として信託受益権受取り、この信託受益権を投資家に販売します。この結果、銀行は、不良債権をオフバランス化できます。

 なぜ直接RCCに売却せずに、信託設定にしているのかですが、まだ深く調べていないのですが、おそらく税金等のコストが売却するより信託設定の方が安いこと、売却した場合RCCが不良債権を所有してしまうので、自分が回収責任を全部背負い込むことになり、RCCの性格上(RCCの株主は預金保険機構)それはまずかったのではないでしょうか。

 RCCが不良債権を買い取り、そのまま持ち続け、回収業務を行い、それでも不良債権が回収されなかった場合は、RCCに不良債権がたまり、RCCの財務基盤を悪化させます。 

 RCC自体が不良債権を買取、それを担保に債券を発行して、債権者に販売する場合、もし発行した債権がデフォルト状態になるとRCCが矢面に立ちます。信託にすることにより、RCCは回収業務を行いますが、もし一生懸命努力してそれでも回収できなくても、その負担は証券化をした債権を購入した投資家になります。

もう1つが管理型信託

 いくつかの銀行が持っている不良債権をRCCに信託し、RCCはそれぞれの金融機関の不良債権を公平に回収し、その債権にくっついてやってきた担保不動産を処分していきます。このケースでは、銀行は不良債権の譲渡の対価として受け取った信託受益権を所有し続けるのでオフバランス化のメリットはありません。しかし複数の債権者がいて利害調整が難しいような場合、RCCを利用することにより公平、透明な回収作業が行えるために、意見がまとまりやすいというメリットや、現在は瀕死の会社でも、事業が再生する可能性が高いので、信託受益権を持ち続けることにより、会社との関係を保てるというメリットなどがあります。

 RCCの信託スキームは、事業信託を今後行うに際して、非常に参考になるのではないかと思います。

  

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2005年10月19日 (水)

アメリカの事業信託(ビジネス.トラスト)

 信託法の改正で可能になると予想されるものに事業信託(ビジネス.トラスト)があります。これは、四宮和夫 信託法 有斐閣によると、多数の人々から資金を集めて、受託者会を中心とする企業組織体を作り、それによって特定の事業を経営し、そこから生ずる利益を出資者たる受益者に分配し、受益証券を発行してそれを市場に流通させる仕組みです。

 広い意味では、事業信託は事業経営を目的とするか事業経営と関連のある信託で、アメリカでは、投資信託をさすこともあるようです。

 狭い意味での事業信託の特徴は 

①信託宣言により設定される 委託者=受託者

②受益権が証券化される

③受益者に支配権が留保される。

四受益者の有限責任が認められる

 というようなもので、上記をみているとたとえば①、②は現行の信託法では不可能ですが、改正により日本でも可能になりそうです。

 このビジネストラストの代表例として、マサチュセッツ.トラストがあります。これは、アメリカのマサチュセッツ州では、法人が不動産を取得することができなかったために、会社の代用として登場した組織体だそうです。課税上の特典がなくなって衰退したそうですが、この課税上の特典とは、おそらくパス.スルー課税のことなんでしょうね。

 このビジネストラストは、受益者は、利益のみを受けて、リスクを負担しないことになっているので、一般の会社の株主とあまりかわりません。にもかかわらず信託においては、会社に要求させるような債権者保護のための資本充実の規制がないので、会社の厳しい規制を逃れるために使われる可能性があることをして指摘しています。

 日本においてもいずれ事業信託が可能になり、旨味がわかるとわーっと広がる可能性はあります。事業信託の発展を削がないような規制を考えて欲しいですね。

 参考文献 四宮和夫 信託法 新版 有斐閣

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2005年10月 6日 (木)

事業の信託 可能に

 平成17年10月2日(日曜日)の日経新聞の一面にどーんと事業の信託 可能にという記事が載っていました。私のいつわらざる感想は、なんで今頃? です。

 というのも、これは7月にだされた信託法改正試案から可能になることはわかっていたからです。信託法改正試案 第1条3項において信託契約の効力が生じる時に、受託者となる者は、委託者となる者が負担している債務を信託財産に属する債務として引き受けることができるものとする。とされているからです。

 現行では、委託者の債務を受託者に移すことはできないと考えられていました。

 事業信託ができればどのようなことができるかというと、業績の悪い部門を信託して、受託者が有能な経営者に任せて事業を行い、再生された時点で委託者にもどすということもできます。

 また信託宣言とセットになる必要がありますが、たとえば委託者が製薬会社で莫大な研究費をかけて新薬を作ろうと考えています。そして製薬会社は信託の免許をもっています。製薬会社はその新薬開発部門について、信託宣言をして委託者=受託者という状態にし、自分で信託受益権を発行し、受取ります。この信託受益権を製薬会社は投資家に販売します。その結果、製薬会社は莫大な開発資金を先に回収することができます。(ただし信託業法の問題とかで、実際には、信託会社の子会社を作ってということにはなると思いますが)

 このような事業信託は、会社を作って事業を分社する場合とどのように違うのでしょうか。上記の事業再生の例ならば、分社した場合は、事業は譲渡されたら、されたままです。しかし信託の場合は、信託期間が終了したら、委託者の手元に戻ることになります。

下記の場合は、委託者=受託者の状態ですから、新薬の開発について経験のある経営者や研究者が継続して事業を行うことができます。他の企業にうつすことはないにもかかわらず、信託した事業で生じた損失を、委託者は引き受けずにすむことになります。また委託者が倒産した場合も、信託された事業には債権者の手が届くことは原則的にありません。

信託については、株式会社よりも組織の規律がゆるやかですので、柔軟な経営をすることができます。

また現状の税制がそのまま適用され続けるならば、事業信託で生じた損益は、委託者にパススルーされることなります。

 なお信託の先進国であるアメリカでは、事業信託は、かなり昔に隆盛を誇ったようですが、株式会社の規律を免れ、パススルー課税を受けるために乱用されたため、規制がはいり、現在では下火になっているようです。

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