2009年10月 8日 (木)

納税者番号とセット? 給付付き税額控除

台風が来るぞ、台風が来るぞ、ということで、雨が、また、きつくなってきました。

 今朝の日経(ビニールでパッキングされてました)のトップの記事は「給付付き税額控除」検討 新政府税調首相指示へ 納税者番号と併せ です。

 給付金付税額控除が検討されているようです。記事の説明を引用すると 「高所得者には税額控除、低所得者には現金給付を実施し、少子化対策や就労支援につなげる制度。」

 税額控除は、所得税をいったん計算して、そこから決められた税金をカットするようなもの。 住宅取得のローン控除なんてのがあります。

 金持ち優遇みたいにいわれているのは所得控除 扶養控除、配偶者控除、医療費控除なんていうのがこっち。 所得からこれらを差し引いて所得税を計算します。所得税というのは、超過累進税率なので、所得が多いほど、所得控除をすることによる税金の減額も大きくなるのです。

 今の所得控除や税額控除は、納税額があるからメリットもあるというシステムです。

信託大好きおばちゃんは確定申告時に税務署の相談のお手伝いをすることがあるのですが、医療費の領収書をいっぱいもってきても納税額がないから還付もないというような説明をよくしますね。

 これが、給付金付の場合は、納税額がない場合は、税額控除を受けることができる金額分だけお金をもらえます。

 国民受けのするいい政策にみえるのですが、これを実行するためには、税額控除を受けたい人のほんとうの所得がいくらかなのかという情報が不可欠です。

 税金のばらまきなんて、お上(財務省)がいい顔をするはずがない。だけど、彼らは賢いですね。これと納税者番号制度をセットにするなんて。納税者番号制度は、所得というか財産がガラス張りになるため、お金持ちであることをお上に知られたくない人たちなんかに評判が悪くて、いままで、話題になっては消え、また話題になりというような状況でいつまでたっても実現しないものだったのです。一般の国民の支持を背景に給付金付税額控除を実現し、そのためにはどうしても所得の把握が必要だから納税者番号制度を導入しましょう!となると、ひょっとして、すっと実現するかもしれませんね。

来年以降に本格検討ということですが、そのころに民主党政権があるかどうかは?

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2009年10月 2日 (金)

税制改正要望の公募

 経済産業省が平成21年の税制改正の要望を公募するようです。

「平成22年度税制改正に係る経済産業省意見を取りまとめるにあたり、経済産業政策に関連する税制改正要望を広く募集する。」

 いままでは、業界団体というのか圧力団体というのかが取りまとめて要望を出していたのですが、これをもっとオープンにし、普通の人でも要望ができるようにしたようです。

ちなみに応募受付期間は

「平成211014日(水)18:00必着(但しヒアリングを希望する場合は平成21108日(木)18:00必着)提出期限を過ぎた要望については、受理出来ませんので予め御了承願います。」

つまり、時間があんましない。初めての試みであり、世の中に周知させるんだったらもっと期間を長くすべきですが、来年の改正ですからね。悠長なこともいってられない。

この要望はまとめて公表するそうですので、今までになかったような画期的な要望が盛り込まれることを期待しています。

http://www.meti.go.jp/topic/data/091001aj.html

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2009年9月 8日 (火)

税理士のための相続をめぐる民法と税法の理解

 町の税理士になれば、頻繁にはないのですが、相続のご相談というのは、必ず、あります。人は必ず死ぬ。相続税を払わなければならない人というのは、そんなに多くないかもしれませんが、複数の相続人がいるという被相続人は、山のようにいらっしゃいます。

 誰だって、1円でも多くの財産を欲しいでしょ。もらう権利のある人たちがみんな1円でも多く欲しいと思うと、遺産の分割でもめますよね。普段は穏やかないい人達なんだけど、ということもよくあります。

相続となると、相続税だけでなく、民法の知識も必要。それも、条文の知識だけでなく、実務でどう取り扱われているのか。また、税金も法人税や所得税だったら毎年仕事があるから、つぼを押さえて的確な処理がスムーズにできるのですが、相続というのは、たまーにあるくらいだから、知識が定着していないところもある。

「税理士のための相続をめぐる民法と税法の理解」は、税理士の世界では非常に有名な関根稔(弁護士・公認会計士・税理士)さんと 間瀬まゆ子さん(美人の弁護士)が編者となり、多くの実務家(税理士、公認会計士)が執筆を担当した書籍です。民法だけでなく税法にも言及されています。

基本は民法の相続編の条文、一条、一条ごとに解説が行われていますが、いわゆる、コンメンタールとは、まったく違います。実務ではどのように取り扱われているのか、実務で注意すべきポイントは何かというポイントを押さえて書かれています。。

たとえば、民法1012条(遺言執行者の権利義務)というのがあり、遺言執行者と預金の解約について引用させていただくと

 相続財産に含まれる預金の解約については、銀行の所定の書類への相続人全員の押印と印鑑証明書の提出を求めるのが銀行実務です。しかし、遺言執行者の指定がある場合は銀行は、遺言執行者の押印のみで預金の解約を認めるのが通例です。

 銀行預金についての手続きが簡単になることが、遺言執行者を選任することの最大の奥的だと指摘する人もいます。

 ただし、相続人、あるいは、受遺者が遺言執行者の地位を兼ねる場合は、銀行によっては、遺言執行者の押印のみでは預金の払い戻しに応じない場合があります。

 特に、遺言執行者ではない相続人が取得することになっている預金について、その払い戻しには慎重なところがあります。したがって、預金の払戻しについて、相続人の全員の同意が得られない可能性のある遺言の場合は、弁護士を遺言執行者に選任しておくほうが無難です。

 というわけで、久々にお薦めの一冊です♪

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2009年8月18日 (火)

アリコさんの追徴税178億円

 昨日の日経の夕刊にも載っていますが、178億円税金を追加で払ってねとお上にいわれ、払われたそうです。

 なんで? 移転価格税制? No デリバがらみ Yes

 プレスリリースをベースに簡単にお話を

弊社の2008年度における税引後当期純利益の損失額2,828億円には、過年度法人税等更正の見込み額約178億円が計上されております。

この金額は、定例の税務調査において、投資有価証券の為替評価損の取り扱い等に関して、国税当局と一部見解の相違が生じたことにより計上しているものです。

税務上、外貨建資産等の期末評価に際し著しい為替相場の下落(15%以上)が生じている場合、確定申告において為替評価損を損金算入することができるとされております(これは、一般的に「15%ルール」と呼ばれているものです)。主にこの15ルールの投資有価証券への適用について、税務当局との見解の相違があったもので、意図的に利益調整を行ったものではございません。

この15%ルールというのは、外貨建資産(発生時のレートで税務上計上するもの)についても、為替の変動が著しい場合は、期末レートで換算しなおして、差額を損失計上してもいいというルール(法人税基本通達13の2-2-10)です。金融危機後の大幅な円高局面でアリコさんは保有する外貨建て有価証券に関して適用させたようです。

しかし、アリコさんは、これらの為替リスクを回避するためにデリバティブ契約を結んでいらっしゃった ようです。

おそらく、税務上の処理として、デリバティブの契約については、評価益が生じていたと思うのですけども、これは、おそらく繰延ヘッジ処理という方法をとっていたのではないかな。 

繰延ヘッジというのは、ヘッジ対象(この場合は外貨建て有価証券)の売却等による損益の実現時期とヘッジ手段(デリバティブ)の損益の時期を一致させること(つまりデリバティブの損益を有価証券の売却時期まで繰り延べる)により、実物の売却損等をデリバティブの評価益とぶつけて、損失を回避させましょうというものです。

このケースでお上が問題視したのは、ヘッジ手段の評価損益は繰り延べたのに、ヘッジ対象の損失を先行させたことではないのかなあ。

時価ヘッジの可能性は?

いずれにしても、おばちゃんの頭の中で好き勝手に想像しているだけのことです。事実と異なる可能性は大きくあります。

プレスリリースでは、本件に関して2009 年度の決算における影響はございません。また、お客様のご契約への影響は一切ございません。ご心配をおかけいたしておりますことを深くお詫び申し上げるとともに、本件に関するご理解を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

日経の記事では、見解の相違があり、現在、異議申し立てを含め、対応を検討中

デリバの税務上の問で、ちょっと前に新日本石油さんが訴訟するような雲行きですが、

次の一手をアリコさんは打ちますかねぇ

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2009年8月 3日 (月)

国債は時価評価不要! 邦銀のちからだぁ

 最近、ブログを更新する時間が2時間ほど早くなっています。これは、最近、ブログ更新後、1時間15分ほどかけて散歩することをお約束としてるからです。そんなに暑くないし、ゆるやかな坂を上ったり下りたりしながら、微妙に色が違う木々の緑を眺めていると、さわやかな気分で一日過ごせますからね。

 さて、今朝の日経の経済面に「有価証券時価評価 国債は対象外に 国際会計審検討 邦銀などに配慮」があります。

 現在の有価証券の会計上の評価方法は、子会社株式とかはおいといて、他は3つにわけられます。ひとつは、売買目的で、毎期時価評価、評価損益は損益計算書で、次が満期まで持ち続ける債券みたいなもので、投資したお金と満期に戻ってくるお金の差額を毎期、簿価をいじって調整しましょうというやつ。それから、その他といわれるもので、毎期時価で評価するけど、評価損益は損益計算書を通さないぞというやつ。

 これが、国際財務報告基準によると、時価評価するやつとそうでないやつの2区分となるらしい。

 そうなると、時価評価しなくて良かった債券も時価評価が義務付けられるかもしれない。国債をしこたまもっている金融機関は、お国の調子が悪くなると、自分たちの財務諸表までおかしくなり、その財務諸表をみた投資家たちが株を叩き売ると株価が暴落し、、となることが予想される。これはまずい まずい

 ということで、おそらく邦銀さんたちのロビーストががんばったのでしょうね。記事の表題のようになるようです。

 この国債の評価をみて思わず信託大好きおばちゃんは思い出しました。

数年前 ASBJが「その他の複合金融商品に関する会計処理」を出しました。これは、仕組債みたいなものを買った場合、どう評価するかということを決めたものです。

この会計処理で、格付けが高い場合は時価評価しなくていいとしたばっかりに、仕組債を使って、デッドアサンプションをしたソフトバンクさんや武富士さんが、何百億もの損失を計上することになったいわくつきのものなのです。

この会計処理のなかに、なぜか、物価連動国債(消費者物価指数に応じて元本が増減するやつ)が含まれ、時価評価しなくていいよとなっていました。おかしいなあ。なんでこんなものがあるのかなあと思ったのですが、これもいっぱい物価連動国債をもっていて、時価評価して評価損が計上されたら困る人たち(たぶん、邦銀さんたち)がいたからではないのか、

今回もそれっぽいですしね。邦銀さんたちは、会計処理の変更により困ったことにならないように、日本だけでなくグローバルでもがんばっていらっしゃるのですね。

そのチカラを本来のビジネスにも生かして、どうか欧米の金融機関を蹴散らかしてください♪



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2009年7月24日 (金)

やっぱり訴えましたぁ 新日本石油のヘッジ取引更正処分

このブログでもおなじみの新日本石油のヘッジ取引更正処分に対して、不服であるとして訴訟なさるそうです。

 プレスリリースから

ヘッジ取引に係る更正処分の取消訴訟の提起について

2009年7月23日

 当社(社長:西尾 進路)は、本日(7月23日)、原油のヘッジ取引に関して東京国税局が行った更正処分に対し、この取消しを求め、東京地方裁判所に訴訟を提起しましたので、お知らせいたします。

 当社は、需要家等にTES(Total Energy System:A重油や灯油による電熱エネルギー供給システム)により発電した電力、または発電に必要なA重油等を長期間固定した価格で販売する事業を行っております。当該事業に際しては、原燃料となるA重油等の製造原価を構成する原油価格の変動リスクを低下させ、キャッシュフローを固定化することを目的として、「原油先物スワップ取引」(以下「本件ヘッジ取引」という。)を行っております。

 2006年10月、当社は、東京国税局から、2003年度および2004年度分の本件ヘッジ取引に関し、法人税の更正処分を受けました。同年12月、当社は、国税不服審判所長に対し、同処分の取消しを求める審査請求を行いましたが、本年1月に、同審判所長は、当社の審査請求を棄却する旨の裁決を行いました。

 当社といたしましては、東京国税局の行った更正処分は、本件ヘッジ取引に関する法人税の解釈・適用を誤った違法なものであって、ヘッジ取引の存在意義を失わせるものであり、これを受諾することはできないことから、同更正処分の取消しを求め、東京地方裁判所に対し訴訟を提起することといたしました。

 当社は、今後、訴訟手続におきまして、本件ヘッジ取引につき当社が行った税務上の処理は、法人税法および関係法令の諸規定に照らして適法なものであったことを、鋭意主張してまいる所存です。

http://www.eneos.co.jp/company2/press/2009_2010/20090723_01_0940197.html

 デリバティブ等を使って、石油の値上げによるリスクをさける取引を行った場合、そのデリバティブ取引が一定の要件を満たす場合は、評価損益を繰り延べることができることになっています。

 ただ、このヘッジできる評価損益の範囲に関して、会計上、正しい(合理的だあ)とされる範囲(実務指針かなんかに例示がある)と税務上、正しい(条文に沿った解釈で導かれるもの)とされる範囲に差異があるのです。このように会計処理と税務処理が異なる場合、差額を調整しなければならないのですが、会社はしなかった。そして、おそらく、同じようなことをやっている他の会社もやっていないだろう。もし、新日本石油がお上に負けましたぁとやっちゃうと、負の連鎖が起こって大変だぁ だから、戦わざるを得ない♪ところもあるかもしれません。

 私的には、お上の言い分もなるほどというところもありますが、定着した実務をいまさらひっくりかえすのもいかがなものか、ここは、実務に根ざした改正などをしていただけた方がいいのではないか。じゃないと、誰もヘッジを使わなくなる なんちゃってえらそーだねえ。

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2009年5月20日 (水)

本支店取引にも移転価格税制が適用されるようになるらしい。

 今朝の日経のトップページ「海外支店にも厳格に課税 日米欧来年めど新ルール」だそうです。移転価格税制というのが定着して久しいですが、いまのルールは親子会社間等別組織の間の取引の価格がどーだこーだというものです。これを別会社間だけでなく本支店間でも別の国に設置されている場合には適用しましょうというものです。

 

 日本の会社が海外に進出するのは、ほとんど子会社進出なので、一般的にはあんまり影響がないようですけど、金融機関は、許認可の関係で海外進出が支店形式になるところが多いから影響はあるでしょう。

 日本法人は、本店で稼いだ利益も支店で稼いだ利益も日本でまとめて法人税をかけ、支店の利益に外国で課せられた税金については外国税額控除で精算されるシステムになってます。移転価格税制が支店にまで及ぶと、外国の支店で払った税金のベースになる所得について、外国のお上が文句をいって、もっと税金を払えとなるかもしれないですね。そうすると、外国で払う税金が多くなるから、いまのシステムだと、日本で払う税金はその分少なくなると思う。

 他方、外国法人が日本支店で稼いだ利益に関して、いままで日本のお上があんまり税金をとれなかったところと思うのだけど、移転価格が強化されるとがばっと税金を巻き上げることができるかもしれない。でも、支店進出している企業って上にも書いているように金融機関なんですね。デリバティブ取引とかわけのわからない取引のうち日本の取り分だと主張するためには相当の実力アップが必要。金融立国!なんて、昨年の金融危機のおかげでどこかいっちゃったしね。

 日本の海外進出の課税方法は、今年の改正で、支店と子会社進出でぱたっとかわりました。子会社の場合は、タックスヘイブンがどうだこうだは置いといて、原則的には、利益を還流しても非課税状態。他方、支店においてはあいかわらず法人税が課せられ外国税額控除で調整。そうすると、日本に戻ってきた手取りのキャッシュ額が異なることになるのです。

 支店の利益の帰属が明確化されるんだったら、支店課税も配当と同じシステムにすれば子会社課税と平仄がとれていいと思うのですが、どうかなあ。大変そうだし、他にもやることがいっぱいありそうだから、難しいだろうねえ。

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2009年5月12日 (火)

中国には遺産税(相続税)がないらしい

小沢さんが辞任されるみたいですねえ。時期的にはどうなのかな。なんか、小沢さんって、実力的には総理大臣になってもおかしくない方だったかもしれないけど、総理になれない運命を背負った方だったのかもしれませんね。

 さて、信託大好きおばちゃんは、この4月からの数ヶ月はアジア月間と定めて、アジア関係のセミナーやら研究会をネットで探してはちょこちょこと出かけてます。

 その一環として、4月から拓殖大学のアジア塾というのを受講しています。毎週、月曜日の夜7時から開講されており、アジア関係のさまざまなお話を1時間ほど伺い、20分ほど質疑応答があり、そのあと、感想文を10分ほど書いて終わりというものです。生徒数は50人くらいで、質疑応答がとっても熱気にあふれていますね。この講義の最後にはオプションでアジア開発現場研修というものがあり、1週間ほどアジア(今年は、フィリピンとタイらいしい)に行くというようなものです。

 昨日は中国の「赤い資本家」というタイトルの講義でした。はっきりいって、現在の中国は、日本なんか比較の対象にならないくらいの資本主義のようですね。会社を上場した途端に資産うん千億以上の大金持ちになったりする。

自分が一代でビジネスを築かなくても一夜にして大金持ちになれるそうです。なぜか? それは、先生のお話によると中国では遺産税(相続税)がないからなのだそうです。パパ(もしくはママ)が財産を子供に相続税&贈与税なしに移転できちゃうのですからね。日本のように自社株の相続税&贈与税の納税猶予なんてせせこましい制度を作る必要もない。日本のお金持ちの方々は、生まれた国が日本であったことを呪うかもしれませんが、まあしゃーないでしょ。

 

 じゃ、中国は未来永劫遺産税なしでいくかというと、中国のお上は導入したという考えがおありのようですが、なかなかできない。なぜならば、遺産税を導入したならば、大金持ちの人たちは、会社の株を売り払って海外に移住してしまう。そうなると、株価が暴落して中国経済に莫大な影響を与えるからなのだそうです。

 

 

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2009年4月24日 (金)

研究開発費の減税拡大と外国子会社配当益金不算入

草なぎくんが公然わいせつでぱくられちゃったぁ! 鳩山さんは怒っているけど、信託大好きおばちゃんは、笑っちゃうねえ。 麻薬でぱくられるとタレント生命の危機に晒される可能性が高いけど、酒飲んで裸で暴れるってねえ。いい年をして、いいかんじだなあ。彼は、芸能人なんですよ。と書くとブログが炎上するかなぁ。

 選挙対策だと思うのですけど季節外れの税制改正が行われます。今朝の日経のトップ面では、研究開発費(税法用語では試験研究費 試験研究費の範囲<研究開発費の範囲) 減税の条件を緩和というのがあります。

不況のときは、交通費や交際費、広告宣伝費とともにすぐにお金を生まない研究開発費も削られます。でも、研究開発費というのは、将来の飯のたねのための投資でありこれを削ると未来の利益も減ります。それはまずいので、不況の間でも研究開発費を使い続けたら、効果がでるころには税金カットする恩典をあげますから、がんばってくださいねということ。

次に日本の企業の中にはグローバル展開しているものも多い。日本の法人税率は世界的にも高率だから、海外で稼いだ利益を日本に還流せず海外で再投資することが多い。それじゃ日本の産業の空洞化になりかねないので、外国子会社から払われてた配当は日本で95%非課税にしましょうという制度ができました。日経の投資・財務2面に「海外子会社の配当課税撤廃が効果 ローム、一転黒字」という記事があります。

これは、絵に描いた餅系のお話ですが、会計では海外子会社が稼いだ利益で留保されたものの内、将来、日本に配当として還流させようと思っている部分は、還流させたときに、追加で税金がかかるからその分、将来の追加法人税を見積もって繰延税金負債を計上しましょうというお約束がありました。しかし、今般の税制改正で、基本的には追加で税金がかからないことから、過去に計上した繰延税金負債は平成213月期の決算で取り崩すこととなりました。負債を取り崩すと会計上利益が生ずることになるので、予想した決算よりも業績が好調になりそうだということです。

この外国子会社配当非課税ルールを作ったのは、還流された利益を研究開発費に使って欲しいからという意図があるからだと思いますが、ロームさんが研究開発費に使うか、他の事に使うかはわかりません。お金に色はつけられませんからね。

で、最後にマーケット総合1面のまちかど 上記外国子会社配当非課税の改正が外人の日本株買いを促進させるかもしれないという指摘があるようです。 米国でも過去にこのような制度があったときに還流されたお金が研究開発費に使われたぶん効果があったからなのでしょう。

どれだけ効果がでるのか 数年先にはなんとなく見えてくるのですけど、これでこけたら日本の未来は確実にないからねぇ。

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2009年4月23日 (木)

FAS159というマジック

米国の金融機関の2001年第1四半期の業績が予想に反して好調なところが多いようですが、これは業績が急に回復したからではなく、どうも会計上のトリックがあるからのようですね。

この会計上のトリックというのがFAS159(金融資産や負債の時価評価オプション)の規定2007年にできたもののようです。今回の金融危機を先読みして作ったのならそれはそれで凄いのですけど、

ようするに従来は、時価評価しなくてもいい金融資産や負債に関しても、選択することにより時価評価していいですよということ 同じような金融資産を持ってるのに、何でもっているのかというような理由で、かたや時価評価、かたや原価評価することは利益がぶれるのでよくないからだそうです。

たとえば、もっている株の時価が下落したら評価損をだして、株の価値を下げます。

じゃ、発行している社債の時価が下落したらどうなるのか。たとえば100億円で発行した社債の時価が40億円になりましたというと、負債の価値を60億円分減らすから評価益がぽんと60億円生じてしまいます。

社債 60億円 評価益 60億円

評価益が生ずると利益がかさ上げになるから、なんだか業績が予想したようによく見えてしまうのですが、この評価益は絵に描いた餅そのもので、発行会社が生き残っている限り償還期になると100億円支払わないといけないから、将来的には評価損が計上されていきます。

なお、FASを読んでいると、国際財務報告基準においても同様のオプションを認めているようです。

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2009年4月22日 (水)

有給休暇引当金ができるかもしれない

昨日の日経の夕刊に「観光振興へ「休日改革」」という記事があります。なんか、連休を増やしましょうかというようなお話も書いていますが、それとともに、有給休暇をとりやすくするために、記事によると「労働者が残した有給休暇の残日数を金銭評価して、事実上買い取る制度を創設。その分を引当金として、企業の負債として計上するよう会計基準を改正する案などが浮上している。」だそうです。

 有給を買い取れという制度を作ると、企業にとってはキャッシュアウトの増加となるから、なんとか減らそうとして有給を使わせようとする。従業員も有給を使わざるえなくなり、家にいてもしゃーないから、遊びに出かける。そうすると、観光産業にお金が落ちて経済が活性化されるから めだたしめでたしということかなあ。

 この有給買取制度を後押しするように有給休暇引当金を財務諸表に計上させましょう。有給休暇引当金は、未消化の有給を金銭で見積もって計上しましょうというもの。日本ではこのような制度はなかったのですが、米国会計基準やら国際財務報告基準やらではあります。信託大好きおばちゃんも昔、外資系の会社の仕事に関った際に拝見したことがあります。

たしか合理的な見積額の算定が難しいということを聴いたことがありますが、そこはほれ、新しいものを創り出すことは苦手でも、外国の制度を輸入して精緻な日本仕様に加工する能力は抜群ですので立派な制度が数年後にはできるかもしれませんね♪

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2009年4月21日 (火)

排出量取引の会計処理 バージョンアップ案

410日に排出量取引の会計処理に関する当面の取扱い(案)がASBJから公表されています。

http://www.asb.or.jp/html/documents/exposure_draft/co2/

既に公表されている排出量取引の会計処理の改定案ですね。

排出量取引の国内統合市場の試行的実施のひとつとして試行排出量取引スキームが開始されたことにより、バージョンアップしようとしているもの。

排出総量目標を設定した参加者は、排出枠を事前に政府から交付を受けるか、事後清算により交付を受けるか選択できることから、各々にわけて会計処理が整理されています。

最初に排出枠を無償でもらう処理をチョイスした場合、もらった時点で仕訳はしない。

各年度の目標達成確認時に仕訳をしない。通算の目標達成前に排出枠を売っても仮受金処理、複数年度を通算して目標達成が確実な場合は、仮受金を利益に振り替える。

どうなるかわからないから、とりあえず、暫定のような処理をしといてねということですね。

取引がおこると会計だけじゃなく、税務もぴたっとよりそってくる。先だって、排出量の取扱いに関して「京都メカニズムを活用したクレジットの取引に係る税務上の取扱いについて」が公表され、基本的には、税務は会計処理にぴたっとよりそいますよということになっていたと思いますが、今回の無償時の処理、目標達成確認時の処理、目標達成が確実と見込まれたときの処理もぴたっと寄り添っていただけるものなのでしょうかね。

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2009年4月20日 (月)

エンジェル税制の対象となる企業は

 今朝の日経で「エンジェル税制 利用最多」という記事があります。

エンジェル税制というのは、個人が、ベンチャー企業に投資した場合は、投資した時点または、売却した時点での税の特典をどーんと?あげちゃいましょうという制度です。

 ベンチャーというのは、どうなるかわからないから、おそらく多くの人は、売却した時点よりも投資した時点でメリットを得ようとしているのではないか。

 投資した時点でメリットを受けることができるベンチャー企業の要件というようものが

こちらのサイトにあります。

http://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/angel/subject/index.html

タイプA 投資額-5,000円(上限1,000万円。総所得の40%のいずれか低い方が限度)を所得から引いてもらえるタイプ

タイプB 投資額分 投資した年の株のキャピタルゲインから引いてもらえるタイプ(こっちは上限なし)

タイプAの方がBよりも縛りがきついようです。主たる違いは

Aは 創業3年未満の中小企業者で、ずっと営業キャッシュフローが赤字

Bは 創業10年未満の中小企業者で 5年以上たったら試験研究費等が売上高の5%超

対象となるのは、いわゆる技術開発型だけでなく ニュービジネス型(いわゆるIT系か?)もOK。 日経の記事によると事業承継コンサルティングの会社(ニュービジネスか?)もOKのようです。

税制では、以前から試験研究費の税額控除という制度があって、試験研究費をいっぱい使ったら税金をカットしてあげますよという制度がありますが、結構しばりがあって、広告宣伝費やマーケッティング費用は含まれないはずですが、技術開発型の会社がこれらの費用を含めて売上の一定の割合を超えていたらOKのようです。

ニュービジネス型は開発者が2人以上とかの要件がありますが、この開発者というのは、広告宣伝やマーケティングの企画をする人が該当するらしい。

要件に該当し、ファイナンスを望んでいる企業は結構あるかもしれません。

といっても、日本にどれだけいるかわからない個人のお金持ちからのファイナンスの促進。日本にたくさんいらっしゃると思われる所得は少ないけど、預金はいっぱいあるようなおじちゃん、おばちゃんがお金をつっこむメリットはあんまりない

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2009年4月17日 (金)

中小事業者等の商品市場利用に向けた今後の課題と取組み

今朝の日経の商品欄に「先物市場変革の道 高まるヘッジ需要 海外取引所で上場ラッシュ」という記事があります。

 なんか先物というと、投機というイメージが強いのですが、実は、投機だけではなくヘッジ目的でも使えるのです。これから先物市場の発展のためには売買する人を増やさないといけない。

 どうも中小企業がプレーヤーとしてあんまり参加していないようです。これにはいろいろな理由があるのですが、ひとつは、先物の理解がとぼしい。また、先物をヘッジで利用するためにはヘッジ会計や税務の理解が不可欠なのですが、これのできる専門家が少ない。

 だから、啓蒙して、ニーズを掘り起こしましょうということでしょう。

 で、中小事業者等の商品市場利用に向けた今後の課題と取組みの報告書等もあります。

http://www.jcfia.gr.jp/sangyo/midsmall_workshop.html

 啓蒙うんぬんはおいといても、デリバティブ取引というのは、大企業だけのものではなく、中小企業にも既に広がっているのですが、税務上や会計上の処理が結構間違っているのですよね。これを単なる勉強不足として片付けるのはちょっと問題ではないかと思っています。

 このブログに時々書いたり、某専門誌に連載を書いているのですが、それくらいではどうにもならない。もっと、大きなところからこの辺の知識を浸透させ、わかりにくいところ、実務では使い勝手がよくないところは変えていった方いいのになあ♪

 

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2009年4月16日 (木)

LLCの税金を払った場合、どうすればいいの?

 LLCはアメリカの合同会社のようなもので、合同会社と異なる点は、税制上の取扱いです。LLCでは、納税者が、稼いだ利益をLLCで払うか、出資者で払うかチョイスできるけど、合同会社の稼いだ利益は合同会社で払わないといけない。

 ところで、LLCの出資者が日本法人で、LLCの稼いだ利益を出資、つまり日本法人が払った場合、この払った税金を日本法人の所得から差し引くことができると思うのですが、その差し引き方が 直接税額控除なのか間接税額控除なのかという議論がずっとありました。

 いちおう日本ではLLCは法人だよという見解があるから、別法人の税金は、間接税額控除だろうと思ったところもあるのですが、お上の見解は直接税額控除だったのです。

 「出資内国法人においては,自己の所得として現実に外国法人税を納付することとなる(タックスレシートも出資者名)こと, 法人税法第69条第1 において「内国法人が各事業年度において外国法人税を納付することとなる場合には,……外国法人税の額を当該事業年度の所得に対する法人税から控除する。」とされていることから,この点を踏まえれば,直接外国税額控除の規定の適用( 法法69 )によって税額控除を認めるのが適当であると考えます。」

 秋元 秀仁

「米国LLCと国際課税〈各種国際税制の適用の可否と日米租税条約の適用関係について」

3014号 2008年04月21日

 さて、月日は流れ、平成21年の税制改正がなされちゃい、外国法人からの配当は益金不算入という制度ができました。

 そうなると、日本ではLLCは法人だから LLCから受けた配当は非課税のはずです。

 では、LLCのアメリカの法人税を日本法人が払った場合はどうなるのか?

 日本法人が直接税金を払ったような場合 たとえば支店の利益について外国で税金を払った場合の外国税額控除というのは、いまも生きている。 LLCの法人税を支店の税金と同じように考えると、外国税額控除もできてしまう。つまり 配当は非課税になるわ、外国税額控除はできるわとなってしまうのです。

 ただ、間接税額控除の対象となった配当に関して、外国で源泉税が課税されたような場合は、その源泉税等は損金不算入だよという規定ができています。

法法39条の2  外国子会社から受ける配当等に係る外国源泉税等の損金不算入

損金不算入の対象となる税金は2パターンあって

1つは剰余金の配当等の額に係る外国源泉税等の額

もう1つは、剰余金の配当等の額の計算の基礎とされる金額を課税標準として課されるものとして政令で定める外国法人税の額をいう。)

法令78の2②

剰余金の配当等の額の計算の基礎となった同条に規定する外国子会社の所得のうち内国法人に帰せられるものとして計算される金額を課税標準として当該内国法人に対して課される外国法人税の額とする。

たぶん、もうひとつの方はLLCの税金を日本で払った場合の取扱いを定めているのではないのかな。だから日本法人が払ったLLCの法人税は損金不算入。

アメリカの実効税率って日本と同じくらいの高さのはずだから、損金不算入の取扱いがんさされることにより、改正前よりも日本での手取りが少なくなるのではないかなあ

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2009年4月 9日 (木)

住宅取得資金の贈与税の軽減

政府与党が追加経済対策を合意したようです。いわゆる景気対策 選挙対策?

 外需がだめなら内需を作ろう。内需の最たるものは住宅を作り買ってもらうこと。買ってもらうためにはお金がいる。住宅が欲しい人にはお金はない。親にはお金がいっぱいあるけど使わない。お金を使わなかったら経済は活性化しない。だったら、親から子供に安いコスト(税金)でお金をわたして、家を買ってもらおう。そうすれば、住宅が売れるから内需が拡大し、景気が回復する。

それはそれでいいのだけど、このなかで贈与税の軽減というのがあります。住宅の取得やリフォームをするために資金をたぶん親から子供に贈与したような場合は、贈与税の非課税を110万円から660万円にしましょうねというものだと思います。

これって別に新しいものではなく、昔、住宅取得資金の贈与税の特例というものがあってたぶん今回のと同じようなシステムだったと思います。それから、相続時精算課税という、65歳以上の親から20歳以上の子供に贈与した場合は、2,500万円まで贈与税は非課税だけど、相続時に贈与した財産を持ち戻して再計算しますよというものができました。住宅取得資金の贈与税の特例というものは、この相続時精算課税に吸収され、親の年齢制限がなく、限度額が3,500万円にアップされてます。いま、この制度が生きてます。

ほんでもって今回、ふたたび、過去の住宅取得資金の贈与税の特例のようなものが復活するようですが、この制度と現行の精算課税制度との関係がどうなるのか、とか、今年の改正で入った自社株の贈与税や相続税の納税猶予との関係がどうなるのとか考え出すと頭の中がぐちゃっとします。

いまの、所得税の金融商品税制が非常に読みづらくなっていますが、その読みづらさが相続税(贈与税)にも転移してきました。いったんややこしくなると、シンプルには戻らない。あんまりいい傾向だと思わないのですけどね♪

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2009年4月 6日 (月)

株の評価損は一律損金okにはならないようだ

 ちょっと今日は、ばたばたして遅れてしまいました。

先日、株の評価損は一律損金okになるらしいというエントリーをしましたが、国税庁から、上場有価証券の評価損に関するQ&Aの公表についてというお知らせがありました。

これを読んでみると、どうもそうでもないみたいね。

何を問題にしているかというと、上場会社の株が著しく下落した場合評価損を計上することができるのですが、これがどのようなケースの場合税務上認められるかということです。

通達等を読むと次のような場合は税務上損金OKとされてます。

その時の帳簿価額のおおむね50%相当額を下回ることとなり、かつ、

近い将来その価額の回復が見込まれないことをいうものとする

50%相当額下回るということは、誰でも確認できるけど、近い将来その価額の回復が見込まれないことというのが、いまいちわかんない。

記事を読んでこの後段がなくなるのかなあなんて甘い期待をいだいてブログ書いていたのですが、さすがはお上♪ 見事に裏切りました。

わたしなりのエッセンスを書くと、上場会社株を有する法人が監査対象か監査非対象かにわける。

監査対象会社の場合は、ざっくりいえば、監査人が会計上計上した評価損について税務上損金OK、つまり、税務上否認して繰延税金資産を計上しなくてもいいと判断したような場合は認めますよ。

監査非対象会社の場合は、たとえば証券アナリストが、この株は将来上がる見込みがあんまりないよというようなものをレポートに書いていてそれに基づいて評価損を計上すればOKですよ。

でも、株価がどうなるかを見極めるプロなんでしょうかねえ、この職業の人たちは。彼らの判断とそこらの素人の判断とたいして変わらないような気もするけど、でも、どこかで割り切らないと、へんなことをする会社がいっぱいでてくるかもしれないから、このような形になったのだと思うのですけど、いまいち頭にフィットしないQ&Aですね♪

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2009年4月 2日 (木)

外国子会社配当非課税制度の影響

このブログでは、何度も書いていますが、平成21年度税制改正で、外国子会社から配当を受け取った場合は95 部分が非課税になりますよという規定ができます。

 いままでは、外国子会社から配当をもらった場合は、その外国子会社が外国で払った法人税のうち配当相当部分を控除できますよという規定がありましたが、これをやめて非課税になるというものです。

 日本にも法人が配当を受け取った場合は、受け取り配当の益金不算入という規定があるので、これと合わせたようなもの。

 ただ、日本の子会社と外国の子会社で異なるのは、日本と外国の法人税率の違いにより、日本の子会社の配当(利益―日本の法人税)より外国の子会社の配当(利益―外国の法人税)の方が、手取りが大きくなる場合が多いと考えられてます。

 この法律が3月末までに通るかどうか気になっていたのですが、それは、従来の法律の場合、外国で留保した利益のうち日本に還流することが予想される部分については繰延税金負債を計上しないといけなかったのですが、改正により計上する必要がほぼなくなったことから取り崩さないといけなくなるからだったのです。つまり、平成21年度決算に織り込めるか否か。結果として、平成21年度決算に織り込むことができたのですが、それなりに大きい金額ですね。トヨタ6,075億円、ソニー1,047億円、、、、 トヨタの最終損益は、赤字の予想だったのですが、税制改正特需で黒字になるかもしれない。といってもペーパー上だけですが。

 外国子会社配当非課税のインパクトよりも、ちょっと風のうわさを聞いたのですが、外国税額控除のミスに関して更正の請求が認められる判決がどうも最終的に認められたようですね。外国税額控除の条文には「申告書に記載した金額を限度」という文言があるのです。従来、これは、申告書に10の外国税額控除と書くと、たとえ正解が15であっても、あとで更正の請求をして15に修正できないということだと解されていました。しかし、ミスがあった場合は、申告期限から1年以内なら更正の請求ができるはずなのにどうしてということで裁判となり、最終的に確定したようです。

 この影響は大きい、受取配当の益金不算入にも外国子会社配当益金不算入も同じ文言がありますからね。ただ、あくまでも風のうわさです。実際にどうなるかまで保証するものではありませんが♪

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2009年3月27日 (金)

アメリカの税制改正+α

 昨日、ブログで、平田さんは来週のいまごろ副大臣である可能性は非常に低いと書いたけど、ブログに書いてから24時間もたたないうちにやめちゃいましたね。

 記事から察するに、ご本人は納得していらっしゃらないように思われますが、それは私人としての感覚だからでしょう。公人とはどういうものなのか、なぜ、公人はいろんな規制を強いられるのか、自分の振る舞いがどのような波紋を及ぼすかなんて考えたこともないのでしょうかね。

 さて、昨日の日経の夕刊に「米、税制改革に着手 年内に答申 租税回避地対策など」という記事があります。

      タックスヘイブン税制など租税回避防止の強化、

       租税の簡素化

       法人の優遇税制の縮小

       +

       所得控除の合理化 

 上記のあたりを検討されるようです。

 おそらく、日本では、今日あたり予算が通るようですので 税制改正が4月以降になることはないようです。

 今日、税制改正が通るということは、外国子会社配当の益金不算入の改正が今期中に確定するということですから、トヨタをはじめとして「海外子会社および持分法適用関連会社の未分配利益を繰延税金負債として連結財務諸表に計上していらっしゃる会社さんは、平成213月期で取り崩せるので、当期純利益が増えるというメリットが生じますね♪

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2009年3月18日 (水)

国際税務の研究所ができるらしい

今日の日経の東京・首都圏経済面に「横浜市立大 海外の税制研究拠点 12年度メド設置 企業進出を支援」という記事があります。

 横浜市立大のHPには、まだ掲載されていませんが。

 

 国際税務のニーズというのは潜在的、顕在的にものすごくあると思うのです。中小企業だってあたりまえのように海外と取引をしたり、海外に子会社を作ったりしていますからね。でも国際税務に関する知識というものがあまりなく、あとで失敗するケースも多い。

 国際税務の問題を解決すためには、国内法でどうなるのか、租税条約でどうなるのか、現地の税法でどうなるのかという、3つの観点で考えないといけないのですが、ドメスティックな仕事ばっかりしていると、国内法の国際税務の分野もわかりにくくてしょうがない。ましてや現地の税法なんてという専門家が多いと思うのです。

 だから、記事のようにアジア諸国を中心に各国の税制を調査し、海外現地法人運営や国際金融・貿易実務などに生かす手法を研究するのは望ましいと思うのです。

 でも、このような研究のニーズは以前からも実業界からあったと思いますし、横浜市立大が決して悪いというのではなく、東京などにいっぱい大学もあるのになぜそのようなことをしなかったのかなとも思うのです。

 望むのは、税はあくまでも実体経済に寄り添うものですからアカデミックに走りすぎることだけはして欲しくないこと、海外の税制で事業会社等の経営に大きな影響を与えそうな動きがあるならいち早くキャッチアップして、難しい論文ができるのを待つのではなく、普通の人が理解できる言葉(間違っても英単語を日本語でつなげているだけというのはやめて欲しい)で、速やかにディスクローズして欲しいですね。

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2009年3月17日 (火)

排出クレジットの税務処理

平成20年の確定申告期限も過ぎ、次は、3月決算となる今日この頃。ちょっと前ですが、

京都メカニズムを活用したクレジットの取引に係る税務上の取扱いについて(照会)が国税庁のHPに掲載されていました。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/bunshokaito/hojin/090219/index.htm

 これは、以前、企業会計基準委員会が実務対応報告第15号「排出量取引の会計処理に関する当面の取扱い(平成11130日)」を発表していますが、それに関連して、税務上の取扱いがどうなるかについて答えています。 

 排出クレジット(京都議定書に基づく温室効果ガスの排出量減量(枠)として、システム上1トン単位の識別番号で表示されるものであり、クレジット1トン分保有すれば、実際の温室効果ガスの排出量1トンを相殺する効果が認められているそうです)というのは、買ったら、自分の会社の保有口座として国別登録簿に登録されて、自分のところで使おう(償却)と決めたら、政府保有口座にクレジットを移し、誰かに売ろうと思ったら、買ってくれる誰かの口座に移すらしい。

 買うだけじゃなくて、自分のところで排出クレジットを創り出したらというのもあると思うけど、それはまだ会計でのルールも決まってない。

 基本的には税務は、会計に寄り添う。

法人税法上の取扱い

 課税所得は、別段の定めがあるものを除き、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算される」(法人税法(昭和40年法律第34号)第22条第4項)こととされている。クレジットの税務上の取扱いについても、原則として、上記会計基準に従って取り扱われることとなる。

 「京都議定書目標達成計画」より

 今回決まった部分は、ごくごく限られていますが、照会のポイントだけ書くと

       クレジットを償却する場合は、政府保有口座に記録された日にお国に寄付したものとして、処理OK。寄付だから、クレジットを時価で評価して云々という問題もあるけど、時価の算定が難しい場合は帳簿価額を損金にしてOK

       日本法人が日本法人にクレジットを売却した場合は、消費税の課税取引。売った方は課税売上、買った方は仕入税額控除の対象だよ

       日本法人が外国法人にクレジットを売った場合は、輸出免税の対象だよ。

       外国法人から日本法人がクレジットを買った場合は、国外取引だから消費税の対象にならないよ。

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2009年3月 4日 (水)

電子記録債権の仕訳はどうなるの?

 平成2121日にASBJが「実務対応報告公開草案第30号 電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い(案)」を公表しています。

 電子記録債権は昨年121日に施行された電子記録債権法に基づくもので、今年には本格稼動するようなもの。ようするにサイバー上の手形みたいなもの。サイバー上で記録して、発生したり譲渡したりすることができる。世界で初めての試みのはず。

 取引が始まれば、会計処理はついてまわる。ということで草案では仕訳をいくつか紹介しています。

 このブログでもちょこっとして紹介

たとえば商品を売ったあと 発生記録により電子記録債権が100円発生した場合

商品を売った時点で        売掛金100 売上 100

電子記録債権発生した時点で 電子記録債権100 売掛金 100

電子記録債権を95円で譲渡      現金 95 電子記録債権 100

             電子記録債権売却損 5

電子記録債権が発生した時点で売掛金を電子記録債権に振替えるのです。

なぜかというと、電子記録債権は売掛金のような指名債権のように当事者間の合意で発生したり譲渡できたりするようなものではなく、手形同様に、お約束の発生記録や譲渡記録をサイバー上でしないとだめだから、手形同様に別勘定で処理してねということ。

また、電子記録債権を譲渡しても、手形の裏書譲渡と同じような効力を生じさせるためには保証記録が必要であり、保証記録をした場合は注記をしてねとなっている。

次にお金を100円貸した場合

貸した時点で         貸付金 100 現金 100

こちらは電子記録債権とはならない。これは、現行の会計においても、証書貸付や手形貸付を行っても、貸付金としてひとくくりで表示していることとリンクさせているらしい。

ASBJでは、310日までコメント受け付けますよということです。

http://www.asb.or.jp/html/documents/exposure_draft/denshikiroku/

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2009年2月19日 (木)

アラブ系ソブリンファンドの利子は非課税

今朝の日経の一面に「政府系ファンド利子所得を非課税に 中東などから対日投資促す 株配当は優遇せず」という記事があります。

 これは、ようするにアラブの政府系ファンドが日本の国債や預金などに投資をした場合は、その利子所得に日本で税金(源泉税)をかけませんよということです。

 日本に支店もなんにもない外国の一般的なファンドが日本債券などに投資をした場合、利子に15%の所得税が源泉徴収されるのが、日本の国内法の原則です。

 これに関して、租税条約といって外国と日本の二国間の条約によって、例外を作りましょうということです。

 日本はアラブの国々と租税条約をいままで結んでいなかったのですが、今年になってクウェートとの租税条約が基本合意となりました。

 このクウェートとの条約のうち源泉税の率がどう決められているかというと

 

配当     親子会社間(持株10%以上) 5%

       その他           10

利子                   10%*

使用料                  10%

*政府、中央銀行、一定の政府関係機関等が受け取る利子については免税

ご参考http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/sy210113aku.htm

この一定の政府機関にソブリンファンドもいれるよということだと思います。

石油の価格が下落したといっても、中東の石油産油国はうなるようなお金がありますから、将来的にも日本国債のよいお客様になって欲しいという思いがあるのでしょうね。

配当は原則10%で、持株10%以上の場合は5% 日米租税条約のように50%超の場合は源泉税0とはしないようです。利子はいいけど、配当に対する日本での課税権はキープしとくよということかな。

他方、使用料10%というのは、クウェート側の要望かな。というのもロイヤリティを支払うのは日本側よりもクウェート側の方が今後も多いと思うので、日米租税条約のようにロイヤリティの源泉税を0とするとクウェートで税金とれませんからね。

ところで、イスラム系のソブリンファンドって、やっぱりイスラム金融だから、ムダラバとかムシャラカというようなスキームを使っているのかな。ちょっと興味がありますね♪

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2009年2月 2日 (月)

いまでも日本の最高所得税率は世界No4

金曜日にアップしたかんぽの宿について、たけさん&Fredyさん&なっしゅさんコメントいただきありがとうございました。お三方のご意見を集約すると、かんぽ騒動で、鳩山大臣とオリックスでは、ビジネスという観点からみるとオリックスの方に軍配があがるということのようですが、どうなるのでしょうかねえ。

さて、話しかわって、本日の日経の経済面を読んでいたら「個人にかかる所得税など日本の最高税率世界4位の高さ」だそうです。

ちなみに第1位は デンマーク59% 

    第2位は スウェーデン55%

    第3位は オランダ52

いまでも世界的には高い、なのに、「持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた「中期プログラム」平成201224日閣議決定」 によると

個人所得課税については、格差の是正や所得再分配機能の回復の

観点から、各種控除や税率構造を見直す。最高税率や給与所得控除

の上限の調整等により高所得者の税負担を引き上げるとともに、給

付付き税額控除の検討を含む歳出面も合わせた総合的取組の中で子

育て等に配慮して中低所得者世帯の負担の軽減を検討する。金融所

得課税の一体化を更に推進する。

まだまだ上げまっせということらしい。

格差是正というけど、日本の高額所得者の給与って世界的にみるとそんなに高い方じゃないと思います。アメリカの金融機関の経営者なんて、あれだけ損失がでて、国から支援してもらっている状況なのに、年俸うん十億とかなんでしょ。日本で、会社の業績が悪いのに年俸何十億ってもらっている経営者ってほとんどいないのではないかなあ。

なんか大金持ちが悪いみたいだけど、通常は悪いことをして稼いだわけじゃないのだし、税金をいっぱい払ったことにより表彰されることもないし、社会福祉でより手厚い面倒をみてもらえるわけじゃない。それに、高額所得者の税率をあげたことによって、格差が解消されるとは限らない。本人の実力で高額を稼ぐ人なら、なにも税制上日本の居住者である必要もないから、日本をおさらばしてしまうかもしれない。そんなことされたら日本にとって損なんだけどね。

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2009年1月23日 (金)

棚卸資産の低価法とデリバティブのヘッジ

 なんだか日経を読んでいると、大企業の雇用削減ばっかり目に付いて、朝から憂鬱な気分になってしまいますねえ。今朝は天気もよくないし。

 たしか、20084月から会計上、棚卸資産の低価法が強制的ようですね。低価法というのは、期末にある棚卸資産の取得原価と時価を比較して、時価の方が低かったら時価で評価してね。つまり時価と原価の差額が損失として計上される。

 税務上も会計とリンクされる形で改正されたけど、おそらく、会計上、低価法を採用した企業は、税務上も低価法を採用しているのではないかなあ。

 で、今日の話は低価法はなあにということではなく、これに関連したデリバティブ取引のこと。 

会社が保有している棚卸資産が、将来、相場の変動により値下がりするかもしれないというリスクをさけるために、デリバティブ取引をしているところもあると思うのです。

このようなデリバティブ取引をしている場合、おそらく、会計上も税務上も繰延ヘッジという処理をしていると思います。繰延ヘッジ処理というのは、デリバティブの評価損を把握して、ヘッジが利いていると確認できたなら、評価損益を認識せず、将来、商品が売れたとき等まで損益を繰延ましょうということ。

この繰延ヘッジ処理の特徴は、ヘッジ対象資産の損益が認識される時点と、ヘッジ手段(デリバティブ)の損益が認識される時点をリンクさせましょう。ヘッジ対象の損益が将来認識されるのに、ヘッジ手段の損益を今計上させるのは、実態をあらわしてないよということからだと思うのです。

さて、ヘッジ対象が棚卸資産だったらどうなのか? もし棚卸資産が原価法だったら、棚卸資産の損益というのは、売れるまで実現しないから、棚卸資産の価格の変動をヘッジするためのデリバティブの繰り延べるのは合理的。

でも、もし棚卸資産が低価法だったら、棚卸資産の評価損は、売れる前に実現するから、デリバティブだけ評価を繰り延べるのは不合理、つまり、デリバティブも時価評価しないといけないのではないかな。

少なくとも税務上はそうしないとまずいような気がするのです。棚卸資産についてデリバティブでヘッジをかけている場合は注意ですよね。

ご参考

法人税基本通達 2-3-45  繰延ヘッジ処理の対象となる取引の範囲

法第61条の6《繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の繰延べ》の規定(以下この款において「繰延ヘッジ処理」という。)の適用は、事業年度終了の日の帳簿価額に反映されていない同条第1項各号の「生ずるおそれのある損失」の額を減少させるためのデリバティブ取引等(同条第2項に規定する「デリバティブ取引等」をいう。以下この款において同じ。)に係る利益額又は損失額をその損失の発生時まで繰り延べるために行うものであるから、例えば、次に掲げる損失等を対象とした取引は同条第1項の規定の適用がないことに留意する。

1) 令第28条第1項第2号《棚卸資産の評価の方法》に規定する低価法を適用している棚卸資産の価格の変動により生ずるおそれのある損失

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2009年1月14日 (水)

JFEの株式評価損は、601億円!

日経の投資財務面を読んで、JFEが601億円も株式評価損を計上しているので、プレスリリースに飛んでみました。

(A)平成21 年3月期第3四半期連結累計期間の投資有価証券

評価損の総額

601 億円

(B)平成20 年3月期の純資産の額 (A/B×100) 15,416 億円 ( 3.9%)

(C)平成20 年3月期の経常利益額 (A/C×100) 5,029 億円 (12.0%)

(D)平成20 年3月期の当期純利益額 (A/D×100) 2,618 億円 (23.0%)

601億円というのは巨額ですが、 平成20年3月期ベースの会社の実力からすると、

純資産の3.9%の毀損程度だから、会社の屋台骨をぶっこわすほどのインパクトはない。

20年3月期のゆーほーを読むと

その他有価証券で時価のあるもの(平成20年3月31日)

 

種類

取得原価
(百万円)

連結貸借対照表
計上額(百万円)

差額
(百万円)

(連結貸借対照表計上額が取得原価を超えるもの)

株式

128,083

275,493

147,409

債券

35

36

1

小計

128,119

275,529

147,410

(連結貸借対照表計上額が取得原価を超えないもの)

株式

139,009

111,860

27,149

合計

267,128

387,389

120,261

時価のないものは、あんまりもってないので無視。

2,671億円で買ってきた株が、20年3月31日現在は3,873億円の時価に膨らんで含み益が1,202億円(繰延税金負債無視)ある状態だったのですけど、今回は、買ってきた値段より600億円近く減損が計上されている。含み益を計上した時点から1年もたっていないのにね。株って怖いですね。

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2009年1月 7日 (水)

対日投資ファンド非課税 バージョンアップ

今朝の日経の一面トップ記事は 「対日投資 ファンド経由非課税に 政府促進へ税制改正」です。

 このねたは、昨年も改正があったので、幣ブログでも書いていたのですが、どうも昨年の改正が不人気だったのでバージョンアップしたみたいです。

外国の大口の投資家が日本の会社の株に投資をしようとおもったら、ファンドを作ります。日本のことなんてなーんも知らん人が日本のいい会社の株を買うことは非常に難しい。そこで、一般的には、投資顧問会社みたいなところにファンドがお金を預けて儲けてもらうことになるようです。株がお金を生むのは、配当をもらった時と、株をうっぱらった時、そして、そんな儲けに税金はぴったりくっついてきます。

日本の税法において、日本にいない外国の人たちが投資顧問会社に依頼して株を運用した場合、原則的には、投資顧問会社が外国の人たちの日本のねじろ(PEなんていうけど)と考えて、配当とキャピタルゲインに世界的にも高い法人税等(40%)がかけられます。

ただし、投資顧問会社が結構厳しい要件を満たした場合は、日本のねじろとみなさないので、配当について源泉税がかけられるけどキャピタルゲインには税金がかからない、というようなことを昨年の税制改正で決めました。

こんなに一生懸命努力して使い勝手をよくしたのだからいっぱい外国の人が日本の株に投資してくれるかなと期待したけど、実際はうまくいかなかったみたいです。まず、未曾有の金融危機で、投資家の財政事情が苦しくなり、日本に投資したお金を引き出さざるをえなかったこと、そして 平成19年の税制改正で、要件を満たすためにはコストがかかりすぎることなどなど。

これじゃ困るということで、ファンド非課税を今回バージョンアップさせたみたいです。

投資事業有限責任組合といって、有限責任の投資家と無限責任の投資家がいる組合があるのですが、この有限責任の外人投資家については、要件を満たした場合は、日本で配当に源泉税をかけるだけで税金の支払は終わりとするようです。

また、この非課税ファンドというのは、長期運用を目的としたものであり、いわゆる敵対的買収を目的としたようなものはだめとしているようです。

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2008年12月25日 (木)

土地の譲渡益を1,000万円だけ非課税にするというけど

 今日は、税制改正ねた♪

平成21年の税制改正大綱に次のようなものがあります。

1 平成21年及び平成22年中に取得した土地等の長期譲渡所得の1,000万円特別控除制度の創設

(1)個人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得をした国内にある土地等で、その年1月1日において所有期間が5年を超えるものの譲渡をした場合には、その年中の当該譲渡に係る譲渡所得の金額から1,000万円(当該譲渡所得の金額が1,000万円に満たない場合には、当該譲渡所得の金額)を控除する。

(2)上記(1)の特別控除は、法人も同様とする。

 来年か、再来年に土地を買って5年間寝かせて、売ったら売却益を1,000万円分非課税にしましょうねというもの。

 昔、100万円特別に控除しましょうというのがあったけど、それが10倍膨れ上がって帰ってきましたぁということでしょう。

 でも、土地って、何のために買うのでしょう? 個人だったら、住む家のためがメジャーで、あとは、事業のためでしょ。普通の会社も事業のためで、キャピタルゲインは、あればいいけどというくらいじゃないのかなあ。

 キャピタルゲインが本当に欲しい人だったら、土地を買わずに株を買いますよね。上場株だったら、売ろうと決めたらすぐ売れるけど、土地は売りたくても相手があらわれないとどうしようもない。

 それに、株だったら買っても、管理コストなんてそんなにかからないでしょ。借金して買う人は別だけど、普通の人は、株を借金してまで買おうなんてあんまり思ってない。でも、土地っていうのは、株よりは高額だから、借金せずに買える人なんてそんなにいない。

 借金したら利息もかかるし、固定資産税なんてものも払わないといけない。結構管理コストがかかるのです。5年後に土地は必ず値上がりするという確信はいまとなってはあんまりもてないですしね。第一、土地買うからお金貸して! 将来の値上がり益で返済しますからといっても金融機関が貸してくれるかどうかわかりません。

 こんなかんじで土地はコストがかかるから、通常、遊ばずに、稼がそう、事業に使わないから、誰かに貸そうと考えると思います。

 ところで、個人の所得に対する税金については、不動産を貸して生ずる所得が赤字のような場合、土地を貸したことにより生じた借入金の利息は、ほかの所得と通算できないようなルールがまだ生きているのですよね。そうすると、個人で土地を借金して買っても、税務上のメリットがあんまり生じない。

だから、土地の譲渡益を1,000万円まで非課税にしたからといって、そんなにお得感はない。あんまし、景気浮揚対策にはならないような気もするのだけどねえ♪

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2008年12月19日 (金)

M&A会計基準の改訂とパナソニックの三洋買収

日経の記事によると ASBJM&A会計基準の改訂を18日に決定したようです。

記事に基づいてポイントを書くと、持分ぷーリング法をやめる(せっかく作ったのにね)、それから、負ののれん(買収した会社の資産価値 > 株式購入代金の場合に生ずる差額)については、20年以内に償却して利益に計上するなんてことはせずに、どかんとM&Aしたときに利益として計上しましょうということ

以前、このブログでもミレニアムホールディングがM&Aしたときに米国会計基準でどかんと2,400億円の負ののれんとして利益を計上したお話を書きました。

http://shintaku-obachan.cocolog-nifty.com/shintakudaisuki/2008/01/post_3441.html

結構、インパクトのある処理ですが、これが20104月以降のM&A案件から義務付けられるようです。20103月期から早期適用も可能みたいね。

ところで、企業1面で、パナソニックと三洋のTOBの買収価格が131円で決着するまでの交渉過程というか背景のようなことがわかりやすく書かれていました。

もし、これから公開買い付けを経て、三洋がパナソニックの子会社となったとき、正のれんになるのかなあ? 負ののれんになるのかなあ?

ただ、パナソニック自体は米国会計基準で連結を公表しているので、日本の会計基準の改訂の影響はない。 負ののれんだったら、おそらく20103月期にどかんと特別利益があがるということなのかなあ。

追加 12月20日の記事によると、どうやら、パナソニックの三洋買収は2009年3月期となるようです。したがって、来年の5月くらいには、のれんがどっちか(正か負か)は少なくともわかるのではないでしょうか♪

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2008年12月15日 (月)

海外子会社の配当非課税と、クロスボーダーの組織再編

今朝は、新聞が休刊の日みたいですね。自民党の税制改正大綱が先週、公表されました。今年の例にならうと、いつ、ほんちゃんの改正が施行されるのか、非常に流動的な状況ですが、

 今年の目玉の一つが、海外子会社からの配当が非課税というものがあります。

いまの税法だったら、たとえば外国の100%子会社が100稼いで法人税20支払って80の利益について源泉税8支払って72の配当を親会社が受け取りました。タックスヘイブン税制は適用ないものとします。

親会社の方で外国税額控除をつかって所得と税金を計算すると

 (72+8+20)×40%= 40 40―(20+8)=12

 72―12=60  税引後60の利益が親会社に残ります。

 考え方は、子会社は100の利益を稼ぎ、すべて親会社に配当として支払ったから、100の利益に日本の法人税の実効税率分だけ全世界で税金を払いましょうというもの。

これが改正でどうなるかというと

細かい計算は異なるのかもしれません、配当として受け取ったもののうち95%は非課税にしましょうというものだと思います。

源泉差し引き前配当が80だから、80×5%=4 4×40%=1.6 

手取りの配当が72で、ここから法人税1.6を差し引くと70.4の利益が親会社に乗るのではないのかなあ

 子会社の配当だけを特別扱いにすると、なるべく、利益は配当という形で吸い上げようと企業は考えますね。親会社へのロイヤリティなどの経費の支払は親会社サイドで日本の法人税が生ずるから減らそうとする。

 そうすると、待ってましたとばかりに、移転価格の調査でお上がやってきて税金を巻き上げる。

 あと、この配当の非課税というのは、みなし配当にも適用があるのでしょうか。きっとあるのでしょう。そうするとどうなるのか?

 いままで、海外の子会社間の組織再編などについては、厳密に日本の税法と照らすと非適格再編に該当するものが多くあり、組織再編時に株主である親会社サイドでみなし配当課税が生ずることがあると思いますが、あまり、海外の組織再編で親会社に課税がなされたという事例を聞きません。なぜかというと、海外の会社法などの知識が不足していること、その時点で課税しなくてもいずれ売却したときに課税できることなどが理由としてあげられると思います。

 でも、海外子会社のみなし配当が非課税であるとなると、海外の子会社の組織再編は非適格再編とした方がよい事例が生ずるかもしれません。

 また、海外の子会社が親会社の所有する株式を自己株式として取得したような場合は、日本の税法にてらすとみなし配当と譲渡益が生ずる可能性があります。現行の税法だと、みなし配当も譲渡益も同じ所得ですが、改正されると、みなし配当が非課税となるから、みなし配当がいくらかということを把握することが非常に大事になるかもしれません。

そのためには、上記にあるような海外の会社法などの知識の習熟が不可欠です。この辺をちゃんとカバーできる専門家にとっては、大ビジネスチャンスかもしれませんね♪

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2008年12月 5日 (金)

船井電機会長の自社株贈与

 今朝の日経の投資・財務面に「船井電の創業者自社株を無償譲渡 社員300人に6万株」

という記事があります。

 船井哲良会長が、ご自身でお持ちの船井電機の株を合計約6万株 社員300人に無償譲渡 つまり、贈与をされたようです。

 4日の終値は1,225円 6万株を300人で割ると1人あたり200

 つまり、船井哲良さんから245,000円相当の贈与が各社員にあったということです。

 個人―個人の取引だから これは贈与税の対象となると思うけど、他に贈与を受けていないなら非課税でもらえますね。

 船井電機さんといえば、香港の子会社を通じて行われた中国の委託加工会社との取引(いわゆる来料加工取引)について、国税ともめて、裁判にもつれてこんでいます。

http://www.funai.jp/pressrelease/2008/topic_081114.html

 平成21年期第2四半期報告書によると、 連結の経常利益は5,992M円ありますが、

上記、国税ともめて、更正により納付した税金が 過年度法人税等として16,838M円計上された結果、 四半期純損失(△) 12,102M円という状況になってます。経常利益の2.8倍の税金です。結構、厳しい状況ですね。

 記事によると3期連続の赤字で、こういう状況が続くと従業員にもいやーなムードが漂うことがあるかもしれないので、それを払拭するために株の贈与をされたのかもしれませんね♪

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2008年11月27日 (木)

年金の運用と国際会計基準

今朝の日経の投資財務面に「変わる企業年金運用 会計基準厳格化が影響」という記事があります。

 どうも、年金の運用方法を株から債券に移行する動きがあるようですが、その理由のひとつとして国際会計基準への移行(かどうかはまだ確定していませんが)のトレンドの影響があるようです。

 日本で、年金などの会計として退職給付会計がすでに導入されているのですが、年金を運用している資産について評価損が発生して、予想していた運用収益と実際が異なっていたような場合には、その差額について、平均残存勤務期間以内の一定期間において償却することになるので、一時期にどかんと費用が発生することは通常はありません。

 ところが、国際会計基準では複数年度償却を認めず、直接損益計算書に反映する方向性を示しているようです。ちょっと時間がなく、原文等にあたっていないので、ここらへんの事実関係は確信がもてませんが。

 日本においても数年後には、少なくとも上場会社の連結財務諸表は国際会計基準で開示しないといけなくなる可能性が非常に高い。上場会社が自社の社員の年金にあてるために株式で運用していると、その株式の期末の時価のぶれが思いっきり会社の業績等に影響をあたえることになってしまう。これはたまらないので、運用先を株から債券に変えるということでしょうか。

本来なら、年金のための資産運用は、短期売買でなく長期保有が行われるので、毎期時価会計を導入して開示するのはいかがかと思うのですがね。

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2008年11月24日 (月)

海外関連会社からの配当が非課税となると トヨタのケース

この3連休は、私としては珍しくばたばたばた、祭りですな。これからもしばらくはこんな調子か。ただ、ネットとリアルは別世界ですから。いつもとおんなじ感じでね。

 1121日(金曜日)日経で「企業と税(上)海外子会社の配当課税」の記事がありました。

 平成20年の税制改正の目玉、海外関連会社から受け取る配当については日本で法人税を課税しませんよという改正が起こったらどうなるかということです。

 トヨタ自動車の平成20年有価証券報告書の「16 法人税等」の中で繰延税金資産や繰延税金負債の明細を書いている項目があります。この繰延税金負債のところに「海外子会社および持分法適用関連会社の未分配利益 平成20年期は△ 607,510M円」とあります。

 

これどういうことかというと、トヨタの海外子会社が海外で稼いだ利益で、海外に残っているものが、もし、日本に配当という形で還流されたら、その利益について6,000億円おくらいの税金とられちゃうからねということ。

このような巨額な税金負債が計上されるのは、日本より実効税率が低い国でいっぱい稼いでいるから。

日本に戻さない限り、この6,000億円も投資に廻せるよね。

トヨタの所在地別セグメントを読むと営業利益ベースで 売上ではアメリカが大きいけど、営業利益ではアジア地域が大きい。アメリカは日本とあんまり税率がかわらないから、この繰延税金負債の源泉はアジアでの利益なのでしょうね。

ちなみに、平成20116日に公表されたトヨタの平成21年期の連結ベースの当期純利益の修正業績予想は、5,500億円、 来期もたぶんそんなによくないでしょう。

もし、税制改正になると、この税金を払う必要がなくなるから、この繰延税金負債分、当期純利益を押し上げることになる。大きなインパクトですね。

ただ、海外で稼いだ莫大なお金が日本にもどってきたとして、トヨタは日本でそのお金を使うのでしょうか。国が意図することと違うことのためにお金を使っちゃったら、一体この改正はなんだったとなるかもしれませんね♪

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2008年11月19日 (水)

そろそろ税制改正の季節

今朝の日経を読むと、そろそろ来年度の税制改正の季節だなあと実感します。

 来年の目玉は、事業承継税制と、たぶん国際課税(配当の非課税?)だと思います。

事業承継税制は、一定の中小企業の株を相続した場合は、相続税が大幅に納税猶予できますよ、だから、相続を理由に廃業なんてしないでねというようなもの。でも、結構、要件がきつくて、条文を最後まで読む気持ちがなくなるのですよね。

 日経を読んでいたら「農地集約促進へ 税制優遇を要望 自民部会」

農地の面倒をみてくれる人が相続した場合、相続税の支払いを先延ばししていいですよという制度があります。そして20年間の農地の面倒をみたら、支払を先延ばしにした相続税を払わなくてもいいですよ。

 この農地の面倒をみるというのは、原則的には、自分で面倒をみるというものですが、世の中の流れを取り入れて、大規模農業を営むために農地を貸す場合もOKにしましょうというようなもの。

 いわゆる農業生産法人に貸すようなものですよね。信託大好きおばちゃん的には、農地を信託するという手法はどうかなあと思うのですが♪

 

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2008年10月30日 (木)

アメリカの時価会計の部分緩和って、具体的には何だろう?

今朝の日経の国際2面に「時価会計の部分緩和 米金融界に賛否両論」というのがあります。

 「不良資産買い取りを定めた米金融安定化法は米証券取引委員会に時価会計を部分的に緩和する権限を与えたが、投資家団体やゴールドマン・サックスなど一部の金融機関が相次いで部分緩和反対の姿勢を打ち出した。」

 いったいアメリカの部分緩和は何をさすのだろう?

○ 時価で評価せず、取得原価で評価しましょうというものなのか。

○ 時価で評価するけど、その時価の根拠として、市場価格を使わなくてもいいでしょうということなのか。

 1028日に企業会計基準委員会が公表した「金融資産の時価の算定に関する実務上の取扱い」は 金融商品を時価で評価する場合、時価として市場価格を使わなくてもいいでしょうということ。

「時価とは公正な評価額をいい、市場において形成されている取引価格、気配または指標その他の相場(以下「市場価格」という。)に基づく価額をいう。市場価格がない場合には合理的に算定された価額を公正な評価額とする。」

金融商品会計に関する会計基準6項を素直に読むと、市場価格がある場合はそれを採用してねとなっているけど、実務上の取り扱いを公表して調整した。つまり、この市場価格はalwaysじゃなくて、売り手も買い手もいっぱいいる状態で成立する価格をいい、売り手ばっかりの場合は市場価格がないようなものだから、合理的に算定された価額の方を使ってねとしたもの

有価証券の区分を、その他有価証券から償却原価法に変更しましょうというのは、時価で評価せず、取得価額で評価しましょうというもの。

これは、まだ、日本でも決まっていない。

さて、アメリカでいう時価会計の部分緩和の内容はどのようなものなのか。

おそらく、時価で評価すること自体をやめる(期間限定なのか、対象者限定なのかはわかりませんが)ということだと思うのですが♪

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2008年10月17日 (金)

やっぱり日本も追随 時価会計の凍結

 昨日は日経平均が1089円安 でも、16日のニューヨーク市場は401.35ドル高 ということは、今日の日本市場も高くなるかな。

 今朝の日経のトップば「日米欧 時価会計一部凍結へ 金融危機封じへ非常手段」やっぱりね。という感想しかありません。日本は、特別だといいたい人がいるのかもしれませんけど、日本の会計基準だけ、他の国と異なるとやっぱりまずいですよね。

 地方銀行からの要請があったということですが、勉強したことの受け売りですが、地方銀行というのは、地場産業を営む企業へお金を貸して利ざやを稼ぐのが本来の姿ですが、なかなかいいお客さんがいない。ほんとうにいいお客さんは、地方銀行よりも都銀の方へいってしまうことが多いのかもしれないし、地方銀行に近寄るお客さんは、いまいち信用力に難がある。でも、お金はいっぱいある。そうするとどうなるかというと、地方銀行が生命保険会社のような機関投資家状態になって、うなるようなお金を本来の業務に注ぐのではなく、より収益性が高く、かつ、安全であると思われた金融商品への投資に振り向ける。そしたら、安全であるはずの金融商品がばばだった。ばばを踏んだら、いまの会計では即、評価損をたてないといけない。評価損をたてるとその分だけ利益が飛ぶから銀行の自己資本も減る。自己資本が減ると、銀行は、貸付をして失敗した場合のリスクを回収できなくなる可能性が高まるので、ますます、貸し渋る。そうすると、お金が必要な企業にお金が廻らなくなり、いっぱい企業が倒産する。

 という負の連鎖がおこると困るから、ここは、時価会計を凍結しましょう。みんなやるみたいだからねということだと思います。

 時価会計を凍結することの是非はありますが、どのような方法が検討されているかというと

 証券化商品として多く出回っているものに当てはまる会計ルールとしては 「その他の複合金融商品に関する会計処理」があります。これは、一般的な債券にデリバティブを組み込んだものの会計ルールを決めています。デリバティブ部分と債券部分に区分して、デリバティブ部分は時価評価してねというのが原則だけど、たぶん絶対安全だと思われるようなケース(格付けが高い)では、時価評価しなくていいよとされてます。

 この辺についてごちゃごちゃと新たな文言をいれて、時価にしなくていいケースを拡大するのでしょうね。

それから、有価証券は、会計上、3つ(売買目的、満期保有目的、その他)に区分して、それぞれのルールで評価されます。

このうち売買目的やその他に区分された有価証券を満期保有目的に変えることは、現在は認められていません。満期保有目的というのは、買ったときに最後まで持ち続けると決めているようなものだから、途中で変更というのは、主旨に反するということか。

でも、いまは非常事態でそんなこといってられないから、変更OKにしましょうということかな。

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2008年10月15日 (水)

あれっつ 証券税制の改正やめにするの?

 最近、株価が劇的に下がったり、上がったりしてます、今日はどっちに振れるか。

 さて、日経のトップ面に「証券の優遇税制 来年以降も延長へ 現行のまま自民検討」という記事があります。

 いまの証券税制では、個人株主(大株主じゃないよ)は上場会社の配当やキャピタルゲインについては10%の税金がとられておしまいとなってます。

 昨年の税制改正で、来年からは、配当については100万円まで、キャピタルゲインについては500万円までが10% の税金がとられておしまいという制度と決まりましたが、これは、個人株主がもらった配当を自分で電卓をたたいて合計し、100万円までが10% の税率というような計算をするようなものです。つまり、とってもじゃまくさい制度なのだ。

おまけに総理大臣になる前の麻生さんが、配当収入の非課税をぶちあげたので、これらの制度がみんな実現したら、まともに申告できないからお上も下々も大変だと思ってました。

そしたら、今日の日経では、来年から実現するはずだった配当、キャピタルゲインの課税措置をいったん白紙に戻し、現行制度を延長する方針だということのようです。

せっかく作った法律をやめにするなんてありなのかなあ。まあ、その方がずっとましだから信託大好きおばちゃん的にはいいと思うけど、でもお上にも面子があるしねえ♪

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2008年10月 2日 (木)

ダッチロール 証券化商品の時価会計

証券化商品の時価会計について、アメリカでSECが緩和方針を出しました。

 ようするに市場の混乱時なら金融商品の価格が大幅安になっても、その水準で評価損を出さなくていい。

 だって、公正な価値っていうのは、マーケットが正常な状況で、つけられた値段をベースにすべきもので、いまみたいな異常な状況でつけられた値段をベースにするのはおかしいでしょということだと思います。

 そうしないと、評価損で金融機関の財務諸表がいたんで、その財務諸表をみた投資家が株を投売りして、そして、そして と負の連鎖が続いていくかもしれないからだと思います。

 これに対して、日本の金融庁は困惑をしている。日本もアメリカに追いつかないとと思って時価会計を促進してきたのに、いきなり本家が逆行するなんてということだと思います。

 

 会計士協会が3月に証券化商品については、適切な時価で評価しなさいというお達しを出し、この3月決算で多くの金融機関が評価損を計上されたと思うのですが、これを覆すお達しをだすのでしょうか?

ご参考

証券化商品の評価等に対する監査に当たって(平成20326日)

 証券化商品が市場で取引され、そこで成立している価格がある場合は、時価として「市場価格に基づく価額」を付さなければならない。ここで「市場価格に基づく価額」とは、売買が行われている市場において金融資産の売却により入手できる現金の額又は取得のために支払う現金の額をいい、市場価格には、ブローカーの店頭において成立する価格(気配値を含む。)も含まれる。

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2008年9月19日 (金)

役員はどんだけ報酬をもらっているのか

 今日も日経はリーマン&AIG+(モルガンか?)というねたであふれかえっていますが、こればっかりも疲れるので 投資財務面に載っている「根付くか報酬ガバナンス下 

進まぬ役員の個別開示」の方を。

 投資家がなぜ上場株をもっているかというと、一にキャピタルゲイン、二にキャピタルゲイン 三、四がぬけて、五に配当や株主優待券がほしいからなのかもしれません。会社の価値がどんどんあがっていくと株価があがるから、キャピタルゲインも増えるし、配当がより多くもらえる場合もあります。

会社の価値があがるためには利益をいっぱい出さないといけない。利益は収入から費用を引いて計算されるものであり、利益をあげるためには収入を増やすか、費用を減らさないといけません。会社が稼げるかどうかは経営者の意思決定に大きく左右されるところもあるので、経営者に対する報酬がいくらなのかは重要です。利益があがっているのに報酬が少ないと、経営者はやる気をなくしてしまうので長期的業績にはプラスにならない。また逆に利益があがっていないのに報酬が高いと、余計に事業価値が減り株価も下がるので株主も黙っておれない。だから、いくら役員報酬があるのかというのは、会社にとっても投資家にとっても重要です。

で、記事にもありますが、日本はアメリカと比較すると個別開示(誰にいくら払ったか)を行う会社は少ないようです。まあ、多くの投資家がほんとうに知りたいのは、誰がいくらもらっているかということよりも、収益と報酬が適正にリンクされているかということでしょうから何も個別開示にこだわる必要もないという考えもおかしくない。また、開示内容が報酬の算定基準のみの開示にとどまる企業がそれなりにあるのですが、これは税制と関係します。

平成18年の税制改正で役員報酬あたりの税制が改正されました。改正後、役員賞与は、原則的には、税務上、費用になりませんが、役員賞与の額が事前に決まっているような場合は税務上費用としてみてもらえます。また、上場会社などが、有価証券報告書で利益をベースにどのように賞与を支払うのかを開示したような場合には、賞与を発生ベースで、税務上、費用処理をしてOKですよというようなものもあります。

後者に関してどのような開示をするのか、ずーっと興味があったのですが、任天堂さんが業績連動賞与を行っているようなので、税制にフィットした開示内容を平成20年の有価証券報告書からこぴぺします。ご参考まで♪

取締役に対する業績連動給与の計算方法

当社の取締役に対する報酬は、毎月の定期同額給与と年1回の業績連動給与によって構成します。なお、平成21年3月期の業績連動給与の計算については以下のとおりです。

 計算方法

業績連動給与=連結営業利益×0.2%×

各取締役のポイント

取締役のポイント合計


 

 取締役の役職別ポイント及び人数

役職

ポイント

取締役の数(人)

ポイント計

社長・会長

4.5

1

4.5

専務取締役

2.5

5

12.5

常務取締役

1.8

2

3.6

取締役(常勤)

1.2

0

0.0

使用人兼務取締役

0.6

4

2.4

取締役(非常勤)

0.3

1

0.3

合計

13

23.3


※ 上記は、平成20年6月27日現在における取締役の数で計算しています。

 

 留意事項

・ 取締役は、法人税法第34条第1項第3号に記載される業務執行役員です。

・ 法人税法第34条第1項第3号イに規定する「当該事業年度の利益に関する指標」とは連結営業利益とします。

・ 法人税法第34条第1項第3号イ(1)に規定する「確定額」は、6億円を限度とします。連結営業利益に0.2%を乗じた金額が6億円を超えた場合は、6億円を各取締役のポイント数で割り振り計算した金額をそれぞれの業績連動給与とします。

・ 連結営業利益に0.2%を乗じた金額については10百万円未満切捨てとします。

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2008年9月 8日 (月)

株券ペーパレス化に伴う端株の買取と税金

 昨日、予告どおり目黒のさんま祭りに行ってきました。朝、9時前には現地についたのですが、既に物凄い行列でして、2時間待ちでした。美味しかったですね。やっぱ、さんまは目黒に限ります♪

 土曜日(96日)の日経の投資・財務面に 「端株強制買取 代金、みなし配当課税 KDDI株主に注意喚起」です。

 もうすぐ株券がペーパレス化されるのですが、KDDIでは大量に発生している端株をこの際処理するようですが、いくつかの選択肢があって、ぼーっとしている株主は、税金面で損しますよということです。

 選択肢として まず2つあって、株主が自らの選択で、端株を買いまして整数倍にするか、端株を会社に買い取ってくれと請求するかというものがあります。

 で、いずれも選択しなかった場合は、強制的に残った端株を売却して代金を支払ってもらうということです。

 端株を会社に買い取ってくれと請求してお金をもらった場合、これは株式を譲渡して代金をもらったものとされます。そうすると代金を支払った時点で税金が差っぴかれない。   

こっちは、確定申告で精算してくださいということでしょ。譲渡代金よりも買った値段が高い場合は税金を払わなくていいし、逆の場合は払わないといけない。

ほったらかして強制的に換金されお金をもらった場合は、これは配当みたいなものと扱われるようです。そうすると代金を支払った時点で税金が差っぴかれる。買った値段がいくらということは関係ない。

ま、確定申告で精算したら、払った税金が還付されることもあるとは思いますが。

ただ、支払時点の手取りがどうなるかということで比較すると買い取り請求に応じた方がたくさんお金をもらえるので、有利ということかな。

一方、株主が法人の場合だったら、譲渡益課税よりも配当課税の方が望ましい。だって配当についてその金額の全部または一部を税金を計算するときに収入から除いていいというルールがあるからね。だから、敢えて、ほったらかしにする会社があるかもしれない。

いずれにしても買い取り請求は924日まで 買い増しは910日までだそうです。

端株の買取請求・買増請求についてのご案内

端株の処分に関する税制についてのお知らせ

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2008年9月 5日 (金)

日本版ESOPの会計処理はどうなるのか?

T&A master 2008.8.25 に「日本版ESOPの会計上の問題点を探る」という記事があります。

これは、従業員持株制度の応用版のようなもので、より従業員のヤル気を向上させるような仕組みだと思います。

日本ではまだそんなに行われていないのですが、スキームとしては中間法人を使ったものと信託を使ったものがあるようです。

信託を使ったものは、どういうものかというと、将来、一定の条件をクリアした従業員を受益者とするような他益信託を設定して、その信託が企業(上場会社が対象)の保証の下、お金を借り、そのお金でその企業の自己株式を買い取ります。毎月、従業員持株会は、時価で株式を買い取ります。そして、信託は株式の売却代金で、借入金を払います。信託期間が終了したとき、もし自社株の株価が自己株式を買ったときよりも高かった信託にお金が残るから、そのお金を一定の従業員に払います。というようなもの。

株価が上昇しないと従業員はお金をもらえないから企業が儲かるように従業員が一生懸命働いてくれるだろうということでしょ。

この会計上の取扱いなのですが、まだ事例は数件程度ですが、ばらばらのようです。

ようするに連結財務諸表にこの信託なり中間法人なりをいれる企業もあればそうでない企業もあるらしい。

ちなみに国際会計基準においては、このような信託を支配している企業は連結にいれるということらしいです。

日本においても会計処理をどうするかは11月ころに決められるようですね。

たぶん国際会計基準に沿った考え方になると思うのですが♪

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2008年8月29日 (金)

アメリカが国際会計基準を導入

とうとう アメリカのSECが自国の企業が国際会計基準を適用することを2014年から認める案についてパブリックコメントを求めるようです。

 Washington, D.C., Aug. 27, 2008 — The Securities and Exchange Commission today voted to publish for public comment a proposed Roadmap that could lead to the use of International Financial Reporting Standards (IFRS) by U.S. issuers beginning in 2014.

http://www.sec.gov/news/press/2008/2008-184.htm

最近のグローバルマーケットでのアメリカの地位の低下も大きな要因ですね。

日本への影響ということで日経の朝刊に書いていますが、国際会計基準を採用するとしても連結先行。 連結で国際会計基準を受け入れるとしても ①国際基準と日本基準の選択適用とするか ②全面的に国際基準とするか などの論点が多いとのことです。

ちなみに 以前もこのブログでご紹介したのですが、 日本電波工業さんは、既にアニュアルレポートを国際会計基準でおつくりになっていらっしゃいます。

 The consolidated financial statements have been prepared in accordance with International Financial Reporting Standards (IFFS) adopted by the International Accounting Statement Board (IASB) and interpretations issued by the International Financial Reporting Interpretations Committee (IFRIC) of the IASB.

http://www.ndk.com/pdf/arndk08.pdf

こちらの連結財務諸表(国際基準)と、同社の有価証券報告書で掲載されている連結財務諸表(日本基準)とを比較すると、理解が深まるかもしれません。

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2008年8月22日 (金)

研究法人ができるらしい。

今朝の日経の一面トップは、「共同研究、新型法人で促す」です。

企業が単独ではなく、共同で研究開発するための新しいツールとして研究法人を作りましょう。これは、既存の鉱工業技術研究組合をリニューアルして使い勝手のよいものにするというもののようです。

今日、はじめて 鉱工業技術研究組合なるものを知りました。

この研究法人というのは、まず法人だから、法人格を持ち、その法人としていろんな取引をすることができる。普通の組合というのは単なる契約だからそうはいかないけどね。

なお、鉱工業技術研究組合というのは、組合というネーミングだけど法人みたいです。

ご参考

(鉱工業技術研究組合法)

第2条 鉱工業技術研究組合(以下「組合」という。)は、法人とする。

法人に出資者が出資した場合、その出資した金額、株式をイメージしていただいたらわかるのですが、これは、出資した側で資産として計上されるので、出資金額を費用処理することはできません。出資した側で費用処理ができるということは、その分、出資した法人の利益が減るから、その利益をベースに計算される法人税等も減るというメリットを得られるということですが、これが株式の場合は得られないということ。

でも、研究法人は、このメリットが受けれるということです。というのも、この研究法人は鉱工業技術研究組合をリニューアルしたもので、鉱工業技術研究組合は出資した分が、税務上費用処理可能とされているようだからです。

ちなみに新聞では、有限責任事業組合(LLP)も拠出金を費用計上でき、税負担が軽いと書かれていますが、実際は、そうではなく、LLPで損失が生じたときに、一定部分出資者の所得からその損失を控除してもらえるということです。

ご参考

租税特別措置法施行令274

 法第42条の412項第1号に規定する試験研究のために要する費用で政令で定めるものは、次に掲げる費用とする

三 鉱工業技術研究組合法第13条第1項の規定により賦課される費用

鉱工業技術研究組合法第13条第1

組合は、定款で定めるところにより、組合員に組合の事業に要する費用を賦課することができる。

最後にこの研究法人が大化けして上場もねらえそうになった場合は、会社に転換することもできるようになるようです。今の鉱工業技術研究組合は、そうではないようですが。

これは、経産省の認可が必要なようですが、もしかしたら使えるかもしれませんね♪

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2008年8月15日 (金)

公益法人税制

昨日の記事 「品川に激安マンション登場」は、軽~いノリで書いたのですが、予想以上のヒット数だったので驚きました。こういうネタがネット界では喜ばれるのですね。日経の小さな記事を思ったまんま書いただけなのですが♪

 今日は打って変わって、まじめなネタを 公益法人(民法をベースに作られた社団法人や財団法人)の制度が本年の121日以降大きく変わるのですが、制度の改正に伴ってそこから生ずる経済取引に必ず絡む税制も改正されます。

 この公益法人税制の改正に関して、組織再編や連結納税、それにデリバティブなどなど法人税の改正を財務省で仕切り、2年ほど前に退職された朝長英樹さん(噂によると、在職中は、タクシーの中でビールを召し上がられなかったようです。)が、その名もずばり「公益法人税制」の本を監修、出版されました。

 この本のどこが素晴らしいかというと、この時期において、改正された公益法人税制にきちんとした批判加えながら、わかりやすい説明を網羅的になさっていらっしゃるところです。

 これは、彼しか絶対にできないことですよね。

 その批判のひとつをご紹介します。

 公益法人税制においては、普通法人(所得に対して全部課税)が公益法人等(所得のうち収益事業に属する所得のみ課税)になった場合、普通法人側では、通常とは異なる取扱いを行う規定を設けて、普通法人時代の課税関係は終わりましたよとしています。ただ、会社を解散させて、ほんとうになくしてしまう場合は、会社の残っていた財産を全部、時価で売り払ったとみなして含み益に税金をかけるような規定があるのですが、公益法人になる場合には、この規定はありません。

 他方、公益法人等が普通法人になる場合には、公益法人に残った財産のうち、収益事業課税されなかった部分の財産のうち一定部分については、普通法人がただで受け取ったものとみなして税金をかけましょうという規定があります。

 これに関する批判として

 納税義務者の区分変更に伴う課税の基本構造は、従来の課税関係を清算するという観点からは、公益法人等である法人が普通法人となる場合には公益法人等の時代に収益事業以外の事業によって稼得した利益に対する課税は行わず、普通法人である法人が公益法人等となる場合には、普通法人の時代に生じた含み益に対する課税を行うというものとすべきではないかと考えられます。

 公益法人等である法人が普通法人となる場合の公益法人等の時代に収益事業以外の事業によって稼得した利益については、課税の対象とはなっていないわけですから、従来の課税関係を清算する必要はありませんし、反対に、普通法人である法人が公益法人等となる場合の普通法人の時代に生じた含み益については、課税すべき利益に対し未だ課税がなされていないわけですから、課税を行わなければならない、ということになると考えられます。

 

 この本と平行して、財務省主税局の立案担当者がお書きになられた改正税法のすべて(平成20年版)を読むと、公益法人税制に関する理解が深まるのではないかと思われます。

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2008年8月13日 (水)

配当の非課税より金融課税の簡素化!

 昨日や今日の日経の紙面には、麻生さんが吼えた1人あたり300万円までの株式投資の配当非課税に対する異議申し立てのような記事がいくつかありますねえ。

 個人投資家が株式を持つことにより得る利益の源泉は、所有している期間に応じてもらえる配当と、その株式を売ったときに得るキャピタルゲイン。

 またまた、世の中の景気が思わしくなくなってきたので、景気対策を込めて、庶民がたっぷりもってる預金からお金を引き出し、株式に投資をしてもらおう、ついでに麻生さんの人気を高めてそーりへの道を一歩進めたいということかな。

 で、日経がわーわーいってるのは、ただでも証券税制というのは、ぐちゃぐちゃなのに、ここにもってきて300万円までの非課税のしくみをいれると、わけがわからなくなっちまう。

 麻生さん 今の証券税制がどうなっているのかわかった上で吼えてるんでっか。ただでもぐちゃぐちゃなのに、こんなん入れたら、素人がまともに確定申告でけしまへんがな。そしたら、みんな株から手を引いて、お金が預金に向かっていきまっせ。それで、よろしいんでっか、ということだと思います。

 個人の金融税制というのは、大きな目標として、金融一体課税ということで、それこそ配当や利子と株式の譲渡損失を相殺させて、それに一定の税率を乗じて税金をかけましょうというものがあります。

 その一里塚として、平成211月から上場株の配当と上場株の譲渡損失の相殺が認められました。

せっかく考えたグランドデザインを、政治家の人気取りで、ぐちゃぐちゃにするのはいかがなものかというのが日経の論調であり、これに関しては、信託大好きおばちゃんは賛成です♪

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2008年8月 7日 (木)

パーム格油デリバティブ

 今朝の日経の経済2面に「金融派生商品 食品原料高騰に対応 三井住友まずパーム油向け」という記事があります。

 今朝の日経のWorld Market(6)によると ドバイ原油の価格は116.3116.4ドルです。狂乱的な高騰が一服して下がり基調のようですが、全般的に食い物の周りの材料は高値が続きそうな状況です。

食い物周りの材料を買ってきて、加工して、製品作って売るような会社は、値上げを売値に転嫁できないと業績が悪くなってしまいます。そうなると、材料の購入費を固定させて、将来の値上がりによるリスクをさけたいというニーズが、いっぱいあるはずです。

そんなニーズに応えるための商品として使えるのはデリバティブであり、三井住友さんがメロディアンミニでおなじみのメロディアン(大阪の八尾が本社だったのですね)に「パーム核油」のスワップを販売したようです。

メロディアンさんは、パーム格油を継続的に買っていらっしゃるのでしょう。たとえば、パーム核油 1単位あたり、現在の時価が100円とします。 これは時価だから、将来、@200円になるかもしれない。そんなリスクを避けるために、スワップを組みます。

このスワップでは、たとえば、メロディアンさんが時価でパーム核油を売り(時価でお金を受け取る)、パーム核油を@120円で買う(@120円でお金を支払う)という契約とします。

そうすると、時価が200円になった場合、 メロディアンさんは、実際のパーム核油の支払は@200円ですが、 スワップ契約により @200円受け取り、@120円支払うから、スワップ契約と実需取引をまとめてみると、実質的には@120円の支払ですむことになり、時価の値上がりによる80円分の損をカバーできることになります。

ただし時価が100円になった場合も、120円の支払をすることになるから、スワップ契約をした場合は、値下がりによる20円の利益を放棄する結果にはなります。

このスワップ取引の原理はそんなに難しくないのですが、会計や税務の処理は結構大変です。これは、借入金の利息じゃないから、実際にでていったお金のところだけさくっと帳簿にのっける特例処理というようなものは使えません。

何もしないと、時価で処理をしないといけないから、毎期、デリバティブの時価を金融機関から取り寄せた資料をベースに評価しないといけません。この時価というのが、結構でかくて、会社の損益に大きな影響をあたえるところもありますし、評価益がでかいと、お金の裏づけのない利益なのに税金を払わないといけないという経済的な問題も生じます。

時価をクリアするためには、ヘッジ会計、税務を適用させないといけない。税務上の要件を満たすためには帳簿記載が必要なのだけど、信託大好きおばちゃんの過去の経験を照らして考えてみると、これをやってない会社というのがとっても多いのです。

また、事後チェックですが、この事例にあてはめると実際の買掛金の支払と、スワップによる入金の比率が80% から125%のレンジにおさまるかというようなやつなんだけど、この辺の知識というのが、いまいち日本にあまたある中小企業に伝わっていないのではないか。失敗すると、ごめんなさいではすまないのにねえ♪

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2008年8月 1日 (金)

武田薬品のM&A、移転価格がらみの組織再編

 今朝の日経の投資・財務面を読むと「武田、買収費用一括計上」というのがあります。

米バイオベンチャー買収や米合弁会社の子会社化にしたがって一括計上しなければならない「インプロセスR&D」が発生したためとあります。

第一四半期の業績の概要を読むと

TAP社の分割・子会社化 (米合弁会社の子会社化の方)

インプロセスR&D 565億円

ミレニアム社の買収(米バイオベンチャー買収の方)

インプロセスR&D 1,098億円

 買収価額>被買収会社の純資産の場合の差額は、通常はのれんとして決められた償却期間で償却をしないといけないのですが、このうちの研究開発で生じた部分については、一括計上しないといけないから、上記のような計上がなされたのだと思います。

 記事によると税務上は損金にならないと書いていますが、この場合はアメリカの税法と日本の税法上どうかということを考える必要があります。日本の税法においては、直接、武田さんが株式を取得したのならば、その株式の評価損をすぐ計上することは×ということです。武田さん自体がこれらの事業を譲り受けたことはないようですしね。

 さて、今日の記事の内容を検証するために武田さんのプレスリリースを調べたところ武田薬品の米国子会社郡の組織再編に関するプレスリリースと、移転価格の相互協議に関するプレスリリースを発見しました。

 この組織再編というのは、どうやら移転価格の問題を解決するための手段として行われたようです。

 武田さんは、2006年に日本のお上から、武田さんが間接的に50%出資しているTAP社との消化性潰瘍治療剤「プレバシド」の製品供給について、移転価格の更正処分を受け、571億円納められたようです。

 これをどう処理するのか、興味をもっていたのですが、 どうも 武田さんはTAP社を会社分割により間接的に100%子会社とし、武田さんが100% 間接的に保有しているTPNA社と合併。 そして、武田さんが100%間接保有しているTPNA社が「プレバシド」事業をやるようです。

この組織再編については、おそらくアメリカでも日本でも組織再編税制による課税がお子ならないようなスキームなのではないかなと思います。

 そして、今後の「プレバシド」の製品の価格等について、近日中に、日米課税当局に対して事前確認(その価格で取引をすることについて、あとで移転価格により課税することはないよねとお上に確認すること)を申請するようなので、平成2078日に、以前の571億円の更正について、国税庁に対し、米国との相互協議(日本で税金を払った分、アメリカで既に払った税金を還付してねということ)申立書を提出されたようです。

 まあ、50%合弁会社だから、自分たちが価格をコントロールできない。だから移転価格による課税は不当だといっても 移転価格の対象となるのは50%以上保有しているような海外関連会社を含むと法律で決めている限り、原則的は、法律に従って処理せざるを得ないですからねえ。 

それにしても、えらい、手の込んだスキームを採用したのですねえ。

*8月1日13時ころ若干修正をいれています。

  TAP社の会社分割のプレスリリースは、 

http://www.takeda.co.jp/press/article_26285.html

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2008年7月29日 (火)

環境税って何?

 今朝の日経の大磯小磯は「抜本税制改革を先送りするな」です。ようするに法人税率を低くして、消費税を上げましょうというようなこと。この辺については、いろいろ思うところはありますが、それはおいといて「環境税」のことが書いてありましたので、こっちを書きます。

 環境税って何?と考えて、Google したところ、環境税こども用リーフレット「環境税って何だろう?」を発見しました。

環境税は、地球温暖化を止めるため、電気・ガスやガソリンにかける税金。地球温暖化の原因となる二酸化炭素を空気中に出すとお金を払わなければならない仕組みだよ。温暖化を止めるために必要だという人がいて、注目を集めているんだ。

 ということだそうです。なーんも知識のない分野について、本質を理解しようとする場合、こども用の資料を読むことが一番だなあ。

 ちなみに地方税では環境税のようなものが既に導入されているところもあるようです。たとえば、福島県では、森林環境税という税金があるようです。福島県の森林を守るために、福島県に住んでいる個人や、福島県に事務所のある会社は、県民税の均等割に森林環境税分加算して納めないといけないようですねえ。

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2008年7月25日 (金)

アラブの国との租税条約 素朴な疑問

 今朝の日経の一面は「資源国との租税条約加速 政府 サウジ・オマーンと交渉」だそうです。

 税金の世界で、国際税務という言葉がしばしば使われますが、国際税務というか国際税法というかそのような法律はどこにもありません。

世界中の国はそれぞれ、独自の税法をもっており、その中で、外国の人や会社と取引をした場合に生じた所得についてどういう税金を課すのか決めています。2つの国の企業が取引をした場合、それぞれの企業のある国で、その取引について税金を課すルールがありますが、それぞれ好き勝手に作っていますから、ほっておくと、ひとつの取引から生じた所得について2つの国で税金をとるようなこともしばしばあります。それでは、国は儲かるけど、会社は困ります。お金がいっぱい国に吸い取られると、その分、投資にまわせないから会社が元気になれない。そうすると、結局、国も困ってしまう。

そこで、2つの国の間で生じた取引について、税金をどうかけるのか、2重課税が生じた場合はどう調整するか、2国間で税金のトラブルが生じた場合はどのように解決するかについてルールを決めており、それが租税条約といわれるものです。

 日本は、いろんな国と条約を結んでいるのですが、なぜか、アラブの国々とは結んでいなかったようです。昔から取引はいっぱいあったはずなのにね。記事では、カザフスタンやブルネイとも条約を結ぶようです。

 で、素朴な疑問。 アラブの国というとイスラム金融のメッカですよねえ。イスラム金融というのは、ご存知のように利子の存在を認めない。通常、租税条約では、利子から差っ引く税金の取扱いについて決めています。日本の預金の利子というのは、所得税は15%差っぴかれることになっているけど、租税条約で10%にディスカウントされるというようなものね。

 アラブの国々との間の租税条約の間でもこの利子の規定を入れるのかなあ。もし、いれるとして、租税条約というのは、たぶんアラビア語でも作られると思うのですが、利子をどのように表現するのでしょうか。また、実際に租税条約を使って利子に対する源泉税を減らすような取引がいっぱい発生するのでしょうか♪

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2008年7月23日 (水)

クーポン・スワップのリスク

クーポン・スワップという金融商品があります。異なる通貨を交換しようというデリバティブですが、特徴なのは、元本は交換せずに、金利部分のみを交換するようなものです。

先物の値段というのは、現物の値段より高くなるはずです。今、現物を借金して買い将来売って損しないようにするためには、今の現物の値段+利息となるからです。でも、為替の場合はそうならない場合が多い。なぜなら、円の金利よりも、ドルの金利の方が高いから。今、円でお金を借りて、ドルを買って、そのドルをドル預金で運用すると、受取利息>支払利息となるから、差額分だけ先物の値段が安くてもいいわけです。こんな金利差を利用して、クーポンスワップというのは組成されます。このクーポンスワップによると、外貨の交換レートというのが当初はとってもおいしいレートで固定され、為替変動によるリスクが避けられるといいうものです。

ただ、このクーポン・スワップにもリスクがあります。クーポンスワップで固定されたことにより、何もしなかったら得たかもしれない為替差益を享受することができないというのがあります。

そして、もうひとつの潜在的だけど大きなリスクとして税務上のリスクというのがあります。簡単にいうとクーポンスワップは税務上、ヘッジ処理が、原則的には、難しいので、毎期、クーポンスワップを時価で評価して、評価損益を計上しないといけないのです。評価益がでたら、その分税金を払わないいけない。しかし、評価益というのはキャッシュを伴わない利益だから、儲けに対する税金が払えないというリスクが生ずるわけです。この辺の知識があまり浸透していないのではないかなあ。一般的には。

ここからオタク系――――――――――――――――――――――――――――――

会計上は、数年前に長期為替予約みたいなものは、原則的には時価で計上してねというお達しがありました。

税務上のお話ですが、一般の事業会社がクーポンスワップを組むのは、輸入企業が、外貨建買掛金の支払にあてるような場合が多いのではないかなあ。

外貨建債権債務についての換算方法は発生時のレートか、期末レートを選ぶことが出来ますが、買掛金については、原則は、期末時レートとなります。会計上も期末時レート。

外貨建債権債務については、期末時レートで計上しないといけないのですが、例外的に、為替予約をした場合や、直先フラット型の通貨スワップの場合は、振り当て処理といって、固定させたレートで計上してもいいですよとなってます。そして、予約時レートと直物レートの差は期間配分してねと。

でも、クーポンスワップは、為替予約でもないし、直先フラット型の通貨スワップにも該当しない。なぜなら、元本は交換せず、利息だけ交換しているものだから。

じゃ、振り当て処理はだめでも繰延ヘッジ処理はOKかなとなるのですが、これもだめ。だって、ヘッジ処理というのは、ヘッジ対象を時価評価しないから、ヘッジ手段のデリバティブの時価評価しないでいいですよねというものです。ヘッジ対象の買掛金は、通常、税務的には期末レートで評価替えするということは時価評価することになるのです。なのに、その手段であるデリバティブだけ評価損益を繰延るのはおかしいでしょという理屈です。この辺の意味合いは条文(法法61の6①一、二)の中でもしっかり書かれていますね。

で、留めを刺すというのもなんですが、平19. 1.29 東裁(法)平18-162の裁決がありますので、ご興味のある方は、国税不服審判所のページで裁決を検索してください。争点は、「特殊な損益の計算/5外貨建債権債務の評価損益」です。

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2008年7月18日 (金)

非上場株の価格算定への指針を作るそうです

昨日(717日)の日経の夕刊に非上場株、価格算定へ指針という記事がのっていました。

非上場株 つまり、その会社の株を、誰でも自由にマーケットで買うことができないような会社の株というのややっかいなものです。その会社が儲かってたり、含み益が多いと株価は高くなります。固定資産税がかかるわけでもないので、普通に持っている状況だと別に困らない。でも、相続のときは、そのときの会社の価値を一定のルールで計算して、それをベースに相続税を払わないといけないのです。価値が高いと、当然、相続税も高くなるのですが、その価値の高い非上場株というのは、売れないのです。だから、相続税が払えない、困った。それだったら生前に会社をやめて、誰かに株式を売りたいけど、その値段をどうつけたらいいのか、これがまたわからない。

今の非上場株式の価値の尺度というのは、お上が決めた相続税の評価のベースになる財産評価基本通達になっています。この財産評価基本通達というのは、その非上場株式を誰がもらったかによって、まず価値を2つにわけます。大株主側と小株主側。

小株主側にとって、非上場株を持つ価値というのは、その会社の支配ではなく、配当をもらえる権利だから配当の利回りをベースに価値を計算しましょうとなっています。

一方、大株主側にとっては、会社をコントロールする価値があるということで、その会社の大きさの大小や、その会社が事業会社なのか、それとも持株会社や不動産のかたまりのような会社なのか等の区分によって、たとえば、その会社の相続時に会社が解散したらいくら?という観点や、同じような業種の上場会社の株式と比較してどのくらいの価値がある?という観点などなどから算定されます。

お上公認の株価算定ルールのベースになるのは、過去形の数字でした。これは事実ですので、うそのつきようがない。

 昨今のM&Aで会社の価値を算定する方法としては、過去形の数字でなく、これから将来稼ぐかもしれない予想利益をベースに計算する方法が、主流です。

 今回、中小企業庁が、非上場株式の価格算定の指針を年内にも作るようですが、この方法の中には、巷で主流の将来稼ぐかもしれない予想利益ベースの算定方法もいれようと考えていらっしゃるようです。

 良くも悪くも、算定者の主観が入らざるを得ない将来利益を評価を、お上公認の財産評価に取り込むことも視野にいれていらっしゃるようですが、お上も下々も納得できるような評価基準を構築することが出来るでしょうかねぇ。

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2008年7月17日 (木)

日本に利益を還流させる2つの方法

 今朝の日経のトップは「製造業の税負担率 最低 国内より低い税率 海外に利益、還流せず」です。

 昔の日本の企業は、企業の成績は経常利益の大小で見る傾向にありました。税金なんて、天から降ってくるものなので、自分たちでどうすることもできないところもあるから。

でも、今は、全世界的な動向として、企業経営者の成績は連結ベースの税引後利益で判断されるようです。最終的にどれだけの利益を残せたかが大事であり、そうなると、利益の半分近くもっていく税金をいかに減らすかも経営者の腕であるということになります。

そこで、多くのメーカーはコストが低く、また、稼いだ利益に対する税率が低い国に進出しました。そして、現地で稼いでも、日本に配当という形で戻すと、配当に40% の税金がかかってしまうのは、あほらしいから稼いだ利益はその国で再投資にまわしました。

かくして、日本の企業はさまざまな苦境を乗り越え復活しましたが、利益は海外に残ったまんまで日本に還流されず、それが将来的な日本の繁栄に暗い影を落とすのではないかという懸念が広がってきました。

そこで、どうも2つの方法でこの問題を解決しようと考えているようです。

1つは、海外の子会社などから日本の親会社に対して配当を支払った場合、その配当に対する税金を免除しましょうというものです。日本の子会社が日本の親会社に対して配当を支払った場合は、親会社サイドでこの受取配当を益金(税務上の収入)にしませんという規定があるから、これを海外の子会社にもあてはめましょうということだと思います。今でも、外国の子会社が配当を払った場合は、その子会社が外国で払った法人税のうち配当対応部分を親会社の法人税から控除できるという仕組みはあるのですが、これが複雑系なのだ。

でも、この制度を作る場合、いろんな問題点があります。たとえば、海外に進出する形態は子会社だけではない。金融機関などは免許の関係があるから支店で進出している。子会社の配当を非課税にするのだったら、海外支店の利益も非課税にしないと、同じ海外の利益なのに税負担に差が生じてしまう。税金の世界では、実質的に同じ経済取引に対して、税負担が異なる場合、かならず裁定取引が行われますからね。

 2つ目は、日本の法人税率を下げること。一面に「都市と地方 豊かさ再評価 アイルランドの奇跡」という記事が載っていて、アイルランドが法人税率を日本の3分の1程度に抑えた結果、欧州最貧国からGDPが世界第4位の金持ち国に変身したらしい。

だから、日本も税率を下げたらいいということでしょう。

でもね、税金というのは、会計上の利益に税率をポン乗じて計算するのではありません。

会計上の利益を税務上の利益に調整するわけです。たとえ、会計上費用として計上して

も、税務上、費用として計上できなければ、その分だけ税務上の利益は増えます。たとえ、税率を下げても、税務上の費用を減らした結果、法定税率は減少しても、企業の税負担率は変わらないということも当然あるわけでして、そうなると、頭のいい企業の人たちは、やっぱり日本に利益を還流させないでしょう。

なんてことを、新聞をさらっと読んで、ふっと考えてみた信託大好きおばちゃんでした♪

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2008年7月16日 (水)

デリバティブの評価損益の認識と、金融庁のPEに関する参考事例

今朝は、非常に税法オタクなお話です。

 先日、金融庁のPEに係る参考事例 Q&Aという記事を書きましたが、今日は、そのマニアックな内容に関する疑問を

 金融庁のPEに関する参考事例というのは、日本にPE(恒久的施設、お金儲けをするための一定の場所)のない外人投資家が、たとえば、日本の会社の株を、日本の投資顧問会社と一任契約(おまかせ契約)を結んで売り買いして、配当やキャピタルゲインが生じても、これらの所得について、投資顧問会社が外人投資家のPEとみなして日本で法人税を課税することは、原則としては、ないですよ。せいぜい、配当を支払うときに、源泉税を20% 限度でいただくだけで、基本的には日本で課税しませんよというものです。

 株の場合は、わかりやすいのです。問題は、デリバティブなんです。金融庁のペーパーを読んでいると、投資顧問会社は、日本の会社の株だけでなく、デリバティブの運用もしていいのですよ。

 デリバティブというのは、大きく分けて、3つのカテゴリー、すなわち、先物、先渡取引、スワップ取引、オプション取引というものに分類されます。それぞれ、似て非なるもの。とくに、先物グループ、スワップグループと オプショングループは、税法的には少し形が違うような気もするのです。

 デリバティブの課税のしくみの基本形は、契約を結んだときから、デリバティブを結んだ当事者が法人である場合は、毎期、期末にデリバティブを時価評価して、評価損益を計上しないといけないシステムなのです。

 次に日本の税法において、日本の国内において生ずる所得と認められるものとして次があります。

「国内において行う事業から生じ、又は国内にある資産の運用、保有若しくは譲渡により生ずる所得(次号から第11号までに該当するものを除く。)その他その源泉が国内にある所得として政令で定めるもの」(法法138①一)

そして、日本にPEのない外国法人に対して、日本のお上が日本で税金払えといえる範囲は次と定められています。

「第138条第1号に掲げる国内源泉所得のうち、国内にある資産の運用若しくは保有又は国内にある不動産の譲渡により生ずるものその他政令で定めるもの」(法法141①四イ)

つまり、日本にPEのない外国法人でも、日本にある資産の運用もしくは保有により生じた所得については税金を払わないといけない。 だから、株式投資をしたときは、配当については源泉税がとられるのですが、キャピタルゲインについては資産の譲渡による所得だから、国内源泉所得だけど、買占めでもしない限り、日本では税金がかからないのです。

株式投資なら簡単だけど、デリバティブというのは難しい。そもそもデリバティブのポジション(契約上の地位)というのは、資産なのか否か、この辺に関しては、以前ご照会した 税務大学校研究部教育官の中村隆一氏の論文「国内源泉所得の研究 -国内源泉所得の1号所得における「資産」概念」によると、ポジションも資産だぁなんておっしゃってる。

また、中村さんの論文で紹介された宮武敏夫弁護士の「デリバティブ取引の所得源泉法則」(税務弘報Vol47 No6)によると、ポジションを資産とは考えないが、少なくとも、オプションを買った場合、これは権利だから税法上は資産だとおっしゃってます。

中村説は強烈なので、宮武説に沿って考えると日本のオプションの保有から生ずる所得、つまりデリバティブの評価益については、たとえ、日本にPEのない外国法人といえども日本で税金を払わないといけないと考えられるのです。独立代理人がいようがいまいが、そんなの関係ない。

では、どのような契約を結んだらオプションは、日本の資産となるのでしょうか。オプションを売ってるのが日本の会社だったら日本の財産なのでしょうか。

この辺の議論というのがあまりなされていないような気がするのです。だから、今回の改正は、株に関してはわりとクリアにされたのですが、デリバティブの所得に関してはクリアにされていない。信託大好きおばちゃんの勉強不足だけなら、ハッピーなのですが♪

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2008年7月14日 (月)

農林中央金庫のサブプライム評価損

 今日は、新聞がお休みらしい。 コンビニでどうしようと思って 週刊ダイヤモンド2008/7/19を読んだら、「米銀を再び窮地に追い込む「カバードボンド」導入の衝撃」という記事があったので、ぱっと買いました。

 以前、このブログ「証券化商品の次にはやるのは何だ?」(2008/5/30)でカバードボンドをちらっと紹介したことがあるので、ええっと反応したからです。

 カバードボンドというのは、証券化商品の一種なのですが、ローンを証券化して、焦げ付いたような場合、投資家がそのローンを最初に組んだ金融機関に金払えと要求できるようなもののようですね。今、世の中に出回っている商品では、元のローンが焦げ付いた場合の損は投資家が被ることになっていて、それが大問題になったのですが、カバードボンドにすると投資家は救われる。かもしれない。でも、カバードボンドを発行すると、金融機関は資産をオンバランスにしないといけないから自己資本比率が下がってしまう。そうすると、またまた資本増強をしないと大変なことになるという問題をかかえることになるそうです。

 で、今日、信託大好きおばちゃんがより反応したのは、この記事にある「損失拡大に歯止めがかからない 主要金融機関のサブプライム関連損失額」という表なのです。

 この表にベスト18(?)が載っているのですが、日本の金融機関は、みずほファイナンシャルグループさんと野村ホールディングスさんだけでなく、なんと農林中央金庫さん、1,869億円も入っているではないですか。

 農林中央金庫さんって、日本のバブル崩壊のときも渦中の会社だったような記憶があるのですが、懲りないのですねえ。

 とりあえず、農林中央金庫のホームページに、ぴょんと出かけてみました。

まず、430日のプレスリリースでは、

「平成20年3月期決算(単体)に関しましては,保有する有価証券につきまして, いわゆるサブプライム関連で約1,000億円,金融市場混乱の影響により海外の証券化商品と株式で約1,800億円,合計約2,800億円の減損・引当処理等が生じる見込みです。」

この辺の損失に関しては、20083月期決算概要説明資料で、ディスクローズされていらっしゃいます。

ダイアモンドの記事に載っている1,869億円というのは、

商品区分別の損失額として掲載されているものの集計であり、この表によると

住宅ローン担保証券が 205億円、債務担保証券が1,664億円です。

で、プレスリリースのサブプライム関連の損失約1,000億円の明細は、サブプライム住宅ローン担保証券 (サブプライムRMBS:一次証券化商品)が205億円、サブプライムRMBSを含むABS-CDO(二次証券化商品)が816億円です。

ここから、オタク系

税効果の方の資料をみると、有価証券償却で損金とならないものの残高が20年末は48,448M円 19年末が19,914M円ということは 差額28,534M円を40%で割り戻した約713億円くらいの評価損を税務上は否認させています。つまり、サブプライム等の証券化商品の評価損の一部は損金性を認める処理をしていらっしゃいます。どんな基準で振り分けたのか興味あ